清水の新監督にヨンソン前広島監督が有力だというので、改めて、第33節の広島VS東京戦、つまり広島が残留を決めた試合を観戦してみた。

 ヨンソン監督就任当初は、「なんだか、広島も、特徴も長所も何もない、凡庸なチームになっちゃったなあ」という印象を、個人的に受けていた。最初の頃は、堅守速攻に重点を置いていたのではないかと思う。

 しかし、今回観てみた第33節の広島VS東京戦は、だいぶ様相が違った。この試合、広島はキーパーも含めかなり低い位置から丁寧にボールを繋ぎ、「あ、ミシャ~森保時代の広島っぽいな」と感じた。また、ラインを下げ過ぎず、前から圧力をかけ、また奪われたらすぐ取り返すなどして、主導権を握る戦い方ができていた。まあ、最終的にゴールを奪うという仕事に関しては、外国人のアタッカー頼みであることは事実だが、シーズン終盤の広島は、単なる堅守速攻ではなく、前政権のポゼションやビルドアップの遺産も活かしながら、それなりにアグレッシブな戦いができていたのだなと、認識を新たにした次第である。

 それで、肝心の問題は、ヨンソン監督が清水に来たら、清水がどう変わるかだろう。正直言って、それは良く分からない。第33節の東京戦で見られたような、ディフェンスラインからの丁寧な繋ぎで相手の守備網をかいくぐるような組み立ては、過去数年の広島の伝統がなせる業であり、あんなもんを今の清水のディフェンスラインがやったら大怪我をしかねない。

 おそらく、ヨンソン監督はあまり明確な自分の色を持っておらず、チームの状況や現有戦力に合わせて戦い方を変えていくタイプなのではないか。だから、危機的状況で広島の指揮を任された当初はわりと単純な堅守速攻で当座をしのぎ、シーズン終盤にかけて徐々にチームを成熟させていったと、そんな感じではないかと想像する。もしそうだとすると、「ヨンソン革命」、「ヨンソン・マジック」で清水が大躍進するということはないかもしれないけれど、大きく崩れることもないのかなと、そんなイメージである。

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