エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

2020年11月

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 他の人たちはどう思っているか分からないけど、いくら降格がないシーズンとはいえ、降格相当の順位で終わることは是が非でも避けたいと、個人的に思っている。今季、その点にこだわらないチームが、来季生き残ることなど、到底不可能だろう。

 その観点から、どうしても勝ちたかったホーム湘南戦。勝てば順位が入れ替わり、自動降格圏からはひとまず脱出できる試合。ある意味で、今季一番大事とも言えるその試合に、勝てなかった。気温が冷え込む中、低調な内容に終始する16位と17位の試合を眺めながら、「来年の今頃も、この両チームが、同じような位置で残留を争っているようなことがなければいいが…」と思ってしまった。

 それにしても、湘南がセットプレーであの折り返しの形を使ってくること、清水はスカウティングできていなかったのだろうか? 所長は、バーチャル残留争いのライバルである湘南の試合は毎試合必ず観るようにしているので、最近の試合で湘南があの形で何度も点を取っているのは良く知っていた。てっきり、平岡清水はそのあたりは抜かりなく対策しているはずと思っていたのだが、ちょっと失望である。

 清水は、残り試合のうち、3試合は上位チームだし、もう1試合は仙台を相手にしたこれまた難しそうな試合だ。もう16位湘南を抜くのは無理なのだろうか。

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 本日はホーム湘南戦。実に不名誉な6ポインター。どちらがバーチャル自動降格圏に沈むのかという争いだ。ただし、直近の数試合では、ともに勝ち点を積んでいるチーム同士の戦いでもある。

 ところで、一昨日、「ピーター時代とは逆の目を出し続ける平岡監督」というエントリーをお届けし、ピーター時代に負けた相手の神戸、セレッソ、横浜FCに平岡監督は勝ち、ピーター時代に勝った相手の札幌には平岡監督は負けているという不思議な現象について指摘した。

 しかし、平岡監督になってからも、清水のスコアは、ピーター時代のパターンを踏襲している。3:1で3回勝ったわけだが、それはピーター時代にもあったスコア。そして、1:5で1回敗れたわけだが、これもピーター時代に経験したスコアだった。

 それを踏まえて、改めて今季の清水の試合の得失点パターンを図にしてみると、上図のようになる。いくつかの特徴が指摘できる。

  • 勝つときは必ず3得点以上。
  • 1点差勝利は一度もない。
  • 負ける時は必ず2失点以上。一度だけ4:2で勝ったことがあったが(ホーム大分戦の今季初勝利)、2失点は完全に勝負が決まった後に決められたもので、例外的なケースだった。つまり、2失点以上したら、まず負けるということ。
  • 引き分けは0:0か1:1だけ。
  • サッカーではウノゼロはありふれたスコアのはずだが、今季の清水は勝つにしても負けるにしてもウノゼロが一度もない。

 つまり、今季の清水は、ごくたまにあるロースコアの試合は0:0か1:1で引き分けるが、それ以外の試合は勝つにしても負けるにしてもたくさん点が入り、大差がついて勝負が決するということである。非常に特異なパターンであり、その点はピーターも平岡監督も今のところ変わっていない。

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 今シーズンのJ1は、コロナ禍という状況はあったにせよ、川崎フロンターレの強さは異常だった。コロナで過密日程になったから川崎の選手層の厚さがものを言ったという面はあっただろう。川崎がACLというハンデを背負っていたら、ちょっとは展開が違っていたかもしれない。しかし、いずれにしても、今季のJ1優勝は川崎がものにしていたとしか思えない。他チームは、それだけの力の差を見せ付けられた。

 2位ガンバ大阪との試合が、優勝を決める一戦になったわけだが、優勝が決まる直接対決で、あれほどまでに完璧に勝ち切ったチームが、Jの歴史にあっただろうか? ガンバだって、そこそこ守備は強いチームなのに。

 どうやら、川崎の黄金時代は当面続きそうだ。あのチームは、一時的に良い選手が偶然集まっているわけではなく、選手獲得のノウハウからして哲学に貫かれている。たとえ三苫が海外に移籍しても、第二、第三の三苫がすぐに出てきそうである。

 所長は、清水にリーグ優勝してほしいと思っているわけだが、優勝するためには、あの川崎を倒さなければいけないわけである。並大抵のことではない。

 思えば、今季、篠田監督が続投していれば、J1の中位くらいには安定して留まれたかもしれない(昨年、篠田監督就任後の戦績はほぼ五分五分だった)。しかし、上位進出はなかっただろう。タイトルを争えるようなチームになるために、斬新な戦術の持ち主で、「自分はチャンピオンになる方法を知っている」と豪語する指導者を招聘したことは、間違っていなかったと思う。そうした指導者であれば、もしかしたら、本当に栄冠をもたらしてくれたかもしれないからだ。もちろんリスクも大きいが。

 清水にリーグ優勝を目指してほしいという観点から、所長は今季の挑戦は間違っていなかったと思う。残念ながら、具体的な人選がちょい惜しかったというだけで。

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 皆さんお気付きかもしれないが、平岡監督になってからの戦績には、奇妙な点がある。

 ピーター時代に負けた相手の神戸、セレッソ、横浜FCに、平岡監督は勝ち、

 ピーター時代に勝った相手の札幌には、平岡監督は負けている。

 基本的にサッカーは継承しているはずなのに、すべて逆の目を出し続けているのである。これは単なる偶然か? この法則が当てはまるとすると、次の湘南戦は…。うーむ。

 まあ、単なる偶然か、巡り合わせでそうなっただけだろう。気にしないことにしよう。

 それにしても、個人的に、横浜FC戦の清水のシステムは分かりにくかったなあ。DAZNの試合前の配置図では、右・金子、中央・後藤、左・鈴木、1トップ・ドゥトラの4231で表示されていたと思ったけど、実際には金子・右SH、後藤・左SH、ドゥトラと鈴木の2トップ(鈴木は若干下がり目)の442だったはずである。後藤と鈴木は結構広い範囲を動き入れ替わったりしていたし、金子も久し振りに得意技の反対サイドのニアに飛び込む動きでゴールを決めたし、サイドハーフはピーター時代と違って常に幅をとるわけでもなくなってきたのか?

 それにしても、西村がFWで起用された件、みんなもっと話題にしろよ(笑)。

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 アウェー横浜FC戦は、3:1と、割と危なげなく勝利。3得点はいずれも鮮やかなものだった。後半に完全に失速し、トータルな試合運びには大いに課題を残したが、まあ勝てたことがすべてだろう。

 それにしても、非常に奇妙な感覚を覚える。この試合のゴールシーンとか、まさにピーターがやりたかったような形ではないのか。我々が、マリノス遺伝子を引き継ぐ超攻撃型の指揮官を迎え入れ、「こんなゴールシーンが増えるんじゃないかな」と思い描いていたような形。それらは、ピーターが実際に指導をしていた時期にはついぞ見られなかったのだけれど、彼がいなくなったとたんに、「そうそう、こういう形だよ」と膝を打つような、そんなゴールシーンが続いた。

 人によって、見方は分かれるだろう。「駄目モフが辞めたから攻撃が機能するようになった」と考える人もいれば、「ピーターのサッカーが時間差でようやく開花し始めた。もっと彼にチームを委ねておけば、さらに強くなれたはずなのに」と主張する人もいるだろう。

 まあ、今さらそんなことで、清水サポ同士が論争をしても仕方がないだろう。ピーターの遺産なのかどうかは分からないが、チームとしては、今回の試合で見られた良い攻撃の形を、もっともっと確かなものにしていく他ない。

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 クラモフスキー前監督は、スタメンの変更について話を向けられると、「いや、誰が出ても同じサッカーができます」とコメントするのが常であった。しかし、現実には、優秀なブラジル人助っ人がその属人的能力を発揮して活躍した時にだけ勝てるチームであったことは、否定できない。

 その点、本日の対戦相手の横浜FCは、まさに、誰が出ても同じサッカーができるチームである。下平監督のきめ細かい指導の賜物により、J2からJ1に昇格し、そしてJ1の舞台でも悪くない戦いをしている。横浜FCのメンバーを見ると、スーパースターは見当たらず、いつもだいたい安そうな、と言ったら失礼だが、若手・中堅の日本人選手だけという場合が多い。そして、チームを率いる下平監督自身、上の表に見るように、決して高報酬というわけではない。横浜FCと清水、どちらがコスパが高いかは、歴然としている。

 ただ、「横浜FCにも、レアンドロドミンゲス、中村俊輔、そしてカズがいるではないか」というツッコミが聞こえてきそうである。それはそのとおりなのだが、そうしたベテランはちょっと事情が違う。所長が横浜FCの事情を良く知る関係者から以前聞いた話によると、何でもユニフォームスポンサーの社長がカズのファンらしく、「カズを一定の試合数に出場させること」を条件にチームを支援しているそうである。中村俊輔については知らないが、もしかしたらそういうスポンサーの好みも反映した獲得だったのかもしれない。

 横浜FCというのは、そういう「闇」の部分も抱えたクラブということらしい。つまり、下平監督は、それでなくても豪華とは言いがたいプレーヤーをやりくりして戦わなければいけない上に、「時々カズを使わなければいけない」という縛りまで課せられ、今季それでいて清水よりもずっと立派な成績を残しているのである。二重の意味で尊敬に値する。

 いつも言うことだが、せめて清水には、予算相応のサッカーくらいは見せてほしいのだ。

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 今季、様々な選手が左サイドバックを務めた中で、ファンソッコが一番安定感があった印象を受けていた。だから、札幌戦でソッコが左SBとして先発し、「これで大丈夫」と思ったのだが、先制点は別として、その後の守備は期待外れだった。揺さぶりに弱く、簡単にクロスを上げられるシーンが目立ち、ゴール前でのピンチが増える原因になっていたと思う。

 思えば、左SBが定まらずに、苦労した1年だった。「そう言えば、開幕戦って、誰が左SBだったんだっけ?」と確認してみたら、そうそう、石毛だったじゃないですか。ルヴァンの初戦と、リーグの開幕戦を左SB石毛で行って、思えば、石毛が早々に怪我をしてしまったことが、迷走の始まりだったのかもしれない。

 そこで、今季、リーグ戦とルヴァンで、誰が先発の左SBを務めたかを、集計してみた。残念ながら、メンバー表を見ても、配置がうろ覚えの試合もあり、間違っていたらお詫びする。

金井:10試合
ソッコ:7試合
奥井:5試合
石毛:2試合

 そして、清水が3バックで行ったのが7試合あり、確かすべて西澤が左ウイングバックだったと思う。

 松原が冬に欧州に移籍し、評論家連中に「左SBの穴が埋まっていない」と口を揃えて指摘された時には、「どいつもこいつも同じことばっか言いやがって。松原なんて、大したストロングにもなってなかったんだよ」と反発したものだったが、いざいなくなってみると、やはりそれなりに痛い(笑)。何だかんだで、左利きで、180cm超えで、スタミナがあり、怪我なくほぼ全試合出場してくれる左SBは、それだけで貴重だったんだなあと(クロスは最後まで下手だったが)、今になって痛感する。

 というわけで、噂のブラジル人は、来るのかな。

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 札幌戦、決してGK梅田のせいで負けたわけではない。しかし、一流のGKだったら、5失点ではなく、2~3失点程度に抑えられたかなとは思う。いや、仙台のヤクブ・スウォビックだったら、もしかしたら引き分けくらいに持ち込めたかもしれない。

 個人的に、梅田は結構好きな選手だし、将来的に期待はしている。点をとられても、「別にオレのせいじゃないし」という感じで、淡々とプレーを続けるところが良い。ピーターが、足元や配球に見所のある梅田をチョイスしたことは、理解できる。

 しかし、伸びしろありそうというだけで若いGKを使うと、どれだけ酷い目に遭うかというのは、我々は櫛引の時に嫌というほど思い知った。GKだけは、カネをケチっては駄目である。日本人なら代表クラスか、あるいは力量が確かな外国人の実力者を起用すべきである。4チームも降格する恐怖の来シーズンを、梅田で戦うのは不安が大きすぎる。

 まあ、そもそも、2020年の清水のつまずきは、GK問題から始まったようなものだ。六反がプレーできるかどうかが判然とせず、レンタルに出したのが痛かった。鳴り物入りで加入したネト・ヴォルピは、試合にまったく絡めていない。残りは正直、帯に短したすきに長しで、期待値込みで梅田を主に起用しているものの、やはり未熟であることは否めない。

 梅田の場合、シュートストップもさることながら、声を出してディフェンスラインを統率する部分が弱すぎる。味方のシュートブロックが甘かったら、たとえ先輩や外国人であろうと、叱り飛ばすくらいの姿勢が必要だが、ちょっとそういうキャラクターには思えない。

 来季は、六反の復帰が、一番無難なシナリオだろう。しかし、契約がどうなっているのか分からないし、もしかしたら六反の気持ちもすでに清水から離れているのかもしれない。その場合は補強ポイントになってくるだろう。

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 誰も覚えていないと思うが、当S研では本年の年頭に当たり、「2020年の目標は、北海道コンサドーレ札幌に勝つこと」だと宣言した。そして、クラモフスキー監督率いる我が軍が実際にホームで札幌を倒してくれた時には、「ありがとうピーター 貴方は永遠のヒーローです」と記した。今でもその気持ちに偽りはない。

 しかし、アウェーのリターンマッチでは、1:5の惨敗。昨年とまったく変わらない結果。たとえ今年下位に低迷することがあっても、札幌にダブルで勝つことでもあったら、個人的にはそれだけでも満足だったが、結局はダメシーズン以外の何物でもなかった。

 この札幌戦に向け、チームの姿勢みたいなものは、ある程度理解できた。監督が交代し、連勝こそできたが、神戸戦は行き当たりばったりだったし、セレッソ戦は内容的には厳しかった。なので、札幌戦ではある程度自分たちの形を作って主導権をとりたいという、上積みを目指したのだろう。序盤はそれが良い形で表れて、選手が流動的に動いて形を作れていたし、望外に先制点までとれた。

 しかし、意欲が空回りしており、選手が持ち場を離れすぎでもあった。典型的なのが両サイドハーフであり、右の西澤も左の中村も、まるでボランチのように両サイドに顔を出していた。あんなに動いたら、バランスを崩すだけである。

 そして、5つの失点は、敵に絶妙の崩しをされたわけではなく、いずれも防げそうな失点で、クロスへの寄せの甘さ、ルーズボールへの集中の欠如、シュートブロックの意識の低さといった原因で生じたことが、何とも情けない。良い部分を上積みしようとして、平岡監督が掲げていた「戦う」という根本の部分が、かえって疎かになってしまった印象だ。いや、闘争心は感じられたが、それを集中力に繋げるのではなく、審判へのクレームや、相手選手への威嚇にぶつけていたような感じで。

 2連勝で気が緩んだが、清水というのがどんなチームなのか、改めて思い知った試合だった。

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 本日はアウェー札幌戦。札幌は、順位の上では低迷しているが、非常に難しい相手だと思う。

 昨年、清水がこてんぱんにやられた札幌は、確かに強かったが、ジェイ・武蔵・チャナというタイプの違う3人のアタッカーが絶妙に融合してこその攻撃力だったと思う。今年、武蔵が夏に海外移籍し、ジェイとチャナはコンディションが整わない時期が続き、それで思うように勝てなくなった。

 それでも、荒野をゼロトップに起用したりと新しい戦い方を模索し、今シーズンを乗り切ってきた。8月に清水がホームで札幌と対戦した頃は、先方はまだ手探りという感じだったが、それが10月頃からだいぶ形になってきたのではないか。そのピークが、11月3日にアウェーで絶対王者・川崎を見事に撃破した試合だった。その次のFC東京戦も、負けはしたが、プレースピードが恐ろしく速く、高い完成度を印象付けた。そして、前節の鳥栖戦は、荒野が出場停止、チャナが怪我、菅がコロナ検査とメンバーが揃わず、結果的にも低調な内容で引き分けがやっとだった。

 そんなわけで札幌は、良い時は川崎をねじ伏せてしまうほど強いが、メンバー次第で結構波があるチームでもあり、本日はどんな札幌なのだろうか?

 札幌と言えば、前線からの守備で、マンツーマンではめに来ることで知られている。あの川崎でさえ、圧力からボールを失って、2失点を喫している。清水も、勝負にこだわるのなら、相手が前から来た時に、ロングボールで回避するのも手だろう。そう言えば、その戦術で、一頃重宝したドゥトラの名前を、最近聞かないなあ。

 もしも、アウェーで札幌に堂々と渡り合えることができたら、清水の復調も本物かもしれない。

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 平岡新監督になって、「戦う」ということが強調されるようになり、それが好結果にも表れている。しかし、球際を強く行くことは、ファウルと紙一重でもある。

 セレッソ戦は、とにかく飯田淳平主審とのフィーリングが合わず、選手も観客もイライラさせられた。小姑のように細かくファウルをとりたがる飯田主審の笛は、球際を強く行こうという意識の清水と、たびたび軋轢を起こした。結果、清水ゴール前の危険な位置で何度かファウルをとられ、セレッソ側の精度次第では、それが原因で敗れていてもおかしくなかった。

 実は、昨年チャンピオンになったポステコ指揮下の横浜Fマリノスは、かなりファウルの多いチームである。イケイケで攻めておいて、カウンターを食らいそうになったら、ファウル覚悟でガツンと止めるというスタイルがある。その遺伝子を引き継ぐピーター清水も、わりとファウルが多かった印象で、それが今を尾を引いている面がある。

 しかし、球際を強く行くというのと、ファウルをとられないようにするのとは、両立も可能である。現に、川崎は非常に球際が強いチームだが、いつも申し上げるように、自陣で守るときにはチーム内で「ノーファウル!」と声を掛け合って、危険なフリーキックを与えることを回避する工夫をしている。残念ながら、清水のベンチやイレブンからは「ノーファウル!」という声を聞いた覚えがない。

 飯田主審のお裁きは、ファウルの取りすぎで、心地悪いものだったが、そういう人なのだから、仕方がない。笛のニュアンスは試合に入ってみれば分かるわけだから、それに合わせていくしかない。あるいは、逆の意味で細かい反町監督だったら、審判の傾向を試合前から丸裸にし、「飯田主審は細かすぎる主審だが、それでイライラするな。むしろ味方につけろ」とイレブンに指示して試合に入るだろう。力が拮抗した試合だったら、それが勝負を分けるかもしれないのである。

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 セレッソ戦で前半精彩を欠き、ハーフタイムで交代させられた金子と後藤。代わって鈴木と中村が入り、結果的に後半3点とれて勝ったので、たとえば、「金子よりも鈴木の方がプレーヤーとしての価値が上なのか」とも思いたくなる。

 しかし、個人的にこの試合ではむしろ、鈴木のパフォーマンスに不満を感じた。球際が非常に淡泊であり、一度競り合いに負けると、二度追い、三度追いを全然やらない。自分がカッコ付きの「良いプレー」をすることしか頭になく、ちょっと上手く行かないともう諦めてしまうような雰囲気がある。しょせんサッカーの競り合いなんて五分五分なのだから、それに勝てないこともあるのは当然で、むしろ奪われた後に切り替えたり、しつこく追ったりすることの方が重要なのに、そのあたりの本質が分かっていないのではないかと感じる。

 その点、金子などは、確かにセレッソ戦の前半でミスも多かったが、FWながら守備のしつこさで今日の地位を築いたような選手である。自分がアシストやシュートのような決定的な仕事をするというだけではなく、チーム全体のバランスを考え、無駄走りになるかもしれないけどボールを追い、危ないシーンでは守備に戻り、エウシーニョのフォローをしたりと、色々気を使いながらプレーをしている。まだ自分のプレーしか見えていない鈴木とは、そこが違う。

 そういう風に、総合的に考えれば、鈴木唯人はまだまだひよっこで、金子翔太の方がプレーヤーとしての価値は上ではないかと思う。

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 平岡体制になって連勝を飾り、クラモフスキー監督時代の沈鬱な雰囲気がすっかり払拭された感もあるが、ピーター時代にあれだけ酷い成績を重ねておいて、検証もせずに前に進むというわけにはいかないだろう。とにかくピーター清水の場合には、前半早々に失点してしまい、しかも往々にして前半のうちに複数失点を喫し、いきなり試合が壊れてしまうことが多かった。

 そこで、ピーターが指揮をとったリーグ戦とルヴァンの試合につき、前半無失点、前半1失点、前半2失点以上に分け、それぞれの試合結果がどうなったかを集計してみた。それが上表である。

 そもそも、前半に失点を喫した試合のあまりの多さに呆れてしまうのだが、驚愕すべきことに、前半に1失点でもすると、その時点でピーター清水はほぼ勝ち点はとれなくなるということが明らかになった。前半1失点して、辛うじて引き分けで勝ち点を拾ったのは、アウェー鳥栖戦のただの一度だけだったのである。「1点とられても2点、3点とり返して勝つサッカー」を標榜していても、それは一度として実現しなかった。

 逆に、前半無失点だった試合は、9試合しかないが、さすがに平均勝ち点は1.4に高まる。

 我々はつい、キックオフの笛を聞くと、「今日こそはピーター清水らしい攻撃サッカーで勝利を!」などと前のめりになっていたわけだが、何のことはない、実は点をとることよりも、前半に失点しないことの方が、はるかに重大だったのである。

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 神戸戦、セレッソ戦と、晴天に恵まれたのは良かったが、直射日光が当たって、試合中はかなり暑かった。そして、時間が経過するにつれ、アイスタ名物のアレが出現した。嫌な西日である。

 この季節は、アイスタで太陽が日本平の稜線に沈むのが、だいたい16時くらいか。となると、たとえば14:00キックオフだったセレッソ戦は、後半に清水のGK梅田が、モロに西日を浴びることになる。2年前のホーム最終戦だった神戸戦では、明らかにGK六反が西日の影響を受けて失点を重ね、勝利を逃した嫌な思い出もある。

 西スタンドの上部に遮光壁でも設置して、西日の対策をできないものかと、以前クラブに意見を出したこともあったが、そもそもスタジアムはクラブの持ち物でもないし、構造上も難しいのだろう(例によって返信をくれるわけでもないので、検討してくれたのかどうかも分からないが)。

 試合前にエンドを選ぶ際に、普通は後半、コアサポの陣取るゴール側に向かって攻めることを選択するものだが、アイスタのデーゲームに限っては、西日が一番酷くなる時間帯にGKがそれを浴びないようにエンドを選択することもあってもいいのでではないか。セレッソ戦は、清水がキックオフだったから、たぶんコイントスに負けて、先にセレッソ側がエンドを選択したのだろう。もしも清水がコイントスに勝っていたら、前半に西向きに攻めるという選択をしてもよかった気がする。

 セレッソ戦の後半は、個人的に、「早く日が沈め」ということばかりが気になって、試合にあまり集中できなかった。上に掲げた写真は、試合の2日後に、セレッソ戦のゲームセットと同じくらいの時間帯に、日本平に沈む夕日を写したものである。こんな西日を正面に浴びて、GKにちゃんと守れという方が無理な話だ。

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126

 清水はもはや、今季の勝ち越しとか上位進出はかなわぬ夢となってしまったが、せめて最下位だけは回避してほしい、清水の歴史上最低だった2015年の勝ち点(25)くらいは上回ってほしいといったことは、強く思う。当S研ブログでは、仙台、湘南、そして清水を「ビリッケツトリオ」を呼び、その低レベルなデッドヒートに着目してきたわけだが、相変わらずその争いは混沌としている。

 この間の週末に、清水がセレッソに勝ったことで、「これで最下位に落ちるピンチは当面遠のいたか」と安心しかけたのだが、実は仙台も湘南も快勝してしまい、3チームの勝ち点差はそのままだった。現状は上表のとおりである。

 まあ、湘南については、以前から、勝ち星こそ付いてこなかったものの、だいたい競った良い試合をするチームであり、サッカーも悪くはないので、勝ち始めたことは不思議でない。それに対し、仙台がアウェーでガンバを撃破したのは、相当ショッキングだった。別に仙台さんに恨みはないものの、最下位争いの都合上、ずっと「仙台負けろ」という視線でこのチームの試合を観てきたわけだが、ガンバ戦に限っては長澤が古巣相手に意地のハットトリックという劇的な展開となり、思わず感動を覚えてしまった。

 うちも含め、やはり、J1に絶対的に弱いチームなど存在しないということか。相当気を引き締めていかないと、依然として清水が今季最下位に終わってしまう恐れは小さくない。湘南、仙台とも、まだ直接対決が残っているので、そこでたたくしかないか。

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121

 ホーム・セレッソ大阪戦は、3:1の大勝利。上位セレッソを撃破したということで、「もう毎試合、鹿児島デーにしてくれ。逆にうちがカネ出してもいいから」と思ったサポさんも多いことだろう。

 それにしても、苦戦はしたし、特に前半はまったくボールが運べなかった。繋ごうとすれば圧力をかけられてミス、ロングボールを蹴れば収まらないということで、八方ふさがりだった。どう考えても、相手の方が上手く、またチーム戦術も完成されており、「こりゃ引き分けでも御の字だし、1点差負けくらいならやむを得ないな」という雰囲気だった。

 後半になって多少推進力が出たのは、選手交代の効果もあっただろう。前半ミスを連発していた金子と、例によってチャンスで力む悪い癖の出ていた後藤を下げ、中村と鈴木を投入、これでだいぶ巡りが良くなった。

 にしても、どっちに転んでもおかしくないというか、むしろ何度かあったフリーキックを生かし、セレッソが勝っていても不思議ではなかった。そういう試合を清水がものにできたのは、精神論のようになってしまうが、「勝ちたい」という気持ちが、清水の方に強かったからではないかと思うのだ。平岡監督は就任時、「球際で丸いボールがどっちに転がってくるかって言ったら、技術もありますけど、気持ちの強い方にボールは転がってくると私は信じています」と述べている。それと同じように、というか、そういうものが積み重なって、勝利も気持ちの強い方に転がってくるものではないかと思うのだ。

 もちろん、ピーター体制下でも、選手は勝とうとはしていたはずだ。しかし、頭のどこかに、「降格がないシーズンで、新しいサッカーに挑戦しているのだから、今は負けても仕方がない」などいう考えがちょっとでもあったら、球際の部分で負けるし、それが積もり積もれば連敗地獄にもなったということではないか。

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 そんなわけで、本日は、ホームのセレッソ戦(上の表はセレッソのリーグ戦試合結果)。勝ちたいねえ。何としても。近年は、2016年のアウェー、2017年のホーム、2019年のホームと、セレッソに対しては劇的な勝ち方をしているので、再現と行きたいところだ。いや、安定的に勝ってくれれば、もっと良いわけだが。

 ところで、一般に、442のシステムは、433や4231に比べて、守備的と言われる。ていうか、杉山茂樹氏がそう言っているのを読んだことがあるだけで、ホントかどうかは知らないが(笑)。

 最近のセレッソの試合をチェックしてみると、ずっと442のシステムを採用している。そして、監督が変わった清水も、前節から442にシステムチェンジしており、おそらく今日もそれで行くだろう。お互いに、休養・準備も充分で、前節とほぼ同じベストメンバーでの対決となるだろう。

 しかし、442同士でも、清水とセレッソはだいぶ戦い方が違うと思う。清水は、ピーターが作ったチームを引き継いで戦っているので、敵のボールホルダーに寄せて挟んで、激しく奪いに行くような場面が多くなる。それに対し、セレッソはある程度のところでリトリートし、相手の攻撃を遅らせて勢いを吸収しつつ、ミスをじっくり待ってボールを奪うような守り方をしてくる。清水は442であっても攻撃的であり、今回の対戦は動の清水VS静のセレッソというコントラストになるのかなという気がする。完成度は、別として。

 それはそうと、セレッソの前節、大阪ダービーをDAZN観戦してみたのだけれど、ものすごく激しい試合だった。長居のキャパが大きいこともあって、2万人近い観衆が集まり、ダービーらしい舞台装置が整ったということ、また上位対決ということで、セレッソもガンバもものすごくバチバチと火花を散らしていた。ダービーという対戦とも、万人単位の観客とも、そして上位争いとも無縁となってしまった清水にとっては、何ともうらやましい光景だった。いや、うちだって、今からでも取り戻せるさ。

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 静岡新聞に、「J1清水の平岡監督 チームづくり着々『戦う姿勢』徹底」という記事が出た。ポジティブな内容で心強く思うが、とりわけ以下のくだりが注目される。

 3-1で快勝した3日の神戸戦。わずかな準備期間で指揮官が「できる限りのことを伝えた」と語る守備面について、DF金井は「一人一人の立ち位置や(ボールの)追い方を整理した状態で試合に入れた。全体が前を向いて守れた」と効果を振り返る。ボールが主に敵陣にある時は4-4-2のシステムの2トップと左右のMFが相手の4バックに圧力をかけ、後方も連動。相手に攻めこまれた時のブロックをつくる守り方との使い分けも機能した。

 そうそう、こういうのこそ、ピーターの指導に欠けていたところではないかと、想像するんだよね。ピーターの場合、「ラインを高く」とか、「アグレッシブにボールを奪いに行くとか」、スローガンとしてはいいんだけど、どうしても細部が疎かになっていた傾向が否めなかった。金井の話を聞くと、まさにその欠落していた部分を、現在、平岡監督が埋めてくれているんだろうなと思うわけだ。

 確か、神戸戦の準備に充てられた時間は、2時間くらいとか言わなかったっけ? それで、基本的な守備戦術を植え付けてしまったのだとしたら、ずいぶんと即効性のある指導である。

 それに関連して、思い出した有名なエピソードがある。かつてザッケローニ氏が日本代表監督に就任した際に、「わずか4日間の合宿で選手たちはゾーンディフェンスの基礎を叩きこまれた」として、ザッケローニ氏の手腕が高く評価されていたことだ。

 ザック監督が4日の合宿で成し遂げたことを、平岡監督が2時間の練習でやってしまったのだとしたら、平岡監督の方がはるかに優秀なのかもな(笑)。いや、うちの選手たちの飲み込みが速いのか(笑笑)。

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 先日の11月3日の試合は、休日のデーゲーム。相手はそこそこの大クラブ。天気は快晴。それなのに、観客がわずか6,168人にとどまるとは、こんな事態は、今年の初め頃には思いもしなかった。

 コロナで観客数に上限が設けられているとはいえ、他の会場からは「チケットが早々に完売」といった話も聞こえてくるものの、清水はリーグ戦再開後、完売が一度もないはずである。チケットの販売状況のサイトを見ても、ずっと「○」の状態が続き、試合当日を迎えるというパターンだ。清水の場合、コロナ禍もさることながら、ピーター時代の連敗禍、失点禍が観客動員には痛かったことがうかがえる。まあ、誰だって、自分の応援するチームが、お約束のように毎回2点以上とられて、惨めに負けるところを、高いカネを払って観に行きたいとは思わない。このこと一つとっても、監督の交代は、必然だったと言わざるをえない。

 ただ、神戸戦は、動員数は振るわなかったとはいえ、久し振りに本来の雰囲気に戻りつつあるという印象も受けた。鳴り物の解禁、アウェー席の開放が大きかったのだろう。もちろん3点とって勝てたことが大きかったが、再開後では初めて、「熱気」を体感した。

 セレッソ戦のチケットも、残席は今のところ「○」のままである。しかし、チームが好転の兆しを見せ始めた今こそ、現地で後押ししたいものだ。

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 清水エスパルス前社長の左伴繁雄氏が、こちらのインタビューの中で、気になることを述べている。なお、記事は有料サイトに掲載されたものであり、当該部分は有料購読者でないと読めないことになっていると思う。

 コロナ禍の影響が、クラブの経営を本格的に圧迫するのが来年になるのは明らかです。

 まあ、そりゃそうか。ということは、今年、クラモフスキー前監督の所望にもかかわらず、シーズン途中の戦力獲得が一人もなかったわけだから、来年は、ますます財布の紐が固くなり、戦力拡充などは望めないということか?

 ただし、ここに来て、来季に向けた戦力獲得の情報が、早くも入ってきた。コリチーバに所属するブラジル人左SBウィリアム・マテウス(30)獲得に向け動いていると伝えられる。上の写真の選手である。

 ただ、直感的に思うのは、外国人枠の問題もあるし、おそらく出ていく選手がいて、プラマイゼロ(むしろマイ?)になるという話なのではないだろうか。まったく試合に出ていないGKネト・ヴォルピが来季もいるのかは疑問だし、高額な割には稼働率が低すぎる右SBエウシーニョの去就も微妙という気がする。FWドゥトラも、今季のうちにとっては貴重なアタッカーではあったが、どうしても必要かというと、疑問符がつく。DFソッコの契約が延長されるのかも、良く分からない。ヴァウド、ヘナト、カルリーニョスは是が非でもプロテクトするとして、それ以外は入れ替えがあっても不思議ではないなという気がする。選択と集中で、費用を今年よりも抑えられるのであれば、経営的な観点からは悪くないだろう。

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