エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

2022年03月

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 こちらの記事が伝えているように、静岡市の田辺信宏市長はこのほど、清水エスパルスの本拠地となる新たなスタジアムの建設構想について、「経済界とも対話して整備の方向で検討していきたい」と述べたということだ。また、29日の定例会見では、「市の財政規律は堅持しなくてはならない。経済界とも対話して整備する方向で検討していきたい」と発言したということである。

 これを分かりやすい言葉に翻訳すると。静岡市は新スタジアムの建設に財政負担をするつもりはなく、あくまでも田辺市長肝いりのプロジェクトである水族館建設を優先し、それが完成したあかつきに、もしもお金が余っていたら、市としても少しくらいは出してやるかという話である。そして、市としては本格負担するつもりはないので、どうしてもやりたかったら、民間がカネを出せばいいと言っているわけである。財政規律を言うなら、水族館も凍結したらいいのではないか。

 さらに、こちらの記事によれば、30日午後、土地を所有するエネオスの幹部が市役所で田辺市長と面会したということである。本来なら、その直接対面で、市長から協力の言質を得て、スタジアム建設決定に向け大いに弾みがつくところだろうが、市長が反対派である現実を目の当たりにし、エネオス側がどう思うか。これでは進むものも進まない。

 それでいて田辺氏は、「何万人も集まれば、サッカー観戦プラスアルファの付加価値があるのが魅力だと思う。地域経済の活性化を期待したい」と期待を表明しているそうである。つまり、市はカネは出さないが、民間が作ったスタジアムで市が活性化すれば、それは私の業績として誇れるので、あなたたち頑張りなさいと言っているわけである。この男はどこまで面の皮が厚いのか。

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 日曜日に行われたエリートリーグの名古屋戦、個人的に時間が無くて視聴できずにたのだけれど、昨晩ようやく観ることができた。てか、普通はW杯予選ベトナム戦の方を観るよな。代表はダイジェストだけで省略。

 結果は5:4勝利。エリートリーグは、どちらかが極端にメンバーを落としたりするので、大差になったりすることはあるけど、今回のようにお互いに派手に点を取り合うというのは、なかなか珍しいだろう。たくさん点をとれたことを喜ぶべきか、それとも大量失点したことを嘆くべきか。。。

 気になったのは、清水はそれほどピンチが多かったわけでもないのに、そのピンチをことごとく決められ、実に淡白に失点を重ねたことである。4バックのうち2人はユースだったとはいえ、浴びたシュートが7本だけなのに、それで4失点してはダメだろう。特に、セットプレーで簡単にやられるあたりは、リーグ戦のメンバーとも相通じる現象であり、改善が急務だ。あと、GK永井のプレー振りが、昨年よりも不安定に思われた。

 4-4-2を基本に戦っている平岡清水だが、この名古屋戦では髙橋大悟トップ下の4-2-3-1に近く、大悟が前線で張るよりも低い位置まで下りてビルドアップに参加する姿が目立った。そのせいか、いつものリーグ戦よりも、若干ボールの巡りが良かったような。まあ、相手のプレッシャーがなかったからと言えば、それまでだが。

 成岡のナイス・ミドルシュート、ゴリのごり押しヘッド、割とたくましかったホナウドの中盤君臨など、まあ色々成果はあったかな。

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 個人的に、相変わらず仕事が忙しくてお疲れ気味であり、昨晩はエリートリーグ名古屋戦のアーカイブを観ようとしたのだが、途中で寝落ちしてしまった。なので、引き続きルヴァン名古屋戦の話を。

 ルヴァン広島戦、清水の2点目はフリーキックのこぼれから原輝樹が押し込んだものだった。つくづく思うが、原はああいうプレーが本当に上手い。確か昨年もJ1アウェー徳島戦で原がゴール前で鋭く反応して決めたゴールがあったし、ホーム大分戦でもゴール前の混戦から原が上手く合わせて貴重なゴールを奪ったことがあった。

 原は、守備のユーティリティプレーヤーであるわけだが、一番の持ち味は鋭いクロスだとか、こういうペナ内でワンタッチでゴールに流し込むようなプレーだったりするのが面白い。

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 今季、リーグ戦で、GK権田のサブとして、大久保択生がベンチ入りしているのを目にして、「あれ? 永井は怪我をしているのかな?」なんて思ったりした。何となく、昨年からの流れで、権田>永井>大久保という序列イメージがあったからである。

 しかし、永井に怪我の様子はないし、リーグ戦では引き続き大久保がサブに入っている。カップ戦では、大久保スタメン、永井サブという状態が続いている。間違いない、現時点で大久保が永井を上回っており、序列を上げたのだと理解していいだろう。まあ、GKコーチが交代したので、コーチの「好み」が反映されたりするのかもしれないが、何にしても、大久保の努力の賜物だろう。

 さすがは、昨季最終節の権田スピーチで、練習に取り組む姿勢を称賛された大久保である。昨年は公式戦出場がまったくなかった大久保だが(エリートリーグは除く)、人間、諦めずに努力を続けていれば、チャンスは巡ってくるのだなと、そんなことをつくづく考えさせられる。

 ルヴァン広島戦も、半分は大久保の活躍で勝ったようなものである。序盤のジュニオール・サントスのミドルシュート、後半のコーナーからの野上のヘディングシュートなどは、権田でも止められたかどうかというナイスセーブだった。

 怪我人が多く、各ポジションやりくりが難しいが、3人という最小限の人数ながら、GKだけは妙に充実し、激しいポジション争いとなっている。

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 ルヴァンのアウェー広島戦は2:1の勝利。それにしても、生放送無しとは、スカパー!にもなめられたもんだ。クソ高い料金とりやがって、録画放送かよ。

 さて、試合間隔があるので、カップ戦とはいえ、ベストメンバーに近かったこの試合。対戦相手の広島は、リーグ戦ではまったく結果が出ず、逆にルヴァンでは2連勝中と不思議な状況だった。今回、実際戦ってみたところ、広島は今後はリーグ戦でも上がってくるチームだろうと感じた。スキッベ氏というドイツ人の新監督の下、良い試みはしているけれど、まだそれが勝ち点に結び付いていないだけの状況だろう。まあ、個人的にスキッベ氏のことは存じ上げないが、広島は監督の人選を間違うようなクラブではないし、終わってみれば順位表の真ん中から上くらいには行くのだろうなと感じた。

 問題は清水の方で、やはりボールを持って運ぶということに、相変わらず苦労している。良い位置、距離感、角度に味方がいて、スムーズにボールが繋がっていく広島に対し、清水はビルドアップが詰まってばかりで、最終的には確率の低いロングパスでボールを失うというのが基本的な形勢だった。だから、清水に関しては、「このサッカーを続けていけば上がって行ける」という手応えが感じられない。

 ただ、それがそのままスコアに表れるわけではないのがサッカーの不思議なところで、今回の広島戦のように、カウンターとセットプレーで2点とってしまい、あとは守備を固めて逃げ切れば、時々勝つこともできる。

 明らかに上位進出やタイトルを狙えるようなサッカーではないが、今はこんな形で勝ち点を拾い、自信を付けたり、自然発生的にでも戦う形を構築していくしかないのかなと、そんなことを感じた。

 まあ、いずれにしても、ルヴァンでグループステージを突破するためには、極めて大きな勝ち点3だった。


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 清水のクラウドファンディングはラストスパートが効いて成功に終わったが、まだ孤独な戦いを続けているクラブが身近に存在する。県民の皆さんならご存知とは思うが、「アスルクラロ沼津・J退会危機 存続をかけた大一番 #ホームスタジアム照明改修」である。

 アスルクラロ沼津は現ホームスタジアムの照明を改修できなければ来年からJリーグライセンスが取得できずJリーグにいることができなくなります。法人設立30周年を経た今、自ら競技場照明を改修し、次の30年に向けて新しいステージに挑戦します。あくまでも目指すはJ2以上、静岡県東部に必要とされる市民クラブです!

 沼津は、県内にあるライバルでもあるが、清水から近い場所にこういうクラブが存在してくれることは、メリットにもなる。ジュニアがお世話になったように、今後も清水の若手選手のレンタル先になるかもしれない。練習試合を組むのにも、至近距離にJクラブがあるのは有難い。清水のレジェンドである伊東輝悦が現在も在籍している。

 考えてみれば、J1では神奈川県のチームが連続して優勝する状態が何年も続いている。このままでは、チーム数や成績などで、神奈川県が日本随一のサッカーどころということになってしまう。静岡県がそれに負けないためにも、沼津にはJクラブとして存続してほしい。

 所長も、清水のクラファンに投資したついでに、沼津にも協力させてもらった。皆様も、せっかくCAMPFIREのアカウントをお作りになったことだろうし、支援なさったらどうか。まあ、すでに沼津のクラファンも目標額の3,000万円を突破したようだが、照明改修には1億円必要と言われており、クラファン資金が多すぎて困ることはないだろう。

 それにしても、伊東輝悦とか、ゴン中山とか、沼津ゆかりの人が、清水や磐田のホームゲームで募金を呼びかけたりしたら、あっという間に浄財が集まりそうな気がするのだが(特に静岡ダービーでやったらよかった)、なぜそういうことを考えないのかね。困った時はお互い様だよ。


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 そんなわけで、昨晩のオーストラリア戦に勝利し、日本代表はワールドカップ・カタール大会への出場を決めてくれた。

 それにしても、思うのである。もしも、2002年の自分に、「20年後のW杯アジア最終予選の大一番って、こんな雰囲気だよ」と教えてやったら、20年前の自分は驚愕するだろう。何しろ、20年くらい前までは、W杯本選だけでなく、予選すらも国民的行事だった。日本全体を巻き込む一大イベントだったのである。それが昨今では、コロナ禍ということが大きいとはいえ、ホームゲームでは空席が目立ち、アウェー戦は地上波中継が無いと来た。昨晩あたり、W杯出場を決めても、渋谷に人々が繰り出してハイタッチ、なんてこともなかったみたいだし。かく言う所長も、仕事が忙しすぎ、昨晩オーストラリア戦があることを、当日まで忘れていたくらいだ。世間も、自分も、だいぶ熱量が低下した。

 昨晩の試合に関しては、オーストラリア側で監督が指揮をとれないかも?とか、怪我人続出とか、トラブルが多く、先方のチーム状態が厳しすぎた。あの程度のオーストラリアなら、アウェーとは言え、日本が上回るのが順当だろう。とはいえ、前半は日本も相手のバタバタとしたサッカーに付き合ってしまい、もしも出会いがしら的に(?)デュークに決められでもしたら、難しい試合になっていただろう。後半、より手堅い戦い方にシフトし、最後は三笘という切り札を使い、順当に寄り切った。

 当S研ブログでは半年ほど前に「カタールW杯で清水の権田がピッチに立つ可能性」と題するエントリーをお届けした。その時に申し上げたのは、日本がカタール大会に出られる確率が8割くらい、大会時に権田が日本代表の正守護神である確率が6割くらい、そして清水に在籍している確率が7割くらい、したがってその時点で「清水の権田がカタールW杯のピッチに立つ確率」は70%×60%×70%で、つごう30%くらいというのが、所長の見立てであった。

 それが、昨晩勝利したことでカタール大会出場は10割、森保監督は恐らく続投でメンバーはほとんどいじらないから大会時に権田が日本代表の正守護神である確率は8割くらい、そして権田が完全移籍したことで大会時に彼が清水に在籍している確率は9割5分くらいにはなったのではないか。なので、100%×80%×95%=76%ということになり、「清水の権田がカタールW杯のピッチに立つ確率」は4分の3くらいにまで高まったことになる。めでたい。

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 当S研ブログ、絶賛ネタ枯れ継続中。これはしばらく前なのだけど、セレッソ戦が終わった直後の解説動画で、戸田和幸氏が清水について指摘していたことの要旨を簡単にまとめておく。

  • 清水はサイドバックが高い位置をとるが、相手にすればその方がアプローチをかけやすい。サイドバックが無駄に高いと、センターバックからロングボールを蹴るか、サイドバックのところでボールを奪われるかの、どちらかになってしまう。
  • ビルドアップの時にゴールキーパーが高い位置をとってボール回しに加わるべきかは微妙な問題。相手がプレスに来た時にGKが前にいすぎると、センターバックもバックパスをしにくいし、ミスが起きた時にゴールががら空きという状態になってしまう。清水、セレッソともにその部分が整理されていない。
  • 清水のプレスは、サイドハーフはあまり前に出さない。2トップがアンカーの位置も消しながら動いてプレスをかける。しかし、それを一生懸命繰り返しても、相手のどちらかのセンターバックはフリーなので意味がない。4-4-2で、2トップだけで相手の2センターバックとGKとアンカーを全部見るのは無理。このあたりがまだ守備の構築ができていない部分だろう。プレスの時は、もっと大胆に誰かが加わる必要がある。たとえば、サイドハーフが広がったセンターバックを狙うといったことがあっていい。
  • 相手の動きを見て、ベンチからの指示を待つまでもなく、自分で判断して立ち位置を調整したりできることが理想。
  • セレッソ戦、山中のクロスから2失点したのは、クロスの質が良かったというのが大きい。しかし、それを事前に警戒してイメージして動くことができていなかった。ボールにアタックする人が一人しかおらず、次のサポートがいなかった。
  • 清水は、中心選手が戻ってくれば変わるのかもしれないが、今のところ「とはいえ」の部分が続いている。まだ試合消化数が多くなのでそれほど勝ち点差は広がっていないが、このままではどんどん広がっていくわけで、今のうちに改善に取り組むべき。
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 相変わらず、年度末で仕事が忙しく、大したネタもなく恐縮。

 リーグ戦は小休止中で、清水は直近では26日(土)にルヴァンのアウェー広島戦を控えている。通常ならば、リーグ戦からはややメンバーを落とし、普段は出場機会の少ない選手に出番を与えたりする。しかし、今回はルヴァン広島戦の前と後に1週間という充分な間隔がある。何と言っても、今季開幕以来、清水は全然戦う形ができておらず、なるべくベストメンバーですり合わせをしたいという思惑があるはず。それに、何やら色あせてきたとはいえ、一応は「タイトル獲得」を目標に掲げて入った2022シーズンであり、ルヴァンでもこのあたりで勝たないと、グループステージ突破が難しくなってくる。というわけで、土曜日の広島戦、どちらかと言えば、リーグ戦に近いガチメンで戦うことになるのではないか。

 そうなると、若手の出場などは難しくなるかもしれない。見てみたい選手の一人に、こちらの記事にもあるとおり、川谷凪がいる。確かに、先日のエリートリーグで後半に投入された時のパフォーマンスは出色だった。清水のサイドアタッカーの中では、個の力で打開してくれそうという意味で、神谷やカルリーニョスに次ぐくらいの期待感がある。

 問題は、この記事の中で本人も述べているように、守備力だろう。当S研ブログでも先日述べたように、当然のことながら平岡監督はサイドハーフの人選で守備力を重視しており、ある程度経験のある高橋大悟あたりでも、その点で監督のお眼鏡に適うかどうかは微妙である。

 まあ、一度、公式戦に出るかどうかで、ルーキーの意識というのはガラリと変わったりするものである。ルヴァン広島戦で、先発までは難しいにしても、後半途中からでも、川谷にチャンスを与えてみるのは一案かもしれない。

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 エスパルス誕生30周年の目玉企画として発表されたクラウドファンディング「清水エスパルス創設30周年をファミリーみんなで作り上げる」だが、締め切りだった昨日、めでたく目標額の7,000万円を達成した。

 一時は中だるみが酷かったが、最後の1日、2日くらいで急に伸び、最終的には目標額を大きく上回る83,731,280円でフィニッシュした。最後の最後、ケツに火が付かないと本気にならないという、いかにも清水らしい幕切れだった。

 今回のクラウドファンディング、イマイチ盛り上がりに欠けたのは、集めた資金が何に使われるのかがどうもピンと来ず、サポの琴線に触れにくかったというのがあるのだろう。新スタの建設とか、もっと明確な目的意識を掲げるものだったら、より一層支持が集まった気がする。

 とはいえ、サポの側は、チーム30周年という節目に当たって、一応は義理を果たした。今度は、チームが成績でそれに応える番だろう。特に記念マッチのマリノス戦で敗戦は許されない。

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 平岡監督いわく、神戸戦は守備から入ったということなので、メンバーの人選も守備重視だったということになる(と言っても、現状では選択肢は多くないわけだが)。その狙いが端的に見えたのが左サイドハーフであり、そこに後藤をもってきた。もちろん、前提として、後藤が怪我から復帰して出場できる状態になったということがあったとはあったと思うが、守備のテコ入れという意図があっただろう。

 後藤は、決定力はアレだが、清水のアタッカー陣の中では守備意識が高く、粘り強い方だ。なので、後藤を左サイドハーフに置き、神戸の右SB酒井の攻め上がりに対する防御に当てようとしたのだろう。

 逆に言うと、前節のセレッソ戦で守備対応の弱さを露呈した高橋大悟は、どうしても優先順位が下がり、控えに回ったと解釈できる。得点の期待感は後藤より高そうだが、その前に失点してしまったらゲームプランが狂うので、先発は計算のできる後藤ということになったのだろう。

 ただ、高橋大悟に限らず、清水のサイドハーフ要員は、守備面があまりストロングではない。神戸戦で先発した中山も時々「穴」になるし、リハビリ中の西澤あたりも守備面の不安がある。

 カルリーニョスが復帰すれば、デュエルは割と強いかな(強く行き過ぎて余計なファウルをすることもあるが)。

 そう考えると、攻守のバランスが一番良いサイドハーフ候補は、やはり白崎なんだよね。彼をサイドハーフ起用できるくらい、ボランチの戦力が揃ってくるといいのだが。

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 ホーム神戸戦は、なかなか苦しい試合だった。やはり全体として、良いポジションをとる、動き出しをするといった点において、神戸と清水には明確な優劣があり、それがそのまま試合の形勢に表れた感じだった。アイスタで隣にいた爺さんが、「なぜ前にパスを出さない! なぜ攻撃がそんないに遅い? なぜシュートを打たない!」とずっとキレていたが、どちらかというとそれは結果であって、選手たちだって前を向いてプレーしたいはずで、そうさせてもらえなかったということが問題なのだろう。

 劣勢ではあっても、神戸にも決め手はなく、このままスコアレスで行くのかと思っていたところで、67分にイニエスタ、クルキッチが登場。神戸のアタッキングサードが一気に活性化し、いつ清水が失点してもおかしくない状況となった。この試合内容で引き分けられたのは、ラッキーと言わざるを得ない。清水の側にも意外に決定機はあったが、自分たちで作ったというよりは、転がり込んできたようなチャンスだったし、「勝てた試合だった」と言うのは図々し過ぎるだろう。

 しかし、意外にも試合後に平岡監督は、手ごたえがあったというようなコメントを残している。

 神戸に対して何をすべきか、または先週、先々週からの課題としていた守備のところを今週1週間整理しならが入ってきて、「良い守備から良い攻撃」ということをテーマに選手たちにイメージを共有してやってきた。それが上手く行ったところが多く出ていたと思う。そこで決めきる、決めきれないというところはあるかもしれないが、90分間全員が集中を切らさずにコミュニケーションを取ってハードワークをしてくれたことには感謝している。

 もっとできることもあるかもしれないが、今最低限のことはみんなやってくれたし、最後も体を張って防いでくれた。当然ラッキーなところもあるかもしれないが、それを呼び込んだのも、自分たちがハードワークをしていたからだと思っている。

 今季、開幕前のコロナ感染や怪我人続出もあり、「見切り発車」のような開幕になってしまった。出だしは悪くなかったが、徐々に誤魔化しが効かなくなり、連敗、大量失点の傾向が出ていた。そこで、サッカーではよくあることだが、「まずは守備から」ということで入った、神戸戦だったわけか。

 ただ、そうは言っても、「今回に限っては、攻撃の方にはほとんどフォーカスしていなくて」という監督発言を聞くと、え、そうなの?!と驚いてしまう。

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 今の神戸のことを、「豪華食材の闇鍋」とか言ってた人がいたけど、まあ確かに波に乗れていないことは事実だろう。我々は清水の怪我人の多さを嘆いているわけだが、どうしてどうして、神戸だって怪我人は多い。フジモンも長期離脱らしいし。日程面で神戸が不利なのは言わずもがな。

 前にも書いたけど、神戸はリーグ戦ではまだ勝利が無く、先日のACLプレーオフでようやく公式戦初勝利。それも延長突入とかなり苦しんだ。

 神戸が苦しんでいるのは、まず得点力不足。ACLプレーオフの試合を拝見すると、アタッキングサードの崩しの形なんかはちゃんとできている。ただ、イニエスタのひらめきによるところが大きいので、今日の試合でも、イニエスタが出てくるかどうかで、先方の攻撃力が大きく違ってきそうである。セルジ・サンペールも負傷離脱したそうなので、中盤の展開力は限定されるかな。

 あと、神戸はセットプレーからの失点が多いそうだ。確かに、メルボルンとの試合の失点シーンを見ても、コーナー守備のゾーンディフェンスでぽっかり穴があいたようになっていた。今季の清水のコーナーはあまり得点の予感がしないのだが、このあたりで一つ欲しいところだ。

 清水の方は、これまで試合に絡めなかったカルリーニョス、後藤あたりの名前が、メンバー表に加わっていると嬉しいのだが。

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 個人的に、年度末で仕事がやたら忙しく、エスパルスに割ける時間が少なすぎる。かろうじて清水の試合だけは観ているものの、それ以外の試合を観る時間はないし、清水関連の情報なども追う余裕がない。ゆえに、シーズン真っただ中の割には、ブログはネタ枯れである。

 そうした中、こちらの記事によれば、

 清水エスパルスは17日、U-23韓国代表FWオ・セフン(23)が18日からチームに合流することを明かした。同選手は2月24日に蔚山現代FCからの加入が発表されていたが、新型コロナウイルスの影響で来日できない状況が続いていた。

 ということは、今頃、三保に元気に姿を現しているところだろうか。

 「来日できない状況が続いていた」と言うが、隔離期間もあるわけだし、実際にはしばらく前に来日はしていたのだろう。ただ、閉鎖的な空間で一人で過ごしていたはずなので、満足なトレーニングなどは当然できていなかったと想像する。むしろ、「体がなまっている」状態だろう。試合からも長らく遠ざかっており、今年に入ってからはサッカーをちゃんとプレーはしていない感じではないか。

 「すぐにでもリーグ戦に出場して、離脱中のチアゴ・サンタナに代わるポスト役を」と期待したくなるが、現実的に考えれば、4月後半くらいのデビューが目安になるだろうか。その頃には、サンタナも復帰できそうだし、加藤の状態も上がるかもしれず、ジュニアも急成長を遂げ(?)、急にポストタイプの戦力が増えることになるかもしれない。

 問題は、それまでの期間を、どうしのぐか、だな。

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 当S研ブログでは、静岡市の田辺信宏市長には清水エスパルスの新スタジアムを建設するつもりが一切なく、市が「調査費」などを計上したところで、それは時間を稼ぎ、自分の在任中は何としてでも建設を回避するための見せかけ調査に過ぎないと論じてきた。

 ただ、今年に入り、清水駅前に2026年頃にも新スタジアムが完成する見通しとの情報が伝えられ、さすがの反対派の田辺氏も、新スタ待望論に抗えなくなり、建設を容認したのかな、などという雰囲気になった。

 しかし、田辺氏はあくまでも田辺氏だったようだ。煮ても焼いても食えない男というのは、この市長のことだろうか。こちらこちらの記事が伝えているとおり、田辺氏が優先するのは「もちろん」海洋文化施設であり、スタジアムの優先度は低いのだそうだ。「スタジアム完成は当初想定された2026年度より後になりそうだ」ということである。

 田辺市政による「調査」は、時間を稼ぐための調査、批判をかわすための調査、つまりは自分の代では新スタは死んでも建てないための調査であることが、はっきりしてきた。


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 個人的に、「今年こそは」と期待したものの、リーグ戦が開幕してみるとどうにも清水の戦いは冴えず、結局今年もまた、対戦相手の不幸を願うような、そんな負け犬根性が頭をもたげつつある。

 それで、次節の対戦相手は、神戸。神戸は昨晩、オーストラリアのメルボルンVをホームに迎え、ACLプレーオフを戦った。もちろん、願うのは、神戸がなるべく消耗してくれることである。おあつらえ向きに、試合は90分では決着がつかず、延長にもつれ込み、神戸は勝ちはしたものの、120分のタフな戦いを強いられた。土曜日の清水戦まで、中2日ではなく、中3日であり、3日あるとだいぶ楽になるとは聞くが、ベテラン依存度の高い神戸にとって、楽な日程とは言いがたいだろう。

 まあ、しかし、ここ数年の清水、対戦相手がACLで厳しい日程だったりして、そのアドバンテージを活かして勝ったという記憶が、まったく無い。日程のキツい相手の方が、なぜかプレー強度が高かったりして、全然アドバンテージを活かせていないのだ。

 他方で、上の画像に見るとおり、神戸は今年、まだリーグ戦で未勝利である。ただ、清水の場合、こういうのも良い材料とは言いがたく、未勝利の相手に、「シーズン初勝利」を献上したりする傾向がある。一体、どういう相手、どういう状況なら、我が軍は勝てるのか、誰か教えてほしい。

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 そう言えば、セレッソ戦の翌日、13日(日)にエリートリーグのホーム湘南戦があったんだ。すっかり忘れていたけど、昨日ようやくYouTube配信の動画を観た。

 しかし、エリートリーグというのはその時々の状況やチーム事情によってメンバーがガラリと変わるし、大味な試合になることが多い。今回の湘南戦も、結果的に8:1と大勝したが、どこまで真に受けてよいのやら。清水側は1.5軍くらいだったのに対し、湘南側は若手・ユース主体の2軍だったのだろう。湘南側の1点をあげた若月大和こそ期待の新エース候補だろうが、その他のメンバーは失礼ながら名前を知らない人が多かった。

 8:1と大勝はしたものの、得点の多くは、相手の集中力が切れた終盤に奪ったもので、試合全体で清水がそこまで圧倒したわけではない。湘南の若手に急所を突くようなパスを通されていたし、清水側のビルドアップのミスも多かった。

 清水の側から見た収穫は、まず、ヴァウドがフル出場してリーグ戦でもやれる目途が立ったこと。ただし、画面上「福森悠悟」と表示されていた立田が、負傷退場したのが、なんとも気になる。後藤も2得点と活躍し、怪我ではないことが判明した。ジュニア、千葉寛汰がそれぞれ2得点と気を吐き、終盤投入された川谷凪もゴールを奪って存在感を見せた。

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 髙橋大悟、先日のJ1初出場に続いて、セレッソ戦にJ1初先発を果たし、その試合で見事J1初ゴールもあげた。素晴らしい飛び出しとシュートセンスだった。

 しかし、本人も試合後に反省していたとおり、1失点目は大悟の守備の対応ミスから喫したものであり、プラマイゼロという評価になってしまう。

 今回のセレッソ戦でも出てしまったように、やはり大悟はサイドハーフで使うと、守備の弱さが出てしまう。J2ではそれほどほころびが生じなかったかもしれないが、J1でああいう軽い守備を続けていると、先発起用というのはなかなか難しいだろう。最近、滝の守備が意外と粘っこい感じがしているので、その観点では、大悟よりも滝の方が序列が上になりそうだ。大悟は、広大なスペースがある場合の突破とか、バイタルでのシュート力が光るが、今の平岡清水の4-4-2の右サイドハーフは、何だかやりにくそうである。

 となると、大悟の起用法は、どうしても点が欲しい時に後半60分、70分くらいに投入するとか、そんな感じになるのかな。セレッソ戦の先発も、掴み取ったというより、怪我人が多くて、お鉢が回ってきたという感じが無きにしもあらず。

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 昨シーズン、最終節でセレッソに勝ち自力残留を決めたのが12月4日だったから、それから3ヵ月あまりが経過したことになる。「負ける気がしなかった」あの時期と比べ、今の清水はどうだろうか。監督は留任したし、メンバーもそれほど変わっていない割には、ベースとなる戦い方がない。この3ヵ月での上積みは、ほとんど感じられない。12月に気持ち良く勝ったセレッソが相手だっただけに、果たして清水の現在地はどうなのか?と、首をかしげることになってしまった、昨日の試合だった。

 お互いに、FWの人材難という印象の、メンバー表だった。FWのクオリティの差で勝敗が別れたというよりも、相手の左サイドバック山中の質によって、違いを作られてしまった。以前から山中にはしてやられている印象が強いが、フリーで上げさせてしまったし、割と単純なクロスでも、球筋が恐ろしく鋭く、清水のディフェンスラインが対応できなかった。清水のディフェンスとGKの間にクロスを入れるというのが、セレッソ側の狙いだったのだろう。そこから2失点もしてしまったので、今後、他のチームからも狙われそうである。

 それにしても、ビルドアップの機能不全は、重症だ。優勝候補マリノスのハイプレスに屈したのは仕方がなかったかと諦めがついたが、セレッソのような中堅クラス相手でもボールを運べないとなると、自ずとJ1における清水の位置付けのようなものが見えてきてしまう。

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 そんなわけで本日はホームのセレッソ戦。某サイトのプレビューによれば、セレッソとは、「J1でのホームゲームは6連勝中で12試合負けなし(8勝4分)と、『IAIスタジアム日本平』ではかなり優位に立てている」ということである。あれ、そんなに相性良かったっけ? 確かに、自力で残留を決めた昨年の最終節や、北川がありえない角度から決めて勝った2019年の試合など、印象に残る勝利はいくつかあるが。まあ、あれだな、J2時代の2016年にホームでセレッソに負けているんで、その印象が強いというのもあるな。

 セレッソはまだ今季リーグ戦で勝利がないようだけど、ダイジェストで見る限り、だいたい競った試合をやっており、そんなに悪いという印象はない。ただ、絶対的な点取り屋が見当たらず、それで勝ち切るのには苦労しているのかなと想像する。FWブルーノメンデスもコンディションの関係か、出たり出なかったりで。DF西尾が怪我でU-21日本代表のキャンプを不参加になったり、復帰したDFマテイヨニッチがまだ仕上がってなかったりで、ディフェンスラインのやりくりも苦しそうだ。

 決してみくびるわけではないけど、先方の現状からしたら、何としても勝利が欲しい一戦だ。

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