エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

2021年08月

penetrate

 本来はもっと危機感を持たなければいけないのだが、名古屋戦の「勝ち点1」により、何となく、一定の安堵感を抱きながら、プチ中断に突入した。新戦力もまずまず無難にチームに溶け込み、これで中断期間を利用して一層の成熟を図れば、リーグ戦終盤の準備が整うのではないか、と。

 そうした中、昨日になって、「本日(8/30)よりトレーニングキャンプ(8/30~9/5 @高円宮記念JFA夢フィールド)を行うU-20日本代表候補において、松岡大起選手が怪我のため不参加となりました」と、チームから発表があった。

 名古屋戦で松岡は、最後まで普通にプレーしていたと記憶している。88分にボランチの1枚を代えた時も、ホナウド→竹内だったし、交代枠は1枚余っていた(いや、ヴァウドが脳震盪扱いだったら2枚余っていたことになるのかな? 分からん)。ボランチの適役がもうベンチにいなかったのは事実にしても、もしも松岡が動けないほどだったら、交代させていたはずだ。

 そもそも、松岡が加入して以降、リーグ戦では出ずっぱりで、酷使し過ぎの感があった。いくら本人が野心的でエネルギーが満ち溢れていても、新加入の二十歳に頼りすぎだろうという気はしていた。

 終盤戦に向けて、チームを成熟させていく上で、この中断はぜひ有効活用したく、その時に松岡が代表活動でチームにいないのは痛いな、とは思っていた。まさか、清水でのトレーニングを優先し、仮病を使ったということは無いと思うが……。願わくば、「無理はしたくないのでU-20は辞退するが、それほど重大な怪我ではない」という、良い塩梅の怪我(?)であることを祈るばかりである。

 気になると言えば、名古屋戦で原輝綺がベンチにもいなかったことが、気になり過ぎる。清水加入以来、怪我以外で、リーグ戦を欠場したことは無かったはずだが。その結果、まだ大学生の山原怜音君がベンチ入りするという楽しみな要素もあったが、緊急事態ゆえの学徒出陣の感は否めなかった。エウシーニョ不在の上に、原までもが大きな怪我などということになったら、痛手は計り知れない。

 リーグ戦再開初戦は、9月11日のアウェー鳥栖戦になるわけだが、松岡、原と、2人揃って古巣対決に臨めると、信じたいものである。


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919

 昨日、当S研ブログでは、清水が名古屋に先制を許したら、追い付くのは絶対ムリと断言しておいた。しかし、57分に敵の前田に決められ、敗色濃厚だったところを、久し振りにサンタナが大仕事をしてくれた。74分、藤本からのクロスを、ダイレクトで右足で合わせ、GKランゲラックの反応できないコースぎりぎりに流し込むテクニカルなシュートを決めてくれた。

 昨日の試合内容からすると、引き分けは御の字だろう。今季の名古屋にとって、先制しながら追い付かれてドローに終わったのは初めてだったはずで(他に負けが1回あったらしいが)、上位・名古屋の勝ちパターンを狂わせたという意味で、それなりに意地を見せた格好となった。

 それにしてもサンタナ、最近はポストプレーの時に敵に激しくマークされ、ファウルだろアピールが目立ちすぎ、前節に至ってはそこからチームが崩壊していたし、今回の名古屋戦もその悪い癖が出ていた。個人的には、もう代えた方がいいんじゃないかなんて思いながら観ていたが、最後に大仕事をするあたり、やはり代えの利かない存在なんだなと、今回ばかりは納得した。

 五輪中断明け以降、上位のマリノスと名古屋とは引き分けており、勝ち点を計算していなかった試合で、一応は勝ち点1を拾えているという意味では、本来はポジティブである。しかし、勝たなければいけない試合で勝てていないので、本来なら貴重な上位相手の勝ち点1も、色あせてしまう。そこが問題だ。


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918

 本日の対戦相手は名古屋。一時期調子を落としていたが、すっかり復調し、リーグ戦では3試合連続完封勝利中である。上には、最近の試合の戦績だけ貼っておく。

 名古屋はクリーンシートが多いことで有名だけど、もう一つ驚くのは、先制した試合での勝率の高さである。確か、今季リーグ戦で先制点を奪うとほぼすべて勝っており、わずかに1敗しただけだったと思う。このあたり、先制点が、その後、同点・逆転弾を食らう前振りに過ぎない清水との大きな違いだ。

 前節の札幌VS名古屋戦を観てみたが、立ち上がりは札幌が良い入りをしていたものの、一瞬の隙を突いて名古屋が先制すると、もう大勢は決してしまった印象である。その後、札幌があの手この手で攻撃を繰り出しても、名古屋の守備はビクともしない。むしろ、名古屋得意のカウンターの確率が高まるばかりである。

 得点力のある札幌ですら、その蟻地獄にはまってしまった。増してや、遅攻からはほぼ得点がとれない清水が、名古屋に先制を許したら、その時点で敗戦と覚悟しなければならない。

 それにしても、守備構築に定評のあるロティーナを招聘し、補強も敢行して、今季の清水こそ、今の名古屋のような、堅守のチームになると思ったんだけどねえ。ゾーンディフェンスは相変わらず出来損ないのままだ。まあ、名古屋も、マッシモ監督が来てから、今日のような強靭なチームに変貌するのには、しばらく時間がかかったのも事実だけれど。


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penetrate

 セレッソがクルピ監督を解任したそうですな。リーグ戦25試合を終え7勝9分9敗、暫定12位と、清水よりも上の成績なのだが。昨年4位のACL出場チームとしては、許容できない数字ということか。

 しかし、直近の湘南戦で大敗したことが解任のトリガーだったとしたら、ちょっと早まった決定ではないかという気がする。確かに、最近のセレッソ、勝てない時期が長かったとはいえ、前節は逆に快勝していたわけだし。セレッソと湘南の試合を観てみたが、確かに湘南がすごく良い戦いをしたのは事実として、ああいう一方的な試合(1:5)になったのは、たまたまだったという印象だ。セレッソは、このタイミングで監督を代えることで、かえって降格のリスクが高まるような気がする。おそらく、セレッソの場合は、目指すところが残留ではなく、上位躍進なので、現クルピ体制では無理という判断になったのだろう。

 元々、セレッソがロティーナからクルピに切り替えたのは、まともな合理的判断というよりも、お家騒動の産物という感じだった。我々清水側の受け止めとしては、ラッキー!、セレッソさん勝手にコケてください、名将ロティーナはうちがいただきます、サンキュー、というものだった。実際、セレッソはクルピ体制が失敗し、当初から指摘されていた不安が的中した形となった。

 しかし、セレッソの内紛のお陰でロティーナを迎え入れることができた清水が、セレッソ以上に低迷しているのだから、何とも皮肉である。

 それにしても、参ったね。ロティーナは良いチームをじっくり作ることはできるだろうが、なりふり構わずに勝ち点を拾っていかなければならない残留争いには、恐らく向いていない指揮官だと思う。かといって、切るわけにもいかないし。非常にまずい事態になった。

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30

 権田が日本代表に再び招集されたようだ。はっきり言って、今回は代表落ちするのではないかという予感がしていたし、むしろその方がいいのではないかとすら、個人的に思っていた。日本代表の歴史で、所属クラブでこんな湯水のように失点するGKを招集した前例は、あるのだろうか?

 もちろん今の清水の失点禍はGKだけの責任ではなく、チーム全体の問題である。しかし、守備の要であり、キャプテンでもある権田が、チームを然るべく統率できておらず、その結果として今日の低迷があることも、否定できない事実である。こういう時は招集を見送るのが筋だと、個人的には思う。

 権田の最近のパフォーマンス自体、あまり良いようには思えない。ガンバ戦で、途中出場選手に決められたゴール、決めた本人によれば、GKがニアに寄っているのが見えたので、ファーを巻くように狙ったということである(利き足ですら無かったのだが)。ルーキーのデビュー戦で、そこまで余裕を与えてしまったのだとしたら、反省すべきだろう。湘南戦で2~3ビッグセーブがあったが、いずれも日本のトップクラスなら止めて当然のシュートに見えたし、東口なら目をつむっても止めただろう。

 チームが勝てないので、個人的にもちょっと辛辣になってきた。すまぬ。

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917

 試合後にロティーナ監督は「多くコメントをする必要のない試合だった」と述べたが、まったく同意見である。いや、こんなことで、監督と意見が一致しても、嬉しくもなんともないのだが。

 清水と鹿島は対照的なチームなので、この両者が対戦すると、お互いのチームの特徴が浮き彫りになる。とにかく鹿島は、勝つことに徹するチームである。勝負所、試合運びというものを、良く知っている。正直言えば、川崎やマリノスのような意味での攻撃の怖さはないが、清水がちょっとエラーを起こすと、それに付け込んで、その時だけピラニアのような恐ろしい本性を見せて、敵を食い尽くす。対する清水は、良さげな時間帯、良さげな場面というものが無くも無いのだが、それを得点や勝ち点に結び付ける術を知らない。「自分たちが準備してきたものを表現する」ことに終始している。

 我々は、ロティーナ清水が必ず高みへと至ってくれるはずで、現在はその産みの苦しみであるという前提で、このチームを見てきた。しかし、ここまで何もかもが上手く行かないと、本当にそうなのかという疑問も、頭をもたげてくる。はっきり言って、今回の鹿島戦から見えてきたのは、産みの苦しみというよりも、崩壊するチームの末期症状に近いものだった。試合中のロティーナ監督の表情も、もう匙を投げたような感じだったし。

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30

 ロティーナ清水は、5月~6月くらいは3バックをよく使っていたけど、最近はほとんど4バックだったと記憶している。

 記憶を辿ると、恐らく、清水が本格的に3バックを使ったのは、6月27日のアウェー横浜FC戦が最後だった気がする。この試合、清水は右から原・ヴァウド・立田の3バックでスタートし、ウィングバックには右・中山、左・片山が入った。しかし、中山のクロス対応が甘くなったところから前半終了間際に失点し、後半は4バックにシステムチェンジしている。たぶん、それ以降、ロティーナ監督が3バックを選択した試合はなかったように思う。

 ちなみに、3バックにする時には、福森が左のCBに入ることがよくあった。福森が一番フィットするのがそのポジションなので、3バックには彼を活かすという意味合いもあったかもしれない。しかし、仙台に移籍してしまったので、その要因は無くなった。

 ただ、もしかしたら本日の鹿島戦は、ロティーナが久し振りに3バックを使う可能性もあるのではないかと考えている。というのも、ルヴァンのプレーオフステージで、清水は3バックを使うことによって、戦術的には鹿島に対して優位に立っていたからだ。確か、ホームでのファーストレグで、最初不安定な立ち上がりだったことから、飲水タイム明けに3バックに変更し、それ以降戦い方が安定したんだったと思う。そして、アウェーでのセカンドレグでも3バックを継続し、集中力の欠如から負けはしたものの、システム的には明らかに清水が優位に立っていた。

 皆様ご存知のとおり、相馬監督は水平方向に圧縮した陣形を敷くので、ファーサイドががら空きになったりして、相手が3バックで幅を使ってきたりすると、そこから崩れたりすることがあるようだ。ちなみに、今季の鹿島、4バックの相手には8勝・3分・5敗だが、3バックの相手には4勝・2分・3敗だそうで、やはり3バック相手の方が若干苦戦している感じがする。本日の鹿島戦、まずロティーナ監督がどんなシステムを選択するかに注目したい。

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47

 個人的に、次節対戦する相手や、残留争いのライバルチームの試合はなるべくDAZNでフルで観るようにしている。なので、明日対戦する鹿島の試合も当然チェックしてみた。神戸VS鹿島戦である。結果はホームの神戸が1:0で勝利。

 ただ、神戸も鹿島も、清水にとっては、順位の上での直接的な利害関係はない。で、解説を聞いていたら、鹿島はイエローカードの数がリーグ最多であり、3枚でリーチがかかっている選手が多く、犬飼、町田がまさに3枚抱えているという話だった。また、試合の割と早い時間帯で、MFピトゥカにイエローが出た。なので、個人的に神戸VS鹿島戦は、勝ち負けはどうでもよく、犬飼、町田、ピトゥカ(2枚目)の誰かにイエローが出ないかという、もっぱらその一点に集中して観戦した。今の力は鹿島の方がずっと上であるにしても、もしも犬飼と町田が清水戦に両方いないなんてことになったら、さすがに清水にも付け入る隙が出てきそうなので。

 で、結局、犬飼には実際にイエローが出て、彼が清水戦を欠場することが確定した。もう一声、町田も不在なら有難かったのだが、まあそこまで望むのは欲張りすぎか。レギュラーCBの1枚がいないというだけで、満足することにしよう。なんだか、こんなことばかり考えている自分が情けないが、それが今の現実である。

 実際のところ、清水と鹿島の警告数を比べて見ると、上の表に見る通り、清水は半分以下である。反則ポイントの優秀さで、清水は3位に付けている。しかし、反則ポイントというのは、ほとんどチーム成績とは関係が無い指標である。首位の川崎が反則ポイントで最も優秀とはいえ、この表で上位のクラブで降格危機のところもあるし、逆に強豪マリノスの反則ポイントが最下位レベルなのはもはやお馴染みである。

 反則ポイントというのは、それ自体が目的というのではない。目指すべきはあくまでも順位表の順位を上げることで、それでいてクリーンだったらなお素晴らしいという二次的なことに過ぎない。

 神戸戦で鹿島は、敗れはしたが、鹿島にみなぎる「殺気」のようなものは感じられた。ある意味でそれが清水に最も欠けているものなのかもしれない。

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2021

 清水のJ1リーグ戦における節別の勝ち点推移というこのグラフは時々お目にかけるが、今般更新して最新版を作成した。目下、清水は25試合を消化して、勝ち点25。しばしば、残留するための最低限の勝ち点の目安として、消化試合数と同じ勝ち点ということが言われるが、その崖っぷちに位置している。

 今季の罫線を見ていて感じるのは、とにかく爆発力がないということである。確かに大型連敗はないが、連勝もない。まとまって勝ち点を稼いだ時期は、例の下位相手の4連戦しかない。

 それにしても、思うのである。昨年、クラモフスキー監督の下で崩壊し切った清水を、平岡監督が立て直し、平岡監督自身は、4勝・2分・3敗でフィニッシュした。もちろん、俗にいう監督解任ブーストはあったにせよ、平岡さんは五分の星を残すくらいの堅実な手腕はあった人だった。もしも、今季も平岡監督が続投し、大型補強などせず、昨年のメンバーで戦ったとしても、だいたいトントンくらいの勝敗にはなっていたのではないか。

 それが、名将の誉れ高いロティーナ監督を招聘し、大型補強も敢行したら、5勝・10分・10敗になってしまったのである。多少、失点が減少したといっても、現在の戦績は、とても正当化できるものではない。現時点の戦績だけとれば、大失敗である。

 言うまでもなく、ここで主張したいのは、ロティーナ監督を招聘したことが間違っていたとか、監督を平岡さんに戻すべきだとか、そういうことではない。言いたいのは、それほどまでに、現状はふがいないものであり、もしもこのまま終わったら、単なるお笑い種の大失敗なのだから、それだけ監督にはなるべく早く結果を出してくれなければ困るし、選手には奮起してもらわないと困るということである。残りのシーズンで、それこそ倍返しくらいの結果を出してほしい。

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916

 今季の開幕前、「ロティーナは時間がかかる。でも、戦術が浸透したゴールデンウィーク明け頃から、面白いように勝ち始める」といった見通しが、しばしば語られたと記憶している。

 それが実現しないと、今度は、「ロティーナ清水はお盆明けくらいから勝ち始める」といったことが、願望を込めて語られるようになった。

 しかし、もうお盆は明けてしまった。今度は、「ロティーナ清水は夏休み明けくらいから勝ち始める」という言説にすり替わるのだろうか? 何なんだ、その延期に次ぐ延期は? 三菱スペースジェットかっ!?

 個人的に、ロティーナ体制を、支持はしている。しかし、このままで本当に大丈夫なのかという、小さからぬ不安も抱えている。清水は、下位チームの中で、降格の危機感が一番小さいと思う。生き残ること、目の前の試合で勝ち点をとることよりも、「自分たちのサッカーを構築すること」の方に主眼があるような。そして、それに「新戦力の融合」という新たな課題が加わり、ますます焦点がぼやけてしまっているような。もうとっくに、OSのインストールは終えて、バリバリ仕事をしなければいけない時期なのに。いまだに、セットアップに手こずっていると言おうか…。

 湘南戦に勝てなかったことは、本当に痛かった。もっとも、入ってもおかしくないような枠内シュートは、先方の方が多かったので、引き分けに終わったことを悔しがっているのは、むしろ湘南側かもしれないが。

 勝てなかったという事実があまりにも重く、試合内容について、あまり語る気にもなれない。勝負の8月に、ゼロ勝に終わってしまうのだろうか?

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915

 8月の清水のカレンダーを見た時に、「キツいな」とは、思ったよね。上位との対戦が続くから。そんな中で、唯一、清水よりも順位が下の対戦相手が、本日の湘南だ。今のうちが、「格下」などという言葉を使う資格はないが、現実に川崎やマリノスには全く歯が立たない以上、本日の湘南戦には何としても勝利したい。そうでもしないと、本当に勝つ相手がいなくなってしまう。

 上の表に見る通り、先方は絶賛5連敗中か。しかし、これほど当てにならないデータもなく、今季我がチームが、「連続勝ち無し」とか、「連続無得点」とか、そういう調子の悪い相手に、どれだけ貢物をしてきたことか。

 湘南のデータをざっと眺めると、清水と湘南は、似た者同士なのかなという印象を受ける。ともに、本来のコンセプトとしては、ポゼションを高めたいものの、全然上手く行っていない。そして、低いボール保持率でカウンターに徹した時の方が、結果が良かったりする。

 ちなみに、湘南は直近5連敗している中で、先制点を奪いながら逆転負けしたケースが3試合もある。先制しながら勝ち切れないというのも、清水との類似点である。

 あと、湘南の試合を観ていると、攻撃のパターンが少なく、単純なクロスを放り込む以外にフィニッシュに持ち込む形がないという印象を受ける。うちがホームでやられたように、それがウェリントンにばっちり合ったりすると得点になるが、基本的には、期待感は低い攻撃だ。ゆえに、実際の得点はカウンターかセットプレーだけということになる。この点も、清水と同じ病状と言えるかもしれない。

 他方、清水と湘南で大きく異なるのは、清水が夏の移籍でも積極的に動いたのに対し、湘南は静かだったという点だろう。2021年夏のインは、清水が5人、湘南は杉岡の出戻りの1人だけだった。それだけ清水はカネを出して本気度を示しているのだから、それが結果に表れることを願うばかりだ。

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45

 終わってみれば、圧倒的な力の差を見せつけられた天皇杯・川崎戦。ただ、期待の新戦力が初出場を果たし、悪くないプレー振りを見せてくれ、今後への期待感は抱かせてくれた。

 ボランチの一画として先発したホナウド。ヘナトが好調時に見せるような「超人的」という印象はなかったけど、むしろいぶし銀という感じのプレー振りだった。やはり寄せやボール奪取には鋭さがある。そして、奪ったボールをちょっと持ち出したり、味方に良い角度でサポートに入ったりして、上手く局面を打開した場面が何度かあった。これまで清水の中盤がパスが詰まりがちであったことを考えると、ホナウドのところで上手くはがしてくれると、チームとしては非常に助かる。ホナウドのコンディションさえ上がれば、秋からは松岡+ホナウドがダブルボランチのファーストチョイスになっていくのだろうか? そうなれば、今までの清水とは、ずいぶん違うチームになりそうだ。

 コロリは、左サイドハーフとして後半頭から出場。川崎戦を見る限り、デュークのような猪突猛進型でも、カルリーニョスのような推進力が持ち味でもなく、ドリブルはあまりせずに、周りとのパスワークで前進していくプレイスタイルなのかなと感じた。ただ、まだ本調子ではないだろうし、川崎戦では攻撃機会があまりに少なかったため、あれが本来の姿かどうかは全く分からない。いきなりセットプレーのキッカーになったのは意外で、ヴァウドの得点未遂をアシストしかけた。清水での適正ポジションがどこかも含めて、所長の拙い眼力では、まだ全然分からないというのが、正直なところである。

 先日トップ昇格が発表されたユースの菊地脩太君が、65分に実際に投入されたのには驚いた。CBとしてはそれほど大柄ではないが、川崎の怖いアタッカー相手にも堂々と渡り合っており、抜擢も納得という気がした。

 菊地君のデビューは嬉しい出来事としても、ただ、エリックは2個下のユースの後輩に抜かれてしまったということになるのだろうか? うかうかしてると、立…(以下自粛)。

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101

 Giant Killingならぬ、Killed by the Giant. 悔しいが、そんな印象だ。川崎は、ベストメンバーのピーク時に比べれば、4割くらいの力加減だった。リーグ戦よりはメンバーを落としていたし、何だかダルそうにプレーしていた。それでも、ベンチにはダミアン、シミッチ、ジェジェウ、脇坂、家長といったいつものレギュラーが控えており、メンバーのガチさだけで言ったら、一部の主力を全休させた清水よりも意外と本気だったかもしれない。

 試合の流れから行けば、ダミアン、シミッチといったややこしい連中が出てくる前に、何かのはずみで得点して、リードでもできれば…。そんな目線で観ていたのだが、奇跡は起きなかった。

 それにしても、一つの大会の終焉は、寂しいものである。福山戦、いわて戦と、ぎりぎりの戦いではあったが、紡いできた流れが、ここで切れてしまった。ラウンド16で絶対王者と当たるのは、今の清水にとっては酷だった。

 これで、今季の無冠も確定だろう。もうかれこれ20年も、タイトルから遠ざかってしまった。ちなみに、数字上は、残りのリーグ戦で清水が全勝し、川崎が全敗すれば、J1リーグ戦で川崎を追い抜くことはできる(他のチームもあるので優勝できるかは分からないが)。しかし、清水があと1敗して、川崎が1勝すると、その天文学的な可能性も消えてしまうので、次の週末にはもうそうなってしまうかもしれない。


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 川崎が今季リーグ戦でまだ無敗だというのは良く知られているが、それだけではなく、すべての大会で無敗である。今季というか、昨シーズンに含まれる元日の天皇杯も含め、今年のすべての公式戦で、負けていない。

 元日の天皇杯に勝利。ゼロックススーパーカップも勝利。リーグ戦は19勝5分。ACLは6戦全勝。天皇杯はここまで勝ち上がり。ルヴァンカップはこれから出場、というわけである。今季の無敗の軌跡を示しておくが、だいぶ長いので、3つに分割しないと収まらない。

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 ただ、あのチームはかなり積極的にターンオーバーをやるので、リーグ戦でも下位チーム相手に露骨にメンバーを落とし、結果的に苦戦することは、時々ある。5月12日の仙台戦、5月26日の湘南戦などは、無敗記録が止まってもおかしくない危ない試合だった印象がある。もしかしたら、川崎を止めるのはJ1上位の強豪チームではなく、下位チーム(川崎がメンバーを落とすので)になるかもしれない。

 同じことは天皇杯にも言えて、川崎は2回戦で長野、3回戦で千葉を相手に決着をつけることができず、PK戦でかろうじて勝ち上がってきた。

 これまで川崎には、ターンオーバーをしてもチーム力が落ちないだけの選手層があった。しかし、田中碧、三笘薫が移籍し、小林悠もケガ明けという状況では、以前ほどやりくりが楽ではないだろう。リーグ戦では、前節の柏戦で、川崎は今季初めて、無得点に終わっている。

 「勝ち疲れ」の色が見える川崎に対し、勝利に飢えているのは清水の方だし、出場機会に飢えている選手、加入後初出場を狙う選手と、モティベーションもうちの方が高いはず。


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30

 今季、清水リーグ戦の得点者を整理すると。

チアゴサンタナ:7
片山瑛一:2
原輝綺:2
ヴァウド:2
中山克広:2
エウシーニョ:1
後藤優介:1
西沢健太:1
ディサロ燦シルヴァーノ:1
カルリーニョスジュニオ:1
鈴木義宜:1
鈴木唯人:1

 色んな人が点をとっているという意味では、ポジティブかもしれない。しかし、サンタナを除くと、まとまった数のゴールを挙げている人がいないのが、チームの得点が伸びない一因かも。特に、昨年の稼ぎ頭だったカルリーニョスが、怪我がちということもあり、伸び悩んでいるのが痛い。

 ところで、皆さん、お気づきにならないか? ボランチの得点がゼロだということに。河井ゼロ、竹内ゼロ、宮本ゼロ、中村ゼロ、ヘナトゼロ、全員ゼロである。

 ちなみに、夏に加入した松岡、彼はあれだけ高く評価されている選手でありながら、実はプロ入りしてまだ1点もとっていない。

 ついでに言うと、ホナウドも、プロ入りして6年間ほどで52試合プレーしながら、1点しかとっていない。点のとれるボランチというわけではなさそうだ。

 というわけで、今年はシーズン終了まで、結局ボランチの得点がゼロで終わる可能性がある。

 ボランチの得点が無いのは、ロティーナの考え方も反映されているかもしれない。彼は選手の(特にボランチの)立ち位置を重視し、ボランチがフラフラと攻め上がるようなことはあまり好まないはずである。実際、セレッソでは攻撃大好きボランチのソウザと対立し、ほとんど攻撃参加しないデサバトを重用した。また、長身のディフェンダーはセットプレーで攻撃に参加するので、得点の機会があるが、ボランチはセットプレーの際にカウンター警戒で後ろにいることが多いので、それもボランチの得点が無い要因だろう。


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penetrate

 どういうわけか、ここに来て急に、スタジアムにおける「ため息問題」がクローズアップされてきた。FC東京戦の頃だっただろうか、スタジアム各所に「ため息ではなく拍手を」といった有志による訴えが掲出された。ファンクラブ向けの動画企画で、選手の側からも、原だったと思うが、「清水は良くも悪くも観客の空気がダイレクトに伝わってくる。ミスするとため息が出たり、立田がボールを持つと悲鳴が上がったり」と苦言を呈していた。そして、先日のガンバ戦ではついにスタジアムDJも試合前の煽りで「ため息ではなく拍手を」といったことを述べていた。

 この「ため息問題」につき、所長の思うところを述べさせていただく。

 まず、「ため息ではなく拍手を」という考えに、個人的には大賛成であるし、実際にもなるべくそうしているつもりである。そうすることで、スタジアムの空気がポジティブになり、勝つ確率が1%でも上がるなら、ぜひそうしようではないか。

 その一方で、条件反射的に、思わずため息が出てしまうのにも、やむを得ない面がある。それだけ、近年の清水の戦いは不甲斐ないものだったし、今季も歓喜よりも落胆の方がはるかに多い。プレッシャーも何もない場面でパスミスをしたり、1試合で2~3度くらいしかない決定機を無残に外したりしたら、思わず「あ~あ」となってしまうのは、人情というものである。なるべくポジティブに盛り立てるべきというのはその通りで、そうしようとは思うが、「そもそも今の清水はため息を誘いがちなチーム」という根本問題は、チームの側に奮起して良くしていってもらうしかない。それは、我々にはどうしようもない。

 そして、所長が個人的に一番重大と思う問題がある。選手自身がため息をついていることである。つまり、清水のイレブンは、ミスをすると、「あ~あ、やっちゃた」という具合に自分で自分のプレーにため息をつき、数秒くらいその場で悔やんでいるのである。これは、川崎やマリノスの選手だったら、あり得ないことだ。川崎やマリノスの選手は、ミスしたり、ボールを奪われても、その瞬間に切り替え、ボールを奪い返しに行ったり、プレスで相手を遅らせたりする。彼らにとってミスは、そのスイッチに他ならないので、「あ~あ」などとため息をついているヒマはないのである。そして、サポも「よし、すぐに奪い返せ」という目線で見ているので、やはりため息をついているヒマはない。

 つまり、清水の「ため息問題」は、単に観客のマナーの問題ではなく、それだけ清水のサッカーがJのトップからは遅れており、「このサッカーにしてこの観客」という面があるわけだ。

 まあ、ただ、何度も言うように、「ため息ではなく拍手を」という考え方には、個人的には大賛成だし、そうしていくつもりである。

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30

 マンボーの関係で、サッカーの試合のようなイベントは21:00までに終了する必要があり、ガンバ戦終了後にはすみやかにスタジアムから退場するようにと言われていたので、所長は試合終了のホイッスルと同時に出口に向かった。だから知らなかったのだが、試合終了後に松岡が悔しさから涙を流していたらしい。

 こう言ってはなんだが、松岡が清水にいるのは、長くても2~3年だろう。本人が海外、プレミア、CLといった夢をはっきりと語っているわけだから、順調に行けば、パリ五輪の前後くらいには、欧州に渡るはずである。言ってみれば、彼にとって清水は、文字通りの通過点に過ぎないはず。その選手が、これだけ目の前の一戦に賭け、負けたことが悔しくて仕方がないのである。清水に何年もいる選手、ユース&地元選手たちは、泣くほど悔しがっているのか? 負けることに、慣れてはいないか? きつい言い方になるが、松岡が腐ったミカンの色に染まり、劣化したり志を下げたりしないことを願うばかりである。

 ガンバ戦は、清水の側にセットプレーのチャンスの多い試合だった。しかし、肝心の西澤のキックの精度が、この日は良くなかったように思う。弾道が低すぎて山を越えない場面が目立った。だったら、鈴木唯人が「健太さんは今日は駄目。オレに蹴らせてください」と、自ら名乗り出てもよかったのではないか。本田圭佑ならそうしただろう。

 何だか八つ当たりっぽくなってしまったが、とにかくチーム内でそういう競争、突き上げ、厳しさが、圧倒的に足りてない気がする。

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90

 この試合、立ち上がり10分くらいを除けば、ガンバにチャンスらしいチャンスを作らせなかった。清水の側は、一頃のシュートがほとんど無いような戦いとは異なり、相手ゴール前に迫る回数は増えた。ただ、お互いに決め手は無かったので、内容的には、スコアレスドローくらいが妥当で、少なくとも勝ち点1には値する戦いだったと思うのだが。それが、終盤の相手のワンチャンスで、勝ち点0となり、一切何も報われないのだから、全くやりきれないし、モヤモヤを消化できない。

 まあ、そうは言っても、こういう拮抗した試合では、そのチームが持っている勝負強さみたいなものが、出るのだろう。今季序盤つまづいたとはいえ、ガンバはJで勝ってきたチームであり、昨年は2位だった。対する清水には、メンバーは代わったとはいえ、勝ち切るだけの勝負強さが、どこか欠けていたのかもしれない。

 それが一番はっきり出たのは、82分にガンバが先制した後である。ガンバはパス回しとボールキープで、ほとんど清水にボールを触らせなかった。清水が同じ状況だったら、パニック蹴りを繰り返し、スローインも全部相手にプレゼントして、試合終了までずっと相手の攻撃にさらされ続ける(そしてだいたい失点して勝ち点を落とす)だろう。痩せても枯れても、ガンバは勝ち方を知っているということではないか。

 個人的にも、大型補強でちょっと浮かれていたところがあったが、この敗戦は「我々は降格危機にある」という現実を改めて突き付けるもので、だいぶこたえた。

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 上表は、本日対戦するガンバのリーグ戦戦績表。オリンピック期間中も、ご苦労様なことに、せっせと試合を消化していた。その結果、ガンバが清水の順位を抜いてしまい、焦った清水サポさんも多かったようだが、冷静に考えれば、ガンバは残留ライバルというわけではなさそうだ。今のガンバ、チームが物凄くかみ合っている印象はないし、松波監督も超優秀な戦略家という感じはしないが、タレント力だけで、放っておいても、半分くらいは勝つチームなのだと思う。シーズン終わってみれば、中位くらいには行くのではないか。だから、清水の残留を心配する目線から言えば、この間にガンバが大分、仙台といったチームを倒してくれたことに、むしろ感謝すべきなのだろう。

 しかし、ガンバはさすがに無茶な連戦が続き、直近2連敗していて、本日の試合では、付け入る隙はありそうである。徳島戦あたりは、3バックもフラフラという感じで、やはりACLと帰国後の過酷な連戦が相当響いているのだろう。

 ただ、割り切って、リーグ戦にもかかわらず、攻撃陣などはかなりターンオーバーして戦っているようである。今日はパトリックと宇佐美のコンビになるのかな。それだと、FW陣はかなりフレッシュな状態で臨んできそうである。

 いずれにしても、先方はチーム全体としては疲労感が色濃そうなので、清水側は、今日ばかりは出だしから、前から積極的に行って、圧倒するような試合ができれば、勝機は広がりそうだが。。。

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 清水周りのツイッタランドが、微妙にざわついていて、個人的にも落ち着かない。以前から噂にはあった神戸のFW藤本を、本当にレンタルで獲得することになったようだ。さらに、本日「大きな発表があるのではないか」などという話も飛び交ったりしていて。まあ、当S研ブログではもう少しマリノス戦の話を続けることにする。

 マリノス戦、勝ったわけではないけれど、それなりに満足感のある試合となった。変な言い方になるが、マリノスが比較的早く逆転してくれたからこそ、面白い試合になったという面がある。

 もしも、1点リードや同点の状況が長く続いたら、清水は例によって自陣に引き籠って、クリアするだけの戦況が長く続いただろう。マリノスが後半開始直後に逆転ゴールを奪ったからこそ、その時点で清水は攻めるしかなくなり、積極的な選手交代も行ったし、アグレッシブに攻撃に転じた。その流れの中で、実際に同点に追い付けたからこそ、我々は一定の歓喜を得ることができた。もしも、マリノスが逆転ゴールを決めたのが試合終了間際だったら、清水にはもう追い上げる時間も力も残っていなかったはず。なので、皮肉にも、マリノスが早い時間に逆転してくれて、良かったと言えるのではないか。

 ただ、ここで誰もが疑問に思うことがある。今回のマリノス戦でも見られたように、清水はしゃかりにきなれば、点をとる力はある。だったら、マリノスにリードされてから本気を出すのではなく、最初からアグレッシブに行って、試合の主導権を握ったらどうか、と。

 確かに、ロティーナは安定したブロック守備の構築に定評があるが、今の清水では、ブロックを組んで相手を引き込むような戦いをすると、耐え切れなくなって必ず失点してしまう。時折見せるようなハイプレス戦術の時の方が、結果は良いような気がするのだが、どうだろうか?

 ロティーナは、前から行く時と、行かないで引き気味に守る時と、相手によって使い分けているようであり、どういう判断基準で使い分けているのか、知りたいところである。

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