エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

2021年10月

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 J1が休止中なので、土曜日はJ2の磐田VS北九州をDAZNで観てみた。ご存知の方も多いと思うが、磐田が4:1と大勝した。

 ところで、現時点でのロティーナ清水と磐田、どちらが強いだろうか?

 その大前提として、所長の持論を一つ申し上げると、J1を残留するのと、J2で2位以内に入って自動昇格を勝ち取るのとでは、全く違うチーム力が必要になると考えている。

 J1で残留するために大事なのは、「崩壊」しないことである。チームが迷走したり、バラバラになったり、大型連敗を喫しないことだ。だから、ロースコア、引き分けベースの試合を多くして、上手く行った時に時々勝つというだけでも、一応はJ1で生き残れる。

 それに対して、J2で2位以内に入って自動昇格を勝ち取るためには、「爆発力」が求められる。勝って勝って勝ちまくらないと、自動昇格はできない。

 たとえば、ヴァンフォーレ甲府さんのことを考えれば、良く分かる。甲府というのは低予算で地味ながら、伝統的に良く組織された好チームである。ああいうチームは、崩壊はしないので、いったんJ1に上がりさえすれば、しぶとく生き残り、何年も連続で残留できる。しかし、一度J2に落ちてしまうと、勝ちまくる爆発力はないので、なかなかJ1に復帰できない。J2の上の下くらいが定位置になり、プレーオフでの昇格に期待をかけるしかなくなる。

 さて、今季のJ2戦線ももう佳境であり、磐田は間違いなく2位以内に入って自動昇格を決めるだろう。今季の出だしこそもたついたが、完全に勝ち方を覚え、現在はまさに爆発的に勝っている。以前はウノゼロ勝利も多かったが、最近ではコンスタントに複数得点を挙げている。北九州戦を観ても、点をとるツボみたいなものを全員で共有できている。

 来季、磐田がJ1に上がってきても、J2時代に体得した勝ち方、点の取り方は、ある程度通用するはずである。今の磐田のチームの意識として、J1に上がってどれだけできるかを、すでにかなり意識しているようである。ベテラン依存が若干気になるが、来季J1でも中位くらいは狙える力があるかもしれない。

 一方、今のロティーナ清水は、とにかく爆発力が無い、複数得点がなかなかとれない、連勝ができないというのが特徴である。こういうチームは、J1でぎりぎり残留するくらいはできるかもしれないが、J2で2位以内に入るのは絶対に無理である。サポさんの中には、「たとえJ2に落ちてでもロティーナ体制の継続を」とおっしゃる方もいるが、たぶんロティーナのサッカーではJ2の2位以内は無理であり、実際ヴェルディの時もプレーオフ止まりだった。その意味でも、清水は今季、絶対に落ちては駄目である。というわけで、J2の中で自動昇格の2位以内に入るという能力からすれば、今の清水よりも磐田の方が上であろう。

 では、J1の中で清水と磐田がしのぎを削ったら、どうなるか。まあ、良く分からんが、今のロティーナ清水の低い完成度を前提とすると、順位は磐田が上になりそうな気がする。J1の中でも、勝ち点3をとる能力は、磐田の方が高そうだから。直接対決したら、どうかなあ? 1:1の引き分けくらいか?

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 昨日に引き続き、2021年清水エスパルスの出場ポイント選手権の後半をお届けする。昨日のAクラスに続いて、本日はBクラスである。それが上表となる。

 一口にBクラスと言っても、状況は人それぞれである。井林、松岡、ホナウド、コロリはこの夏に加入したのでまだポイントが低いのは当然であり、むしろ先発出場を続け急激に追い上げている。

 一方、Bクラスの中には、(レンタルも含め)清水を去った人々もおり、彼らのポイントが伸びないのは当然だ。福森、金子、マテウス、石毛がそれに当たる。

 そして、ここには長期離脱者の名前もある。エウシーニョ、ヘナトがそれであり、果たして今シーズン中に彼らの勇姿を再び見ることはできるのだろうか?

 そして、指宿、滝などは、別に長期離脱をしているわけではないが、リーグ戦の先発に割って入るのには力不足といった位置付けであろう。ただ、滝は最近、途中投入するアタッカーの一番手みたいな位置付けに変わってきている。滝の出場機会が増えたのは、あの岩手の地でのスーパーゴール以降であり、たぶんあの一発は彼のキャリアにとって非常に大きなものだったはずだ(何色のユニを着るか、何年ユニを着るかが変わってくるはず)。

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 今季のお楽しみ企画としてお届けしている「出場ポイント選手権」。リーグ戦が小休止しているところなので、また更新してみた。

 改めて説明すれば、◎が先発出場、〇が途中出場、△がベンチ入りしたけど出場なし、×がベンチ入りせず。カップ戦よりもリーグ戦の方が重要性が高いので、リーグ戦のポイントを2倍にしている。ゆえに、リーグ戦は◎が6pt、〇が4pt、△が2pt、×が0pt、ルヴァン・天皇杯は◎が3pt、〇が2pt、△が1pt、×が0ポイントとし、ポイントを集計して順位付けしている。ただし、ルヴァンのプレーオフは重要度が高かったので、今回プレーオフの2試合はポイントを1.5倍にし、◎が4.5pt、〇が3pt、△が1.5pt、×が0ptとしている。

 というわけで、J1第31節までの出場ポイントランキングをお届けしたいのだが、この表もだいぶ大きくなってきたので、上下に分けてお届けしたい。今季の公式戦(エリートリーグは含まないが)に出場した清水の選手は今のところ38人なので、本日はAクラスの18人をまとめた表をお目にかける。Bクラスの18人は明日お見せすることにする。

 先頭集団を形成するのは、ヴァウド、サンタナ、権田であり、リーグ戦でほぼ必ず先発出場を続けている3人である。カップ戦に絡んだ回数が多い分、ヴァウドがトップとなっている。ただ、鈴木義宜が完全復活した場合には、センターバックの序列がどうなるかは不透明であり、このままヴァウドがトップでフィニッシュするかは分からない。

 一方、SBを務めることの多い片山と原は、戦線離脱していた時期もあったので、トップ集団とは行かないが、最近の試合ではほとんど先発フル出場ということが多い。しかし、稼働率が高すぎるせいか、最近この2人のプレーの質が落ちているように感じるのだが、どうだろうか? そう考えると、やはりバックアッパーとしての奥井の存在は貴重だ。

 松岡とホナウドの加入で、序列が一変したのが、ボランチである。一時はリーグ戦・カップ戦を問わずずっと先発出場を続け、ロティーナサッカーの申し子(?)のような様相を呈していた宮本が、完全にポジションを失った。現時点のロティーナの評価としては、松岡・ホナウドの次は竹内であり(一時期監督の信頼を失っていたと思われる時期があったが、取り戻したのか?)、だいぶ離れて河井、宮本ということになっているのだろう。このままでは河井は来季の契約が微妙かもしれない。ロティーナが中村をどのように評価しているのか(ボランチかアタッカーか)、中村本人のコンディションがどうなのかは、外からは分からない。

 アタッカー系で、ここに来てめっきり出番が減っているのが、その中村と、後藤、中山らである。ロティーナは中山には期待してるっぽいので、中山は最近はコンディション不良で出れなかったのか? 後藤は、前半戦はほぼすべての試合に絡んでいたのに、後半戦は正反対の存在感の無さであり、一体どうなっているのか?

 明日の後半に続く。

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 個人的に、午前2時キックオフの日本代表の試合をリアルタイムで観る根性は無く、サウジアラビア戦は今朝見逃し配信で視聴した。ただ、もしも清水がACLとかクラブワールドカップにでも出場して、未明に試合があったら、どんなことをしてでもリアルタイムで観るのではないかと思う。自分にとってのプライオリティは、まあそんなところだ。

 ただ、今回のW杯予選がいつもと違うのは、清水の守護神・権田が日本代表のゴールマウスを守っていることである。W杯の予選や本選に清水の選手が出るのは、岡崎が清水に在籍していた時以来だと思うので、10年以上無かった、日本代表の試合を自分のものとして観戦することができているわけで、有難いことだ。

 サウジ戦、コンディションの問題もあり苦しい戦いではあったが、権田のビッグセーブもあり、内容的にはスコアレスドローが妥当という感じだった。柴崎の有り得ないようなバックパスのミスさえ無ければ、恐らくゼロゼロで終わっていたのではないか。

 これで、オーストラリアに勝てなかったら、さすがに森保監督は解任かもしれない。キャプテン吉田は、「協会、監督、選手は皆、責任を取る覚悟ができている」なんて凄い発言もしており、監督だけでなく田嶋会長の引責などという話になるかもしれない。そうなれば、代表のメンバーも大幅な入れ替えがある可能性がある。

 有名なLeo the footballという人が、以前発表したこちらの動画で、柴崎についてかなり激しい駄目出しをして、GK権田についても足元に不安があるので、シュミットや中村航輔を起用すべきだと主張しており、個人的には「やっぱそうかなあ…」としょんぼりしていた。今回、柴崎の致命的ミスで失点を喫したことで、柴崎に加え権田も批判の矢面にさらされたりしないかと、その点を不安視している。もし、代表監督が交代となったら、権田の地位も安泰ではなくなりそうである。

 ちなみに、若い人はご存知ないだろうが、1998年フランスW杯に向けた最終予選も、今回と同じような大苦戦だった。なので、個人的には、「ああ、昔もこんなヒリヒリした感覚があったよな」と、懐かしく思い出す。ただ、あの時は国民の熱量が今とは全然違って、Kingカズが暴徒化したサポーターと衝突したり、良くも悪くも国民的関心事だった。今は、地上波中継がないくらいだし、その点が決定的に欠落している。

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 ロティーナ清水が覚醒して自力で力強く残留を勝ち取るというのは、個人的にもう諦めたので、清水の試合もさることながら、残留ライバルたちの試合結果に一喜一憂する日々である。いつも申し上げるように、所長の場合は、他会場の試合もダイジェストではなく、時間差でもいいから、なるべくフルで観たいタイプであり、一日一試合ずつ、前節の各会場の試合をDAZNで見逃し配信観戦している。それで、このほどようやく、前節の下位チームのカードだけ、観終わった。こういう次第なので、当S研ブログでは、どうしても情報が遅い傾向がある。

 前節に関して言えば、まず金曜日にいち早く湘南が負けてくれたので、そのことだけでも、清水がこの節に降格圏に沈むことはなくなり、大きな朗報だった。しかし、湘南のサッカーを観ていると、このチームがこのまま低迷してくれるとは、とても思えないのである。失点が少ない非常に安定したチームであり、これで決定力のあるエースストライカーがいたら、J1の一桁順位も可能じゃないかと思われる。清水が湘南と直で残留を争うとなると、どうも分が悪そうだと思えてしまう。

 前節、最大の衝撃は、徳島が鳥栖に勝ってしまったことだった。しかし、鳥栖の自滅だったとの印象が強い。パワハラ騒動の渦中にあるキム監督の憂さ晴らしなのか?、メンバーをいじりすぎだし、ディフェンスラインも博打を打ちすぎである。徳島は最近、丁寧に繋ぐことよりも、ロングボールを一気に前線に送ってFWに勝負させることにシフトしており、それが鳥栖相手にはまってしまった形だった。

 同じく横浜FCが鹿島に勝ってしまったのも衝撃だったが、横浜FCは最下位で、清水とは勝ち点差が10もあり、さすがに清水が気にする相手ではないだろう。もし仮に、横浜FCと順位的に競るようなことがあったら、その時点で清水の残留などは夢物語である。下位直接対決もあるだろうから、むしろ横浜FCが頑張って下位戦線をかき乱すくらいが丁度良いのではないか。

 あと、清水より上のチームでは、ガンバ大阪が絶賛低迷中である。現時点で、清水より勝ち点が1つ多い状態であり、清水にとってこういうすぐ上のチームがいてくれることは、モチベに繋がって有難い。それにしても、前節、ガンバが札幌相手に披露したザル守備は酷かった。チーム事情は知らないが、なぜか昌子も三浦もディフェンスラインにおらず、致命的なミスを連発して、札幌のやりたい放題だった。下位の中では、現時点で、ガンバのチーム状態が一番悪いように思える。

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hp

 清水の「反則ポイント」は、上の表に見るとおり、引き続きかなり優秀である。リーグで4番目に反則ポイントが少ない(つまり、クリーンで優秀ということ)。

 しかし、さすがにノンビリ屋の清水も、最近はちょっと残留モードになってきて、ファウル、カードが増えてきた印象がある。

 そして、ついに、清水にもカード累積による出場停止者が出てしまった。福岡戦で松岡が今季4枚目のカードをもらい、柏戦で出場停止となったものである。

 清水で出場停止が出るとしたら、シーズンのかなり早い時期にリーチがかかっていたエウシーニョや、審判に誤解されやすいヴァウドあたりになるかと思っていたが、新加入組の松岡となった。

 もっとも、松岡が溜め込んだ4枚のカードのうち、2枚は鳥栖時代のものだったようである。移籍しても、リセットされないんですねえ。せめて、今回の出場停止に伴う反則ポイントの半分だけでも、鳥栖につけたいような気がするが、どうも釈然としない。

 そんなことはさておき、最近ボランチの軸となっていた松岡を、柏戦では欠くことになる。また、福岡戦の終盤でホナウドももも裏を押さえるしぐさを見せており、多少試合間隔が空くとはいえ、柏戦の出場は微妙かもしれない。となると、柏戦はボランチ2枚を入れ替えざるを得なくなるのか?

 まあ、今季の前半戦は、宮本、竹内、河井、中村あたりでボランチを回していたわけで、人材というか頭数がいないわけではない。最近の起用から言うと、竹内は先発当確だと思うが、相棒がどうなることやら。

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 清水のJ1リーグ戦における節別の勝ち点推移を示した図を、また更新してみた。

 2021シーズンの勝ち点推移(オレンジ色)は、現時点で、青色の2017年とだいたい同じくらいのレベルであることが、お分かりいただけるだろう。2017年と言えば、J2からJ1に復帰したものの、小林伸二監督の下で苦戦が続き、最終節の勝利で、命からがら残留を決めたシーズンだった。最終的な勝ち点は、試合数と同じ34。試合数と同じくらいの勝ち点が残留の目安と言われているのを、地で行くような結果だった。

 2017年の苦戦は、今思えば、単純に力不足・タレント不足・経験不足だったかなという気がしている。コバさんは、魔法のような素晴らしい采配をしたわけではなかったが、諸々考えれば、まあ仕方ない低迷だったかという気がする。戦術が割とシンプルな分、最終的には根性で残留したという印象だ。ちなみに、2017年の清水も、今年と同じように、引き分けの多い年だった。最終成績は8勝・10分・16敗。

 先日の福岡戦、ロティーナ戦術が徹底され花開いたことで勝ったというわけではなかろう。むしろ、球際や精神面を強調した残留モードのサッカーが、勝ち点3をもたらした。でもそういうサッカーをするんなら、ずっとコバさんのままでよかったんじゃないのと、ついそんなことを思ってしまう。高度なはずのロティーナ戦術と、大型補強で、期待感が高かった分、そこから回り道をしての「残留モードのサッカー」には、ちぐはぐな印象を抱いてしまうのだ。もちろん、今はその道しか無いわけだが。

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penetrate

 サッカーでは、危機に陥ったチームが、監督とは関係なしに、選手が奮起したり団結したりして、勝ってしまうことが時々ある。だから、あるチームが勝ったからと言って、その監督の指導が上手く行っている保証にはならない。実際、ここ10年ほどの清水では、ゴトビ監督も、大榎監督も、チームが勝った直後に退任している。

 現在のロティーナ清水の場合は、まだそこまで監督は求心力を失っていないだろう。基本的に、選手たちは監督のサッカーを信じてトレーニングに取り組んでいるのだと想像する。しかし、ロティーナ戦術はあまりに迂遠で、降格の足音が迫ってくる中で、理想は理想として、目の前の試合でなりふり構わず勝ち点を取りに行かなければならないという意識が、選手たちに芽生えてきたのかもしれない。福岡戦での清水イレブンの姿勢は、前節とはちょっと違っていて、泥臭くても絶対に勝ち点を持って帰るのだという雰囲気が感じられた。

 そして、試合後のコメントからも、その点はうかがえた。ロティーナ監督のコメントは、相変わらずテンプレ的でつまらないものだったのに対し、キャプテン権田のそれからは危機感が読み取れた。

 次はリーグで柏戦となるが、その試合で今日のようなアグレッシブな守備だったり、切り替えの早さを失ってしまえば、積み上げが何も無いということになってしまう。ボールをつなぎたいというところもあるが、それだけでは勝てないし、まずは今日のような戦いをベースにしていきたい。

 個人的には、監督の言葉よりも、キャプテン権田の言葉の方に、リアリティを感じる。

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 アウェー福岡戦は2:1勝利。昨日述べたように、福岡は清水より完成された好チームだし、順位も清水よりずっと上だが、福岡が強いのは、ある形にはまった時だけとも言える。つまり、攻撃的な敵が前掛かりになったところをカウンターで仕留めて勝つことに特化したチームである。だから、ボール保持率の低い清水相手にはやりにくいだろう、この試合恐らく保持率の低い方が勝つに違いないと思っていた。そして、実際にそのような結果になった。

 試合終了後、ロティーナ監督は、「相手を動かして自分たちが準備してきたビルドアップができたし、ゴールを決めることもできた」とコメントした。しかし、現実には、「ビルドアップからゴールを決めた」というわけではない。1点目は相手のスローインを奪ったショートカウンターであり、2点目は逆にマイボールのスローインからだったが、敵陣で五分五分のボールになったところを拾って素早く決めたものだから、これも実質ショートカウンターみたいなものだろう。指揮官の意図したような形から得点を奪ったかどうかは微妙である。

 試合内容が指揮官の意図どおりだったかどうかはともかく、2つの得点は今の清水で最も可能性が高い形であり、いずれも素晴らしいものだった。

 普通、こんな風に鮮やかに2得点を奪ったら、チームは勢いが出て、サッカーの内容もどんどん良くなっていくものである。しかし、ロティーナ清水というチームは、得点を奪ってリードした後に、必ず劣化していく。

 今回の福岡戦、後半の最初の方までは、「さすがに今日は気持ち良く勝つことができ、もしかしたら得失点差も稼げるかも」と思っていたのだが、そこからいつもの劣化が始まった。

 まず、前線に可能性の低いパスを送り、ボールを失うことが増えていった。別に、攻めなくてもいいから、ボールを保持して時間を使えばいいものを、そういうコントロールがまったくできていない。

 そして、試合終盤はお決まりのサンドバックコースである。フリーキックのラストプレーなど、フリーのジョンマリに簡単に折り返され、それをこれまたフリーの奈良に合わせられた。今季、何度も痛い目に会ってきた形なのに、修正がまったくできていない。今回勝ち点3をとれたのは、福岡の詰めが甘かったのと、運が良かっただけである。

 残念ながら、個人的にはロティーナ清水が内容的に上向いているとは、思えない。勝ってなお、これだけ絶望的な気持ちになるチームも、珍しい。


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 そんなわけで、本日の対戦相手の福岡なのだが、どうも波の大きいチームのようだ。上に見るように、オリンピック中断前は、5連敗を喫したこともあった。しかし、五輪中断明け以降は、5勝・2分・1敗と、勝ち点を荒稼ぎしている。調べたわけではないが、直近で一番勝率が良いのが福岡なのかもしれない。

 実は、今季の清水と福岡は、同じような状況のチーム同士だった。どちらも、メインスポンサーからの手厚い支援を受け、飛躍を期したシーズンだったのである。

 福岡は昨年、他チームからのレンタル選手が活躍し、長谷部監督の優れた手腕もあり、安定した戦いでJ1昇格を果たした。しかし、レンタル選手があらかた元のチームに戻ってしまったため、今季のJ1での福岡の戦いは厳しいものになるという予想が多かった。それでも、クラブは「J1に定着する」という目標を掲げ、それに必要な戦力はある程度の資金を使ってもしっかりと補強するという方針を貫いたため、チーム力はダウンしなかったのである。

 今季の清水も、万年残留争いから脱し、上位争い・タイトル争いができるチームへと変貌すべく、大型補強を敢行した。その意味では、今季にかける意気込みは福岡と清水で同じくらい大きかったわけだが、先方は一桁順位へと躍進、当方は相も変わらぬ残留争いと、完全に明暗が分かれている。

 さて、福岡はボール保持率がリーグで最下位のチームであり、典型的な堅守速攻型である。やはり保持率が低い清水と、似通っていると言えなくもない。しかし、最近の福岡は本物の堅守であり、清水のような「安定しているかのようで、必ずあっさりと失点するチーム」とは大違いである。

 上の表を見ても分かる通り、福岡は最近、攻撃的なチーム相手に良い結果を残している。なかなか点をとれない相手がどんどん前がかりになったところで、ボールを奪って手数少なく一気に相手ゴールに迫るという戦い方が、完全にはまっている。前節の鳥栖戦など、典型的であり、鳥栖が終始攻め立てているようで、実際には福岡が鳥栖をまんまと罠にはめて、3点もとり勝っちゃったという試合だった。清水が、実際にはカウンターでしか点が取れないのに、カウンターに徹しきれないのとは、対照的だ。

 ただ、清水にはボールを握って攻め立てる力が無いので、逆に福岡は得意の勝ちパターンに持って行くのが難しいかもしれない(変な期待感だが)。また、最近の福岡がカウンターを発動する上で、FWファンマの推進力やキープ力に頼る部分が大きかったが、今節は出場停止。その点も、もしかしたら清水に幸いするかもしれない。

 ロティーナのチームが、短期間で急に良くなるとは思えないが、福岡との噛み合わせで、もしかしたら良い結果が出るかもしれないということには、ちょっとだけ期待している。


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 明日はアウェー福岡戦。普通に考えれば、チームは前日に現地入りするだろうから、本日の静岡空港→福岡空港便で、空路福岡入りするということだろうか。福岡便は一日に何便かあるようだが、どの便なのかは不明。静岡空港のHPを見る限り、台風の影響で欠航とか遅延とかは出ていないようなので、無事に敵地に乗り込んでくれることだろう。

 (その後出た公式HPの福岡戦プレビューによれば、「試合前日の1日の練習は、台風の接近による移動への影響を考慮して試合前々日に移動し、福岡県内で行われている」ということだ。以上、補足まで)

 ところで、明日は久し振りに、夜ではなく、13:30キックオフと、昼の試合になる。これは選手にとっては結構大きな変化だろうし、それがきっかけで清水の運気が上がってくれたりするといいのだが。

 余談ながら、所長は19:00キックオフの試合が嫌いだ。夕飯を食うタイミングが無くなるのである。試合前に食べるには早すぎ、試合中は食事どころではなく、試合後に食べるには遅すぎるというね。なので、ナイトゲームの時期が過ぎ去って、ホッとしている。

 静岡も福岡も、昨日をもって緊急事態宣言が解除された。これを受け、福岡VS清水戦の観客上限は五千から一万に引き上げられ、アウェー席も設けられるとのことである。

 前節の福岡VS鳥栖戦を観てみたが、上限五千(完売)、アウェー席無しなので、福岡サポが完全ホームの雰囲気を作り出し、福岡の3:0勝利を大いに後押ししていた。しかし、清水戦はアウェー席もあるので、また雰囲気が変わるだろう。今、チェックしてみたら、上限を拡大しただけあって、アウェー席も含め、まだだいぶチケットは余っているようである。県をまたいだ移動もOKということになったことだし、皆さんももしよかったら、今からでも参戦を検討されてはどうか。

 というわけで、今日のところはアウェー遠征についての雑談だけにしておく。福岡戦の展望については、明日にでも書いてみたい。


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