エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

2023年06月

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 前半を観て、「ああ、今日は点をとれないな」とは思ったが、まさか失点までするとは。

 まあしかし、秋田の側は、観ていて楽しいサッカーではないけれど、戦力が低いなりに、勝つために必要な作業をそれぞれが忠実に実践しているという印象だった。タレント無き町田と言おうか。

 残念だったのは、後半のかなり早い時間帯で(具体的には49分に失点すると)、清水の選手たちに焦りやイライラが見えたことである。確かに審判は酷かったが、それよりももっと酷いのは自分たちのプレーなのだから、自分たちに矢印を向けるべきだろう。

 この試合を観る限り、清水の選手たちは止める・蹴るが本当に下手である。もちろん、チームとして上手く行っていないので、下手さが増幅して見えるというのはあると思う。ただ、チームとして機能していないのを技術で補うようなことはできておらず、逆になっているのが残念だ。

 たとえば、良い頃のフロンターレの試合を観ていると、パスをする時に、パスを受けた選手が次にどういうプレーをしてほしいか、たとえば「利き足に出すからそのままスペースに運んでくれ」みたいなメッセージ付きのパスであることが多い。今の清水の選手は、「味方がいる方向に適当に蹴る」みたいなパスばかりであり、しかもそれが往々にして1メートルくらいずれたりする。こうなると、パス回しはボールを失わないだけでやっとになってしまい、いくらパスを繋いでも時間がかかるだけで相手は容易に対応できる。

 戦術=乾とはよく言ったもので、秋葉清水-乾=無 ということが良く分かった秋田戦だった。


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 群馬の地でも、清水が勝てない時のお馴染みのパターンを繰り返してしまった。良いリズムで攻めているようでいながら、先制点が奪えない。そうこうするうちに、何だかよく分からない失点をして、試合が難しくなる。その後、必死に巻き返すものの、同点がやっと、頼りの乾が退いて、万事休す、といったところだろう。

 押し込めば押し込むほど、得点の匂いがしないというのは、何なのかな。このあいだ、秋葉監督のインタビューで、試合前に欧州のゴールシーンを選手に見せてイメージさせているというような話を読んだが、効いているようには思えない。ゴール前のフリーキックも、西澤やディサロが外すのを見て、「知ってた」と言いたくなるような、期待感のなさ。

 アウェーとはいえ、先方はJ2残留だけを目指しているクラブのはず。秋葉清水、時々大量得点するから、錯覚してしまいがちだけど、本当に弱いんだな。


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 そんなわけで、浦和に勝ち切れず、天皇杯に続いて、ルヴァンも終戦となってしまった。

 正直言うと、最近個人的に、J1のダイジェストなどを観ると、そこが清水が戻るべき場所ということは分かるのだけれど、「こんなところに戻ったとして、清水はやれるのだろうか…」などと、弱気になっていた。権田のスローモーション発言ではないが、今年清水がJ2でやっているサッカーに比べると、ダイジェストで観るJ1の試合はスピードやインテンシティが別次元に感じられ、とても清水では通用しないのではないかなどと思ってしまうからだ。

 そういう意味では、ルヴァンでJ1勢と公式戦を6試合やれたのは、日程的にはキツかったが、自分たちの現在地を知る上で、有益な機会だった。そして、結果としても、Bグループの中で2位でフィニッシュ。浦和には2分、川崎には1勝・1敗、湘南にも1勝・1敗と、どれも五分だった。しかも、川崎と湘南相手の敗戦は、状況的に最初から負けを覚悟した戦いであり、ある程度本気を出した試合ではすべて勝ち点をとった。

 まあ、ダイジェストで観ると、良い場面ばかりなので(笑)、J1のレベルがすごく上に見えるというのもあるだろう。実際やってみて、今の清水がJ1にまったく歯が立たないということはなさそうだ。言い換えれば、J3に負けることもあるが、J1に勝つこともあるというのが、秋葉清水ということか。自分たち独自のサッカーが確立されているわけではないので、先制点とか、そういうことに左右されて勝ったり負けたりというチームなんだと思う。

 現実的に考えれば、今回の敗退で、秋の日程はかなり楽になる。ミッドウィーク開催とされていたリーグ戦を、週末に振り替えることが、近く発表されるはずだ。


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 天皇杯敗退、リーグ戦アウェー連敗中、謎の大量離脱と、チーム状態はどん底だったが、どうにか勝利。

 それにしても、清水と熊本は正反対のチームだ。タレント力だけの清水と、組織力だけの熊本。熊本は昨年躍進したが、今季開幕前、大量の戦力を抜かれ、今季の戦いは難しいものになるのではないかと予想されていた。しかし、新加入選手も、完全に大木流のショートパスサッカーを身につけ、チームとしてしっかりと機能しているのは、さすがだ。ネームバリューのない選手たちが、皆きっちりと機能している。味方が必ず上手い位置にいて、淀みなくパスが繋がっていく様は、今の清水には到底実現できないものだ。ついでに言えば、ポゼションが上手いチームはスローインもスムーズと言われるが、この点も、スローインで異常に時間をかけたあげくにマヌケにも相手に奪われたりする清水とは正反対だと感じた。

 というわけで、サッカーの構成力の部分では、熊本が月、清水がスッポンだった。ただ、熊本の場合には、せっかく巧みなボール回しで敵ゴール前に迫っても、そこからの迫力がない。もしそれがあったら、今回の試合も、清水は2、3失点していたのではないか。

 思えば、近年の清水は、「ウノゼロ勝利」とは縁遠いチームになっている。去年は最後に必ず追い付かれたし。今年も、ウノゼロ勝利はこれが初めて。勝つ試合で大量得点できること自体は喜ばしいが、ぎりぎりのせめぎ合いになった試合で、1:0で粘り強く勝ち切るようなことは、まったくできていなかった。そう考えると、熊本戦の勝利は、大量得点の大勝よりも、価値があると言えそうである。


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 「こんなところ」などという表現を使ったら山形さんに失礼かもしれないが、やはりうちとモンテでは、かけているお金、地元の熱量、クラブとしての規模が全然違うと思う。確かに先方は調子が上がっていたし、実際戦ってみてもしっかり守ってくる相手ではあったが、やはりJ2中位の普通のチームと言わざるをえない。その相手に、良い入りをしながら、勝ち切れないとは、本当に先が思いやられる。

 これで、アウェー3連敗となったわけだが、以前も書いたとおり、実はこのアウェー3連敗で個人的には、清水の攻撃の質は上がっているように感じている。

 たとえば、ゼ・リカルド時代は、シュート数が多く、「あとは決めるだけ」という言い訳が良く聞かれたが、当時の清水の試合を観ていて、シュートが入らないのは必然だと、個人的には思っていた。時間をかけてタラタラ回した挙句に、可能性が低いペナ外からのシュート、ロングクロスからのシュートと、苦し紛れのフィニッシュばかりであり、あれでは入らないのは当然だった。リカルド時代の「あとは決めるだけ」は、完全なウソだった。

 しかし、今回の山形戦の前半は、本当に「あとは決めるだけ」だったと思う。そして、前半のうちに1点でもとっていたら、追加点もオマケでついてきて、完勝できたはずである。

 ただ、いったん追いかける展開になると、そして選手交代をすると、とたんに攻撃のクオリティが落ちるというのは、何とかならないものか。今回の山形戦の後半など、草サッカーにしか思えなかった。

 勝ちパターンに持ち込めば大量得点で大勝するが、いったん歯車が狂うと反発力を示せないというのが、今の清水だろう。これでは厳しい。


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