エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

2024年10月

1984

 正直言うと、今回の栃木戦、チームおよびサポ層と自分との間で、温度差を感じた。所長も2016年の昇格決定の時には徳島の地まで駆け付けたが(というか、その感動で弊ブログを始めた)、今回はとにかく前節ホーム山形戦の失望が大きく、また都合も悪かったので、現地参戦は回避し、自宅でDAZN観戦しかできなかった。本音を言えば、自分のアイスタ参戦が確定している次節・いわき戦で決めてくれた方が個人的に嬉しいのだが…といった感情も多少あった。

 他方、個人的には長崎との勝ち点差が大きく開いた時点で、昇格は時間の問題と思っていた。なので、焦点は、J2優勝を達成できるか、そして来季J1に上がっても戦えるような基盤が作れるかだと考えていた。J2優勝するためには、当然この栃木戦は必勝である。そんなこんなで、だいぶ屈折した思いを抱えながら、この栃木戦を自宅観戦したわけである。

 それにしても、秋葉清水のサッカーの中身は、シーズン終盤にかけて、ヤバい下降線をたどっている。今回の栃木戦では、練習中のアクシデント等あり主力を何人か欠いていたが、それは栃木も同じだし、そもそもチームとしての戦い方が確立されているのなら、多少メンバーが変わっても質は落ちないはずである。確かに、降格危機の栃木は必死だったが、失礼ながら、今の栃木さん相手にろくにチャンスクリエイトもできないのは、相当深刻である。なので、セットプレーでかろうじて1点を奪うだけの勝利は、相当お寒いなというのが観ていての感想で、個人的には高揚感ほぼゼロであった。

 なので、試合終了のホイッスルが鳴り、選手、チーム、そしてサポさんたちがあんなに喜ぶとは、思わなかった。北川の、ありえない愚行すらも、「美談」のようにされ、皆が喜びと安堵に浸っている。

 それで、試合終了後に、FC横浜VS岡山の試合をダイジェストで観て、ちょっと心境が変わった。はっきり言って、今J2で一番強く、また競争が激しいのは、プレーオフ進出に向けしのぎを削っている千葉、岡山、仙台、山形だろう。サッカーというのは、状況次第で波がある。あのフリエですら、死に物狂いの岡山には、4失点することもあるのだ。だとすれば、シーズントータルで結果を出したチームこそ勝者であり、曲りなりにも清水が再び順位表のトップに立ったのだから、今日のところは喜んでいいのではないか。シーズン終盤は、とにかく「結果」であり、近年成し遂げられなかったその「結果」を、今こうして達成したのだ。今はファミリーとともに、この結果を喜ぼう。そんな心境に変わった。

 まあ、ひとしきり喜んだら、またJ2優勝と来季以降を見据えて、グチっぽい内容が増えると思うが(笑)。チームも、すぐに切り替えるものと信じる。


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1992

 自慢ではないが、所長は今季、現地参戦した試合はずっとすべて勝っていた。まあ、苦手のアウェーにあまり参戦してないだけという説もあるが(笑)、それでもアウェー千葉戦の勝利は現地で見届けたし、今季は参戦全勝なんて慶事に恵まれるのではないかなどと期待していた。

 しかし、国立での横浜FC戦でそのジンクスも途切れ、せめて現地観戦した試合は無敗でいてほしかったのだが、今回の山形戦でそれも途切れ。

 個人的なことは別として、チームに目を向けても、良いジンクスが、最近ことごとく崩れている。国立の長崎戦では、今季初めて、ホームで敵に先制を許した。そして、今回の山形戦では、今季ホーム初黒星の上に、初の逆転負け。今季は、過去2シーズンとは異なり、試合終了間際の失点で勝ち点を落とすということがほぼなかったが、今回の山形戦の敗戦は、2022年のAD失点清水を見ているようだった。

 落語家に指摘されるまでもないが、機運が最高潮に盛り上がり、「ここで勝たなきゃ」という試合を、ことごとく落としてきたのが、我が清水の歴史である。またもそれが繰り返された。

 ということ以上に、痛感したのは、「渡邉晋監督のチームは、シーズン終盤にかけて完成度を上げ、しり上がりに強くなっていく。秋葉監督のチームは、シーズン終盤に勢いを失い、しりすぼみになっていく」という格差である。秋葉さんはそれを気力・体力の問題だと捉え、シーズン前のキャンプでハードな走り込みをすれば解消できると思っていたようだが、山形と清水の格差はプレーモデルの有無、オーガナイズの質の違いである。

 まあ、最近はあんまりポジショナルプレーという言葉も聞かなくなったが、今回の山形のサッカーを見ていて、久し振りに「ファイブレーン」という言葉を思い出した。それくらい、山形は選手がどのコースを走り、どういう風に攻撃を組み立てるかということが、整理されていた。

 対する清水は、試合後のコメントで矢島がチームへの強烈な駄目出しをしているとおり、とにかく個人任せで、グチャグチャである。試合後の監督コメントには見るべき点が一つもなく、途中出場の一選手の方がチームの状況を雄弁に語っているというのは、なかなか珍しい現象だ。昇格目前で、まだ優勝の可能性もあるチームが崩壊寸前というのも、これまた珍しい。


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 昨晩開催されたキングオブコントの決勝で、ラブレターズというコンビが優勝したのだけど、その決勝ネタにジュビロ磐田が登場したことが話題になっている。磐田の公式が「優勝おめでとうございます」と大人の対応をしたのが救いだったが、個人的には、面白くはあったけど、心からは笑えなかったという感想である。

 ネタの内容は、海岸で黄昏れていた女性が、実は磐田の狂信的なサポで、磐田の低迷とJ2降格見通しに絶望し、ゲン担ぎでやっていた坊主頭をバリカンでさらに刈り上げようとして、女性をナンパしようとしていた外人男性が引きまくる、といったものだった。

 このコントの笑い所は、大して強くもない田舎サッカークラブを命懸けで応援し、やれ飛び跳ねたり、意味不明な願掛けをしたりという「やべぇやつ」の生態である。つまり、今回はたまたま磐田という設定だったが、要するに我々Jサポが揶揄されているわけである。ラブレターズがどこまで本気でJサポを馬鹿にしているのかは不明で、逆に愛ゆえという気もしないでもないが、それが笑いの対象になっていることに変わりはない。「Jサポというのは一般国民からは理解し難い奇怪なマイノリティ」という前提があって成り立っているネタということであり、これはラブレターズ云々というよりも、そういう日陰の存在になってしまっているとしたら、我々Jリーグのステークホルダーは危機感を持つべきだろう。

 ラブレターズのネタに関して言えば、仮に「よくいるやべえJサポ」をネタにするにしても、今現在、実際に降格危機に直面している磐田を題材にするのは、趣味が良いとは思えない。末期がん患者に「お前は死ぬ」と言い放つようなものである。そりゃまあ死ぬだろうが、笑いものにしていいとは思えない。

 こういうネタをやりたいのなら、架空の、いかにもありそうな、それでいて名前だけで笑えるようなクラブ名を考えるべきだろう。実際に存在するものを笑いものにしてはいけない。仮に愛ゆえであろうと、不快に思う人は多いだろう。


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1976

 清水が近く自動昇格を果たすことは確実だが、去年よりも力を付けたからそれが実現するとは言いがたい。J1が18チームから20チームに拡大した結果、町田、磐田、ヴェルディといった強敵がJ2からいなくなり、J2のレベルが落ちただけだ。現に、上から落ちてきた横浜FCに、結局清水は勝てなかった。今、清水が自動昇格圏を維持しているのも、長崎が勝手に失速してくれたお陰だし。このまま、優勝できずに、単に2位で自動昇格を果たすだけだったら、清水は自力では何も成し遂げていないに等しい。

 そりゃあ、去年の悔しい経験があるから、今年は何としても昇格というのが、至上命題ではある。そして、それを達成しつつあるのだから、最悪というわけではない。しかし、この低レベルなJ2で、自分たちのサッカースタイル、J1に上がっても通用する組織的な戦い方をしっかりと構築することなく、昇格という結果だけを手にするとしたら、不毛な1年だったと言わざるを得ない。

 失礼ながら、水戸さんというのは、1試合で1点とれるかどうかというチームである。それを相手に、前半だけで2失点というのは、あり得ない話だ。先方は、自分たちから仕掛けて相手を崩すことはできない。つまり、清水が勝手に崩れて2失点したということである。

 この水戸戦で浮き彫りになったのは、結局秋葉清水は、ボールを運ぶ形も、相手を崩す形も、持っていないことだ。力任せ、個人任せのサッカー。ボールの繋ぎは個人のアドリブの積み重ねなので、綱渡りのようになる。その綱渡りをやってのけた時には「上手っ」となるが、失敗すると奈落の底に落ちる。

 秋葉監督のビルドアップ軽視の弊害は大きい。水戸戦での1失点目も、よくある右サイドのビルドアップの詰まりからだった。右SBの原は孤立し出し所がない場面を良く見るが、今回も相手に密着マークされているブラガに無理やりつけようとして、そこからほころびが生じた。

 最近、カルリーニョスが先発で使われず、不思議に思っていたが、この水戸戦のパフォーマンスを見て、納得させられた。悪い時の彼にありがちなように、舐めプレーに終始した。今季限りでの退団が決まっているのか、集中力がまったくなかった。良い選手で、これまでの貢献には感謝しているが、もう居ないものと考えた方がいいだろう。

 最近、秋葉監督よりも、矢島や権田のコメントの方が、チームの問題を如実に語っている気がする。


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