エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

2023年12月

1685

 まあ、Jの中で、一番最後まで所属カテゴリーが決まらなかっただけあって、来季に向けた編成は、出遅れるわな。増してや、GMが退任となれば、編成も難航するだろう。

 それにしても、大熊GM、連れてきた選手が悪かったとは決して思わない。クラモフスキーには冷たかったが、ロティーナの引き抜きは見事で、それに合わせた選手獲得もちゃんとやった。しかし、そのロティーナで降格危機に陥ってしまったのが、大誤算だった。あそこで、踏みとどまれていれば、今頃J1でAクラス争いくらいはしていたと思うのだが、意中の監督で失敗し、あとは後手後手の監督起用になってしまった。

 そんなわけで、チームをめぐるモヤモヤは晴れないが、数少ない朗報として、新スタジアムに関しては、ちょっとだけ前進した感がある。こちらによれば、

 静岡市の難波喬司市長は22日、JR清水駅東口の製油所跡地で民間企業と連携して新しいサッカースタジアムや商業施設などを開発する方針を明らかにした。工業専用地域の区分を商業地域に変更するほか、今年度中に民間企業からアイデアを募り、来年度から開発に向けた本格検討に入る。

 しかし、静岡市は、条件整備はするけれど、カネを出すつもりはないということが、ますますはっきりしてきた。この点では、難波市長は田辺前市長と同じ姿勢であり、失望を禁じ得ない。恐らく、鈴与が巨額投資をして、商業的に成り立つ複合開発に踏み切らない限り、スタジアムは動かないだろう。

 ところで、新スタジアムに関連し、個人的にはぜひとも実現してほしいと思っている点がある。静鉄電車の、JR清水駅東口(すなわちスタジアム前)までの延伸である。そのイメージ図が、上の地図だ。

 一部、車と一緒に走る路面電車になってしまうかもしれないが、ぜひやるべきである。ただ、直角に曲がるのは厳しく、ルート上にある区画の再開発や立ち退きなども必要になるかもしれない。そうなれば、まさに行政の出番だろう。静岡市は、スタジアム建設費を出さない、せめてもの罪滅ぼしのために、静鉄と連携して、静鉄電車の延伸をぜひとも実現してほしい。


よかったらクリックお願いします
にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村

2022slogan

 町田で監督をやっている黒田という人が嫌いだ。しかし、今季のJ2で、成功したのがあの人であり、失敗したのが我々だ。この事実から、謙虚に学ばなければ、清水の再生はない。

 自分が、町田における黒田監督のマネジメントに関し、一番強く印象を受けたのは、こちらの記事に見る以下のようなくだりである。

 チーム体制が変わり、戦力も大幅に入れ替わりがありながら短期間でチームをまとめあげた黒田監督のマネージメントは見事だった。昨季の町田は42試合で50失点。その失点の多さから、黒田監督はすべての失点シーンの映像を徹底的に分析し、守備から立て直しを図ったという。

 これこそ、昨今の清水に最も欠けている点ではないだろうか。昨年、2022シーズンの清水は、試合終盤の失点により、数えきれないほどの勝ち点を落とした。サッカーでは、後半アディショナルタイムの失点で勝ち点を落とすのは、まあ時々はあることだが、どんなに多くても、年に2~3回ではないだろうか。それが、2022年の清水の場合には、正確には覚えていないが、10試合近くあったのではないか。これはほとんど、オカルトの世界である。

 だが、オカルトで片付けていいはずはなく、試合運びにしろ、個人戦術にしろ、何か必然的な原因があったからこそ、試合終盤の失点で勝ち点を落としまくったはずなのだ。

 では、清水というクラブは、試合終盤の失点という怪奇現象を徹底解析して、それをチーム全体で共有し、対策を練り上げ、2023年のチーム作りに生かしたのか? とてもそうは思えない。そもそも2022年終盤の時点でゼ・リカルドは求心力を失っており、選手たちは監督の手腕に疑念を抱きながら、2023シーズン入りしたようだ。そんな状態で、前年の失敗を検証し全員でそれを克服するような気運が生まれるはずはない。「まあ、J2だから、何とかなるっしょ」くらいの感覚だったのではないか。

 秋葉監督に代わり、失点したり、敗戦したりした時の、反省の度合いは増したと思う。そのあたりは、「我関せず」といった雰囲気のゼ・リカルドよりはマシだったと思う。しかし、秋葉監督は精神論に終始し、「集中力が足りなかったから」といった話で片付けがちだった。対策は座禅。これでは、黒田監督のように、一つ一つの失点を具体的に検証し、映像を使いながらその再発を防ぐ手をしっかりと打つ町田に、上回れるはずはない。


よかったらクリックお願いします
にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村

1660

 J2の今季ベストイレブン、1位や2位のチームからは1人ずつしか選ばれていないのに、4位の清水から権田、鈴木義宜、乾の3人が選ばれたということが、やや物議を醸しているようである。

 ある意味で、象徴的だと思う。これが意味するのは、やはり清水は個人に依存する部分が大きかった、あるいは、清水は個の力はあるのにそれを上手く組み合わせて結果を出すことができなかったということだろう。

 他方、町田や磐田は、傑出した個の力は限られていたが(エリキは確かに傑出していたが)、それでも組織として上手くマネジメントした結果、J1昇格を勝ち取ったということである。

 もちろん、個の力を証明した清水勢3名は称賛に値するが、清水というクラブとしては大失敗の1年だった(それでも体制は継続の方向らしいが)。


よかったらクリックお願いします
にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村

1202

 「勝負弱い」チームがプレーオフに回った時点で、それはもう難しいわけだが、かと言って、こんな悪趣味なマンガのような結末が待っていようとは。絶望のあまり、言葉が出ない。

 近年の清水は、PKを得ることも、与えることも、少ないチームだったと思う。今季も、リーグ戦ではPKをとられたことは記憶にない。判定は限りなく誤審に近いとは思うが、それにしても、あれだけ無難にコントロールしていた試合展開で、あまりにも軽率なプレーだった。

 秋葉監督は、あの人ができることはすべてやってくれたとは思う。前監督の負の遺産さえなければ、普通に自動昇格できていたはずである。その意味では、来年頭から秋葉さんで行けば、今度は大丈夫と、思いたくもなる。

 しかし、秋葉さんがやったのは、前任者の呪縛から解き放っただけで、それ以上の何かを構築できたわけではない。清水の予算規模からすれば、高給取りの選手たちに自由にプレーをさせれば、ある程度の結果は出る。ただ、その結果が、勝負所での星をことごとく落としてのJ2の4位、プレーオフ敗退だったわけで、秋葉体制継続の論拠としては弱い。選手が残ってくれたとしても、戦術型の監督ならチームの成熟を期待できるかもしれないが、気合型の秋葉さんが空元気を吹き込み続けたとしても、全員一つずつ歳を食うわけで、むしろ劣化が進みそうである。

 一年でのJ1復帰という前提での既存戦力保持、ベテラン依存だったと思うが、ここまで上積みがないとすると、解体的出直しが必要なのかもしれない。


よかったらクリックお願いします
にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村

↑このページのトップヘ