エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

2020年04月

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 清水サポのための、オトナの社会科見学、シリーズ「神スポンサー探訪」。今回は、オフィシャルトップパートナーの一つ、アイ・テック㈱様を取り上げさせていただく。

 しかし、まったく不勉強で恥ずかしいのだが、アイ・テック様というのは、鉄鋼商社だったのか。今回調べて、初めて知った。たった5社しかない最高位の「オフィシャルトップパートナー」の一つであるにもかかわらず、名前しか知らず、業種さえ知らなかったとは、個人的に恥じ入るばかりである。

 実は所長は大学時代に鉄鋼業の研究をしたことがあったので、アイ・テック様が鉄鋼商社と知って、俄然親近感が湧いた。主に世界市場のことを勉強したので、国内の業界事情には疎かった次第だ。

 アイ・テック様の主な事業内容は、港に隣接した倉庫・工場に主に建設資材などに用いられる条鋼(ロング製品)を仕入れ、それに適宜加工を施すなりして、ユーザーに供給するというもののようだ。三保にある本社工場に加え、東京、富山に支店・工場がある。

 個人的に気になるのは、条鋼をどこから仕入れているのだろうか、ということ。元々は国産が主体だったようだが、こちらのレポートなどを読むと、中国製H形鋼の調達も始めたということだった。このレポートは数年前のもので、その後中国の鉄鋼業はさらに肥大化し、いまや世界の鉄鋼生産の半分は中国という時代なので、もしかしたら今日では中国からの調達比率が増えているのかもしれない(あ~、インタビュー行きてえ)。

 アイ・テック様の主要商材は建設資材のはずなので、東京オリンピックや東京再開発に向けた建設需要で、近年の業績は好調だったようだ。

 工場の作業の様子を捉えた動画でもないかと思って探してみたが、見付からなかった。その代わり、若社長が経営の意気込みを語った動画があったので、最後にそれを拝見しよう。スポンサー就任も、社長のリーダーシップによるものだったのかな。これからもよろしくお願いします!


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 大敗した前節の横浜Fマリノス戦から、中3日でのアウェー戦。清水としては守備を立て直すいとまもなく、早くもオリンピックイヤーの過密日程の試練に直面した形だ。しかも、前節のGKヴォルピの退場により、このセレッソ戦では若い梅田がプロ初先発を務めることになった。前節は試合終了間際に突然お呼びがかかり、初出場の喜びを噛みしめる余裕もなかったが、果たして今回は落ち着いてゲームに入り、大器の片鱗を見せられるだろうか?

 一方、守備が相変わらず安定しないことから、クラモフスキー監督はセンターバックの組み合わせを色々と試していた。この日のCB2枚は、立田と岡崎。若い梅田に安心感を与えるためにも、言葉の通じる日本人コンビが無難と判断したようだ。結果、清水が誇るブラジル人強力助っ人陣が、この日は一人も先発せず、外国人は提携枠のティーラシンだけで、何と外国人枠を1枚も使わないという清水らしからぬ現象が生じた。

 この日も、清水の守備は決して安定しているとは言えず、前半から何度もセレッソにゴール前で危険な場面を作られる。しかし、ディフェンスラインが体を張り、決定的なシュートだけは許さない。特に、ユースの後輩でもある梅田を盛り立てようと、立田が必死に体を投げ出し、敵のシュートを跳ね返す。それでも枠内シュートもいくつか浴びたが、いずれもGK正面で、梅田が落ち着いて処理した。

 「このまま前半を0:0で折り返せば、上々だろう」。そんな空気が漂い始めた時、落とし穴が待っていた。前半終了間際、敵の左SB丸橋が、クロスを上げると、それがこの日の強風に乗り、GK梅田の指先をかすめ、ゴールに吸い込まれたのだ。丸橋は試合後のインタビューで「クロスだった」と証言しており、GKを責められない不運な失点ではあったが、結局のところ試合を分けたのはこのワンプレーだった。

 失点すると下を向く清水の悪い癖が、この日も顔を覗かせた。後半に入ると、清水の守備陣は見るからに自信を失い、ミスが増えていく。50分にはブルーノメンデスに抜け出され、飛び出したGK梅田もかわされ、無人のゴールに流し込まれて追加点。61分には、コーナーキックから奥埜にヘディングシュートを決められ、決定的な3失点目を喫した。対する清水は、ティーラシンの放ったシュートからのこぼれ球を押し込んだ金子の1得点だけに終わる。それ以降は、ロティーナ監督率いるセレッソがしっかりとゲームをコントロールし、試合終了の笛を聞くことになった。

 決して、GKの責任で負けた試合ではない。あのクロスは、たとえヴォルピや大久保でも、対応は難しかっただろう。しかし、不運とは言え、その1失点で、ゲームの流れが変わってしまったことを、若い梅田は痛感していた。試合終了後、敗戦の責任を一身に背負うような表情の梅田だったが、敵GKのキムジンヒョンに二言、三言言葉をかけられると、こらえきれずに涙を流した。そこには、GK同士にしか分かり合えない何かがあったのだろう。

 第6節を終えた戦績:1勝・2分・3敗 勝ち点5 5得点・11失点(得失点差マイナス6)。16位


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 清水サポを対象とした、オトナの社会科見学、シリーズ「神スポンサー探訪」。本来であれば、真っ先に取り上げるべきところだろうが、エスパルスの筆頭株主で、実質的な運営主体と言うべき鈴与㈱様を、満を持して取り上げさせていただく。

 しかし、所長は特別な知識などはなく、地元に沢山おられるであろう社員や関係者の皆様から見れば、お粗末な紹介になってしまうかもしれない。その点は、ご容赦いただきたい。

 ちなみに、エスパルスも、鈴与様も、どちらも上場企業ではないので、一般に開示されている情報は、あまり詳細なものではない。鈴与様はエスパルスの筆頭株主のはずだが、どれくらいの出資比率なのだろうか? 検索したところ、ちょっと情報が古いかもしれないが、こちらのサイトが目に留まったので、そこに出ていた数字を記しておくことにする。出資比率は(少なくともエスパルス設立当初は)、27.27%ということのようである。

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 鈴与様と言えば、何と言っても有名なあのCMだ。改めて、拝見してみよう。

 今まで漠然としか理解していなかったが、要するに鈴与㈱様というのは、鈴与グループ全体を統括する持ち株会社ということなんだろうか。こちらのページに見るように、物流、商事、食品などの多数の事業会社があり、鈴与㈱様はそれを束ねているという形なのだろう。

 このグループ企業一覧の中にも、エスパルスのスポンサー様が多数見られる。グループを挙げて、エスパルスを支援してくださっているということだろう。鈴与様およびグループ企業のご支援は、当たり前になりすぎて、ありがたみを忘れてしまいがちだが、この機会に改めて感謝の意を新たにしたいものである。

 グループ企業の中には、(株)フジドリームエアラインズ様もある。それを推した鈴与グループ全体のCMには、聞き覚えのあるJam9の曲が使われていた。


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 こちらのサイトで、人口100万人あたりの都道府県別感染者数というのを調べられる。デフォルトでは、東京都、大阪府、愛知県、北海道、福岡県といった感染者数の多いところだけが表示されており、それに自分の操作で任意の都道府県を追加できるようになっている。上の図は、静岡県を追加で示したものだが(一番下の薄い青が静岡県)、静岡だけ追加したので、あたかも感染多発地域に次ぐ多さみたいに見えてしまうが、実際は全然そんなことはない。静岡は人口100万人あたり15.92人であり、全国的に見て低い部類である。東京・神奈川と愛知に挟まれている割には、持ち堪えている方だろう。

 それにしても、コロナってやつはなあ。ある人は、「インフルエンザよりもはるかに致死率が低い。現に、死者もそんなに出ていない」と主張する。実際、統計的に言えば、そうなのかもしれない。しかし、志村けんさんに岡江久美子さん、こんな国民的人気者が、たとえばインフルエンザで1年に2人も亡くなったなんてことが、これまであっただろうか? たまたま、今回は偶然にも国民的スターが2人犠牲になったということにすぎず、一部の人が主張するように、自粛路線はやめて集団免疫戦略に切り替えていくべきなのか?

 とにかく、良く分からない、先が見えない。ただ、これからJリーグが手探りで再開の道筋を探っていく中で、もしかしたら全国一律ではなく、感染者数の少ない地域から順次再開なんて方向になっていくかもしれない。上のデータから見ても、静岡県は被害が軽い地域という位置付けになるだろう。チームとしてできることは、暗中模索にはなるが、再開のその日に向けて万全の準備をすることに尽きるのだろう。


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 オトナのための社会科見学、シリーズ「神スポンサー探訪」。今回は、プレミアムパートナーの一つ、三菱電機㈱様を取り上げさせていただく。試合当日の冷蔵庫プレゼントも、すっかり恒例の企画となっている。

 言うまでもなく、同社の静岡製作所が市内に所在することが、エスパルスとの縁となっている。まあ、工場は、日本平を挟んで、アイスタとはちょうど反対側の駿河区小鹿にあるわけだが。

 個人的には、小学校時代に、この工場を社会科見学させていただいたことがある(市内の小学生はみんなそう?)。それから何十年か経って、こうやってウェブ社会科見学を企画するというのは、何やら感慨深いものがある。

 静岡製作所のサイトはこちら、より詳細な紹介ページはこちらになる。工場の生産品目は、冷蔵庫、ホームフリーザー、ルームエアコン、ハウジングエアコン、事務所・店舗用エアコン、空調用コンプレッサーということだ。

 まず、冷蔵庫に関する動画を見てみよう。

 もう一つ、エアコンについての動画がこちら。

 というわけで、三菱電機様、今後とも末永くお付き合いください!


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 Jリーグがいつ再開するとも分からないので、新シリーズを始めることにした。「神スポンサー探訪」と題し、清水エスパルスをご支援くださっている企業様を順次取り上げていくという企画である。普段、我々はいきおいサッカーに集中し、スポンサー様のことをじっくりと顧みる余裕がないので、この中断を利用して、勉強してみようというわけだ。サポの社会科見学のようなものか。

 第1回の今回は、クラブのオフィシャルトップパートナーの一つであり、日本平スタジアムのネーミングライツもご活用いただいている、株式会社 アイエイアイ様。設立は1976年と比較的新しい。代表取締役社長は石田徹様。事業内容は、小型産業用ロボットの開発・設計・製造・販売、新しい農業技術の開発、とある。従業員数は1,039名(2018年11月現在)ということであり、地域の経済を担う中堅企業ということになろう。静岡市清水区に本社と工場(高速道路から良く見える)、富士宮にも工場があり、諸外国にも営業拠点がある。2018年の売上高は350億円ほどだったようだ。

 なお、「IAI」は、小型単軸ロボットの製品名「IA(インテリジェント・アクチュエーター)」と「インコーポレイテッド」との組み合わせということだ。清水サポならぜひ覚えることにしよう。当方、素人ながら、製品のラインナップを見ると、食品工場の生産ラインに用いられるようなロボットが多いのかな。

 動画を探してみたところ、下に見るものが興味深かった。国際ロボット展でも、エスパルスのことを推してくれているようであり、もう頭が上がらない。IAI様、これからも、よろしくお願いいたします!


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 清水サポは全員そうだと思うけど、サッカーで「無観客」という話題が出るたびに、浦和の関係者が被害者面してメディアに体験談を語ったりするのは、ムカつくものである。お前らは加害者だろう、と(ついでに言えば、あの試合は審判が浦和のファウルを見逃す誤審で清水の勝利が奪われただろう、と)。

 しかし、今年、それに終止符が打たれるかもしれない。なぜなら、これからすべてのJクラブが、無観客試合の当事者になるかもしれないからだ。浦和の連中がしたり顔で無観客試合の虚しさを語る話などには、希少価値はなくなるだろう。

 まあ、もちろん、まだ決まったわけではない。しかし、Jリーグとして、感染拡大防止に最大限協力し、社会的な理解を得るためにも、まずは6月か7月頃にでも無観客でリーグ戦を再開し、様子を見て、しばらく後に観客を入れたノーマルな試合に移行する。ここ何日か、そんな案が現実味を帯びてきているようだ。

 日本よりも感染者や死亡者が多いドイツで、5月9日に無観客でリーグ戦再開か、なんて話もある。感染がだいぶ下火になった韓国も、同時期の再開を見据えていると聞く。たとえ無観客でも、外国でそういう実例が出てくれば、Jリーグの再開にも追い風になってくるだろう。

 Jとしては、まずはDAZNマネーだけでも確保しておかないと。そのためには、無観客でも、なるべく多くの試合をこなしたい。


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 報道によれば、Jリーグの村井満チェアマンは、菅義偉官房長官と20日に首相官邸で会談し、Jリーグに加盟する各クラブのクラブハウスを、新型コロナウイルスへの感染の有無を調べるPCR検査の会場として活用するよう提案したということだ。村井チェアマンは「Jリーグは39都道府県に56クラブあり、クラブハウスにはシャワーとオフィススペース、広い駐車場がある」と語り、菅氏に「検査施設は人工芝のグラウンドなどに仮設できる」と伝えた。これに対し菅氏は「全国で一斉にということは今はないが、一つでも二つでも具体的なケースがあればありがたい」と歓迎したという。

 日本国政府の対応がグダグダで、皆が絶望する中で、村井チェアマン率いるJリーグのガバナンスの優秀さは際立っている。我々Jリーグファンが、何とか我慢できている、その一因が、リーグ自体の対応が非常にしっかりしており、「村井チェアマンがここまでやってくれるなら、当分試合がなくても我慢だ」と、納得できる点が大きい。

 その村井チェアマンが、官房長官に提案したくらいだから、当然のことながら、すべてのJクラブの了解を得た上での申し出だろう。果たして、三保のクラブハウスも、本当にPCR検査場として利用されるのだろうか?

 今現在、J1のチームはすべて、おそらくJ2、J3も大多数がオフだろうから。施設が空いていて利用可能なことは確かだろう。しかし、しばらく検査場として使ったら、当然、入念に消毒しなければならない。たとえば、非常事態宣言の出ている5月6日まで検査場として使ったとすると、チームが再始動するにしても、5月10日といったあたりか。先日、選手会が、リーグ戦再開にあたっては6週間の準備期間を、と申し入れたとか、入れなかったとかいった話があったが、仮に5月10日から6週間ということは、最も順調に行っても、6月20日頃のリーグ再開ということになるのかな? まあ、6月中に始まってくれれば、御の字という気がしないでもないが。


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 ポステコグルー監督とクラモフスキー監督の師弟対決が実現。平日のナイトゲームにもかかわらず、アイスタには16,000人を超える観客が詰めかけ、熱気に溢れた。

 しかし、試合は、両チームの完成度の違いをはっきりと示す結果となった。特に、この日の仲川輝人は手の付けられない状態で、2得点・2アシストの大活躍。ポステコ~モフ系のサッカーではウイングプレイヤーの質が鍵を握るという現実が浮き彫りとなった。前節までのマリノスはオナイウが今一つフィットしていない印象だったが、ポステコグルー監督はこの日のワントップにエジカルジュニオをチョイス、それも攻撃陣が活性化した大きな要因だった。

 対する清水は、今シーズン初めて、ボール支配率で相手を大きく下回ることに。自在に走り回るマリノスとの、運動量の差も歴然だった。清水の攻撃は、扇原・喜田のボランチのラインさえ、なかなか超えられない。唯一の得点は、石毛秀樹の直接フリーキックが壁に当たってコースが変わり、ラッキーな形で決まったものだった。

 ともあれこの1点で勢い付き、さらに前掛かりになった清水だったが、マリノスのカウンターから仲川に抜け出され、GKヴォルピがペナ内で仲川を倒してしまう。やや厳しい判定だったが、ヴォルピにはレッドカード。幸い、この日もクラモフスキー監督の交代策は遅く、1枚交代カードが残っていたので、思わぬ形で梅田透吾にプロ初出場の機会が回ってきた。実は、清水のGK陣では大久保も西部も怪我で離脱しており、若い梅田がベンチ入りしていたのだ。明らかに動揺の色の見える梅田を相手に、仲川が余裕でPKを決め、駄目押しの4点目が入った。ほどなく、試合終了のホイッスルが響く。

 これが今季4試合目のホームゲームながら(ルヴァン1試合も含む)、いまだアイスタでは勝ち無し。試合終了後、今季初めて、西サイドスタンドの一部からブーイングが聞かれた。清水としては、完敗に加え、次節GKヴォルピを欠くことになったのも実に痛いところである。

 第5節を終えた戦績:1勝・2分・2敗 勝ち点5 4得点・8失点(得失点差マイナス4)。


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 昨日に引き続き、NHKのBS1で先日放送した番組の話になるが、4月3日に放送して録画してあった「Jリーグ伝説のプレー!レジェンドたちが生トーク」という番組を、このほどようやく視聴した。

 この番組のコンセンサスとして、レジェンドたちが最も驚いた凄いチームは、2002年のジュビロ磐田だったという結論になっていた。ただ、そのチームにいた福西が驚いたチームは、1999年の清水だったというところが、微妙なあやである。

 1999年の清水は、実際に強かったと思うし、リーグ戦タイトルに史上最も近付いた瞬間だったが、ああいう、とるべき時にタイトルをとっておかないと、その後の歴史を困難にすることになる。

 清水の方は優勝こそできなかったものの、清水にも磐田にも、確かに黄金時代はあった。しかし、その後、大都市圏のチームが力をつけたり、移籍ルールの変更があったりで、静岡勢が地盤沈下していく。

 とはいえ、静岡勢にも、その後もやり方次第では、タイトル争いに加わったり、J2降格を回避したりすることは、可能だったはずである。所長の個人的印象では、清水は一言で言えば経営縮小に失敗したのだと思う。健太政権の最終年、背伸びをした投資で小野を獲得し、あそこで何らかのタイトルをとれていれば投資を回収できたはずだったのだが、無冠に終わったので縮小均衡に舵を切り、そこから坂道を転げ落ちるように弱体化していった。一方、これまた個人的な印象だが、磐田は世代交代の失敗だったのではないだろうか。


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 先日、NHKのBSでやっていた1993年5月15日のJリーグ開幕戦、ヴェルディ川崎VS横浜マリノス、録画してあったのを、ようやく観ることができた。

 今、この試合を観て思うのは、Jリーグ開幕当初のスター選手というのは、1993年の時点で、結構歳をとってたんだな、ということ。川崎VS横浜の試合では、スタメンの平均年齢が両チームとも29歳を超えていたようだ。ちなみに、あのカズはJリーグが開幕した時に、すでに26歳だった。サッカー選手で26歳と言えば、もうキャリアの半ばくらいだろう。そう考えると、色々ビミョーな点はあるにせよ、とにもかくにも、カズがいまだに現役を続けているということ自体、やはり驚異的と言わざるをえない。

 それで、この1993年5月15日の開幕戦を飾った主力選手たちは、そのまま同年のドーハの悲劇の主人公にもなるわけだ。もちろん、翌日の5月16日に開幕を迎えたエスパルスの主力選手たちも同年代であり、同じ運命を辿る。

 ドーハの悲劇のメンバーで、その次のW杯予選および本大会まで生き残れたのは、ごくわずかだった。Jリーグ開幕当初の主力選手たちは、アトランタ五輪組など、下の世代によってすぐに塗り替えられてしまったのだ。

 ドーハの悲劇の時に、所長は、「皆、かわいそうだな。まあ、堀池は次のW杯も狙えるだろうけど。健太はどうだろう?」なんて思ったものだった。しかし、ドーハの悲劇後、確か堀池は一回だけ代表に呼ばれたくらいで、以降はまったくお呼びがかからなかったなあ。

 1993年の開幕戦を観ると、本当にカズはキレている。以前誰かが、カズの特徴として、足が速いわけではないが、相手の逆をとるのが抜群に上手いと評していたことがあったが、まさにそのとおりで、ドリブルやフェイントで相手をひょいひょいとかわしていく。ああ、この状態のカズを、W杯に出してあげたかったものだ。その後カズは、アジア予選で挫折した経験から、「体重を増やして当たり負けしないようにしなければ」という路線にシフトし、当初の軽やかさが失われていくのだ。

 「ドーハの悲劇があったから、その後の日本サッカーの発展があった」なんて言い方もあるが、とにかく所長はこれらの選手たちにW杯に行かせてあげたかったと思うわけである。


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 やはり、六反勇治の横浜FCへの期限付き移籍は、片道切符だったのだろうか? 通常、レンタル選手は契約条項により古巣との対戦には出場しないものだが、この日の清水戦で横浜FCのゴールマウスを守ったのは、南雄太ではなく六反勇治であった。冷たい雨が降りしきる中、14時過ぎにキックオフの笛が鳴る。

 試合は、序盤から清水がボールを握り、ほぼ横浜陣内でゲームが進む。しかし、引いてブロックを固める横浜相手に、清水はなかなかビッグチャンスが作れない。結局、清水は前半、72%もボールを支配しながら、放ったシュートはペナ外からのミドル3本だけで、いずれも大きく枠をそれていった。

 後半に入ると、清水のイレブンは意を決したように攻撃の圧力をさらに強める。時折、斉藤光毅を中心とする横浜の若手アタッカーの危険なカウンターを浴びたものの、そこはGKヴォルピのスペースカバーで事無きを得た。最終的に、清水は後半だけで15本ものシュートを放つのだが、どうしても六反のゴールを割れない。14分のスルーパスに抜け出した後藤のシュート、35分のティーラシンのコーナーからのヘディングシュート、そして44分の西澤のミドルシュートと、いずれも決まってもおかしくない枠内シュートだったが、ことごとく六反のビッグセーブに阻まれた。清水にとって横浜は、のちのちの残留争いのことを考えても、どうしても叩いておきたい相手だったが、結局試合はスコアレスドローに終わった。

 試合終了後、放心状態だった西サイドスタンドから、しばらくすると六反コールが巻き起こる。それに短く一礼すると、六反はきびすを返してロッカーに引き揚げていった。雨で分かりにくかったが、その目は潤んでいるように見えた。

 第4節を終えた戦績:1勝・2分・1敗 勝ち点5 3得点・4失点(得失点差マイナス1)。


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 お気付きの方も多いと思うが、一昨日清水の公式HPに、「【エスパルスを応援してくださる皆様へ】『スタジアム設備・サービス』に関するアンケートのお知らせ」というものが出た。早速、所長も回答させていただいた。

 「サポーターのご意見・アイディア募集」みたいな企画は、前社長の時代からあったものの、意見を出してみても、それが運営に反映されているという手応えが鈍く、「むしろ、単なるガス抜きに利用されてるんじゃないか?」と不信感を抱いたりしたことも、なきにしもあらずだった。

 今回のアンケートを見ると、より具体的に改善点をあぶり出そうという問題意識が読み取れる。これは間違いなく山室新社長のカラーが出た試みと言える。

 つまり、ここでアンケートに答えれば、むろん問題がただちに解決するわけではないが、少なくとも問題意識を会社に共有してもらうことは期待できると思う。どうせ皆さん、コロナで外出もままならず時間はあるだろうから、ぜひアンケートに答えようではありませんか。


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 「妄想!」シリーズはちょっとお休みし、少し気になったことがあったので、コメントしておきたい。

 こちらの記事が、2019年のJ1で、最も多くのパスを繋いでゴールに至ったのは、清水が湘南戦で記録した44本のパスだったということを伝えている。何となく、清水が一番と聞くと、誇らしいような気がしてしまう。

 まあ、確かに、くだんのゴールは良いゴールだった。しかし、パスを数多く繋げば繋ぐほど偉いなどという誤った価値観は持たない方がいい。ともすれば、現在のクラモフスキー監督も、ショートパスを数多く繋いでいこうという方向性の持ち主なので、そういう方向に偏りすぎないようお願いしたいものである。

 現代のサッカーでは、生まれるゴールの大多数が、奪ってから数秒、数本のパスで生まれている。開幕戦の清水のゴールだって、立田が奪い、西澤が繋ぎ、ティーラシンが得点という、たった3手で決まったではないか。44本ものパスを繋いで生まれるゴールなんてのは、年に一度あるかないかの珍事であり(だからこそ清水のくだんのゴールが1位になったわけだ)、「数多くパスを繋いでゴールに迫る」なんてことを自己目的にしない方がいい。


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 鹿島がACL出場を逃したせいで、実に奇妙な日程になった。清水は3月4日(水)にホームで鹿島とルヴァンカップを戦ったのに続いて、8日(日)にはアウェーで今度はリーグ戦を鹿島と戦うことになったわけである。

 水曜日のルヴァンカップは、清水は控え中心のメンバーで臨み、1:2と敗れていた。しかし、ベストメンバーで臨むリーグ戦は、アウェーとは言え、是が非でも今季初勝利を挙げたいところ。

 ただ、この試合の清水は、なぜか精彩を欠いた。ホームの鹿島の低調さに(まだ今季リーグ戦では無得点だった)、まるでお付き合いするように、攻守にアグレッシブさが見られない。両チームとも新監督の下でチームを改造中であり、その波長がかみ合って、お互いに手探りのような試合になった。

 これといった見せ場もないまま、このままタイムアップかと思われた後半アディショナルタイム、清水に千載一遇のチャンスが巡ってくる。アタッキングサードでティーラシンが鹿島DFの犬飼智也をあっさりとかわし、抜け出しそうになったティーラシンをペナ直前で町田浩樹がファウルで止めた。もちろん町田にはイエローカード。それにしても犬飼の対応は、かつて反町康治氏に「犬飼の守備は綿菓子のように軽い」と指摘されたそのままだった。

 絶好の位置でのフリーキック。これがラストプレーか。キッカーは西澤健太。その右足から放たれたシュートは、枠に行っていたが、壁に弾かれる。しかし、清水の選手たちは、鹿島側のハンドだと猛アピール。首を横に振る西村主審だったが、ここで無線の連絡が入る。そう、VARの介入だ。画面で映像をチェックした西村主審は、さすがに三竿健斗が意図的に手を伸ばしてボールを弾いたと認めざるをえなかった。三竿にはレッドカードが提示される。清水にはPKが与えられ、キッカーはやはり西澤。アウェーの大ブーイングの中、西澤が冷静にPKを沈めると、その瞬間にタイムアップの笛が鳴る。

 かくして、クラモフスキー清水は、初勝利を挙げた。調子の上がらない鹿島にお付き合いするように、清水のパフォーマンスも今季最低に近かったが、その先にあったのが勝ち点3なのだから、分からないものである。

 第3節を終えた戦績:1勝・1分・1敗 勝ち点4 3得点・4失点(得失点差マイナス1)。


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 J1開幕第1節を、FC東京相手に落としながらも、戦い方の手ごたえは得た、新生エスパルス。ミッドウィークのルヴァンカップでは名古屋相手に2:2と引き分け、課題は多いながらも、指揮官と選手たちから聞こえてくるのはポジティブな声ばかり。そしてこの日は、今季初勝利を目指して、敵地大分に乗り込んだ。

 清水は、前節からのメンバー変更は、立田の代わりに岡崎がCBに入っただけ。一方の大分は、開幕節とまったく同じメンバーだった。

 試合は序盤から清水がペースを握り、ボールを支配して相手を押し込む。そして、前半27分、金子が大分ディフェンスラインのビルドアップに強烈なプレスをかけてミスを誘い、後藤がボールを拾うとマイナスの折り返し、これを走りこんできた奥井が強烈にゴールに蹴り込んで、清水が幸先よく先制点を挙げた。後藤は古巣相手のアシストに、やや控えめなガッツポーズ。

 その後も清水の攻勢が続く。ティーラシン、西澤と、決めなければいけない決定機が2度はあった。しかし、相手GK高木の攻守もあり、決めきれないまま、前半は清水の1点リードで終了。

 後半も、清水がボールを持つ時間は長かったが、大きなチャンスは生まれない。次第に、清水側には、追加点を狙いにいくのか、このまま逃げ切るかの迷いが生じ、ちぐはぐなプレーが増えていった。ついに71分、奥井が攻め上がった背後を相手の快足・田中達也に突かれ、同点に追い付かれる。大分にとっては、カップ戦も含めて、これが今季初得点だった。

 結局、その後はスコアは動かず、1:1のドローでゲームセット。清水にとっては、今季リーグ戦で初の勝ち点こそ獲得したものの、第1節に引き続き、リードした後の試合運びに課題を残す形となった。

 第2節を終えた戦績:0勝・1分・1敗 勝ち点1 2得点4失点(得失点差マイナス2)


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 何でも、現時点でJ1で練習を続けているチームは、清水、札幌、鳥栖と、3チームしか残っていないらしい。ほかは全部、長めのオフ。

 最後に試合があったのが2月23日だから、もうすぐ2ヵ月になろうとしている。シーズン前のキャンプだって、こんな長くはやらないだろう。清水エスパルスというチームが誕生してから、公式戦なしで(負けられないTMはあったが)、ひたすらトレーニングだけを2ヵ月も積み重ねてきたなんてことは、これまでなかったのではないか。しかも、これからそのモラトリアム期間がさらに、少なくとも1ヵ月伸びることが、確実なのである。

 シーズン開幕前には、あれだけ、ああ時間がない、戦術の浸透が間に合わない、新戦力のフィットがずれ込む、などとパニックだったのに、今や有り余るほどの時間をもてあましている。さすがに清水もオフを挟むことにしたのは、正解だっただろう。


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 エスパルス成分が不足がちの皆様に、サプリとしてお届けしている、「ある日の鳥かご」シリーズ。今回は、2019年11月2日、対磐田戦である。

 まあ、試合結果については語るまいが、この日の控えメンバーは結構レアな顔触れだった。立田はいいとして、フレッシュな川本梨誉がベンチ入りしたし、あとは鎌田、飯田、楠神、水谷というシーズン終了後にこぞって退団してしまう面々が顔を揃えていた。


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 試合はないは、練習は非公開だわで、一向にベールを脱がなかった新加入のカルリーニョス。しかし、昨日、「清水FWカルリーニョス「早く日本の感覚に慣れたい」 全体練習合流へ前進」「清水カルリーニョス、Jリーグは「強く、激しい」」と、スポーツ新聞の記事が伝えられた。まあ、要するに、試合がなかったので、故障再発のないよう、あえてゆっくりと調整していたということらしい。

 先日出た「清水「36選手の最新市場価格ランキング」 3人の新加入FWが“1億円超え”、前線の競争激化」という情報を見ても、うちの中では飛び抜けた高級銘柄である(下の表参照)。清水としてはだいぶ背伸びをして獲得した戦力であり、やってくれなければ困る。(いつになるのかは知らないが)リーグ戦再開の時には万全の状態にして、暴れてほしいものである。

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 ご覧になった方も多いと思うけど、エスパルスのYouTubeチャンネルで公開された上掲動画は、インパクト充分だ。ヴォルピのパントキックについては、獲得が噂された時点で観たプレー動画で、「なんじゃ、この弾丸パント!?」と、注目はしていた。それにしても、こうやって間近に観ると、その球筋は異次元だ。

 一般的なGKのパントキックが、だいたい山なりなのに対し、ヴォルピのパントは地面とほぼ平行に伸びていくというか、逆にホップしているような印象もある。キック力が強いのか、はたまた蹴り方が特殊なのか。ヴォルピの体つきって、独特だから、やっぱ筋力のなせる業なのかな。

 ただ、ここまでパントが弾丸ライナーだと、カウンターを打つ時に、清水のFWがパントに追い付いたり、収めたりするのも大変だ。

 相手が押し込んで、敵GKがセンターサークル近くまで上がっている時に、ヴォルピがボールをキャッチしたら、ヴォルピの弾丸パントでシュートを狙ってもいいのではないか。それくらいの威力を感じる。


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