エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

2021年09月

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 昨日、ロティーナ批判とも受け取られかねないことを書いたが、個人的に、ロティーナを解任すべきだとか、そういうことを言いたいわけではない。今現在、ロティーナ清水が直面している現状を、私なりに考察しているだけである。あれだけ期待感が大きかったチームが、なぜこれほどまでに低空飛行を続けているのか。そして、これから我々はどうなるのか。そうしたことにつき、個人的に思いを巡らせ、もしご興味のある方がいれば共有していただきたいという、それだけのことである。

 それで、ロティーナ論の続きになるが、果たしてロティーナは名将だろうか? それは、名将の定義によるだろう。監督が構築しようとしているサッカーの到達地点が、どれだけレベルの高いものか? そういう尺度であれば、確かに名将なのだろう。ロティーナはセレッソで、栄冠をもたらしたわけではないが、その可能性の片鱗は示した。名将の期待感は、確かにありそうである。

 しかし、最終到達点の高さも大事だが、その高みにどのくらいの速さで連れて行ってくれるのかという時間軸も、大事なはずである。「目指す高みは立派だが、そこに至るのに3年かかる。その過程では、下位カテゴリーに落ちることもある」というのでは、プロの監督として失格である。だいたい、サッカーの監督は3年くらいが賞味期限と言われているわけで、3年でようやく形を成すなどということならば、非常識である。

 ロティーナのサッカーが清水で思うように開花しない原因として、必要なピースが揃っていないことを挙げて、擁護する向きもある。しかし、今ある戦力で、現実的に、勝てるチームを構築するのも、指揮官の手腕ではないか。本当に優れた料理人なら、冷蔵庫にあるありあわせの食材だけでも、美味い飯を作るはずである。目の前に腹をすかせた客が待っているのに、「今日はフォアグラが入ってないから料理できません」では困るのである。

 ロティーナが名将であるにしても、だいぶ「条件付きの名将」なのではないか。個人的には、そんな考えに傾きつつある。

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 残念ながら、ロティーナは残留争いに向いていないと思うのである。その理由をいくつか述べてみる。

 第1に、サッカー監督の役割の一つに、モティベーターというものがあるが、ロティーナはその部分があまりにも乏しい。試合前に情熱的なスピーチで選手のやる気を引き出したり、試合中に感情をむき出しにして選手を戦わせたりと、そうした様子はまったく見て取れない。

 第2に、ロティーナの戦術が、これまた残留争いには不向きである。ロティーナ戦術の肝は、繊細なポジション調整にあり、イレブンはいまだにその体得に四苦八苦している。残留を勝ち取るためには、相手とのデュエルで負けないというキワの部分が大事だが、ロティーナのサッカーではベクトルが自分自身のポジション調整に向きがちなので、こういう戦術では「戦う」ということができず、「火事場の馬鹿力」が働きにくい。

 第3に、ロティーナは、どちらかと言うと、ベストメンバーを送り出したらそれで監督の仕事は終わりといったタイプの指揮官である。試合中に、敵将との駆け引きや、選手交代で、勝利を手繰り寄せるといった、勝負師としての手腕には欠ける。選手交代は、勝負手というよりも、先発メンバーが疲れた時に代えるという消極的なものが目立つ(むろん選手層の問題もあるが)。これは、厳しい残留争いの中で、不利な条件だ。

 第4に、昇格・残留争いのような重要な局面では、チームの一体感が肝心である。しかるに、ロティーナはメンバーを固定し、ずっとベンチ外という選手も多いので、試合に絡めていない選手たちのモチベが低下する。一部の選手たちは、すでにチームから心が離れ、来季の就職のことで頭が一杯なのではないだろうか。

 というわけで、ロティーナは組織的なチームを長期的にじっくり作り上げることには向いているかもしれないが、残留争いに向いているとは思えない。もしも清水が「恥も外聞もなく、なりふり構わず、何としてでも今季残留する」ことを目標とするなら、篠田さんでも平岡さんでもいいから、カンフル剤となりうる指揮官にリリーフをお願いするという考え方もあるかもしれない(そうすべきだと主張しているわけではないので、悪しからず)。

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 上の図は、「オフェンスで優位性を作り出す『ポジショナルプレー』とは? /相手のDFラインを攻略するための攻撃戦術」という記事から拝借したものである。ペナルティエリアの両脇「ポケット」のことを取り上げたく、お借りした次第。

 たとえば、川崎やマリノスのような破壊力のあるチームの攻撃パターンを思い起こしてみると、ポケットを多用していることがイメージできるだろう。アタッキングサードに入り、パス交換をしているうちに、ウイングとかSBとかが裏をとってポケットに侵入し、そこからのマイナスの折り返しを中央で合わせるといった形だ。

 サイドから遠目のクロスをいくら放り込んでも、そんなものはだいたい相手のディフェンスラインに弾き返されてしまい、得点の確率はきわめて低い。これは、サッカーの常識だ。

 しかるに、昨今のロティーナ清水の攻撃は、ほとんどそういう可能性の低いサイドからの遠目のクロスに終始してしまっている。原輝樹くらいの速くて鋭いクロスだったら、成功する可能性も一応はあり、実際今季その形でサンタナが決めたゴールもあった。しかし、ポケットに侵入しての至近距離のクロスよりは、確率が低まるのは当然である。今季、清水が得点力不足に苦しんでいる最大の要因と言って過言でない。

 そうかと思うと、ロティーナ清水は、速攻になりそうな時でも、ボールコントロールを優先し、バックパスを挟んだりする。ロティーナは、ボールが行ったり来たりするバタバタした展開を好まないので、ボールを奪ったら、いったん落ち着かせるように指示しているのだろうか? それこそ、川崎やマリノスだったら、遅攻に持ち込んでも、ポケットを攻略して得点に結び付けることが可能である。それに対し、清水の場合は、実際にはカウンターが一番確率が高いのに、それを自ら封印し、下手な遅攻に持ち込んで、結局期待感の低い遠目のクロスで攻撃が終わってしまうことが多い。

 ロティーナと言えば、ポジショナルプレーを標榜する指揮官だと思うのだが、なぜその常套手段であるポケット侵入を使わないのか、あるいはやろうとしているのだが選手に技量が無いのか、謎としか言いようがない。

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penetrate

 誰だったか忘れたけれど、しばらく前に、ある専門家が、こんなことを言っていた。川崎フロンターレは、全員が上手く、チームとしての完成度も高い。だから、川崎に新規に加入した選手も、上手い周りに自分のポテンシャルが引き出され、2割増しくらいで上手くなる。前所属チームの時よりも、2割増しくらいで輝く、と。まあ、そんな話をしていた。

 翻って、我が清水はどうだろうか? 所長の率直な印象を申し上げると、「清水に入ると、どの選手も、3割減くらいで下手になるな」といったところである。

 近年、低迷を続けてきた清水に関しては、「監督が駄目」、「いや、選手が駄目」と、不毛な論争があった。しかし、今季に限っては、ロティーナ監督は他のチームでは実績を残してきた人だから、「監督が駄目」と結論付けるわけにはいかないだろう。

 これで、古株選手を中心に戦っていたら、「選手が駄目」という結論でいいと思うが、現在のロティーナ清水の主力に古株選手など一人も見当たらない。ロティーナ清水の中核を担っているのは、2020年以降に新規に加入した選手たちであり、しかもほとんどが加入時には大きな期待感を持って受け入れた戦力である。だから、「選手が駄目」とも言えない気がするのだ。

 新規の監督と新規の選手、それでガラガラポンをして、古い清水を断ち切り、新しい清水に一気に生まれ変わる。そんな大改革を打ち出したはずが、今のロティーナ清水は、古い清水の駄目なところばかりを変な形で受け継いだような、ひ弱な存在となっている。チーム全体が機能しないものだから、期待された新戦力たちも、皆3割減のパフォーマンスに終始している。

 こんなことを書いて、何かの足しになるとも思えないが、モヤモヤした思いを言葉にしてみた次第。

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106

 あくまでも噂のレベルだが、神戸戦の前くらいに、「清水が、レンタル中の権田を、移籍金2億円でポルティモネンセから買い取ることを検討している」という話が、ソーシャルメディア界隈で飛び交っていた。日本代表の正守護神を完全で獲得できるのは大きいが、いくらなんでも2億というのはどうなのかと、議論になっていたようだ。

 そうした伏線に照らしてみると、神戸戦でのお粗末な2失点目が、ますます皮肉なものに思えてしまう。あんな中学生でもしないようなポロリを、2億円のGKがするのか、と。

 以前も当S研ブログで指摘したことだが、どうも今の清水ではディフェンスラインとGK権田の信頼関係が壊れているのではないかと思う。

 確かに、サッカーには、シュートがディフェンダーに当たってコースが変わり、GKが反応できずに失点するのは、付き物である。ただ、ディフェンダーが必死にブロックに行った結果、コースが変わったからといって、普通GKは怒ったりしない。しかし、今の清水の場合には、ディフェンダーが必死に体を投げ出すのではなく、横着にヒョイと足を出して、絶妙にシュートのコースを変えたりするものだから、あれではGK権田が怒るのも当然である。

 そして、神戸戦の1失点目も、まさに井林のやる気のないシュートブロックが逆にGKを幻惑したものだった。そうした伏線があったので、この試合では、権田はいつも以上にナーバスになっていたのだろう。だからこそ、神戸の大崎の放ったシュートは力の無いものだったし、MF松岡(だったか?)に当たってほんのちょっとコースが変わっただけだったが、それに権田が反応できなかったのだと、推測する。

 当S研ブログでは以前も、チームの悪い流れを変えるためにも、ここでいったんリーグ戦のGKを権田から永井に代えてみる手もあるかもしれないと指摘したことがある。そして、同情すべき点はあるにせよ、神戸戦であのようなあり得ない失点を演じてしまった以上、GKを永井に代えてみることは、ますます正当化できる方策になった。

 永井はカップ戦で期待通りの反応の良さやフィードのセンスを見せていたわけだし、ここらあたりでリーグ戦でチャンスを与えるのがフェアな気がする。翻ってそれは、「日本代表でも外されることがあるのか」と、チーム全体の緊張感・危機感にも繋がるのではないか。

 まあ、ロティーナは保守的なので、実際にはGKを代えることはないと予想するが、そうであるならば、権田が唯一信頼するCBの鈴木義宜を早く先発に戻してあげてほしい。

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104

 神戸戦の敗戦、「悲観すべき内容ではない」といった意見も散見されるが、個人的には、大いに悲観すべき内容としか言いようのない試合だったと思う。いやむしろ、普段どういう練習をしていたら、こういう酷いサッカーができるのかと、謎が深まるばかりの試合だった。

 昨日書いたように、札幌戦の神戸は出来が非常に悪く、チームとして沈滞期にあるとしか思えなかった。しかし、今思えば、それは札幌がマンツーマン気味にハイプレッシャーをかけ続けた結果だったのだろう。清水のように強度の弱い相手に対しては、神戸はたやすくプレスを回避し、相手の間に立って苦も無くボールを回すことができた。

 試合全体を通して、強く感じたのは、やはりボールを保持して繋ぐという根幹の部分で、清水があまりにも未完成なことである。神戸の選手とは大違いで、ボールを受けてから、次のプレーをどうするか迷う場面があまりにも多く、相手のプレッシャーを受け、無理なプレー選択をしたり、結局奪われたりする。

 今回の神戸戦は、あり得ないような守備のお粗末さがクローズアップされ、逆に清水の方にも決定機はあったため、「悲観すべき内容ではない」と自分を慰めたくなる気持ちは、分からないでもない。しかし、そうした思考は、大きな落とし穴ではないかと思うのだ。


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102

 今夜の神戸戦、開始時間が当初発表の19:30ではなく、19:00に変わっているので、ご注意を。

 神戸は、現在4位ということで、ACL争いをしているわけだけど、最近の戦い振りは、決して調子が良いとは思えない。上の表に見る通り、ここ何試合かは勝ったり負けたりだ。古橋時代の貯金で今の順位に着けているという印象である。

 前節の神戸VS札幌戦を観てみたが、1:0で神戸が勝利したものの、内容的にはかなりお寒かった。確かにカウンターで奪った1点は見事だったが、見せ場はそのくらい。中立のサッカー観戦者からすると、あの手この手で攻め立てる札幌の方に好感を抱く内容だった。

 1つ勝つだけで、地獄のように苦労している清水から見ると、「え、こんな酷い内容で、ワンチャンスだけで、勝てちゃうの?」というくらい、とにかく神戸の札幌戦のパフォーマンスは低調だった。大迫には陰りが見え、武藤は足首を痛め、イニエスタにキレはなく、山口は故障離脱中で、ドウグラスは何故か不在で、攻撃の形が見えなかった。

 清水は、夏に加入した新戦力がほぼフル稼働しているが、神戸の豪華新戦力は出たり出なかったりで、内部事情が良く分からない。武藤嘉紀、大迫勇也に加え、ボージャン・クルキッチ、リンコンなどとネームバリューのある新戦力が続くが、果たして清水戦には誰が出てくるのか。対する清水も、サンタナやコロリの出場が不明、藤本は契約の都合で出場不可、鈴木義宜が復帰するのかも不透明であり、こちらもメンバーが流動的だ。

 清水から見れば仰ぎ見るような順位にいる神戸ながら、今の状況からすると、清水が致命的なパスミス等で自滅しなければ、勝ち点をとれる可能性はそれなりにあるような気もするのだが、果たしてどうなるか。


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941

 個人的な日課として、相変わらず、残留ライバルチームの試合を中心に、J1の試合を1日1試合ずつ観る生活を続けている。残留ライバルたちの前節の試合はすべて観終わったが、清水にとって前節はなかなか良い節だった。下位で勝ち点3をとったのが清水だけだったので。

 ただ、ちょっと残念だったのは、湘南VS福岡戦が、試合終了間際まで湘南が負けていたのに、ラストプレーで湘南が同点弾を決め、引き分けになってしまったことである。あのまま湘南が負けてくれれば、清水と勝ち点3差がついたはずだったのに、惜しいことをした。

 それで、湘南VS福岡戦を観ていて、印象的だったのは、終盤の福岡の戦い方が、清水のそれとそっくりだったことである。つまり、相手に押し込まれながら、何とかブロックを組んでしのぎ、虎の子の1点を守り切ろうとするやり方である。最後の方は、クリア一辺倒で、なるべく遠くにボールを蹴り出すことに終始し、自分たちで繋ぐことなどは完全に放棄するという戦い方だ。しかし、最後の最後で守備が決壊し、結局勝ち点を落とすという、今季の清水に何度もあったパターンを、この試合で福岡は演じていた。残念ながら、今の清水よりも、福岡の方がはるかに完成度の高い好チームだが、似通ったところもあるなと、思わず苦笑いした。

 まあ、それもそのはずで、上のグラフに見る通り、福岡は現時点でJ1で最も支配率が低いチームだ。そして、下から2番目が清水。似通った現象が起きるのも、当然である。

 清水が、支配率の低い試合でしか勝てないのとは対照的に、福岡は支配率が高い試合でも低い試合でも勝ち星を挙げている。そういう違いはあるが、「高支配率ゆえに勝てているわけではない」という点で、両チームは共通している。

 清水VS仙台戦も、低支配率チーム同士の対戦だった。そして、案の定、支配率が48.8%と低かった清水の方が勝利した。ちなみに、今季清水が勝利した試合の中では、最も高い支配率(!)であり、いかにも持てないチーム同士の戦いという気がする。

 名古屋やFC東京あたりが、「低支配率、上等」と割り切っているのに対し、ロティーナ清水の場合はあくまでも、「持ちたいのに持てない」、「皮肉にも支配率が低い試合の方が結果が良い」状態だと思う。

 清水が何度も痛い目に遭い、湘南VS福岡戦でも裏付けられたように、ボールを持てないチームというのは、防戦一方になり、最終的に痛恨の失点を食らうリスクと常に隣り合わせなのである。

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940

 実を言うと、個人的に、今季の現地観戦時に着るユニは、福森直也のものだった。別に「大ファンだった」というわけではないのだが、昨シーズンまで怪我もあり出番がほとんど無かった選手が、今季になって試合に絡むようになったことが嬉しく、応援してあげたいという気持ちから、福森のユニを選んだのだった。

 なので、この夏に仙台への完全移籍が発表された時は、戦力的な観点もさることながら、「これで、あのユニを着るのも、少々気まずくなるな」という思いも抱いた。まあ、別に禁断の移籍とか、チームを裏切ってのゼロ円移籍とかではないので、特に後腐れもないはずだ。来季以降はともかく、今季いっぱいは福森のユニで通すかと、そんなことを思っていた。

 しかし、今回の清水VS仙台戦の結果により、もう完全に福森ユニはNGだろう。そんなものを着てスタジアム観戦していたら、狂信的な清水サポさんに、「福森め!」ということで、後ろから乗り掛かられかねない。素人がそんなことをされたら、首の骨が折れるかもしれないので、もうあのユニはやめよう。しょうがないから、今季の残りは、立田の旧ユニで行くか。

 とにかく、サンタナが軽症だといいのだが。1試合休養くらいで復帰できれば、まだ良い方か。

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penetrate

 仙台に勝てたことについては、心から安堵した。もちろんそれは、残留ライバルとの直接対決だったからというのが大きい。それと同時に、今後の清水の対戦相手を見ると、下位相手の試合は、もう仙台戦しか残っていなかった。もし仙台に勝てないと、もう本当に勝てそうな相手は見当たらず、残りのシーズンでゼロ勝という最悪の事態すら現実味を帯びたかもしれなかった。

 以前もやったことだが、J1を3つのグループに分け、今季の清水の戦績を整理してみることにしよう。なお、以下は正確に順位の順に並んでいるわけではないので、悪しからず。まず、上位グループとの対戦成績。

川崎 ●
横マ ●△
鹿島 ○●
鳥栖 △●
浦和 ●
神戸 △
名古 ●△

 このグループでは、川崎、浦和、神戸との対戦を残している。

 次に、中位グループとの対戦結果。実は、このゾーンとの残り試合が、一番多い。

東京 ○
広島 ●
札幌 ●
福岡 △
柏レ ○
ガ大 △●
セ大 ●

 そして、下位グループとの対戦結果が、以下のとおり。ご覧のとおり、もうすべて消化してしまった。

湘南 △△
徳島 ●△
仙台 ○○
大分 ●○
横F △△

 以前、今季の清水は良い意味でも悪い意味でもシーズンダブルが無いということを指摘した。しかし、今回仙台に勝てたことで、仙台に対しては良い意味でのダブルを達成した。というか、仙台に対してはルヴァンでも2つ勝っているから、シーズンクアドラプルということになるか。

 今季のルヴァンは過去のシーズンに比べると結果が良かったような印象があるが、考えてみれば、仙台に2つ勝っただけで、他チームとの対戦では劣勢だったよな。

 2021シーズンのロティーナ清水。「仙台にしか勝てなかった一年」として記憶されるようなことがないよう、残りのシーズンで奮起してほしいものである。

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939

 それにしても、ロティーナと言えば、「守備構築に定評のある」というフレーズが枕詞のように使われるが、清水の守備が安定する兆しは一向に見られない。こう言ってはなんだが、一昨日の試合、攻撃力のない仙台だからこそ1失点で済んだだけであって、上位相手では普通に3失点くらいしそうな守備の出来だった。

 思うに、ロティーナは確かに名将かもしれないが、それは優等生相手に東大進学を指南する教師のような能力に長けているということなのではないだろうか。今の清水のように、学級崩壊した駄目クラスを立て直せるかどうかというのは、どうも別ではないかという気がしてきた。

 仙台戦の失点シーン、今季何度もあった清水の失点パターンなのに、原輝綺がシュートブロックに行かなかったのには、思わず我が目を疑った。そして、ヴァウドも相変わらずひょいと足を出すだけで、結果的にシュートのコースを変え、逆にGK権田の邪魔をする始末である。

 恐らく、権田が信頼しているセンターバックは、鈴木義宜一人だけだと思う(権田本人もそれに近いようなコメントをしている)。だからこそ、義宜の復帰が待たれるわけだが、残念ながら、仙台戦のメンバー表にも、その名前はなかった。

 これは、怪我を負った頭の状態が、また悪化したのか? そんな心配もしてしまった。

 しかし、昨日19日、清水は甲府と練習試合を行い、その試合に義宜はフル出場したということである。ということは、別に怪我の後遺症ということではなく、単にまだ公式戦に出場するだけのキレ、試合勘、ゲーム体力を取り戻せていないというだけのことか? 今回、練習試合とはいえ、90分プレーしたことで、ここで改めてパフォーマンスやデータなどを確認し、次節以降で完全復活ということになるのかな?

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935

 もうシーズンはとっくに佳境に入り、降格危機に直面している我が軍としては、なりふり構わずに勝ち点を拾わなければならない局面である。内容云々ではなく、結果こそが求められる。その意味で、モロに残留ライバルである仙台を倒したことは、欲しい結果を得たことに他ならない。「内容は良かったけれど敵にワンチャンスを決められ負けてしまった」などという結果よりは、ずっと良いに決まっている。

 あくまでも、その大前提の上で、申し上げるならば、昨晩の清水のサッカーは、あまりに酷すぎなかったか。今回の仙台戦を観て、「よし、もう清水は大丈夫」と言えるか? 個人的には、むしろ、今季最悪に近い出来であり、とても再現性の高い勝ち方には思えなかった。我々は何となく、時間が経てば経つほどロティーナのチームは成熟していくようなイメージを漠然と抱いていたが、むしろ開幕当初よりも劣化している現実がある。

 仙台に勝ったことにより、ひとまず最悪の事態は回避した。しかし、少なくとも今季に関しては、ずっとこんな体たらくが続くんだなと、絶望的な気持ちを抱いた試合でもあった。

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30

 本日夜に予定されている仙台戦、試合開催の時間帯には台風は過ぎ去っているようだから、開催自体に直接の影響は無さそうだ。

 個人的には、もうとっくに、ロティーナ清水自体が覚醒するというよりは、残留ライバルたちが清水以上に低迷してくれることを願うモードに入ってしまっている。ライバルたちの試合をDAZNで1日1試合ずつ観て、負けたのを確認し、「よしよし」と安堵する、そういう情けない毎日である。

 そういう意味では、前節はまあまあ理想的な結果だった。清水は負けたが、ライバルたちもだいたい結果が悪かったからである。そうした中、仙台がガンバに勝ってしまったことだけが、唯一の誤算だった。

 そのガンバVS仙台戦を観ていたら、仙台のGKスウォビックが、「これからの11試合はすべて戦争である」と発言したということが紹介されていた。確かに、ガンバVS仙台戦は、ガンバ側の攻撃時の守備の備えが緩すぎた面もあったが、実際に仙台の戦う姿勢は戦争モードだった。だからこそ、仙台は今季初めて3得点し、アウェーでの厳しい戦いを制することができたのだろう。仙台は、その余勢を駆って、相当な勢いを持って、日本平に乗り込んでくるはずである。

 清水のイレブンには、「これは戦争である。負けたら自分たちは死ぬ」というくらいの、悲壮な決意はあるのだろうか? 相変わらず、「内容は上向いている」などと、呑気に構えてはいないか? 恐らく、今夜の試合は生き残るためのラストチャンスだと思うのだが。

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933

 明日は久し振りのホームゲームだけど、ここに来て台風の影響が懸念される事態となった。9月は晴天に恵まれ、心晴れやかにホームゲームを戦えるようなイメージを勝手に抱いていたけれど、荒れ模様の天気になるかもしれないとのことで、落胆している。天気予報によれば、おそらく明日の試合開催時間帯には、静岡では台風のピークは過ぎ、回復に向かっている頃ではないかと思うのだが、今回の台風は変な動きをしているので、気になるところである。

 明日の仙台戦では、「まぐろデー」が開催されるということが以前からアナウンスされていたが、天候の影響はどうなのだろうか? 個人的には、降格の足音が忍び寄る中で、バラエティ企画を心から楽しめる心境にはない。少なくとも選手たちに関しては、バラエティ企画に巻き込んだりせず、残留というミッションに集中させた方がいいのではないか、なんて思ってしまう。

 もちろん、練習の合間に、選手たちに板前のコスプレをさせるくらいだったら(今回のまぐろデーは実際その程度のものだろう)、大した負担でもなく、逆に良い息抜きや気分転換になったりするのかもしれない。しかし、どうも今の清水イレブンを見ていると、自分たちが危機的状況にあり、地に足のついた戦いをしていかなければならないということを、本当に理解しているのだろうか、という疑問を感じてしまう。

 チームが大事な時期にある時に、選手を巻き込んでバラエティ企画をやることについては、賛否両論が起きがちである。ちなみに、川崎フロンターレでも、何年か前に、選手たちのコスプレによるハロウィン企画みたいのがあり、その時も「こんな大事な時期に選手たちにそんなお茶らけたことをやらせて」という批判の声も一部に上がったそうである。しかし、川崎の選手たちは、そういう雑音をかき消すためにも、絶対に勝たなければならないと奮起して、当該の試合に大逆転勝利を収めたのだとか。清水の選手たちにも、そのくらいのたくましさがあればいいのだが。

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30

 ロティーナ清水は一頃まで、良い入りをして、先制点もとれ、後半の飲水タイムくらいまでは良い流れなのだけど、終盤に失速して勝ち点を失うという試合が多かった。

 しかし、最近は敵に先制されて、試合を難しくしているケースが多いように感じる。そこで最近10試合の結果を、自分たちが先制した試合を青、相手に先制された試合を赤にして、整理してみよう。

6月27日 アウェー横浜FC戦 1:1
7月4日 ホーム大分戦 1:0
7月11日 アウェー徳島戦 2:2
7月17日 ホーム川崎戦 0:2
8月9日 ホーム横浜マ戦 2:2
8月13日 ホームG大阪線 0:1
8月21日 アウェー湘南戦 1:1
8月25日 ホーム鹿島戦 0:4
8月29日 アウェー名古屋戦 1:1
9月11日 アウェー鳥栖戦 1:2

 清水が先制したのは、8月9日のマリノス戦が最後で、それ以降、5試合も先制点から遠ざかっているのか。

 過去10試合のうち、7試合で先制を許し、その結果は4敗3分け。まあ、先制されながら、3回引き分けに追い付いたのは、良く粘っているとも言えなくもない。しかし、いかんせん、これだけ先制点がとれなければ、勝ち点3が遠ざかるのも、当然である。もっとも、よく見ると、先制した3試合でも、1回しか勝てていないが(笑)。

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932

 今季開幕前、権田が流ちょうなポルトガル語で(?)、サンタナに対し、「昨年のJ1得点王はこれくらの成績だったから、お前もねらえ」みたいなことをけしかけたらしい。

 サンタナは、清水というしがない下位チームでプレーしており、爆発的に活躍しているわけではない。しかし、上の表に見るように、結果的に現時点で得点ランキング8位に着けている。

 しかも、サンタナの上にいる7選手のうち、4人はもういなくなってしまった。もしもレアンドロダミアンが長めの離脱でもすれば、これからだって、サンタナが本当に得点王になる可能性も、全く無いわけではない。

 でも、その割には、やっぱりサンタナって、決定機を外してるイメージの方が強いんだよね。鳥栖戦の前半に、GKと一対一になったシーンでも、鳥栖のディフェンダーが超ファインプレーでクリアしたということになっているけど、あのシュート、良く見ると枠内に行っていないと思う。左足で蹴ったから、ゴールから逸れていく軌道で、たぶんポスト直撃くらいだったはずである。だから、鳥栖の選手がオウンゴールでもしてくれないと、入らないシュートだったんじゃないかな。

 サンタナが、ああいう形でGKと一対一になって、決めてくれたケースは、これまでほとんど無かったのではないか。GKとの駆け引きで、フワっと浮かすとか、股を抜くとか、コースを狙うとか、そういうセンスが無い。だいたい、GKに当ててしまうか、枠外に逸れるかのどちらかである。肝心な場面のパスもずれることが多いし、どうも不器用な選手と言わざるを得ない。

 それよりもむしろ、GKと距離がある時のシュートの方が、期待感がある。典型的なのは、アウェー仙台戦の決勝ゴールであり、あれは痛快だった。そして、鳥栖戦の同点ゴールも、相手に当たったとは言え、豪快なシュートだった。

 J1のエースストライカーは、2桁ゴールをとれば、まあまあ合格点とは言えるだろう。しかし、今季は試合数が多いので、単に2桁でOKといわず、もうちょっと上積みをお願いしたいところである。

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738

 清水に関して、「次節、誰それが欠場の見通し」とか、「誰それがスタメン濃厚」とか、非常に確度の高い情報が事前にマスコミに出ることが多い印象がある。「そんなに正直にチームの予定とか事情を表に出して、相手に対策の余地を与えなくてもいいんじゃないか」と思うこともある。

 なので、鳥栖戦を前に、「鈴木義宜が先発復帰へ」という報道が出たものだから、これはもう、完全にそうなのだろうと、個人的には信じ込んだ。ところが、鳥栖戦のメンバー表には義宜の名前が一切なく、代わりに(ポジションは違うが)学生の山原怜音君のサプライズ抜擢があったりして、非常に面食らったわけである。

 はて、これはどういうことだったのだろうか? 義宜は、直前のエリートリーグで、まあまあ普通にプレーしており、状態さえ戻れば、清水のセンターバックの中で序列は一番上のはずである。清水に限って、敵を混乱させるためにフェイク情報を流したなどということは、無いはずだが(それに、センターバックのメンツを変えたくらいでは、相手を混乱させることなどできない)。

 義宜がいたら、白崎に競り勝てたかどうかは分からないが、何にしても、次節こそは、義宜完全復活の朗報を聞きたいものである。

 もう一つ、鳥栖戦では、カルリーニョスも復帰してくれるはずだと、個人的に信じて疑わなかった。最近の三保での様子を断片的に見る限り、もう普通にトレーニングしているように思えたからだ。ところが、実際には、カルリの復帰もお預け。右カルリ、左コロリだったら、ちょっと漫才コンビのようではあるが、かなりの推進力が出て、相手の脅威になると思うのだが。

 義宜にしても、カルリにしても、念には念を入れて、遠征は見送り、仙台戦からフル稼働ということにした、ということであってほしいものである。

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738

 残念ながら、鳥栖戦は権田のせいで勝ち点1を失ったと言わざるを得ない。まあ、ホーム鳥栖戦では権田のお陰で勝ち点1を獲得し、アウェー鳥栖戦では権田のミスで逆に勝ち点1を失ったわけだから、プラマイゼロみたいなものか。

 もちろん、エドゥアルドのあのシュートを止めるべきだったと言っているのではない。エドゥアルドは前節、同じような角度からキャノン砲をたたきこんでおり、当然その情報は清水イレブンに共有されていただろう。キャノン砲で直接ゴールを狙われるのが一番の脅威なわけだから、あのシュートコースにもっと壁を立たせるべきだった。権田は、あのコースに打たれたら自分が止めるという自信があったので、あそこに1人しか立たせなかったのだろう。結局、それで浴びたシュートに触ることもできなかったのだから、GKのミスだと思う。つまり、ホームでの横浜FC戦と同じ過ちを犯した。

 エリートリーグで永井が粘り強くGKからのビルドアップをトライしていたのとは対照的に、鳥栖戦で権田はほとんどロングキックを選択していた。非常に気になったのは、一度ビルドアップをやりかけた時に、周りの反応が悪く、結局ロングキックに切り替え、その際に権田があきれ果てたように手を広げるポーズをしていたことである。これまで、権田がビルドアップをやろうとして周りが思うように動いてくれない時、苛立ちが表情やしぐさに出ることはあったが、今回のポーズが一番露骨だった。

 確かに権田は能力も意識も高い。だが、意識が高すぎるがゆえに、周りとぎくしゃくしてしまうことがあるというのは、以前本人も認めていた。本人によれば、海外を含む色んな経験をして、だいぶ丸くなってきたという話ではあるのだが…。

 これから残留争いという中で、チームがバラバラになる事態だけは避けたいものである。

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 ロティーナのサッカーは難しいし時間がかかるが、完成すれば面白いように勝てる。だから、今は我慢の時だ。今季開幕から、我々は自分たちにそう言い聞かせて、忍従の時を過ごしてきた。

 しかし、ゴールデンウィークを過ぎても、お盆を過ぎても、チームは一向に進歩しない。そして、昨日の鳥栖戦の敗北で、代表ウィーク中断を活用してチームがぐっと良くなるかもしれないという期待も、裏切られた。何の進歩も無い姿が、そこにはあった。

 今シーズン、いつかの時点で、チームが完成し、パチンコで言うところの「確変」の状態に至る。そうなれば、J1残留などはもちろん、上位進出も視野に入る。これまではそう信じてきたわけだが、少なくとも今季に関しては、確変は無いだろう。ずっとこんな調子だと予想する。

 しかし、個人的には、ロティーナ清水に関しては半ば諦めたが、J1残留は諦めない。残留ライバルたちが、清水以上に低迷してくれれば、生き残ることは不可能ではない。他力というやつである。

 とはいえ、いくら何でも、下位のライバルチームもある程度は勝ち点を積んでくる。それでも逃げ切れるくらいの最小限の勝ち点積み上げは、清水にも必要だ。たぶん、1試合平均で勝ち点1くらいはとっておかないと、お陀仏である。それすらもできないと言うのなら、自分たちにふさわしい場所に堕ちるだけの話である。


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 そんなわけで、代表ウィークのプチ中断が明け、清水は本日のアウェー鳥栖戦でリーグ戦が再開する。

 はっきり言って、チームが置かれた状況はかなり危機的だと思うのだが、リーグ戦再開を前に選手たちから聞こえてくる声は、前向きなものが多い。

 ホナウド 「パフォーマンスは良くなっている。必ずチームに貢献できる自信がある。清水はJ1にいるべきチーム。これからは順位を上げる戦いになる。」

 松岡 「(残り試合の目標は)残留という形で見ていない。一つでも上の順位、もっと上の順位を見据えている。全員がそういう気持ちを持っている。選手の能力や技術を見ると、この順位にいるチームではないと思っている。残り試合全部勝つという気持ちで練習と試合に臨むことが一番大切だと思っている。」

 井林 「戦術の成熟度は良くなっている。チームとしてやろうとしている形ができつつある。個人個人のアイデアが増えていけば勝ちにつながる。」

 まあ、今季開幕前に、「僕は残留争いをするためにこのチームに来たわけではない」(権田)、「僕らは最初からガンガン行きます」(竹内)、「今季の目標は2桁得点です」(指宿)といった発言が聞かれ、全部ウソだったという苦い記憶がある。なので、直近の選手コメントも、話半分で聞いておくことにする。


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