エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

2020年12月

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 清水は、年末に景気の良い補強が続き、もう来季の躍進に思いを馳せているサポさんも多いかもしれない。まあ、我々は見物させてもらう素人だから、それでいいかもしれない。

 しかし、クラブとしては、まずは2020シーズンについての総括と猛省、そこから始めなければ、来季以降の躍進も危ういだろう。

 そんな観点から、以前もお目にかけたものの更新版だが、ここで清水の通算成績の表を眺めておきたい。2020年は、まあとにかく、アホみたいに失点を続けたシーズンだった。今季が始まる時点で、清水の通算得失点差は、プラス5だった。したがって、今季の得失点がマイナス5より悪くなると、清水の通算得失点もマイナスに突入してしまうと、そんなシーズンだったわけである。

 2020年、蓋を開けてみると、清水は早くも第3節で得失点差マイナス5を記録し、諸先輩方が築いてきた貯金を食い潰し、通算得失点がプラマイゼロになった。以降も大量失点での敗戦を重ね、終わってみれば2020年の得失点差はマイナス22、通算でもマイナス17という不名誉な数字をただき出したのである。

 ロティーナ政権に移行し、補強も進んで、2021シーズン以降は得失点差もプラスに転じると信じたいが、果たしてマイナス17という借金を完済するのに、何年かかるか。

 2020シーズンのJ1は、リーグ全体で総得点が大きく伸びたことが知られている。川崎の得点力が凄かったとか、5人交代制の効果とか、色々言われているが、「清水という守備がバカになったチームがいた」というのも、小さからぬ要因だったはずである。本当に猛省が必要だ。

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 それにしても、編成が順調すぎて、怖いくらいだ。昨日発表になった鳥栖のDF・MF原に加えて、本日あたり北九州のFWディサロ、大分DF鈴木義宜の獲得が発表される見通しである。「静岡で油田でも見付かったのか?」なんて驚きの声が上がっている。あるいは、山室社長が「地域スポンサーも大事だけど、ナショナル・スポンサーの獲得も目指したい」と言ってたから、もしかしたら全国区の大企業のスポンサーでも見付けたのか? まさか、ロッテ? 社長、うちはグリコですから、ロッテは駄目ですよ。

 しかし、新規獲得と既存戦力の保持は今のところ順調ながら、それらの戦力がロティーナ戦術にフィットするかというのは、慎重に考える必要があるだろう。

 たとえば、すでに延長が発表されていたヴァウド、ヘナト、それから昨日発表されたエウシーニョ。彼らは、従来の清水にとっては、救世主的存在だった。それは、チームが組織として上手く機能していない中で、彼らの属人的能力によってピンチを防いだり、あるいは何もないところから得点を生み出したりできるからだった。しかし、これからは、図式が変わるというか、むしろ変えなければならない。攻守において、どれだけ論理的にオーガナイズできるかが、ロティーナ清水の生命線となる。もちろん、属人的能力が高い方が、組織も強靭になると期待はできるが、これまでのような自己流・即興プレーは、もしかしたらロティーナから駄目出しをされるかもしれない。2021年もブラジル人プレーヤーたちが鍵を握るチームであることは間違いないので、彼らの属人的能力をロティーナがどのように組織的に活かしていくのか、とくと拝見することとしたい。

 日本人プレーヤーたちの契約更新は少々遅れ気味という気もするが、昨日は金子、中村、宮本の更改が発表された。個人的には、清水の既存戦力の中で、ロティーナ体制で活きそうだと期待するのが、金子である。彼は、明確な組織的役割を与えた方が輝くと思われるからだ。また、宮本は、2020シーズンに与えられた少ない出番の中ではパスミスなど至らない点が目立ち、正直放出もあるかと思っていたが、新監督の下で化けることを期待したい。

 ちなみに、もしかして、立田って、海外移籍、模索してる?

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 観た人も多いと思うけど、昨日YouTubeで配信されたGK権田の入団会見、所長も拝見し、大いに感心させられた。詳しくはご自分で観ていただければと思う。結構長くしゃべっているが、時間をかけて観るだけの価値はある。

 このプレーヤーについて、失礼ながら、ふてぶてしい立ち居振る舞いゆえ、あまり好感を持っていなかった清水サポさんも多いことだろう。しかし、いざ味方になってみると、頼もしいのなんの。自分自身のプロ意識が高いのは、言わずもがなだ。それに加え、清水に入ればある程度年上にもなるわけだし、代表の常連でもあるし、GKとして最後尾からチームを束ねる立場でもあるし、そういう自分の立場をわきまえ、清水の守備全体、さらにはチーム全体に良い影響を及ぼそうという姿勢が素晴らしい。インタビューの受け答えも、内容がしっかりしているだけでなく、ちゃんと自分の言葉で話し、自分が話すべきでないことはきちんと自制し、お馬鹿マスコミのお馬鹿質問にも調子を合わせてあげる余裕もある。何やら、テセの情報発信力と、六反の意識の高さを兼ね備えたような、そんな頼もしい存在に思えてきた。おまけに、簡単なポルトガル語までできるって、ブラジル人依存度の高い我が軍には打って付けではないか。

 権田には大熊GMがかなり早くから声をかけ、スピード感をもって、また本気度を見せながら交渉に当たったことが、獲得の決め手になったようだ。まったくもって、清水を変えるのは外様だな。

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 ピーター・クラモフスキー氏が今どこで何をしているのかは知らないが、このオフの清水の動きを見て、目を白黒させているのではないか。ピーターはフロントの消極的な補強を嘆いており、今オフはコロナ禍もあり財布のひもが固くなると思われた。ところが、今オフの清水、いつになく積極的な強化に動いている印象である。しかも、報道などで事前に伝えられた情報が、今のところすべて現実になっているので、いやがうえにも期待感を抱かせる。

 ただ、GK権田はレンタルだし、本人の口振りからしても、清水に骨をうずめるという雰囲気はあまり感じられない。たまたまポルトガルで出番を失っていたところにタイミング良く声がかかって、1年くらいなら清水でやってみようかと、そんな判断だったのかもしれない。我々としては、「この守護神がいれば5年、10年は安心だ」というGKに出てきてほしいのだが、権田がそんな存在になるのかは今のところ分からない。もう一つ気になるのは、日本代表との兼ね合いである。2021年はW杯のアジア予選があるはずだが、代表戦のある期間に、J1は開催されるのだろうか? もし権田が代表に招集され、仮にその間もリーグ戦も続いたりすると、セカンドキーパーがしっかりしていないと困る。

 そんな観点からも注目されるのは、昨日完全移籍での獲得が発表になったもう一人のGK、永井堅梧(松本山雅FC)である(上の写真)。永井は今季、北九州でプレーしており、個人的に北九州はコバさんや大悟がいるので試合はずっとチェックしていたが、安定感のあるとても良いGKだと思う。「あ、やられた」と思う場面でも、永井が止めるというシーンが多く、良いGKだなーと思って観ていたが、まさかうちに来るとは思わなかった。安定感や総合力で、既存の大久保より上かもしれない。こうなると、大久保、西部、梅田らの去就が気になるところである。

 もう一人、昨日完全移籍での獲得が発表になったのが、片山瑛一(セレッソ大阪)だ。ロティーナがセレッソから誰かチルドレンを連れてきてくれるのではないかという期待があったが、主力のSBの獲得に成功した。申し訳ないが、個人的には顔と名前が一致しないプレーヤーだったものの、左右両方できる有能なSBで、攻撃的な位置もできるらしい。

 SBに関しては、以前から、ブラジル・コリチーバの左SB、ウィリアム・マテウスを獲得かという情報が流れている。ただ、もしもマテウスが来てエウシーニョも残留するとなると、4バックのうち 3人もがブラジル人という、おそらくJの歴史でも前代未聞の布陣ができあがる。他にもヘナト、カルリーニョス、チアゴ・サンタナとレギュラークラスのブラジル人を3人も抱えるので、5人の枠をオーバーする。個人的な予想としては、もしもエウシーニョが残留ならマテウスは来ず左SBが片山、逆にマテウスが来るならエウシーニョは移籍で右SBが片山、ということになるのではないか。

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 2020年のJリーグは、途中まで、清水・湘南・仙台の「ビリッケツトリオ」だけが突出して弱く、他方で上位では川崎が独走し、「上と下の格差が大きいリーグ」になったかと思われた。しかし、終盤に下位3チームが猛烈に巻き返し、終わってみれば、下位3チームもまあまあ普通の勝ち点でフィニッシュした(自分たちが納得できるかは別として)。

 そのあたりを確認するために、上のようなグラフを作ってみた。J1が18チームになった2005年以降、それぞれの順位のチームが、どれだけの勝ち点を積んだかを見たものである。なお、2016年にはチャンピオンシップがあったので、勝ち点では3位に過ぎなかった鹿島が1位になるという逆転現象が起きている。

 グラフを見て、やはり目立つのは、2020年の1位、川崎の勝ち点が燦然と光り輝くということである。もちろん、史上最高の数字であり、2位との差も史上最大だったらしい。過去3年ほど、優勝チームは、2位以下に大きな差をつけており、文句なしの優勝となっている。

 しかし、過去3年間、2位以下が、かなりの団子状態だ。DAZNマネーの流入で、貧富の格差および戦力差が大きくなると思われ、確かに優勝チームの強さは突出していたが、2位以下は以前にも増して力の差がなくなってきている。

 特に、近年、下位が混戦になる傾向が強まっている。かつては、18位、17位のチームは悲惨な勝敗を記録し、もう夏頃には残留が絶望的だった。特に、J2のプレーオフを勝ち上がってJ1に昇格してきたようなチームは、J1では手も足も出ないというのがお決まりのパターンだった。しかし、ここ数年は、そうした突出して弱いチームが見当たらない。2020年のビリッケツトリオも、最終的にはそこそこ帳尻を合わせた。

 さあ、来シーズンはどうなることやら。

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 育成年代のことは個人的に良く知らないのだが、清水ユースは日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会への出場を決めており、すべての試合が動画配信されるというので、シーズンオフの楽しみが増えたと思い、注目していた。昨日、13:00から鹿島ユースとの一回戦があり、早速それをネット観戦したのだけれど、まさかの逆転負け。おそらく、高校3年生にとっては最後の公式大会だったと思うのだが、あっけない幕切れを迎えた。

 ネット配信は、カメラ1台だけで、しかも高い位置からではなくピッチレベルのカメラなので、全体像もディテイルも全然分からない。「チャンスとかピンチとかが一応分かる」という程度のクオリティだった。まあ、手弁当で中継してくれているのだろうから、文句は言えない。

 だから、詳しい戦評などはとても書けないが、全体的な印象としては、技術は清水の方がありそうなものの(ただし意外とロングボールを多用)、一対一の競り合いとかでは鹿島の方が上なのかなと感じた。お互いにシュートシーンはきわめて少ない試合だったが、前半に清水が右サイドの突破から中央に折り返し、走り込んだ金子星太君がタイミング良く合わせて、幸先良く先制。そのまま、鹿島にはこれといったチャンスを作らせず、後半途中まで推移したが、清水は試合をコントロールできているようでいて、実は自分たちもチャンスは作れておらず(後半はシュートほぼゼロだったのではないか)、2点目がとれなかったのが痛かった。66分、さほど崩されたわけではなかったものの、中央での対応がやや甘くなったところを鹿島に決められ、同点を許す。清水はたぶん地区予選で失点していなかったのではないかと思うのだが、久し振りの失点で動揺したのか、キックオフ直後にボールを奪われて清水の左サイドの突破を許し、それをファウルで止めるしかなかった。イエローも提示され、ますます嫌な雰囲気に。そして、そのフリーキックからのこぼれを決められて、致命的な2失点目を喫した。残り時間の中で、清水は必死に攻めるも、チャンスらしいチャンスを作れないまま、試合終了となった。

 なお、レギュレーションは知らないが、成岡輝瑠の出場はなし。今のところ、彼以外のトップ昇格の話は聞かないが、この世代はこれからどんなサッカー人生を歩むのだろうか。サッカーだけでなく、人生そのものも。今大会は残念な結果となったが、若者たちの未来にエールを送りたい。

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 そんなわけで、以前から情報が流れていたロティーナ監督、イバンHCの就任が、昨日正式に発表された。平岡、篠田両氏もコーチとしてチームに残ることが決まり、来季の陣容が見えてきた。

 「ロティーナと言えば守備組織構築のスペシャリスト」という評価が固まっており、2年連続でJ1最多失点に泣いた我が軍にとってはこの上ない人選だという論評が多い。個人的にも、それに同意する。ただし、「ロティーナが来たから清水の守備はもう大丈夫」などと大船に乗った気持ちにはなれない。清水の守備の立て直しは、そう簡単ではないと思う。今回は、過去にロティーナを迎え入れた東京ヴェルディ、セレッソ大阪という2チームが、どのように勝敗・得失点を変化させたかをざっと見てみたい。

 まず、直近のセレッソの方から見ていこうか。ロティーナが来る前の2017~2018年と、来た後の2019~2020の戦績は下表のようになっている。注目すべきは、セレッソはそもそもロティーナが来る以前からしっかりした堅守のチームであったという事実である。確かに、ロティーナが来たことによって平均失点は1.1から0.7に低下したが、元々の守備の堅さがあったからこそ、2019年にJ1最少失点の快挙を成し遂げられたわけである。なお、2019年は失点だけでなく得点も少なかった。2020年になると、得点は増えたが、失点も増えた。

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 次に、ヴェルディのケースを見てみよう。ロティーナ前の2016年から、ロティーナ後の2017年になって、得点・失点とも顕著に数字が改善されており、順位も躍進した。2018年には堅守にさらに磨きがかかり、試合数よりも少ない失点数でしのいだ。ロティーナが去った2019年にはまた失点が増えてしまったので、ロティーナが実際に堅守を構築していたことは疑いない。ただ、ロティーナ前の2016年に記録した1試合平均1.5という平均失点は、ありえないほどの乱守というわけではない。この年はくしくも清水もJ2に在籍していたわけだが、同年のJ2全体の1試合平均失点は1.2であり、1.5のヴェルディは少々守備が弱かったというレベルだ。

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 問題は、「守備が少々弱い」などというレベルではなく、完全に崩壊し切った清水である。おそらく、ロティーナが実際に清水の守備組織を間近に見たら、カルチャーショックで高熱を出すのではないか。それくらい、清水の守備組織は出来ていないし、選手の意識もロティーナの哲学とは真逆の方向性を示している。立田など、あれだけ本来の持ち場を離れて無謀に飛び込んでというのはロティーナ流とは程遠く、よほどプレースタイルを変えないと出場機会自体が得られないかもしれない。

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 ロティーナという人選は間違っていないと思う。しかし、改革は相当困難なプロセスになると覚悟しておいた方がいい。

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 昨日、テセの契約満了が発表になった。こうなることは、ある程度、覚悟はしていた。テセがチームの中心にいたのは2017年までで、もう3年も前のことになる。ヨンソン監督がテセを使わなかったのは不当な冷遇という感もあったが、その後の篠田監督、ピーター監督もテセを主力とは位置付けていなかった。我々には分かりにくい部分もあるが、J1チームのエースストライカーとしては衰えがあったのかもしれないし、そもそもクセのあるプレースタイルなので、チーム戦術にフィットしない部分もあったのかもしれない。さらに時間は流れ、平岡監督から来季はさらにロティーナ監督に移行しモダン戦術に挑戦するということで、来年3月に37歳になるテセにはそこに居場所はないということなのかもしれない。コロナでクラブの財政が火の車ということを考えれば、稼働率が低くなるであろうベテランを抱えておけないということは、理解できる。

 まあ、ただ、しかし、我々の心の中には、それだけでは割り切れないものが残る。あのJ2降格の屈辱と、J1再昇格の日々の、共有体験。チームに魂を注入し、それを対外的にも発信してくれる存在。男くさい本人の人間ドラマに、温かい家族の肖像。たとえ試合に出ていなくても、常に強烈な存在感を放ち、過去5年の清水の象徴であり続けた。

 結論としては、今回のクラブの決定は、一言で言えば、やむをえないものだとは思う。ただ、現経営陣を批判するわけでは決してないが、もしも人情家の左伴社長だったら、テセの目に見えない無形資産的な価値を含め、もう1年くらい清水でやってもらう、あるいは何らかの形でクラブに残る選択肢もあったのではないかなどと考えてしまう。鹿島に小笠原満男がいたように、川崎に中村憲剛がいたように、清水にテセがいてくれる意味は大きいのではないか、と。

 テセはレンタル先の新潟で、ハーフシーズン(26試合)ながら、9点をとった。J2でフルに出れば、まだ15点は狙えると信じる。もちろん、J1だってできるだろうし。我々としては、この5年間の感謝の念を込めつつ、テセに新たな活躍の場が得られることを、心から願おうではないか。

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 上に見るように、「【2020season LAST MATCH】最終戦の遠征に密着した秘蔵映像を大公開! 12月19日 明治安田生命J1リーグ 第34節 vs ガンバ大阪 @パナスタ」という動画が公開された。

 普段、なかなか見ることのできない戦いの舞台裏を垣間見れて、興味深いが、特に印象に残ったのは次のようなシーンである。ホテルでの食事風景だが、例年だったらワイワイ賑やかに食べるところ、感染防止のため、スクール形式で机が並べられ、距離をとって食事をしている。まるで過疎化で子供が少なくなった学校のようだ。今シーズン、選手たちがどれだけ不自由な行動を強いられ、ストレスが溜まっていたか、窺い知ることができた。

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 2020年、清水の成績はさっぱりだったけど、一部のクラブのような警察沙汰は起きなかったし、これは運・不運によるところも大きいとはいえ、コロナ感染者も出なかった。難しいシーズンを乗り切ってくれた選手たちと、それを支えたスタッフに感謝したい。

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 昨年、当S研ブログでは、「ヨンソン・篠田別勝敗表」というのをお目にかけた。ちなみに、下に見るようなものである。2019年、清水はぎりぎり残留ではあったが、篠田監督自身はほぼ五分の星を残しており、緊急リリーフとしては充分な働きをしてくれたということが、この表からも分かる(もちろん、最大の要因はドウグラスが復調したことではあったが)。

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 そこで、今年も、「クラモフスキー・平岡別勝敗表」というのを、以下のとおり作成してみた。

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 平岡さんと篠田さんでは、試合数がだいぶ違うので、単純な比較はできない。まあ、ただ、崩壊状態にあったチームを引き継いで、自身はほぼ五分の星を残したという点では、平岡さんも篠田さん同様、しっかりと仕事をしてくれた。平岡体制下では、結局1つ勝ち越すことに成功した(それでも1試合平均でしっかり2失点しており、得失点はマイナスだったが…)。

 ちなみに、2019年は、ヨンソン監督は1試合平均の勝ち点が0.73だったが、篠田監督は1.35だった。2020年は、クラモフスキー監督は0.56だったが、平岡監督は1.56だった。「立て直した幅」という観点では、平岡監督の残した数字の方が光る。

 そして、クラブはそんな平岡体制は継続せず、ロティーナ監督を新たに招聘しようとしている。個人的見解としては、それでいいと思う。ピーターから引き継いだ時点で、平岡監督は2020年シーズンの残り試合限定という含みだったので、規定路線だ。今から考えれば、ピーターから平岡さんにスイッチした時点で、もう大熊GMはロティーナと接触していたのかもしれない。平岡さん本人にも、おそらく、「結果にかかわりなく、今シーズン一杯指揮してもらう」と言い渡してあったはずだ。もちろん、それで残り試合9戦を全勝したとか言うなら、また話も違ってきたかもしれないが、平岡監督がやったのは、あくまでもモティベーターとして今いる選手たちの最大値を引き出したということであり、その継続で2021年以降を戦えるかというのは全然別の問題である。だから、個人的にもロティーナ政権への移行を支持する。

 いずれにしても、クラブには、短期間ながら全身全霊を込めて難しいミッションを成し遂げた平岡さんに、名誉ある処遇をお願いしたい。

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 来季監督に、本当にロティーナが来るらしく、サポの皆さんの意識も、惨めだった2020シーズンから、もう2021シーズンに移っているかもしれないが、個人的にはもうちょっと2020シーズンの余韻に浸っていたい気持である。

 2020シーズンが終わったので、時々更新するこの「J1リーグ戦における清水の節ごとの勝ち点推移」グラフの、最新版を作ってみた。清水のこれまでの最小勝ち点は、降格した2015年の25で、順位は17位だったが、2020シーズンはどうにかその最悪記録の更新だけは免れた。

 ただ、グラフをご覧になって、皆さん、お気付きになることがないだろうか? 過去数年、低迷に低迷を重ねてきた我が清水だが、最終節には不思議と負けていないのである。2014年以降、最終節はすべて、勝つか引き分けている。2014年以降、清水が毎年必ず勝ち点を挙げている節は、第34節しかない(正確には、試合の順番が入れ替わったりするので、「節」ではなく、「何試合目か」ということになるが)。

 弱いけれど、最後の最後に追いつめられると、窮鼠猫を噛むように、土壇場で思わぬ力を発揮するのが、ここ数年の清水というチームだったわけだ。「普段から本気出せよ」と思っているサポさんは少なくないだろう。

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 最終節、アウェーのガンバ戦に2:0で勝利。おあつらえ向きに、裏番組では仙台と湘南がスコアレスドローに終わったため、清水にとってはベストシナリオとなり、順位を16位に上げてフィニッシュした。当S研ブログで秋口くらいからずっと言い続けてきた最下位回避、バーチャル自動降格圏回避を、どうにか達成することができた。

 戦前には、ガンバが大幅にメンバーを落としてくるのではないかとの報道もあった。一方、清水は、そろそろカルリーニョスもヘナトも復帰するのではないかと、勝手に期待していた。ところが、試合前にメンバー表を見て、愕然。ガンバは欠場が噂された倉田やパト氏がいるし、逆に清水はカルリ、ヘナトだけでなく、ヴァウドまでいないと来た。「ハハハ、駄目だこりゃ」と笑うしかなかった。

 これだけブラジル人を中心とした外国人への依存度が高いチームで、この日のメンバーにベンチを含めて助っ人がエウシーニョ一人というのは、異常事態である。開幕戦の頃からは、想像もできなかった事態だ。

 しかし、平岡監督は日本人プレーヤーたちに魂を吹き込み、上手く配置と交代をさせ、勝ち点3を取り切った。表現が適切かどうかは分からないが(たぶん不適切)、冷蔵庫のありあわせの食材でウマい飯を作ったようなものであり、その手腕は評価されるべきだろう。

 誰がどう見ても、この日の清水の勝因はハードワークに尽きるだろう。前の4枚に「激しく追える」系のアタッカーを並べたことからも、監督の意図した戦いがうかがえる。選手の動きは「飛ばし過ぎ」とも思えるもので、これでは90分は持たないだろうなと思いながら観ていたが、ガンバは先制したら絶対負けないチームであり、逆に清水は先制されたらまず勝てないので、力を出し惜しみせず、前半をゼロで乗り切ったことが大きかっただろう。そうすれば自ずと後半に勝機が出てくるということが、改めて証明された。

 サッカーにおいては、相手に厳しく寄せる、シュートは体を投げ出して防ぐ、素早く切り替えるといったことは、大前提である。戦術だの技術だのといったものは、その土台の上に重ねるものだ。今季を含め、清水が何年も低迷しているのは、その当たり前のことを疎かにしていたからに他ならない。そう言えば、先日のスポパラで名波氏も、清水の根本的な問題はその部分だと指摘していた。平岡監督になって清水がそれなりに勝てるようになったのも、「戦う集団」という表現で、その「当たり前」を徹底させたからだろう。

 ただ、ちょっと結果が出ると、すぐに緩んでしまうのが、うちの悪いクセである。鹿島戦、湘南戦では、また甘さが目立っていた。尻に火がつかないと本気にならないというのは困ったものだが、33節で最下位に沈んだという危機感から、ガンバ戦では今季最も目を見張るようなハードワークを見せてくれたというわけである。

 誰が監督をやるにしても、どんなシステムや戦術をとるにしても、このハードワークが大前提。最終節にして、ようやくデフォルトになったという気がする。

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 さあ、泣いても笑っても、ラスト1試合だ。アウェーのガンバ戦。すでに2位を確定させ、天皇杯出場、来季のACL出場も決めているチームということになる。参考までに、10月以降のガンバの試合結果を、上に貼っておく。

 ただ、個人的には、どうにも割り切れない思いがある。もちろん、ガンバの選手は質が高く、選手層も厚く、やっているサッカーの中身も安定している。清水のようなビリチームのサポ風情が、云々言う資格はない。

 しかし、あえて言わせていただくなら、ガンバを見ていると、「え、この程度で2位になれるの?」と思ってしまうのである。有能な選手は揃っているのだから、もっとモダンでアグレッシブなサッカーをやればいいのに、実際はすごく保守的かつ消極的で、「これではタレントの無駄遣いではないか」と感じてしまうのだ。

 前節に至っては、下位の横浜FC相手にガンバの支配率はわずか34.9%だった。攻撃の迫力を出したシーンは、2点を奪ったそれぞれの場面くらいだった。逆に言えば、その2つのシーンだけは攻撃のスイッチが入り、得点を奪いきってしまい、後は相手に持たれようが何しようがゼロに抑えて勝ってしまうのだから、大したもんちゃあ大したもんなのだが、「ビッグクラブなのに、本当にそれでいいの?」と他人が余計な心配をしたくなってしまう。

 しかし、ガンバのそういう消極的なサッカースタイルは、代償を伴っている、データを見ると、ホームであまり強くないのだ。アウェーの方が良い成績が出ている。今季のリーグ戦で、アウェーでは2回しか負けていないが、ホームでは6回も負けている。これまた、「ホームで6回負けたチームが2位ですか。ふーん」などと、最下位サポの分際で揶揄したくなるような数字だ。要するに、ホームでは否応なしに自分たちが主導権を握って攻める試合が増えるが、実はそういう戦い方が得意でないということなのだろう。

 まあ、とか何とかいいつつ、ガンバが完成された隙のないチームであることに変わりなく、清水としては西横綱の胸を借りる形だ。失うものはない。当たって砕けろ。

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 当S研ブログでずっと追っていた下位3チームによるビリ争いは、33節にして清水が最下位に沈み、残り1節を残すのみとなった。

 だが、まだ終わったわけではない。清水は自力で最下位から抜け出す可能性が、まだ残っている。普通であれば、いくら最下位のチームが勝っても、上が勝ってしまえば万事休すなので、他力となるところだが、最終節は偶然にも16位と17位の直接対決があり、両方勝つことはあり得ないので、奇跡的に最下位の清水にも自力での最下位脱出の可能性があるわけだ。

 しかし、そのためには、清水が最終節でガンバに勝つことが絶対条件となる。勝ち点3をとれば最下位脱出、そうでなければビリ確定という、非常にはっきりした状況である。理論的には、湘南が5点差以上で負けてくれれば清水は引き分けでもOKだが、ピーター清水じゃあるまいし、湘南が5点もとられるなんてことはまずないだろう。

 ちなみに、清水は勝ち点3しか意味がないので、その前提で考えると、一番ありがたいのは、仙台と湘南が引き分けてくれることである。すると、あら不思議、清水は勝ち点28で仙台と並び、得失点差では清水の方がマシなので、清水は一気に16位まで上がれる。バーチャル自動降格圏を脱出する可能性も、まだ残っているわけだ。

 それもこれも、すべては、清水がガンバに勝たないと始まらない。もちろん困難なチャレンジだ。しかし、まだ可能性は残っているのだ。ラストワンチャンに、賭けてみろよ。

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 ホーム仙台戦。ベストメンバーでなかったとか、最近の仙台は決して弱くないとか、主審がアレとか、難しい条件が揃ってしまったことは事実である。しかし、最下位相手にまんまとやられ、自分たちが底に沈んだことは事実である。ただただ悔しく、情けない。試合前に述べていたように、理屈抜きで勝たなければいけない試合で、その試合に敗れたということしか残らない。

 3失点は、いずれも守備の甘さを露呈したものであり、今季、最後まで病気は治らなかった。機能していないセットプレーのゾーンディフェンス。相手のシュートをまともにブロックに行かないボランチ。GKの安易な決め付け。

 この試合、清水のチャンスやシュートは少なかったが、スォビックの守るゴールを2度までもこじ開けたのは、良くやった方だろう。問題は、得点力不足ではない。

 今季、清水が前半に2点以上を奪われた試合は、すべて敗れている。攻撃サッカーを掲げても、撃ち合いを征して勝ったことは一度もないのである。やはりサッカーは一にも二にも守備だ。ピーターの負の遺産とはいえ、平岡監督もチーム体質を好転させるには至っていない。かくなる上は、噂される守備組織構築のスペシャリストを招聘し、出直しを図るしかないか。

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 そんなわけで、実に不名誉ながら、今季最も重要な試合を迎える。今宵、ホームでの仙台戦が、最下位を回避するための直接対決となる。勝てば勝ち点4差がつくので、最下位回避は確定、それのみならず湘南をかわしてバーチャル自動降格圏から脱出できる可能性も高まるだろう。逆に負ければ、残念ながら、最下位はほぼ確定と言っていい。最終節で強敵ガンバ相手にうちが勝ち点3を奪うとは、計算できないからだ。

 もう理屈は抜きだ。勝ってくれ。ただそれだけである。そして、我々にできることは、一人でも多くのサポが会場に詰め掛け、声援は送れないまでも、熱を送ることだ。

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 セレッソを辞めることが確定しているロティーナ監督が、清水に来るのではないかという説は、しばらく前から、願望も込めて、サポの間で語られていた。

 それが、昨日くらいから、かなり信憑性の高い話として語られ出した印象である。その要因の一つは、「ロティーナは清水?川崎のボランチ2人が移籍濃厚?柿谷、オルンガは…【Jリーグ冬の移籍動向ウラ事情大放談】」という記事だ。この記事は、主要部分は有料読者しか読めない。続きが気になったので、カネを払って、購読することにした。

 ただ、読んでみたが、そんなに確たる話が語られているわけではない。

代理人A:(ロティーナの清水入りは)ほぼ決まりだと聞いています。
記者B:いわゆる大熊さんがロティーナを呼んだという流れでしょうか。
代理人A:推薦はしたかもしれませんね。

 という程度の話だけである。ちなみに、上の見出し画像を見ると、「お、川崎のボランチ2人が清水に来るのか?」などと勘違いしてしまうが、それは全然違う話題として語られている。

 まあ、この記事自体には、ロティーナ氏の清水監督就任について、以上のことくらいしか述べられていないが、個人的には、あってもおかしくない起用だと思っている。

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 個人的な心境としては、せっかく悪くない船出をした平岡清水を、もっとじっくりと見ていたいという気持ちなのだが、早くも選手の移籍に関する情報が飛び交っている。昨日は一気に6選手の契約満了が発表された。これらは、新規の戦力獲得情報と、裏表の関係にある。

 ジュニオール・ドゥトラ。いてくれれば、助かる存在であることは間違いない。今季は19試合で5点だそうで、出場機会の割には結果は残した。先日の鹿島戦もそうだったが、ちょっとメンバーを落とすとがくっと力が落ちてしまう清水にあって、ドゥトラはBチームの中でもJ1クオリティに近い「違い」を見せてくれた。しかし、ポルトガル1部で活躍中のブラジル人FWサンタナの獲得がほぼ決定のようなので、そう何人もブラジル人アタッカーを抱えるわけにも行かず、年齢的にもベテランの域に近くなってきたので、優先順位でドゥトラがはじかれてしまうのはやむを得ない。ドゥトラの場合は、まだまだ、J1の控え、またはJ2の主力レベルで、やれるだろう。

 ネト・ヴォルピ、こればっかりは契約満了は納得だろう。ある種の能力は秘めていると思うのだが、腰痛が思わしくなかったのか、あるいはよほど日本または清水の水が合わなかったのか。本当に、大いなる謎というべき存在のまま、1年が過ぎてしまった。近年のブラジル人助っ人は、当たり外れが大きいという印象を受けている。

 GKは、なんと欧州から権田の獲得が濃厚らしい。例の「村松小突き事件」で、悪い印象を持っているサポさんも多いことと思うが、それだけ闘志を出すタイプということだろうし、清水に気合を注入してくれるのなら、歓迎だ。ただ、レンタルということらしく、腰掛けで終わらなければいいのだが。権田獲得資金の確保という意味でも、ヴォルピの放出は当然だろう。

 金井貢史との契約満了は、ちょっとあっけない印象を受ける。まあ、もともとモフサッカーを知るプレーヤーとして引っ張ってきたようなところもあったし、本人も渡り鳥プレーヤーで、一所に長く留まるタイプではないのかもしれない。キャラ含め、面白い存在だったのに、満了は残念である。ただ、金井を手放すということは、ちょっと前に噂になったブラジル人左SBウィリアム・マテウスの獲得という情報が、信憑性を帯びているのかもしれない。

 六平光成、彼については在籍歴が長かっただけに、愛着を持っているサポさんも多いことだろう。最近は見ないが、六平パパの出没話なども楽しかった。ただ、本人のポテンシャルからすれば、低迷期のぬるま湯・清水にどっぶりと浸かってしまい、選手として大成できなかった印象を禁じ得ない。下のカテゴリーになってしまうかもしれないが、このあたりで環境を変え、もう一花咲かせるというのは、本人にとって悪くはないのではないか。

 ユース上がりの伊藤研太、平墳迅に関しては、とても残念ではあるが、こればっかりは仕方がない。もう、今季あたりで終了ということは、だいぶ前から明白だった。平墳はJ3でベンチにも入れていないし、伊藤はレンタルの引受先すら見付からなかったわけだし。これから先のサッカー人生、あるいは人生そのものは、彼ら自身が切り開いていくしかない。我々もエールを送り続けよう。

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 アウェー鹿島戦は0:2で完敗。先制点が大きく物を言う鹿島相手に、最初の10分ちょっとで勝負を決められてしまった。「しゃべることすべてが的外れ」という八塚氏の実況の弊害とも相まって、清水サポにとってはストレスばかりが溜まる90分だった。

 シーズンも残り3試合というこの期に及んで、今さら選手のテストもターンオーバーもないだろう。普通は、ひたすらベストメンバーを組んで、結果を求めるだけである。しかし、この試合で平岡監督はJ1出場経験がそれほど豊富とは言えない成岡、鈴木、宮本らを先発起用した。もちろん、カルリーニョスが怪我をしたとか、竹内あたりも疲労困憊といった事情は分かる。ただ、金子、中村、後藤、河井など、より経験値の高い選手よりも、若手を優先した理由は何だったのか? これは批判ではなく、純粋に監督の真意を知りたいものである。

 監督が戦前に述べていたように、本当に調子の良い選手を単純に起用したのか。来季(自らの本格政権)を見据え、若手に経験を積ませたかったのか。あるいは、来たる水曜日の仙台戦に照準を合わせ、この鹿島戦はメンバーを落としたのか。おそらく、色んな要因が絡んでのこととは思うが、本当のところはどうだったのか、興味がある。

 この鹿島戦で勝ち点をとるという観点だけで言えば、明らかに選手起用は失敗だった。バタバタしていた宮本に、相変わらず判断や視野に課題があった鈴木に、サイドで孤立して何もできなかった成岡。サポさんによっては、「若手にそんな厳しいことを言うな。成岡君なんかはまだ高校生だぞ」とおっしゃる方もおられるかもしれないが、プロのチームでプレーしている以上は言い訳できないし、何より本人たちが「若手だから」などという甘えた考えを持っていないはずで、若さゆえに彼らをかばうのは彼らにかえって失礼である。こう言っては何だが、鹿島であれば絶対にそんな甘さはないと思う。

 特に、2失点目に直結した宮本が競り合いで負けたプレー、あれは本当に痛かった。デュエルに勝ってボールを奪えないまでも、ファウルしてでも絶対に止めるべき場面だった。本人はその重大さに気付いているだろうか? 気付いて成長してくれるなら、この苦い敗戦も、長い目で見て、甘受しないでもないが。

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 J1の序盤戦ではともにまったく勝てず、ビリ争いをしていた清水と鹿島だったが(鹿島に至っては、最初の数試合で挙げた得点が相手のオウンゴールによる1点だけだった)、その後すっかり明暗が別れ、清水は下位争い、鹿島は上位争いを演じている。

 鹿島が本格的に勝てるようになってからの戦績を、上に貼っておく。良く見ると、この間の引き分けが1試合しかなく、割とはっきりと勝敗が決まるチームである。要するに、先制点が大きく物を言うチームなのだろう。

 鹿島の試合を眺めていると、川崎や(強い時期の)マリノスのような圧倒的な攻撃力や革新的な戦術などは見て取れない。攻撃は、クロスを中央で合わせるようなシンプルな形が多い。ただ、そのクロスの精度が高いのと、中央で合わせるエヴェラウドの決定力、上田綺世のポジショニングの上手さなどで、確実に得点に繋げているという印象だ。

 清水としては、当たり前のことだけど、まずクロスをフリーで上げさせないことが重要で、できればサイドのクロッサーを2人で挟むなどして自由を奪いたい。もちろん、ゴール付近での無駄なファウルやコーナーを与えることはなるべく少なくして。あとは中央のクロス対応を抜かりなくお願いしたい。

 清水の攻撃は、どうなのかね。カルリーニョスが怪我で欠場ということになると、カウンターの威力が大幅に殺がれる。ドゥトラが代役? まあ、古巣の鹿島相手で奮起を期待するか。

 なんか、当たり前のことしか書けず、申し訳ないのだけど、とにかく最後まで集中した良い試合が観たい。

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