エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

2021年03月

 昨日、「Jリーグ、プレミア化 最上位リーグ新設、外国人枠撤廃など検討」という気になるニュースが流れた。「プレミアリーグ構想は、J1の上位にあたる新リーグを新設。参加クラブをJ1の18クラブ(今季はコロナ禍で20クラブ)から、10~14程度に減らす案だ。頭打ちが懸念されるリーグとクラブの経営規模を拡大する案として注目している」という話である。こんなバカな案が、よもや通るとは思わない。しかし、Jのトップクラスで生き残ることが、ますます難しくなっていくことは、間違いない。清水も、サッカーの競技としての強さと、経営の強靭性を、身に着けておかなければ、脱落することになる。

 そうした観点から、清水の根本的な弱点は、スタジアムである。山室社長も、清水の一番の弱みはスタジアムで、このの問題ではJ1の中で清水が一番遅れており、自分がいるうちに何としても道筋をつけたいとはっきり述べていた。

 清水として、見習うべき先例に、広島のケースがある。清水と広島の共通点は、市の行政がクソであることだ。それでも、広島の場合は既存のエディオンスタジアムの立地等があまりに酷く、サンフレッチェが3度もリーグ優勝するという説得力もあり、ようやく行政を動かして、新スタが実現しようとしているわけである。広島と清水は、クラブの規模感がだいたい同じくらいなので、大いに見習いたいところである。

 こちらのニュースが伝えるところによれば、昨日30日、広島の新スタ建設を進める事業者の選定に向けた審議会が開かれ、参加者がプレゼンテーションを行ったということだ。広島市中区にある中央公園広場に建設されるサッカースタジアムは2024年に完成する予定で、整備費は約257億円。いいなあ、3年後か。上掲の動画が、新スタのイメージを掴みやすいので、紹介してみた。

 ホントに、この新スタジアムの問題で、これ以上惰眠をむさぼり続けると、我が清水はJ1の他のクラブに、取り返しのつかないほど置いていかれるぞ。

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penetrate

 今回のインターナショナルマッチウィークは、権田と原のお陰で、フル代表も、U-24も、自分たちに関係のあることとして、楽しめた。

 しかし、それは大熊GMが彼らを新規獲得してくれたお陰である。本来であれば、生え抜き選手や、ユース出身者が、せめて五輪代表くらいには食い込んでほしいものだが、今年に入って立田の招集も途絶え、どうやら東京五輪(もし仮に開催されたら)のU-24は清水生え抜き・ユース出身者がゼロのチームになりそうだ。

 原輝綺の五輪代表選出は、どうだろうかね? 今回のアルゼンチンとのテストマッチ2戦目では、最初のうちこそ固さが見られたものの、徐々に思い切ったプレーも見せるようになり、力は出し切ったように見えた。このチームで、DFとしての序列は高いとは思えないが、もしかしたら、センターバック、両サイドバック、ボランチと全部高いレベルでできるポリバレント性が買われ、守備のマルチバックアッパーとしてメンバーに滑り込むことは、まったくないとも言い切れない。

 それにしても、返す返すも、立田の伸び悩みは、残念だった。ここ3年ほど、清水にとっては重要な存在ではあったのだが、いかんせん2年連続最多失点チームでは、アピールは厳しい。ロティーナに出会うのが、あと1年か2年早かったら、もうちょっと落ち着いたセンターバックに育って、今のセレッソの瀬古歩夢くらいの立ち位置は確保できていたかもしれない、なんて思いたくなる。

 まあ、くどいようだが、あくまでも、あるかどうか分からない東京五輪の話だ。その先のフル代表は確実にあるわけだし、立田もまずは清水での出場機会を確保しなければ、始まらない。

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 以前も取り上げたが、Football LABのデータを眺めていて、清水の今季ここまでの戦い振りで、最も特異なのは、1試合当たり「攻撃ポイント」の異常な低さである。

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 ちなみに、下に見るのは、2020シーズンの最終的な結果。清水は昨シーズンの1試合当たり攻撃ポイントは16.10で、まあまあの数字だった(異常な失点癖さえなければ、そこそこのチームだった)。それが、2021年のロティーナ体制では、9.78へと落ち込んでいる。ちなみに、1試合のシュート数も、清水が一番少ないようだ。

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 ただ、興味深いのは、セレッソが、ロティーナ体制の2020年は14.78、クルピ体制の2021年は14.43と、ほとんど変わっていないことである。

 思うに、現時点のロティーナ清水は、決して完成形ではない。選手の立ち位置を固め、まずは1試合1失点以内の堅守を構築している段階であろう。その土台の上に、これからポゼションや攻撃の形を植え付けていくことになるはずである。なので、異常に低い「攻撃ポイント」は、チームが大きく変わろうとしている、その過渡的な現象と捉えていいのではないか。

 変わると言えば、すでに目に見えて変わっているのが、反則ポイントの数字である。周知のとおり、カードや退場・出場停止が少ないほど、この数字は低くなり、優秀ならマイナスになる。その指標で、目下清水は最も優秀という結果が出ている。ロティーナ監督の発言の中にも、「余計なファウルをしない」というキーワードが聞かれる。

 シュートが少ないなど、やきもきする点もあるが、チームが大きく変わりつつあることは間違いなさそうだ。

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 ルヴァン第2節のアウェー仙台戦。去年は開花しなかった鈴木唯人桜が、一年越しでようやく花開き、1:0と勝利した。

 いやあ、ベストメンバーで行くかと思ったけどね。実際には、サンタナ、カルリーニョス、竹内といった中核どころは、休ませた。中山とヴァウドもベンチスタート。柏戦に続き、これまで出場機会に飢えていた選手のやる気を上手く引き出して、勝利に結び付けられたのは、大きいだろう。

 しかし、相手はまったく調子の出ていない仙台である。先方は、これまで全試合で前半に失点しているというチームだ。その相手に、ようやく勝ったというのが正直なところだろう。唯人の得点は素晴らしかったが、清水の攻撃は手詰まりで、相手の一瞬の隙を突いてようやく奪った決勝点だった。

 ロティーナ流のブロック守備は、選手が多少入れ替わったこの試合でも、ある程度板についていた。仙台の攻撃に迫力がないこともあり、普通に守っていれば、まず失点はしないだろうという雰囲気だった。それでも何度かピンチがあったのは、清水のビルドアップがまったく機能しておらず、自分たちのターンがほぼパスミスで終わり、そこから崩れたからだった。去年と違って、ボールロストから即失点ということはなくなったが、それにしてもボールを前に運ぶことができていない。プレスの激しさの類とは無縁な仙台相手にこれだから、状況はあまり芳しくない。

 この問題は、実はサンタナやカルリがいるベストメンバーの時も、あまり変わらないのだが、普段はサンタナ目がけたロングボールで、その不得手を誤魔化している。今回は前線の的としては小さいディサロがトップだったので、そういう欠点がはっきり出てしまうわけである。

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penetrate

 今季のJ1順位予想で、所長はベガルタ仙台を、16位に挙げておいた。つまり、ギリギリ残留という線である。どう考えても予算・戦力的には厳しそうだが、震災10周年の年に、あの手倉森氏がチームをJ2に落とすことはあるまいという、どちらかというと精神論的な観点から、「ギリギリ生き残るのではないか」と予想した次第である。また、残留争いでは、これまでJ1で戦ってきた経験が物を言うはずであり、徳島、福岡といった新加入組よりも、仙台などのJ1経験が豊富なチームの方が有利だろうと考えたわけである。

 しかし、今季ここまでのところ、昇格組の徳島、福岡などの方が元気で、仙台はいまだに公式戦未勝利。ホームでの勝利となると、2019年の11月から遠ざかっているらしい。まあ、他方で清水は、仙台の地でもう何年も勝っていないということであり、果たして本日のルヴァン第2節、どうなるだろうか。

 ルヴァン第1節のアウェー広島戦は、清水は選手を入れ替えて臨んだけれど、今日は前後の試合間隔が空くから、ベストメンバーだろうね。権田不在でGKは永井のはずで、万能守備職人の原も欠けることになるけど、それ以外は勝つために最善の布陣で臨むはずだ(ヴァウドが回復しているかどうかは不明)。ただし、これまで出場機会が少なかった金子や西澤が、柏戦で良い働きをしたので、結果を出した選手を続けて使ってみたりすると、チーム内の競争が高まっていいかもしれない。

 ところで、仙台と言えば、昨年は木山隆之氏が監督を務めており、こちらのインタビュー記事の中で、木山さんが清水コーチ時代について気になることを述べている。有料メディアであり、ご興味がある方はぜひご購読を検討していただきたいが、清水に関連した部分だけ抜粋の上、引用させていただく。

 一回、水戸の監督を自分から辞めて清水に、敢えてコーチになるために行ったんですよね。で、1年やったときに「俺は向いてない」と(笑)。アフシン・ゴドビ監督と一緒に仕事をさせてもらったんですけど、まったく信用してもらえなかったです(笑)。「せっかく監督を辞めてコーチとして勉強したいと思って来たのに、なんでこんな仕打ちをされるんだ」と思ったけど、コーチとして向いている人は、どんな状況であっても監督の懐に入っていけて、自分を押し殺してでも監督を支えられる。あの頃はまだ若かったし自分にも自信があったし、すぐに監督の右腕になれると思って、信頼を得る前に懐に入っていこうとしちゃったんですよね。でも彼は外国の人だったし、彼自身の生い立ちも含めてそんなに簡単に人のことを受け入れて信用するタイプの人ではなかった。そこを僕はあまり気にせずにトントントンと踏み込んでいったので、壁をドーンと作られちゃって。で、「俺はコーチに向いてない。俺は監督で食っていこう」と(笑)。


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 昨日、日本代表の韓国戦に出場した権田修一は、3:0勝利に貢献。日本代表の試合で出場し、8試合連続で無失点となり、すでに7試合のタイで並んでいた楢崎正剛を抜き去り、連続無失点の新記録を打ち立てた。

 その新記録を、清水の所属選手として達成してくれたというのが、嬉しいではないか。実を言うと所長は、「さすがに韓国相手に無失点でしのげるかどうかは分からない。韓国戦は別のGKで行って、権田にはもっと楽なモンゴル戦で確実に8試合連続無失点記録を達成してほしい」なんて思っていたのだが、そんな考えは日本代表にも権田にも失礼だったようだ。

 それにしても、権田がこうやって日本代表のGKとしてファーストチョイスになっているということは、権田は現時点で日本一のGKということなのだろう。改めて、彼のどこがすごいのか、考えてみたい。

 身長は、187cmであり、日本人のトップクラスのGKとしては突出して高いわけではなく、割と標準的である。清水では大久保の190cmの方がデカい。

 権田のシュートストップは素晴らしく、すでに清水は何度も助けられている。しかし、個人的には、単純にシュートストップだけをとったら、ガンバの東口が日本で一番強いのではないかと考えている。

 足下やフィードはどうだろうか? もちろん、これも一流である。ただ、パントキックの正確性では、浦和の西川の方がおそらく上だろう。また、権田は普段はフィードではリスクを避け、「ここぞ」という場面でしか攻撃的なフィードはしないという印象を受けている。

 このように、個々のスペックをとったら、権田よりも優れたGKは他にもいる気がするのだ。それでは、なにゆえに、権田が日本のGKの中で頂点に君臨しているかと言えば、それはGKとしてのバランスのとれた能力に加えて、チーム全体を統率する力であり、また試合の流れを読んでそれを統御する力ではないかと思うのだ。

 たとえば、最近知った話で驚いたのは、セレッソ戦の試合終了間際、1:2でビハインドだった上に、PKをとられる絶体絶命の場面があった。その時、権田が考えていたのは、PKを止めた上で、ボールを素早くフィードし、同点に追いつくことだったという。それゆえ、自ら進んで素早くボールをスポットに運び、主審には、「自分もハンドでPKだと思います。ただ、僕はPKを止めて、そのあとうちが同点に追いつきますので、VARの間もちゃんと時計を止めておいてくださいよ」と声をかけたというのである。一体、何という落ち着きだろうか。状況の中で、常に冷静に、ベストの選択をとろうとしているのである。

 というわけで、くどいようだが、清水には現在、日本一のGKがいるのである。諸君は、それを有難いと思ったら、四の五の言わずに、徳島戦、浦和戦のチケットを買うことだ。


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psn

 ちょっと前に、選手ごとの試合出場状況の一覧表をお目にかけたが、そこから3試合くらい経過したので、更新して再び掲載する。

 相変わらず、上の表にまとめた新加入選手たちの稼働率が、非常に高い。しかし、異変が発生し、片山が離脱してしまった。彼は、「試合に出れば、疲れなんか忘れる。連戦上等」みたいなことを言っていたが、結局負傷してしまったわけで、やはりある程度選手を回していくことが大事であることが浮き彫りとなった。

 そうした観点からも、これまでくすぶっていた古株、若手連中の突き上げが必要である。というわけで、下の表で、既存在籍選手の出場状況を見てみよう。前回も申し上げたとおり、2020シーズンの出場時間が長かった順に、左から並んでいる。ここでも前回からあまり状況は変わらず、引き続きヴァウド、カルリーニョスはレギュラークラスで、ヘナトもその列に加わろうとしている。また、河井、後藤はロティーナ監督に重用されている様子がうかがえる。鈴木、中村は出たり、出なかったり。そして、従来の実績から考えると、厳しい立場に立たされていたのが、西澤、立田、金子らだった。

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 そうやって考えると、柏戦は、当落線上の選手たちが出場機会を得て、多くの選手が勝ち試合にかかわれたという意味で、本当に大きかった。序列はだいぶ固まりつつも、「ラージグループ」のようなものができた気がする。やはり、最低でもこれくらいの選手が試合にかかわり、回していかないと、長いシーズンは乗り切れないだろう。

 柏戦で、今季リーグ戦初出場の西澤が、最初のプレースキックでいきなり得点アシストという結果を出したのは、朗報だ(清水はこれまでの試合でセットプレーから綺麗に決めた得点はなかったわけだし)。また、サイドハーフで起用された金子は、ケツに火がついたというか吹っ切れたというか、遮二無二ボールを追いかけ、チームに勢いをもたらした。さらに、ヴァウドの負傷退場は痛かったが、代わって出場した奥井が出色の働きを見せ、序列争いに割って入ろうとしているのも、心強い。福森も計算が立つDFとして頭角を現してきた。

 ただ、ヴァウド負傷退場の緊急事態に、立田がベンチにもいないとはね。愛人の原は柏戦でもしっかり役割を果たした上でU-24に旅立ったというのに、立田はリーグ戦のベンチ入りさえかなわず、翌日のエリートリーグに出場というのは、寂しい限りだ。「代表の経験を、チームに還元する」はずではなかったのか。あと、指宿なあ。彼はデカいだけじゃなく、頭も良く足元もあるFWのはずなのだから、サンタナを休ませるためにも、代役として時々使ってみればいいと思うのだが、今のところまったくお呼びがかからない。エリートリーグの水戸戦で無双しまくって猛アピール、ということもなかったしなあ。

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 エリートリーグの話はさて置き、柏戦のレビューに戻ろうか。この試合、清水の攻撃のデータを見ると、非常に低い。シュートは3本だけで、「チャンス構築率」(どうやって弾き出しているのかイマイチ分からないが)に至ってはわずか2.3%だった。

 ただ、個人的には、この試合を現地で観戦していて、充実した試合だったという印象の方が強い。なので、シュート3本という数字を見せられると、意外な感じがするのである。「言われてみれば、あれとあれとあれ、3本だけか。まあそうだったのかな」という感じだ。

 思うに、この試合の清水は、ボールを保持して攻撃回数を増やすというよりも、勝つためのリアリズムに徹し、それを全員が忠実にハードワークして戦っていたので、充実感があり、実際にも勝利できたのだろう。ただ、結果として攻撃の数字は驚くほど低くなった。

 特に、GK権田の振る舞いに、徹底したリスク管理の意識を感じた。この試合の前半、権田の蹴るゴールキックは、ほとんどが左のタッチを割っていた。前半は、清水から見て、強風が右から左に吹いていたので、それに流されて、ほとんどがタッチを割り、相手ボールのスローインになっていたわけである。でもそれは、権田の計算だろう。あのような悪条件の中では、下手に味方に繋ごうとして、それが風のいたずらで相手ボールになって、速攻を受けたりするのが一番怖い。増してや、相手にはクリスティアーノのような飛び道具もいる。ここは、ハーフウェイくらいのタッチラインに蹴り出して、相手のスローインにして、そこから相手にプレスをかけた方が、危険が少ないだろう。そう判断して、ほとんどのボールを左サイドのライン際に蹴っていたのだと思う。ラグビーのタッチキックのような発想か。

 もう一つ感心したのは、試合終了間際、後藤が敵陣で上手くファウルを誘い、コーナーフラッグ付近でのフリーキックを獲得した時のことだった。フィールドプレーヤーたちは、何となく普通にフリーキックをやってペナ内に放り込む雰囲気だったのだが、権田が「キープ! キープ!」と大声で指示を出して、結局コーナーフラッグ付近でのキープを選択したのだった。普通、監督やキャプテンがそういう指示を出しそうなものだが、今の清水の場合には、権田の果たす役割が大きい。

 というわけで、柏戦で攻撃関連のデータが振るわなかったのは、悪条件の中で、勝つためのリアリズムに徹し、リスクを徹底的に排除したからではないだろうか。もっとボール保持やシュートを増やそうと思えば、可能ではあった。だから、鳥栖戦や広島戦と違って、この試合のシュートの少なさに関しては、大きな問題ではないと考える(でも次はもっと攻めてくれよ)。


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penetrate

 日曜日、嵐の中のJ1リーグ激闘から、月曜日は、春うららの中でのエリートリーグへ。三保で水戸との第1節が行われた。清水も、水戸も、前日に真剣勝負のリーグ戦があり、エリートリーグは当然、二軍戦ということになる。まあ、それでも、YouTubeで配信してくれたので、それをとくと拝見した。

 2021シーズン開幕後、ユース組と若手を中心に、ほぼ試合に絡んでいない選手たちが何人か存在する。昨今は練習も非公開だし、果たして彼らが怪我なくトレーニングに励んでいるのかどうかも、良く分からない状態である。今回のエリートリーグ第1節は、言葉が適切かどうか分からないが、彼らの「生存確認」ができた機会というか、彼らも元気に頑張ってはいるのだなということは確認でき、その点は良かったと感じる。在籍選手の棚卸と言おうか。

 しかし、昨日の水戸戦は、だいぶお寒い試合だった。後藤のゴールで勝つには勝ったが、サッカーの質で、水戸の二軍の方が上なのである。お互いに主力でない選手が出場しているのだから、J2中堅の水戸さん相手に、単純にマンパワーだけでも上回ってほしかったのだが、チャンスは明らかに水戸の方が多かった。

 それ以上に気になったのは、試合の現場に、ロティーナ監督の姿が見えなかった(少なくとも当方はそれを確認できなかった)こと。平岡コーチ、篠田コーチが指導している様子だった。控え選手の生き残りをかけた試合のはずだが、もし仮に本当にロティーナがいかなったのだとしたら、出場選手たちのモチベも高まるまい。それと、せっかくだから(エリートリーグは一応公式戦だろう)、正規ユニでやればいいのに、トレーニングウエアで試合をしているものだから、どうしても練習試合臭を醸してしまう。

 個人的には、エリートリーグにより、主力でない選手にも真剣勝負の舞台が生まれ、楽しみが増えたと思っていたのだが、昨日の様子はちょっと期待外れだったか。

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 昨日申し上げたように、数日前にアウェー柏戦のチケットを買ってしまっていたものの、当日の天候は、荒れ模様。行こうかやめてしまおうか、直前まで迷ったが、ええいままよと、決死の思いで柏に乗り込んだのである。

 天候は、最悪だった。試合の前半までは、まだしも許容範囲だったものの、ハーフタイムあたりから雨・風ともに威力を増し、雷こそなかったものの、まさに春の嵐状態。これまで個人的に参戦した中でも、3本の指に入る悪条件だった。

 でも、無理をしてでも、行って正解だった。すべてが報われた。これまでロティーナ清水が挙げた2つの勝利、鹿島戦と柏戦、その両方に現場で立ち会うことができた清水サポは、数少ないだろう。自分は真の勝ち組だと、胸を張って言える。

 上の動画は、試合前の入場の時と、試合後の歓喜の様子を、合体させたもの。試合が終わる頃には本当に天気が酷かったので、レンズについた水滴をハンカチで拭ったら、かえって曇ってしまい、恥ずかしい限りである。でも、それだけ過酷な状況で清水は勝利を掴み取んだ、その記録ということで、ご容赦願いたい。

 この日のコンディションとしては、やはり強風が大きく影響していた。後半になると、水が浮いてしまい、ボールが少し止まるシーンもあった。それでも、思ったよりは、きっちりしたサッカーの試合になっており、まずそれが良かったと思う。そして、清水はリスクを犯さずシンプルに戦うことを旨とし、集中力や気合いも非常に高かった。ホーム柏側よりも、清水のイレブンやベンチの方が声が大きいというのは、去年までのことを考えると、隔世の感がある。

 そして、しっかりと機能した、オーソドックスな4-4-2。これまでのロティーナ清水はどこか、可変や変則システムで相手を出し抜こうとして、かえってサッカーを難しくしてしまっていた印象もあった。それが、この日は布陣がすっきりと整理され、綺麗なブロック守備ができていた。正直言うと、所長はロティーナというのは常にこういうサッカーをやるのだろうと想像していたのだが、自分のイメージしていたサッカーをようやくこの目で見ることができ、何だかとても腑に落ちたのである。

 そして、そのご褒美が勝ち点3とは、こりゃもうたまらん。

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 本日のアウェー柏戦をもって、J1リーグ戦はプチ中断に入る。そういう意味で、何としても勝ち点をとっておきたい試合。これはDAZNではなく、現地でしっかりと見届けなければと思い、先日チケットを購入した。所長は関東在住であり、実は柏が一番近いということもあって。

 でも、失敗したねえ。本日、関東地方は雷を伴った激しい雨ということである。柏のスタジアムは、アイスタ以上に、屋根がほとんどなく、吹き曝しである。まあ、多少の雨くらいなら我慢して観なくもないが、大雨でボールが止まったりすると、サッカー観戦としての興味は殺がれる。そもそも、雷雨にでもなったら、試合が中止になるかもしれない。というわけで、チケット代は捨ててもいいから、出かけるのはやめようかと、迷っているところである。DAZNの放映クオリティの低さゆえ、普段は絶対に現地に行った方が試合が良く分かるが、天気が荒れ模様となると、かえって自宅TVの方が落ち着いて観れるかもしれない。

 柏に関して言えば、1勝4敗と結果は出ていないが、これは皆さんご存知のとおり対戦相手が難しかったという要因が大きく、柏自体に力がないわけではない。川崎戦などでは、相手をぎりぎりまで追い詰めていたし。清水にとっては相当に手強い相手だと覚悟した方がいいだろう。雨のピッチでクリスティアーノのミドルシュートが伸びて清水ゴールに突き刺さるとか、ついそんな怖いシーンを想像してしまう。

 何にしても、天気がそれほど荒れず、ちゃんとサッカーができるといいんだけどね。

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2021

 目下、5試合消化したところで、清水の勝ち点は5。1試合で勝ち点1というペースであり、常識的に言えば、残留ラインぎりぎりという水準である。ロティーナ監督も序盤のこの戦績には満足していないとはっきり述べている。

 何かの記事で、「いや、昨年のクラモフスキー清水は、5試合消化時点で勝ち点ゼロだった。それに比べれば今年は上々だ」などと書いてあったが、いやそりゃ比べる対象が間違ってるでしょ(笑)と、言いたくなる。

 そんなわけで、当S研では時々お見せする、清水が各節終了時点でどれだけの勝ち点を積み上げていたのかを、過去数年に遡って示すグラフを、今年初めて作成してみた。

 序盤はどうしても線が重なって、見づらくなっている点は、ご容赦を。たとえば、2015年の赤い線が隠れてしまっているが、これは2015年と2021年の第3節までが同じだったからである。2015年も、2021年も、開幕戦で鹿島に3:1で勝利し、次の試合を引き分け、その次の試合に敗れ、「降格した年と出だしが同じなんて、不吉だ」と思ったものだったが、幸いにも第4節からは線が分かれている。

 「ロティーナのチームは、構築にある程度時間がかかるので、最初の数試合は我慢だ」というのは、良く言われる話である。確かに、そのとおりだろう。ただ、一説によると、ロティーナはセレッソの初年度、シーズン序盤に出遅れたことを反省し、清水では最初から結果を出したいと考えてチーム作りをしたという話もあり、仮にそうだとしたら、5節で勝ち点5というのは誤算だろう。

 個人的にも、ロティーナは最初から確かな結果を出したいと考え、それゆえに多彩なシステムを使い分けたり、相手によって戦い方を変えたりしているのかなと感じている。ただ、それによって、かえって目指すべきサッカー像がぼやけてしまっているような印象も、なきにしもあらずだ。

 まあ、柏戦が終われば、ちょっと日程に余裕ができるので、そこで立て直しかな。

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 2試合連続無得点。広島戦は決定機ゼロ(コーナーからの流れでサンタナが打ったシュートは角度からして決定機とは言えないだろう)。鳥栖戦の決定機はかろうじてセットプレーからカルリが上手くミートした1回だけだったか。

 直近の得点は、セレッソ戦の序盤で中山がかっさらって奪ったものであり、前からのプレスが効いたことは事実だが、自分たちで能動的に崩したわけではない。福岡戦2点目の中山のゴールは、ロングスローからの相手の混乱に付け込んだ形だった。

 そう考えると、自分たちで崩して奪った得点は、福岡戦の先制点まで遡り、それ以降は、かれこれ250分ほど、自分たち自身の力でゴールに迫り、こじ開けたシーンが生まれていないことになる。こりゃちと重症だ。

 Jリーグのデータで、1試合平均の攻撃ポイントというのがあり、昨今の清水の停滞から、こりゃさぞかし清水の攻撃ポイントは下位に沈んでるんじゃないかと思って、こちらのページでチェックしてみた。元は全試合合計の攻撃ポイントで並んでいるのだが、それを試合平均で並べ替えてみると、上表のようになって……。マズい、清水が1試合平均攻撃ポイントで最下位ではないか! やはり攻撃はまったくできていなかったか。まあ、名古屋くらい徹底した堅守なら、攻撃ポイントが低くてもウノゼロで連勝できたりもするのだが、清水の守備はまだそこまでじゃないからなあ。

 広島戦では、DAZN解説の佐藤寿人が散々、サンタナの動き出しがなく、ずっと相手DFに付かれているので、見方もパスの出しようがないと指摘してたね。確かにそのとおりだろう。サンタナ、遅くはないが相手をぶっちぎるほどではなく、低くはないがエヴェラウドやドウグラスのように相手DFの上から叩くほどのヘディングの強さはない。開幕戦で、ゴール前で構えていたところに上手く転がってきて、相手をブロックしてタイミング・コースを狙ったシュートは見事だった。福岡戦あたりは、ターンの上手さも見せていた。しかし、以降、泣かず飛ばずで、どういう形が点をとるツボなのかという取説が、良く分からなくなってきている。ポルトガルでの実績はダテじゃないと信じたいところなのだが。

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 鳥栖戦は、苦しい試合だったが、ロティーナのカリスマ的なイメージから、「いや、あれはロティーナの狙い通りで、高度な戦術の結果だった」などと、むしろ称賛するような声が戦術マニアの方からは聞こえてきたりもした。

 しかし、さすがに、今回の広島戦も決定機はゼロで、必然としか思えない敗戦を喫したとなると、チームが上手く行っていると強弁するのは難しいだろう。

 個人的には、「とにかく今は、1試合1失点以下に抑えるのが先決」と思っている。その意味では、この広島戦は最低限の目標を達したと言えなくもない。ただ、鳥栖戦もそうだったが、広島戦も、権田のビッグセーブがなければ失点という場面があったし、ごく一部の時間帯を除くと、満足にボールを前に運ぶこともできないというのは、重症だ。

 過密日程、ブラジル人選手の合流遅れ、怪我人の発生、システムを頻繁に変えすぎなどで、チーム状態が苦しく、自分たちの確固とした戦い方を確立できないでいる(清水以外のチームも条件は同じようなものだが)。このチームは、これからどんどん成熟し完成されていくはずだと、信じてはいるのだが、ただ、そう信じ続けられるだけの手応え、成長の跡というものを、試合ごとに見せていってほしいものである。

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 それにしても皆さん、2021シーズンの公式ユニを早速購入して、それで観戦されているのは、偉いなあと思う。所長は、サッカーそのものへの興味の方が圧倒的に大きく、グッズなどへのこだわりや執着は、そもそもあまり大きくないタイプだ。なので、申し訳ないのだけれど、いまだに3年くらい前のユニで観戦している。それでも、今年は清水というクラブが大きく変貌しようとしている節目の年だし、最近エスパルスストアもリニューアルオープンしたところなので、先日初めてストアに出向き、今シーズンのユニを買おうかと思ったのである。はっきり言って、カネを落とす気満々だった。

 新しいユニ、背番号を誰のにするか、特に決めていなかったのだが、ちょうど中山が2試合連続で得点を決め、またキャラクターも可愛く、「今年は中山推しで行くか」と、その場で決めた。皆さまご存じのとおり、新装なったエスパルスストアでは、その場で背番号やネームを圧着してくれるサービスがあるので、背中がブランクになった公式ユニを手にし、「すいませ~ん、これに11番・NAKAYAMAを付けてくださ~い」と店員にお願いしたのである。

 そしたら、店員はちょっと不慣れな様子で、「少々お待ちください、在庫があるかどうか…」と述べ、リーダー的な店員の方にそれを確かめに行った。その結果、「すいません、11番は売り切れでして」と言われてしまったのである。

 うーむ、その場で背番号やネームを付けてくれるサービスは、過剰在庫だとか、逆に売り切れだとか、そういう事態を回避しながら、その場ですぐに欲しいものを用意できる点がメリットだと思うのだが、肝心の背番号およびネームが売り切れって、アンタ(笑)。中山が急激にブレークして、人気が沸騰しちゃったのかな? それはそれで喜ばしいことだけど、それならなおさら、グッズの対応を迅速にして、需要急増に対応できるようにしなければ駄目でしょうが。まあ、新装ストアの運営面は、まだまだこれからなのかな。

 ちなみに、鳥栖戦では前後半に一度づつ、中山が右サイド深くまで侵入し、大きなチャンスになりかけた場面があった。しかし、中山はクロスや仕掛けを躊躇し、結局チャンスはしぼんでしまった。ああいう試合では、数少ないチャンスでの思い切りが肝心だと思うのだが。特に、前半のシーンでは、カルリが中に詰めていたので、出してもよかったと思うんだけどね。そのシーンは立田の絶妙なパスから中山が抜け出したもので、あれが得点にでもなっていたら、その後立田がイップスまがいのプレーを続けることにもならなかったのではないか、などと考えたくなる。


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 鳥栖戦を欠場した片山は、残念ながら、肉離れで全治までは4週間を要する見込みと発表された。「ちょっと寝違えただけですぐに治った(笑)」という発表を期待していたのだが、連戦が続く中、キーマンを欠くこととなり、チームには痛手となった。マテウスがまだ合流できない中での本職左SBの離脱は痛い。

 さて、鳥栖戦のフォーメーションだが、片山欠場だからいじったのではなく、あくまでも鳥栖対策だったと、ロティーナ監督が試合後に説明したということである。しかし、鳥栖はそんなに特殊なシステムをとるチームではなく、なぜ3バックが鳥栖対策になるのかというのは、良く分からない点だ。左右に揺さぶられての失点が続いていたので、鳥栖戦だけと言わず、今後も使われるのだろうか?

 ちなみに、試合前のウォーミングアップで、センターバックの選手が、ラインを揃えながら、来た球をヘッドなどで跳ね返すというメニューがある。それを見ると、だいたいその日の清水の守備陣形が分かるわけである。今回の鳥栖戦、所長は目の前でその様子を見ていたが、そのメニューをこなしていたのは、ヴァウドと鈴木義宜の2人だけで、立田は不参加だった。なので、その時点では、立田が片山の代わりに左SBで出るものとばかり思っていた。これはもしかしたら、立田のSB起用を匂わせ、鳥栖に対策させないための策略だったのではないだろうか? 好調な鳥栖に、サプライズの布陣をぶつけ、混乱させて勝機を見出したかったのではないか。

 実際、試合後の権田の発言振りなどからして、清水は決して5バックでドン引きして守りを固めるつもりはなかったようなのである。押し込まれた時のBプランとして、5バックもあるけれど、基本的にはウイングバックをもっと高い位置まで押し出して、前からプレスをかけて攻撃的に戦いたかったようなのだ。それが、不慣れなシステムおよびポジションだった上に、好調な鳥栖の圧力に押され、ズルズルと下がって守るだけになり、「シュート1本」という試合になってしまったのが真相のようである。

 ちなみに、従来の実績で言うと、3枚のCBの並びは、右・ヴァウド、中・鈴木、左・立田が良いような気がするのだが、鳥栖戦では右・立田、中ヴァウド、左・鈴木だったね。右・ヴァウドや左・立田なら、手詰まりになった時にドリブルで運ぶ選択肢もできるように思えるのだが、どうだろうか。

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 GK権田は、「残留争いするために、このチームに来たわけではない」と述べていた。しかし、昨日清水がホームで鳥栖相手に披露したサッカーは、完全に残留争いチームのそれであった。強者相手に、攻撃の見せ場はほぼなく、ひたすら守り倒して勝ち点1を拾うというもの。

 そういう試合になってしまったのは、鳥栖が実際に強かったということと、清水側のトラブルという、両面があった。前日の練習で左SB片山にアクシデントがあり、急遽フォーメーションとメンバーを変えたそうである。今回の基本フォーメーションは3-5-2といったところか。既存の2CBに、ヤバ立田が加わり、3バックに(ただし、ビルドアップの時には立田が前目に上がり、ロングボールのターゲットに)。原が左ウイングバックに回り、中山が普段よりも低い位置に下りて右ウイングバック。ヘナトがアンカーで、右インサイドハーフが唯人、左が河井。そしてカルリとサンタナが2トップという形だろう。

 それにしても、片山一人欠けるだけで、こんなにいじらなければいけないものなのだろうか? 確かに片山の存在感は相当に大きかったが、シンプルに片山の代わりに福森や奥井を出す手はなかったのか? 「システムは変えるけれど選手は変えない」というロティーナ流ゆえか。

 相手がイケイケ・ノリノリの鳥栖なので、個人的に戦前には、「本日のミッションは、リーグ戦初のクリーンシートというところに置いてもいいかもしれない。その結果、スコアレスドローでも悪くないだろう」とは思っていた。実際、急造メンバーでそれを成し遂げたわけだから、結果として最悪ではない。しかし、個人的にイメージしていたのは、堅守が機能しての無失点である。この試合の清水を堅守と誇るわけにはいかないだろう。守備のほころびはあり、何度も大ピンチがあった。

 GKが権田でなければ、2~3点奪われて、普通に負けていた試合だったかもしれない。ガンバあたりは「東口でとった勝ち点」というのがあるチームだが、清水にもようやくそんな守護神が誕生してくれた。また、試合中のビッグセーブ以上に嬉しいのは、試合後のコメントで権田が、自分が止めて無失点なら良いというわけではなく、もっと守備の改善が必要だなどと、非常に明確な課題を口にしてくれていることである。

 試合後にロティーナ監督は、清水・鳥栖両チームの状況から、今回は勝ち点1で我慢せざるをえず、選手は難しい試合を良く戦ってくれたということを述べている。まあ、そのとおりだろう。強いチームになるために、もがき苦しむ過程では、こんな試合もあるかと、納得しておくことにする。

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 鳥栖というのも本当に不思議なチームで、「今年こそは駄目だろう」と見られていても、それを覆すしぶとい戦いを、毎年してくる。戦前の順位予想では、降格予想も少なくなかったのに、蓋を開けてみれば、開幕3連勝。しかも、すべて完封勝ちと来ている。はっきり言って、もし鳥栖が今日の清水戦にも勝利することがあったら、もう今季の残留は確定みたいなものだろう。

 近く鳥栖と当たるということで、個人的にはこれまでの鳥栖の試合はすべてDAZN観戦している。前節、鳥栖はホーム仙台戦だったわけだが、個人的に一番面白かったのは、試合前のキム監督のインタビューだった。インタビュアーに、「今日の相手は仙台です。仙台の強みのポイントはどんなところに見ていますか?」と訊かれた時のことである。キム監督は、しばらく言葉が見付からない様子で、答えるのに困っていた。つまり、「うちらからしてみれば、仙台なんか眼中にない。我々が勝つに決まってる」と、確信していたのだろう。実際に、鳥栖は仙台を5:0で下すことになるわけである。それくらい、今の鳥栖は、監督も選手も自信に溢れている。鳥栖と仙台には大赤字という共通項があり、開幕前の戦力評価でもだいたい同じくらいの位置付けだったと思うのだが、大きく明暗は分かれた。

 鳥栖は、サッカー自体は4-4-2のオーソドックスな感じだが、球際で恐ろしく戦ってくるチームである。浦和戦に至っては、MF仙頭が戦いすぎて、勢い余って岩波の顔面にスパイクの裏で蹴りを入れてしまったくらいであり、観ていて思わず目が点になった。

 それと、今の鳥栖の強みは、何と言っても2人のセンターバックの安定である。うち一人がエドゥアルドだが、昨年鳥栖が苦しい時期が長かったのは、エドゥアルドが怪我で不在だったことが大きくかかわっていて、今季は逆に好調だ。守備だけでなく、ヤバい縦パスを入れてくる。

 そして、もう一人のCBが、あのファンソッコである。ソッコというのも、時期によってプレーに浮き沈みがあるタイプで、清水の2018年などは救世主に思えたが、翌2019年は急激に頼りなくなった。現在は、「良いソッコ」のようである。キム監督も、「ソッコは良い選手だと思って獲得したが、実際にはもっと良かった」と評価しているのだとか。

 今オフ、清水と鳥栖の間で、結果的には原とソッコをトレードしたような形になった。今のところ、清水にとってそれが大成功だった断言するのは難しい。ちょっと、原のプレー振りが、フワッフワしたところがあるので。原、古巣相手の大事な一戦で、またマークを見失うなよ。

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 ワクチンが摂取され始めたとはいえ、新型コロナの影響はまだまだ大きく、Jリーグの日程にも影響するかもしれない、いくつかの動きがある。

 周知のとおり、ガンバ大阪でクラスターが発生、ガンバは開幕戦こそ実施したものの、第2節から試合が延期されており、3月の残り試合もすべて延期が決まっているようだ。

 そして、そのガンバも出場するACLは、当初、東地区は4月21日から5月7日にかけてグループリーグを行う予定だったが、6月から7月に延期されることが決まった。こちらの記事は、以下のとおり伝えている。

 Jリーグでは今季、ACLに出場する川崎フロンターレ、ガンバ大阪、名古屋グランパス、セレッソ大阪(プレーオフから出場)のリーグ戦を前倒して開催し、大会期間の日程を空けていた。だが、昨季に続いて突然の延期発表が行われ、またしてもリーグ戦日程の再編が避けられなくなった。11日、日本サッカー協会(JFA)の理事会後オンライン会見に出席した田嶋幸三会長は「良い日程を探さないといけないし、G大阪さんのことを考えると、どこにどう入れていくかはパズルになってしまう。これから東京五輪もあり、W杯予選も佳境になるが、みんなで協力して難局を乗り越えないといけないと思っている」と述べた。

 う~む、ガンバの件は気の毒だと思うし、他の出場3チームにも配慮は必要だろうが、ACLのために、J1全体の日程を、また練り直すというのは、どうなのかな。上記は、あくまでも田嶋会長発言で、Jリーグの見解ではないと思うが。

 ちなみに、関連する動きとして、昨日AFCは、ワールドカップ・カタール大会アジア2次予選を5月31~6月15日に組ごとで集中開催し、F組の試合は日本で実施すると発表した。まあ、もともとこれはインターナショナルマッチウイークで、J1は中断期間だったから、これによるJ1日程への影響はないか?

 ちょっとだけ、希望の持てる話もある。緊急事態宣言解除後も、外国人の入国制限は続くが、昨日明らかになったところによると、Jリーグの外国籍選手については、特例扱いでの入国許可を、政府が検討しているという。そして、こちらの記事が、以下のように伝えている。

 政府が、外国人の入国ルールの中で「特段の事情」を適用しての許可を検討していることがわかった。Jリーグでは、来日できない選手やスタッフが約50人いる。緊急事態宣言が解除後、1週間ほどで入国できたとしても、2週間の隔離期間が課されるため、すぐにはクラブの練習に合流できない。そこで来日した外国人選手のため、福島・Jヴィレッジを合同練習会場として提供するプランを持っている。感染予防や移動リスクの観点からも、Jヴィレッジ1カ所に集め、管理下でコンディションを上げられることは好都合。チームに合流後、すぐに順応できるメリットもある。既に開幕しているJ1、J2では、22日に緊急事態宣言が解除されたとしても、開幕からリーグ戦8~9試合を消化したタイミングで今季の陣容が整う形となりそうだ。

 清水は、来日できていないのはマテウス一人だけで、もっと困っているチームもあるので、清水が現状で特に大きな不利益をこうむっているわけではない。しかし、マテウス、せっかく入団したのに、いまだにチームに合流できず、なんだか一人だけ仲間外れみたいで、気の毒でならない。早く、本当の意味で、エスパルス・ファミリーに加えてあげたい。そう思うと、昨日伝えられた上記のニュースは、希望の持てるものだ。

 ところで、日程という観点から言えば、やはり最大の不確定要因はオリンピックだと思うのだが、果たしてどうなることやら。

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 公式戦が4試合終わったところで、ちょっと選手たちの出場状況をまとめてみることにした。まず、上に示したのは、新規獲得選手の出場状況である。驚くべきは彼らの高い稼働率で、権田、原、義宜、片山、中山、サンタナは完全にレギュラー。中でも、片山はルヴァン含め全試合に先発出場しており、ロティーナ・サッカーの申し子という名に恥じないものとなっている。ディサロは全試合先発とは行かないが、このチームのジョーカー的存在だし、永井も2番手のGKというポジションを確保した。新加入組では、唯一、指宿の出場機会が限られている。合流が遅れているマテウスは当然出場ゼロだが、片山とポジションがかぶるだけに、合流後どうなるか?

 問題は、既存のプレーヤーということになる。下表は、昨シーズンのリーグ戦出場時間が長かった順に、左から並んでいる。既存選手で、レギュラーと言えるのがヴァウド、カルリ、竹内。それに準じるのが後藤、中村、河井である。問題は、昨年までの中心選手であった西澤、立田、金子、唯人あたりが、だいぶまずい立場に追い込まれていることだ。出遅れたヘナト、エウシーニョあたりが、ロティーナ戦術にフィットするかも、まだ未知数といったところ。表の右の方に、ユース組を中心とした若手らが固まっているが、相当奮起しないと、「ルヴァン要員」にもなれず、「エリートリーグ要員」で終わってしまうぞ。

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