エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

2022年01月

 昨日、第100回高校サッカー選手権の決勝があり、青森山田が優勝。何だか、圧倒的過ぎて、興味が湧かず、個人的には観なかったなあ。

 昔話をさせてもらうと、個人的に、印象に強く残っている決勝として、2007年度の流経大柏VS藤枝東がある。清水サポなら誰もがそうだと思うけど、清水加入が内定していた大前の流経大柏と、地元の藤枝東の、どちらを応援するかということで、非常に複雑だった。

 この大会、得点王に輝いた大前は、決勝でも絶好調で、4得点のうち2点を大前が奪った。まあ確かに、当時からシュートセンスは抜群だった。対する藤枝東には、言うまでもなく河井がいたわけだが、彼は慶応大学進学を選んだ。この決勝の時点では、まさか河井も後年、清水に加入することになるとは、思いもしなかった。そして、時代は巡り、大前だけでなく、ついに河井も清水を去る時が来てしまった。

 上に貼ったのは、ダイジェスト動画だけど、この試合の模様、久し振りに観たなあ。知らなかったけど、概要欄から辿り、過去の大会の決勝を有料で観られるようになっているようだ。果たして収益はどこに落ちるのやら。

 そんなわけで、当S研ブログでは、オフシーズンのネタ枯れを何とか乗り切った。本日1月11日は新体制発表の日なので、これからは新シーズンに向けた話題も増えていくだろう。


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 昨日、藤本憲明が期限付き移籍を終え神戸に復帰することが発表された。これで、昨シーズン在籍した選手の去就は、レンタルに出ていた選手も含め、全員はっきりしたはずである。

 藤本は、在籍期間こそ短かったが、明るいキャラクターで、サポに愛された。得点は仙台戦の1点だけだったものの、価値あるワンゴールだった。記憶にはしっかり残る選手だった。

 今オフの移籍動向については、湘南や浦和といった、多くの戦力を獲得したチームが、「勝ち組」と呼ばれているようである。しかし、清水の場合は、昨シーズン、度が過ぎた補強をして、最後まで融合せず、かえって苦労をした。それに比べると、今オフでは、大熊GMが全権を掌握したということが大きいと思うが、既存の戦力をキープした上で、必要なポジションをピンポイント的に補強するという印象が強かった。むしろ、この方が安心できそうである。

 恐らく、日本人プレーヤーの新規加入は、もう無いのではないか。一部で、松原の復帰待望論みたいのはあるようだが、具体的な動きは見られない。

 これからあるとすれば、報道で噂されているセアラーSCのブラジル人FWクレーベル(25)の加入が正式決定することくらいか。ただ、決まったとしても、コロナの入国制限でいつ来日できるか分からないので、こちらの方は長期戦の構えになるかもしれない。

 それにしても、身長195cmとされるクレーベルだが、「それって必要?」と首をかしげているサポさんも多いだろう。サンタナの互換なのか、それともツートップを組ませるのか? 現時点で、清水にはFWが3人(コロリも入れると)、ボランチが2人、CBが1人と、計6人の外国人がおり、クレーベルが入れば7人目となる。まあ、昨シーズンも助っ人の稼働率が低かったことを考えると、多目に抱えているくらいが丁度良いのか?

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 写真は、2020年1月に行われた新体制発表の模様。今こうやって見ると、クラモフスキーで超野心的なサッカーに挑戦する割には、新加入は高卒ルーキーが中心で、小粒だったことは否めない。まあ、もちろん、これ以外にもティーラシンが後日合流し、カルリーニョスも加わることにはなるのだが。

 正直言うと、個人的には、高卒ルーキーの中で、鈴木唯人への注目度はそれほど高くなかった。ユース上がりの川本やエリックの方が馴染みがあったし、ジュニアの存在感も抜群だったので、「フツーのお兄ちゃん」という感じの唯人は影が薄かった。

 それから2年経って、この中で出世頭となったのが唯人であることに、異論はないだろう。何しろ、ウズベク戦中止は残念だったが、いまやA代表からお声がかかるプレーヤーである。

 川本は、今は清水を離れているが、これから我が軍の中心選手になっていく可能性は、まだまだあるだろう。フロントも、ポテンシャルの大きい戦力と見なした上で、岡山で出場機会を積ませていることは、明らかである。

 他方、エリックはわずか2年で退団となってしまった。ジュニアは、1年目は沼津に貸し出されたが目立った活躍はなく、2年目はJFLの鈴ポに放牧に出されたものの、わずか1試合・0得点。コンディションのこと等は存じ上げないが、爪痕一つすら残せなかった。今オフ清水に戻ってきたのも、戦力として期待してというよりは、引き取り手がないのでとりあえず戻したのかな?なんて考えが頭に浮かぶ。テセが太鼓判を押していた素材だけに、伸び悩みが残念でならない。

 簡単なことではないのだろう。でも、期待した若手が思うように伸びてくれないと、どうもモヤモヤしてしまう。清水のスカウトの目利きが悪いのか、はたまた現場の指導が悪いのかなどと、色々勘ぐってしまうのだ。

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 昨日のスポパラで、権田修一が番組の独占インタビューに応じたものが放送された。

 その中で権田は、意外なことを述べている。本人によれば、もしJ2降格になったら、責任をとって、チームに残るつもりだった。逆にJ1残留を決めたら、一仕事果たしたということで、移籍も視野に入っていた。ヨーロッパの話があれば挑戦してみたかったし、他のJクラブからも誘いがあった、と。

 個人的に、完全に逆だと思っていた。清水が来季もJ1なら、そのまま清水でプレー、J2に落ちたら、さすがにミスマッチなので、他チームへの移籍という選択になるのだろうと予想していた。

 サポの皆さんから、「2021シーズン、もし権田がいなかったら、J2に降格していた」という意見をよく聞く。しかし、個人的には、そんなに単純なもんじゃないだろうと思っている。

 昨年、権田のお陰で防いだ失点、獲得した勝ち点というのは、確かにあった。たが、それと同時に、彼のせいで喫した失点、落とした勝ち点もいくつかあったのである。明らかにキーパーのミスで生じた失点だけでも、3つ、4つくらいは思い出せる。普通、代表クラスのGKは、そういう明らかなミスというのを、年に一度犯すかどうかという程度のはずである。

 問題は、それらのミスが、権田個人の技術不足というよりも、GKとフィールドプレーヤーの信頼関係の欠如から生じていたことである。たとえば、永井だったら、フィールドプレーヤーたちと目線が同じ分、そういう変なミスは発生しなかったかもしれない

 ホント、サッカーのチームというのは生き物であり、単純な足し算では測れない。代表クラスのプレーヤーを招いたら、その分だけチームが強くなるかというと、そんなことはなく、逆にアレルギー反応を引き起こして、そこからチームがほころびを見せるかもしれない。

 ただ、清水のようなのんびり屋の集団にとって、意識の高い権田は劇薬であるものの、昨シーズンの苦悩を経て、もしかしたら、チームは徐々に変わりつつあるのかもしれない。

 権田は昨日のインタビューで、前半17試合で勝ち点40を目指すと公約した。おそらく、多くの選手たちにとっては、想像もつかない数字だろう。目標値を高く設定することによって、チームの奮起を促すというのは一つのやり方だが、それがつまづいた時には、チームが瓦解しかねない。果たして権田の「高すぎる意識」は、我が軍にどんな化学反応をもたらすだろうか。

 もちろん、個人的には、「面白くなってきやがったな」という気持ちである。

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 エスパルスとはほぼ関係ない話題で恐縮だが、清水・静岡勢のライバルである国見高校を長く率い、最近では長崎総合科学大付監督を務めていた小嶺忠敏さんが亡くなったということだ。第100回高校選手権開催中の、まさかの急逝である。

 まだ76歳ということで、生涯現役を貫いたということか。国見時代には、自らマイクロバスを運転して全国に遠征していたといったエピソードもあった。すべてを高校サッカーに捧げた人生だったのだろう。

 個人的には、1988年に東海大一VS国見の第66回大会の東海大一VS国見の決勝を国立に観に行った思い出がある。前年の第65回大会で東海大一が初優勝し、当然その再現に立ち会うべく国立に出かけたのだが、現実にはフィジカルを前面に押し出した国見のサッカーに屈し、悔しい思いをした。今回、その試合の模様を、上掲のような動画で久し振りに観直した。国見の堅い守備に阻まれ、東海第一は決定機らしい決定機はなかったんだよなあ。

 小峰監督にとっては、この時が選手権での初優勝だったようだ。

 まあ、この試合で相まみえた東海第一の澤登と国見の永井が、その後、エスパルスにとっての初タイトルとなる1996年ナビスコカップ優勝の立役者となったりもするわけだが。

 小嶺忠敏監督のご冥福を心よりお祈りいたします。

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 今オフの清水の編成は順調そのもので、昨日には鈴木義宜とコロリの更新も発表された。そんな中、さらなる吉報として、鈴木唯人と松岡のA代表招集というニュースも飛び込んできた。春から縁起が良いとはこのことだろう。

 むろん、今回は国内組だけのトレーニングマッチ向け招集で、しかも代役という位置付けである。限りなく「B代表」に近いチームに、追加で呼ばれた格好ではある。しかし、今回の招集は、代表を目指す選手たちにとって、新たなルートの可能性を示したものと言えるのではないか。

 と言うのも、昨今は日本代表がほぼ欧州組だけで編成され、「代表に入るためには欧州移籍が必須」という風潮があった。しかし、アジアでの戦いをする上で、いちいち欧州組を呼んでいたら本人たちに大きな負担になるし、それよりは国内組の選抜や強化に活用した方がいい。従来もそういう場面はあったが、コロナ禍により国境を越えた移動が困難になり、ますます「国内組だけの代表選出」という状況が増えていきそうだ。もちろん、コロナの先行きは不透明だが、清水の選手たちにも、「この場所で頑張れば代表への道も開かれる」という意識をもってほしいものである。

 もう一つ、今回の唯人と松岡の招集には、「パリ世代に経験を積ませ、次世代の日本代表への橋渡しをさせたい」という意図もあるだろう。ゆえに、即戦力として期待されているわけではなく、ウズベキスタン戦の出場も微妙かもしれない。それでも、仮に1分でもピッチに立てば、その時点からA代表経験者となるわけで、本人たちの意識もさらに高まるはずなので、期待して見守りたい。

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 高校選手権での静岡学園と関東第一の対戦は、まさかの試合終了間際の同点弾でPK戦にもつれ込み、そうなれば精神的に有利なのは関東第一なのは当然で、同校がPK戦を制して勝ち上がった。史上最強とも思えた静学の挑戦には、唐突に終止符が打たれた。

 内容があれだけ一方的で、それでも押していた方が勝てないなんて競技は、サッカーくらいのものだろう。改めて、サッカーの恐ろしさを痛感した。

 普通の高校であれば、「1点リードしているのだから、守備を固めて逃げ切ればよかった」と考えそうなところである。でも、静学の場合は、「我々は常に攻め続ける。2点目がとれなかったことが問題」という意識なのかもしれない。

 静学のサッカーを観ていて、「川崎っぽいな」と思った人は多いだろう。左右のアタッカーの質と連携によって、違いを作るというか。まあ、川崎と違って、中央にレアンドロダミアンはおらず、それゆえに、守備が堅いチーム相手には、崩し切っている割には得点が入らないという印象があったが、とにかく、DNAは川崎と共通しているなと強く感じた。現に、3回戦で8得点大勝した際には、監督が選手たちに事前に川崎のゴール集のビデオを見せて、攻撃のイメージを膨らめていたという。

 周知のとおり、我が清水エスパルスと静学が、距離的に近くに位置している割には、これまで人的交流はあまり盛んではなかった。静学の優秀なタレントは(そもそも静岡県出身でないケースも多いわけだが)、スカウト向島氏の招きで、川崎に行ってしまうことが多かった。

 だが、今回の静学イレブンからは、MF川谷凪君が清水入りすることが決まっている。静学から直で清水に入るのは、非常に珍しいケースなのだと思う。これをきっかけに、今後そういうルートが確立されるといいのだが。川谷君の清水での活躍を祈る。

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 おそらく、清水の契約更新は難航しているわけではないと思う。まだ更新が発表されていない選手も何人かいるが、単に情報を小出しにしているだけではないかと思うのだ。一気に全部発表するよりも、一日2~3人ずつ発表した方が、友好関係にあるマスコミさんもネタに困らないし、我々サポも関心を持ち続けることになるので。もしかしたら、昨シーズンいまいち不発だったベンジャミン・コロリあたり、移籍なんてことになるかもしれないが、それ以外は、案ずる必要はないのではないか。

 さて、今オフのインアウトでは、河井陽介、石毛秀樹、金子翔太という生え抜き選手たちの退団を残念がっているサポさんは多いだろう。個人的にももちろん悲しいが、まあやむを得ないのかなと、受け入れてはいる。

 河井は、ロティーナ体制で一頃まではレギュラーとして出ていたが、夏の松岡、ホナウドの加入で出場機会がほぼ無くなった。平岡監督に代わってからも、ベンチ入りすら無かったので、清水に残っても2022年以降の立場は厳しかったのではないか。サッカーセンスは高いものの、年々フィジカル基準の上がるJ1では、ボランチとしては厳しくなっていたことは否めない。かといって、アタッカーとして違いを作れるかというと、ちょっとそういうタイプでもない。何だかんだで、河井がこれまで最も持ち味を発揮したのは、2016年のJ2での戦いだった印象がある。したがって、J2の岡山で再起を期すというのは、本人にとって良い選択かもしれない。

 石毛は、ロティーナ体制ならともかく、平岡監督の下ではレンタルバックもあるかと思っていたのだが、結局退団となった。岡山が合うのか、水を得た魚のように活躍していたので、「岡山への完全移籍かな?」などと想像していたのだが、意外にもJ1ガンバから声がかかり、ステップアップ的なニュアンスの移籍となった。青黒の石毛というのが全く想像できないのだけど(恐らく本人もそうだろう)、怪我なく元気で活躍してほしいものである。別にケンカ別れしたわけではないので、場合によっては、将来また清水で、なんてこともあるかもしれない。

 金子に関しては、恐らく清水は退団になるだろうと予想しつつ、監督が代わりワンチャン清水復帰もあるかななどとも思っていたが、結局はやはり退団。磐田で大活躍したという印象は無いので、退団するにしてもどこか他のクラブ(場合によってはJ2)かな、などと思っていただけに、磐田完全移籍は少々意外だった。金子も、チームや環境次第で、活きる選手だと思うので、サックスブルーということで応援はしにくいが、健闘を期待する。

 ありきたりなことばかりで恐縮。また明日。


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 清水は、三が日にはどうも大きな動きはなさそうだ。そもそも今オフはそれほど激しい入れ替わりがないはずだし。

 清水関係の目ぼしい情報がないので、昨日などは選手権の静学の試合でも観ようかと思ったのだが、アプリのTVerのストレスが大きすぎ、やめてしまった。私のテレビは5年くらい前に買ったもので、TVerはプリインストールされておらず、なぜか追加インストールもできない状態。そこでFire TV Stick経由で観ようと思ったのだが、なぜかFire TV Stick版のTVerでは選手権の試合を生配信していなかった。PC版とFire TV Stick版で番組内容が違うなんてことはあるのだろうか? 仕方がないので、PCで観ようかと思ったのだが、たびたびフリーズして、ダメだこりゃと見切りをつけ、観るのをやめてしまったというワケ。

 さて、昨日「チームを去る人々」と題し、退団が決まった選手たちについてコメントしたが、よく考えてみたら、取り上げたのはまだ移籍先が決まっていない選手だけで、他チームへの移籍がすでに発表されている選手について語っていなかった。まあ、ただ、だいたい皆さんが思っていることと同じであり、特に気の利いたコメントもできないんだよね。

 戦力的な観点から言えば、一番影響が大きいのは、中村慶太の柏への移籍だろう。人気も高い選手だっただけに、残念だ。ただ、長崎時代のイメージでは、シーズンを通してレギュラーとして活躍し、年に7~8点とってくれる期待感があっただけに、現実はそれとはだいぶ遠かった。結局、3年間在籍して、1年に1点ずつ、計3点しかとれなかった。清水に来てから、急に怪我が増え、出場試合・時間が減った印象である。強い印象に残る場面もあったが、以前も申したとおり、なぜか継続的に活躍できない傾向があった。もちろん、最後に見せてくれた浦和戦のあのゴールだけでも、永遠のヒーローである。プレーヤーとしては脂の乗り切る年齢なので、柏では怪我なく活躍してほしい。

 奥井諒は、清水が過去2年もがき苦しみ、しかもコロナ禍でサポが満足に観戦や見学することもままならないなかで、それでもチームに貢献し、サポにも愛されたプレーヤーだった。特に、浦和戦に勝った後、チームを引き締めてくれたというエピソードが、皆の記憶に残った。出場機会は多くなくとも、チームを引っ張り盛り立てる存在として、2022年以降もいてくれれば有難い選手であることは間違いない。ただ、30歳を超え、残りの現役生活も恐らくそれほど長くない中で、本人がJ1の控えよりはJ2のレギュラーとしてもう一花咲かせたいと希望したのなら、本人の意向を尊重するしかないだろう。そして、移籍先の長崎は、J1昇格を十分に狙えるチームであり、奥井には豊富な経験でそのチャレンジを引っ張ってほしいものである。

 今日のところは、このへんで。

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 個人的に、選手のインアウトに関しては、来る者は拒まず、去る者は追わず、泰然自若の精神を貫いている、と強がってはみたものの、クラブからのリリースを一日何度もチェックしてしまうのは、皆さんと同じである。どこが泰然自若なんだよ(笑)。

 今オフの清水の動きに関しては、1年前ほどの驚きはなく、概ね順当に、2022年のチーム編成が進んでいるのかな、という気がする。

 いかんせん、昨オフの新規加入が9人、2021年の夏加入が5人であり、我々サポの意識としても、さらに貪欲に補強を、というよりは、既存選手の定着や融合を優先してほしいという思うが強いのではないかと思う。

 そうした中で、すでに契約満了が発表されたのが、エウシーニョ、指宿、エリックの3人ということになる。

 エウシーニョについては、能力は独特なものがあるにしても、怪我の多さ、稼働率の低さから、満了はやむを得まい。これについては、2021シーズン中に、すでに多くのサポさんも覚悟していたところだろう。本人にとっても、もう環境を変えた方が、選手寿命が延びそうな気もする。新天地での活躍を願いたい。

 指宿、ねえ。個人的には、大いに期待していたのだけれど、開幕当初の腰痛で出遅れたのが、 結局シーズンを通して響いたのか、清水ではまったく爪痕を残せず、札幌戦のフリーキックコントでのみ記憶に残る形となってしまった。サンタナと意外にタイプは異なり、中盤に降りてきて繋ぎのプレーを見せたりする持ち味もあるわけだが、いずれにしても、指宿がサンタナの代役には物足りず、結果サンタナを酷使しキレが低下するという形で、チームが停滞する一因になってしまった。2桁得点を公約していただけに、ルヴァンの1得点だけでは、満了も道理か。指宿を軸に据えてくれるようなチームだったら、もうちょっと活きるかな。

 残念無念なのが、エリックの契約満了。入団してまだ2年だったし、エリートリーグではセンターバックとサイドバックの二刀流で奮闘していたりもしたので、まだ続きがあると思ってたんだけどな。清水を去るとはいえ、なるべくカテゴリーの高い活躍の場が得られることを、期待するばかりである。

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 清水の昨年の迷走を振り返るに、何だかんだで、評論家の杉山茂樹氏がシーズン前に述べていた批判は、結構核心を突いていたのではないかと思う。杉山氏はだいたい以下のようなことを指摘していた。

 いわく、確かにロティーナは洗練された良いサッカーをする監督だが、守備に重点があることは否定できない。清水は2020年はクラモフスキーで超攻撃サッカーを目指したはずだが、末期にはブレていたし、しかも平岡監督を挟んで後任がロティーナというのは、大きな路線転換である。流行り物から、別の流行り物へと安易に乗り換えた感が強い、と。

 実際、2021シーズン中、竹内や立田といった既存選手たちは、「去年求められていたことと正反対」と戸惑っていたようである。もちろんクラモフスキーも面白い持ち味のある指揮官だったし、ロティーナの手腕も折り紙付きだが、クラモフスキー→ロティーナというのはあまりにも無理のある急激な路線転換で、その無理がたたっての低迷だったことは否めない。

 だが、2022シーズンのことを考えるに、ロティーナから平岡監督へのスイッチには、個人的に密かに期待しているのである。サッカーでは期待された前任監督が思うような結果を出せなかったにもかかわらず、後任監督が前任者の遺産を上手く活かし、躍進を遂げるということが、時々起こるからである。

 典型的なのが、ペトロビッチが作った革新的な可変システムを活かしながら、広島の黄金時代を築いた森保監督だろう。前任者のロマン主義に、後任者が現実主義を加えて成功した例だ。

 川崎についても同様のことが言える。徹底的に個人戦術を磨いた風間監督の下ではタイトルをとれなかったが、引き継いだ鬼木監督がそこに守備力やハードワークを加えたことで、理想と現実が調和した恐るべきチームが出来上がった。

 平岡監督が指揮した2021年の清水のラスト4試合、皮肉にもロティーナが去ったことにより、ロティーナが構築してきた守備システムが機能したような、そんな奇妙な印象を受けた。したがって、開花しきれなかった前任者のサッカーが、そこに現実主義を加味する後任者の下で花開くというシナリオは、2022年の清水についても期待していいのではないか。もしそうなれば、苦しんだ2021年も、まったく無駄ではなかったことになる。

 そんなわけで清水サポの皆さん、本年もよろしくお願いします。


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