エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

2019年11月

 残留争いだけじゃなく、優勝争いも佳境だ(っていうか、むしろそっちの方が本来はメイン)。3チームに絞られた優勝争いの中で、どこに勝ってほしいか、所長の個人的願望を申し上げる。

 第1希望は、横浜Fマリノスである。個人的に、昨シーズンからの流れで、今季横浜は大苦戦するのではないかと予想していた。また、サッカーの中身も、「外資系サッカー」という感じで、いけ好かない感じがしていた。しかし、昨年からの試行錯誤が結実して、今観ていて一番面白い娯楽的サッカーを披露しているのが横浜であることは、間違いない。奔放に点をとりまくって勝ち切るその強さは、脱帽と言う他はない。そして、もしも今季横浜が優勝すれば、その横浜に2度までも土をつけた清水ということがクローズアップされ、我々清水サポの虚栄心も満たされる。というわけで、ぜひこのまま行ってほしい。

 第2希望は、鹿島アントラーズ。まあ、これは優勝してほしいよりは、消去法的な選択だ。以前から書いているように、所長はオリ10至上主義者であり、「また一つ鹿島がタイトルを加えましたとさ」ということだったら、まあしょうがないかと受け止められるというだけの話である。新興クラブが優勝するよりはマシ、ということにすぎない。ただし、今の鹿島は内容に乏しく、あれだけ戦力流出や怪我人が相次いでいる中で、もしそれでも優勝してしまったら、J1って何なの?という気がしてしまう。それに、白崎や犬飼に、歓喜を味わってはほしくない。泥船清水から脱出し、たった1年や2年でJ1の優勝メンバーになれるのなら、今清水にいる連中も、我先にと清水から逃げ出しかねない。今季、「4冠すべてを狙う」などと豪語していた鹿島だったが、逆に「すべてのタイトルを目前で逃した」なんてことになったら面白いなーと、個人的には思っている。もちろん、そのクライマックスは、天皇杯の決勝で清水に負けることである。

 そして、一番優勝してほしくないのが、FC東京。別に、東京に恨みがあるわけではないが、上述のとおりオリ10至上主義者の所長としては、とにかく後から加わったチームに優勝してほしくないと、ただその一念である。加えて言えば、清水ではタイトルをとれなかったケンタが、まるでそれを踏み台のようにして、別のクラブでタイトルをとるとしたら、シャクに障る話だ。

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 残り2試合。清水が連敗して、湘南が勝ち点4以上をとると、得失点の関係で、清水は湘南に抜かれ、プレーオフ圏の16位に転落してしまう。残念ながら、清水が連敗する可能性も、湘南が勝ち点4以上をとる可能性も、そこそこ大きいと思う。

 湘南は、一時の迷走からは、完全に立ち直った。第33節でホームに迎えるのが、広島という難敵とはいえ、勝っても全然おかしくないと思う。湘南様、今の貴軍なら、プレーオフに回っても、J2代表チームを、簡単に退けられるだろう。その点、清水はプレーオフに回った時点で、もう終戦なのである。ここは何とか、J1を代表して、湘南様にプレーオフを戦っていただけないだろうか。うちらも全力で応援するから。何ならプレーオフにドウグラスを助っ人として貸し出してもいい(都市対抗野球じゃないっつーの)。

 というわけで、清水にとって、第33節で一番大事なのは、清水自身の結果というよりも、湘南が広島に勝たないことだと思うわけである。清水がセレッソに勝てないのはやむをえないとして、湘南が広島に勝ってしまうと、うちとしてはもう本当に後がなくなる。まあ、さすがにリアルタイムでは清水の試合を観ると思うが、本当の注目は湘南VS広島戦である。

 一応、清水の対戦相手であるセレッソについてもコメントしておくと、何と言っても失点がJ1最少の24。守備組織が整って失点が少ないチームは、清水が最も苦手なタイプである。清水はノーガードの撃ち合いみたいな試合展開を得意としているので、セレッソのように守備が固くロースコアの試合をしてくる相手には、まず勝てる気はしない。ホームでセレッソに勝てたことは、まったく参考にならない。救いとしては、セレッソは得点も決して多くなく、焦点だったブルーノ・メンデスも結局怪我で欠場らしいので、現状で点取り屋が不在ということである。なので、セレッソが攻撃で決め手を欠けば、どうにか1:1くらいで引き分けで勝ち点1とか、期待できるとすればそれくらいかもしれない。

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 サッカーってやつは、残留争いに巻き込まれたりすると、「こんな地獄、勘弁してくれ」、「いっそサッカーなんてなければいいのに」などと思ったりするが、それと表裏の関係にある昇格や残留の喜びというのは、やはり大きい。先週の週末からしばらく、Jリーグの各カテゴリーで、そんなドラマが繰り返される。個人的には、清水のことだけでも精一杯なので、もうちょっと色んなクライマックスを時間をかけてじっくりと味わえるといいのだが、サッカーシーズンの終盤というのはそういうものなのだろう。

 特に、コバさんや大悟がJ2昇格に挑んだ北九州の戦いは、個人的にも思い入れを持って観ていたが、先日の試合で見事に昇格を決め、後はJ3優勝に向け突き進むだけとなった。清水が2016年にJ1復帰を決めた頃のことが思い出され、他クラブの出来事とはいえ、ジーンと来てしまった。それにしても、コバさんは北九州のJ1昇格まで「請け負う」のだろうか?

 後は、エダ氏のいる栃木のJ2残留というのも、最近ずっと祈っていた。監督も田坂氏だし。これまた、J2最終節のアウェー千葉戦でしぶとく勝利し、最後の最後で鹿児島を逆転して、自力でのJ2残留を決めた。最終節でキャプテンマークを巻いた枝村は、歓喜というよりは、重責を果たしてホッとした様子だった(とか何とか言ってたら、昨日、エダ氏と栃木の契約満了が発表された。ほぼレギュラーで出場しており、貢献しているように思えたのだが、どのような判断なのだろうか?)。

 「降格」という恐怖や悲しみがあるからこそ、それを回避したり乗り越えたりした時の喜びがある。残酷なようだが、これが昇降格のあるサッカーの醍醐味なのだろう。

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 考えてみれば、今季の我が軍は、「10番不在」という異常な状況でシーズンを戦っている。それで、シーズンの半ばに西澤が活躍したため、アカデミー育ちということもあり、「来季からは西澤を10番に」と期待するサポさんは多いだろう。所長も、一時期はそう思っていたし、西澤がそれにふさわしいくらい成長してくれることを願うが、最近になって、ちょっと心境が変わってきた。

 お気付きの方も多いと思うが、西澤が大活躍する試合というのは、一部の対戦相手の時に限られる。具体的に言えば、横浜、名古屋、湘南戦で大活躍したが、他の試合のプレー振りはインパクトに欠ける。湘南はチームとして崩壊していたのであまり参考にならなかったが、横浜、名古屋に共通しているのは、ともに攻撃的なチームで、横浜だったら最終ラインが高くて背後に広大なスペースがあり、名古屋だったらプレスが甘かったりと、スペースを与えてくれる相手ということである。つまり、西澤というのは攻撃時にフリースペースを与えられるとダイナミックな動きを見せて決定的な仕事をするタイプなのだろう。

 他方、先日の仙台戦とか、直近の大分戦のように、相手の守備組織がしっかりしていてスペースがないと、有効な仕事ができないという印象がある。遅攻になった時のパスセンスなどは、だいぶ怪しい。

 そういう意味では、西澤は本来は途中投入の方が決定的な仕事ができるタイプなのかもしれない。70分くらいに投入すれば、お互いにだいぶ間延びした状態なので、西澤の能力がより生きるような気もする。

 それから、西澤の動きを見ていると、献身性が足りていない気がする、大分戦でカウンターを受けた時の戻りが、非常に緩慢だった。以前の試合では、相手のクロスに対応しようと深い位置まで戻ったのは良かったけれど、そこから自分のポジションにダラダラと戻ろうとしたので、彼のせいでオフサイドを取り損ねて失点したことがあった。

 あと、これも多くの皆様が感じていることだと思うが、西澤の蹴るコーナーキックの期待度が低いのが残念である。ニアで引っかかったりすることが多い。まだ二見のロングスローの方が、何かが起きそうな予感がする。

 というわけで、現状で西澤の能力や働きを公平に評価したら、後半途中に投入するスーパーサブくらいが最適ではないかと思われる。いくら期待のアカデミー育ちとはいえ、スーパーサブに10番というのは微妙だ。「西澤に10番を背負えるくらいの選手になってほしい」というのはまったく同意だが、現状がそうかというと疑問である。

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 今シーズン、清水では唯一、リーグ戦で先発フル出場を続けていた松原后の記録が、途絶えることとなった。あと3試合、フル出場を果たせば、清水では実に久し振りのフィールドプレーヤーとしてのシーズン・フル出場になったはずだが、第32節の86分でそれが途絶えたことになる。

 松原は累積警告のリーチがかかっていたので、4枚目のイエローをもらって出場停止ということは考えられたし、怪我で欠場といったことも起こりうることだが、試合の中で、しかも、どうしても得点が必要という場面で、交代させられた。さらに言えば、本職は右の飯田との交代である。松原はスタミナはチームで一番ある選手であり、疲労による交代でもない。要するに、松原が攻撃でまったく機能していなかったから交代させられたわけである。

 篠田監督のその交代策は、妥当なものだっただろう。もっと言えば、今シーズンずっと、松原は攻撃で効いていなかったわけで、いつこのような交代があっても不思議ではなかった。監督としては、ついに業を煮やしたといったところだろう。

 圧倒的な実力ゆえにレギュラーを守り通すというのならいいが、清水の左SBの場合には、これといったバックアッパーがいないので、それで松原が出続けていたというニュアンスの方が強い。現状の松原はまだ完成されたプレーヤーとは言い難く(今後完成されるのかも不明)、競争が必要だろう。シーズン・フル出場してくれる選手が一人もいないのは寂しいが、今回の交代劇は妥当と言わざるをえない。

 PS:言い忘れたが、言うまでもなく、前半に松原のゴールが取り消されたのは誤審。あのゴールが認められていれば、試合結果も、松原のその後のパフォーマンスも、違っていたという可能性はあるだろう。

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 サッカーという競技では、「八百長」は厳禁だけど、「談合」は黙認されている。つまり、試合前に申し合せたりしてはいけないけれど、試合の中でお互いの利害が合致すれば、空気を読み合って、お互いにとって無難な試合結果に落とし込むということが、時々発生する。

 我々にとって記憶の新しいところで言えば、2016年のJ2最終節で、札幌と金沢が談合して、清水のJ2優勝の可能性が奪われたことがあった。また、昨年のワールドカップでは、グループステージの第3戦で、決勝Tに進みたい日本と、1勝でも挙げて大会を去りたいポーランドの利害が一致し、試合終盤は日本がパス回しをして時間を消化したことがあった。

 お気付きの方も多いと思うが、次のJ1第33節で、清水と鳥栖が敗れ、湘南が引き分けるか、あるいは松本が勝利したとする。その結果、清水と鳥栖は勝ち点36、湘南と松本のどちらか(あるいは両方)が勝ち点33ということになる。最終節で、清水と鳥栖が引き分け、勝ち点37ずつでフィニッシュすれば、湘南と松本は絶対に追い付けないから、清水と鳥栖は安全に残留ができる。

 果たして、最終節に、清水と鳥栖は、90分間ダラダラとパスを回し続けることになるのか? ただ、お互いに「シュートゼロ」というのは批判を浴びそうだから、わざとふかしたシュートを2~3本ずつ打つとか? まあ、清水の場合は、わざとふかさなくても、どうせ枠には飛ばないという説もあるが。

 一つだけ、恐ろしいのは、金崎ムーである。やつは、空気を読むということを知らないので、談合などそっちのけで、遮二無二ゴールに向かってきそうで、コワい。

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 残り3節なので、結果がすべて。今さら内容云々を言っても仕方がない。今回の大分戦、1:1で引き分けたわけだから、残るのはその結果だけである。しかしながら、やはり大分とのクオリティの差は、歴然。後半途中までは、完全に先方の術中にはまった形だった。

 大分の特徴は低い位置から丁寧にビルドアップすることであり、あまりにそれにこだわるので、大分ホームでの試合の時のように、致命的なミスを起こすこともある。それがあったので、今回も清水は、前で引っ掛けてショートカウンターという作戦を立てていただろう。しかし、今回大分は、「清水がプレスに来なかったら繋ぐけど、プレスに来たら大きく蹴る」という具合に、使い分けていたと思う。結局、清水の前プレスがはまった場面は、ほとんどなかった。

 それで、大分のサッカーを見ていると、「あんな低い位置からゆっくり繋いで、何の意味があるんだろう? 敵に奪われて危ないだけじゃないの?」と思うことが多い。しかし、あれは敵に撒くエサのようなものであり、プレスをかいくぐって、ハーフラインくらいまで運んでから、大分の攻撃は一気にスピードアップするのである。相手は前からプレスに来てるから、前線では数的有利になり、そこで一気に仕留めるというわけである。まあ、そういうやり方というのは、清水ももちろん知ってはいて、だからこそ昨日の試合では、かなり慎重に戦っていた。だから前半は我慢比べのようになり、敵にほぼ決定機を作らせなかったのに、前半終了間際に隙が生まれて、完全に相手の形で先制を許した。試合展開の上で、重い重い1点だった。

 大分に力の差を見せつけられたのは、後半の最初の方だった。プレスをかけてもことごとくはがされ、サイドチェンジされてピンチを招く、と。大分は、中長距離のパスが非常に正確だった。

 1点を追う清水だが、クオリティがないので、力攻めするしかない。流れの中のカウンターよりも、ロングスローの方が得点の匂いがするというのは、いかにも今の清水らしい現象だ。完全に、ハプニング待ちの攻撃になっている。同点弾も、嬉しくはあったが、形と呼べるようなものではなかった。

 間違いなく言えるのは、残留争いしているチームの中で、今一番サッカーが酷いのは、清水だということである。

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 相変わらず、何の進展もない、清水の新スタジアム問題。我々が惰眠をむさぼっている間に、日本各地では新たなサッカー専用スタジアムが、続々と誕生しようとしている。

 まず、皆様ご存知と思うが、こちらのサイトなどに見るとおり、京都の新スタジアムはほぼ完成し、2020シーズンから使用されることになっている。写真などを見る限り、スタジアムそのものは申し分ないが、ただ、京都の中心からはやや離れており、車でのアクセスも道が混んだりして、ちょっと難があるようだ。いずれにしても、京都は新シーズンをJ1で迎えたいだろう。

 それから、ジャパネットの資金力と決断力で、2023年に新スタが誕生することになっているのが、長崎である。こちらのサイトなどが伝えているとおり、大変夢のある話である。

 広島では、2024年までに新スタジアムを建設する計画で、もう建設地も中央公園広場に決まっている。ただ、こちらの記事によると、にぎわいの創出といったことが課題となっているようで、近く欧州に視察に行くのだとか。政治家どもというのは、散々広島の新スタ建設に横槍を入れておきながら、いざ出来ると決まったら、その利権に群がろうとしており、本当に醜い連中だと思う。欧州におけるスタジアムのあり方なんていうのは、日本のサッカーマニアがとっくに知っていることであり、バカな素人の政治家や役人が物見遊山に行ったところで、ロクな結果にはなるまい。

 あとは、こちらの記事などが伝えているように、山形も2025年竣工を目指し新スタ計画を練っている。ただし、こちらは具体的な建設地などが未定で、行政も煮え切らない態度らしい。

 最新の情報として、こちらなどが伝えているように、水戸もサッカー専用新スタジアム建設に向け動き出した。ただし、市は既存スタジアムの拡張でお茶を濁そうとしているようだ。

 それから、つい先日、「Jリーグ、スタジアム整備補助金を4クラブに交付…理想的なスタジアム整備の促進が目的」という情報が伝えられた。ここに清水の名前が出ていないということは、我がクラブは現時点で新スタ実現に向けた働きかけを一切行っていないということなのだろう。

 かくして、静岡県には、アイスタとヤマハスタジアムという、サッカー専用でそれなりに趣きはあるが、老朽化しスペック的に見劣りするスタジアムと、エコパという場所が不便な陸上競技場しかないという、嘆かわしい状況である。まかり間違って清水がACLに出場したら、遠隔の山奥のエコパまで行って試合をしなければならない。清水、磐田の凋落に加え、スタジアム面でも後進地域と化しつつある。というか、両者は関連し合った現象であろう。


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 当S研では以前、「ボールを持つのがそんなに怖いのならサッカー選手をやめてしまえ」、「清水のボール回しを見ていると、まるで爆弾コントのよう。導火線に火のついたダイナマイトをやりとりしているように、おっかなびっくりだ」などと書いたことがある。そしたら、このたび、清水と真逆のJクラブ、J監督を見付けた。リカルド・ロドリゲス監督率いる徳島ヴォルティスだ。「無理せず、慌てず、攻め急がず。J2徳島に根付くリカルド監督の思考」という記事をご覧いただきたい。以下、抜粋して引用させていただく。

 徳島が素晴らしいのは順位だけではない。就任3年目を迎えるリカルド監督は、自分たちがボールを動かし、ゲームを支配する、プレーで唸らせるチームを創り上げた。結果と内容の両立。これはなかなかできることではない。

 徳島のプレイスタイルは「ボールを持つことを恐れない」、このひと言に尽きる。

 直近のゲームとなった東京ヴェルディ戦は2-1で勝ったが、とくに前半は押し込まれる時間帯が続いた。それでも苦し紛れにボールを蹴ることは滅多になく、3バックとキーパーが丹念にパスをつないで敵のプレスをかいくぐりながら、ボールを確実に前へ運んだ。

 敵のプレスを受けても、パスコースの確保と落ち着いたキープによって、しっかりとボールを保持し、前に持ち出す。ほとんど慌てることはない。

 「自分がボールを持って敵が寄せてきても、こことここには必ず味方がいてくれるという信頼関係があります。どこかに道があるので、慌てることもありません。プレッシャーから逃げたら自分たちの大事なものが失われる、そんなこだわりはありますね。敵を引きつけることで、そこから生まれるスペースを突きます。これは正直、適応が難しいサッカーですが、1年やってきて少しずつわかってきた印象ですね」(田向泰輝選手)。

 いかがだろうか。今年の清水のサッカーを見てきて、うんざりしていた皆さんなら、色めき立つような話ではないか。J2の平均的なクラブ規模と思われる徳島でも、ちゃんとした監督を招聘してじっくりとチーム作りをすれば、どこかのチームみたいに、パニック蹴りを繰り返さなくていいのだ。

 上で見た田向選手の「自分がボールを持って敵が寄せてきても、こことここには必ず味方がいてくれるという信頼関係があります。どこかに道があるので、慌てることもありません」という証言は、とりわけ重要である。たとえば、仙台戦の1失点目は、確かに松原の判断の悪さとミスが響いたが、普段からオートマチックに動いて味方同士でパスコースを作る訓練をしていたら、そもそもあの時の松原みたいに追い詰められたりしないのである。「この位置に味方がいるはず」ということが分かっているから、慌てずにボールを繋ぐことができる。今の清水に最も欠けている部分だと言っていい。

 問題は、ある程度の経営規模がありながら、そういうチーム作りを任せられるような監督を一向に見付けられない清水というクラブそのものということか。自力でそういう人材を発掘できないなら、セレッソがJ2からロティーナ監督を引っ張って成功したように、清水だってロドリゲス監督を引き抜いてもいいような気がする。

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 先日書いたように、コロンビアと戦ったU22日本代表が最近の清水の生き写しのようだったという話があった。それと同じように、一昨日のベネズエラ戦の日本フル代表も、清水っぽかったようだ。毎度おなじみ、杉山茂樹氏の「森保Jが救いなき大敗。際立っていた 中島翔哉、柴崎岳の問題点」の中にあった次のようなくだりは、完全に清水の話としか思えなかった。

 パスコースが少ないのにパスを回そうとする日本のサッカーは、ベネズエラに比べて汚く、強引に見えた。整理整頓の行き届かないグチャグチャなサッカーと化していた。相手ゴール前までボールを運ぶことができず、中盤で引っかかってしまう。奪われた瞬間、日本の陣形は大きく崩れているので、必然的に相手にはパスコースが多数生まれる。

 うーん、どう考えても、昨今の清水の話としか思えない。サッカーが壊れる時の現象って、代表でも、清水レベルでも、同じなんだね。変な意味で勉強になった。

 それにしても、森保氏が指揮していた時の広島は、しっかりと組織され、とても清水ごときが勝てる相手じゃないと思わされることが多かったけどねえ(2017年にはたまたま勝ったりもしたが)。現在、有識者の間では、森保氏の手腕への駄目出しが飛び交っていて、いつもは世論から浮いてしまう感のある杉山氏の毒舌が、今やメインストリームになった印象である。一体あの強い広島は何だったんだと、謎が深まる。

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 しかし、サッカーちゅうのはつくづく恐ろしいものだと思うよ。野球なんかは、基本的に個の力の足し算だから、ある程度戦力を的確に整備すれば、自ずとそれに見合った結果が出る。しかし、サッカーは生き物だから、戦力の倍くらいの結果を出せる時もあれば、下のカテゴリーに完敗するほど崩壊してしまう場合もある。そんなにメンバーは変わっていないのに、1年くらい経てば、まったく違う様相になったりする。

 篠田エスパルスでは、この間の週末に紅白戦があり、チームリポートによると、「攻撃の形は見えなかった。しかし、その課題が明確になったのが収穫」といった頼りない情報が伝えられた。うーむ、残り3試合の段階で、課題が明確になってもなあ。こりゃあ、残り3試合で、清水が1勝でも挙げるのは、奇跡に近そうだ。

 思い起こしてみれば、ちょうど1年前、我々は多幸感に溢れていたものだった。10月7日に磐田に大勝し、その後、湘南にこそ手こずったけど、広島、名古屋を撃破し、1年前の今は清水は7位だった。北川に代表招集の吉報が届くオマケまで。結局、最後2つの試合には勝てなかったけど、最終的には7戦負けなしでシーズンを終えたのだった。

 逆に言えば、今から1年後に、「昨シーズンの残留争いは何だったんだ」と、笑って言えるような、そんな未来もありうるだろうか?

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 東京五輪世代「ポジション別最新序列」という記事によれば、今回のテストマッチを経て、センターバックの序列は、こんな具合になっているという。有力だった立田が序列を下げ、当落線上に立たされた。まあ、クラブでも代表でも、まったく結果が出てないとなれば、やむをえない評価だろう。

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 次に、シャドー/2列目については、以下の通りとなっている。ものすごーく視野の狭い清水目線で見れば、「高橋大悟を、ぜひ」などと推薦したくなるが、あくまでもJ3で点をとっているだけであり、久保だの堂安だの三好だのといったところに勝ち目があるはずはない。

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 最後に、FWの序列は、下に見るとおり。今年の春、滝がブレークしかけて、代表にお呼びがかかったことがあったが、確か怪我で辞退し、その後、秋にもっと大きな怪我をしてしまったので、五輪は夢のまた夢となった。

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 結局、東京五輪は、清水からはゼロなのかな。むしろここに挙がっているような有望な若手を補強で獲得するという考え方もありかもしれないが。

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 昨日は、J1がないから、J3でも眺めようかと思ってたんだけど、U22の試合があったんだねえ。個人的にその試合は観てなかったんだけど、エスパ関係のツイッターとか掲示板とかで、「立田悠悟がヤバい」、「コロンビアを相手にするとU22日本代表は守備がズルズル下がるだけで、清水サポには既視感がすごい」といった声が相次いでおり、まあ何となく試合内容の想像はついた。

 今季の清水には数多くの誤算があったが、その一つに、立田の伸び悩み(というかノイローゼ?)があった。先輩北川の刺激、目前に迫った東京五輪、フル代表への招集と、そういうのがプラスになれば良かったんだけど、本人のメンタルの弱さゆえか、すべてがネガティブに作用。気ばかりが焦って、プレーが全然追い付いていない。「代表へ、海外へ」などと先走るよりも、まずは国内リーグ戦で目の前の敵を止めるべきなのに、意識ばかりが高まり、技能はまったく伴っていないという。いやあ、困ったもんだ。テセに「吉田麻也の後継者が現れた」とまで言わせた立田のポテンシャルだったけど、このままじゃあ岡根・廣井コースだ。

 それとは打って変わって、夜観たJ3群馬VS北九州戦は楽しかった。北九州は、2018年はJ3最下位とどん底を味わったようだが、コバさんが監督に就任して完全に立て直し、この日の群馬戦にも勝利して、J3優勝とJ2昇格はもう秒読み。いやあ、「請け負う」ねえ、コバさん(笑)。

 そして、この日、北九州の唯一のゴールをたたき出したのが、我らが高橋大悟だった。これで11試合で7得点だったかな? J3というカテゴリーとはいえ、清水関係者で現在、唯一輝きを放っているのだ大悟と言えそうだ。

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 J2戦線では、昨日、柏がJ2優勝と昇格を決めた。まあ、確かにその力は今季のJ2の中では図抜けており、順当な結果だろう。所長は当初、「来季、柏がJ1に上がってきたら、清水は絶対に勝てないから、コケてほしい」と思っていたのだが、柏が自動昇格を決めたということは、12月のプレーオフで清水が柏と対戦する可能性はなくなったわけだから、その意味では良かったかもしれない。柏は、間違ってJ2に落ちてしまったが、そのタレント力や、今のチームの完成度は、J1に当てはめても、今季の札幌くらいの力はあるのではないか。つまり、今の状態の清水が対戦したら、ボコられる恐れが大きいということである。

 昨日勝利して、自動昇格圏の2位をキープしたのが横浜FC。2016年に清水がJ2を戦った頃は、横浜FCはFWイバの個の力だけが売りという感じがしたが、最近はイバ、レアンドロ・ドミンゲスは欠場が多く、むしろ下平監督の指導の下、日本人選手によるオーガナイズを軸としたチームに変貌している。昨日の試合を観てみたが、組織的な守備意識、ハードワークが徹底されており、粘り強いチームである。J1に当てはめたら、仙台、(迷走する前の)湘南くらいの力はありそうである。だいたい、大ベテランの中村俊輔が自陣ゴール前で必死に体を投げ出してシュートブロックをしている様子を見ると、相手のシュートにうっとりと見とれるだけの清水イレブンが勝てるはずはないと思ってしまう。というわけで、プレーオフで清水が横浜FCと対戦したら、ちょっと勝てる気がしないので、このまま自動昇格してほしい。

 あとの昇格候補(清水がプレーオフで対戦する可能性のある相手)は、3位大宮、4位山形、5位徳島、6位甲府、7位京都あたりに絞られてきた。辛うじてJ1の香りがするのは大宮だが、チト勝負弱いところがあるので、昇格プレーオフを勝ち抜けるかどうか。山形から京都までは、たぶんJ1に上がっても来季厳しいであろう戦力であるが、いまやJ1最弱の清水がプレーオフで勝てるかというのは別問題である。

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 本来であれば、リーグ戦の試合のある週末というのは、ワクワク・ドキドキして待ちわびるものだ。逆に、代表週間で、国内リーグ戦がなければ、各クラブのサポはロスを感じるもの。ところが、今の清水にとっちゃあ、「この週末は負けなくていいんだ」、「この週末は2失点しなくてもいいんだ」という、安堵の一時になっている。

 残念ながら、この中断期間を利用して、清水が充実した練習で連携を深める、なんてことは期待できないけど、湘南が新監督の指導を徹底して、チームの完成度が高まるということはありそうだ。

 まあ、この週末もJ2の試合はあるから、清水がプレーオフで対戦しそうなチームを中心に、J2をチェックしておくか。

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 サポの間でトップ昇格の待望論が強かったノリエガ・エリック君が、無事トップ昇格を勝ち取ったようだ。おめでとう、エリック君!

 目下、トップチームをめぐる状況はモヤモヤしているけれど、来期加入が決まったルーキーたちは、楽しみな選手ばかりだ。

 ただ、川本君、エリック君は、ユースからトップへという自然な流れだったのに対し、鈴木君、栗原君は、数あるチームの中から清水を選んで来てくれたわけだ。チームとともに自分も成長していくというイメージが描けたからこそ、清水を選んでくれたのだと思う。

 もしも、清水がJ2陥落などということになったら、若者たちは、「ちょっと待って、話が違うよ」と、大いに狼狽するだろう。我々サポと同じような思い入れで、リーグ戦終盤の戦いを注視しているに違いない。あるいは、「兄さんたち、何なら俺が代わりに試合出て残留させてあげましょうか?」などと、早くも奮い立っているか。いや、そのくらいの方が、頼もしくていいが。

 清水イレブン諸君、清水を選んでくれた若者たちを、失望させるようなことは、絶対にやめてくれ。

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 天皇杯決勝のチケットは、昨日、先行予約受付みたいなものがあったらしいが、所長はちょうど仕事で手が離せなかったので、申し込みできなかった。カップ戦の決勝は、両チームサポによるチケットの争奪戦になったりもするが、今回は新国立をいち早く見たいという野次馬も加わり、より競争率が上がるかもしれない。決勝進出チームのサポにとっては、迷惑な話である。次なるチケット発売は、12月14日(土)ということだが、果たしてどうなることやら。

 そして、昨日、神戸のFWビジャが今シーズン限りの引退を表明というニュースがあった。もしも御大がリーグ戦終了後も戦う気力があるのなら、天皇杯の準決勝または決勝がラストゲームになる可能性がある。世論も、そして審判団も、「ビジャに花道を」という空気一色になりそうで、清水にとってはイヤ~な感じである。

 まあ、そもそも、今の清水に、準決勝で神戸を倒す力があるのかというのが、最大の問題なのだが。

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 まあ、サッカーをやるのは監督じゃなくて選手なのは事実である。増してや、今のように、怪我人が多く、消去法的な人選となり、勝負手を打とうにも駒がないという状況では、監督だけを責めるのは酷かもしれない。

 それでも、恒例のヨンソン・篠田別の勝敗表を見ると、ついに篠田監督でも、負け越してしまった。今までは、篠田監督自身は、一貫して勝ち越していたのだが。当S研では「篠田監督が五分の星を残してくれれば充分。それで残留もできるはず」と言い続けてきたわけだが、その最低限の部分が、怪しくなってきてしまった。

 篠田監督に代わった当初は、相手チームの隙をついた、監督の手腕の賜物と思える勝利が見られた。割り切った、現実的な路線に思われた。しかし、ここに来て、カンフル剤の効果が薄れ、むしろチーム戦術の底の浅さみたいなものばかりが目立つようになっている。何とか、誤魔化して、あと1つ勝てればいいはずだが、その1つが、限りなく遠く感じてしまう。

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 清水の左サイドのビルドアップが詰まるのは、いつものことである。まあ、右サイドも詰まるのだが、右にはエウシーニョがいてキープ力があるから、まだしも誤魔化しが利く。清水は、ボランチなりがハーフポジションをとってパスコースの角度を作るということをほとんどやらないので、ビルドアップが一番外側のレーンの縦方向だけになって、相手に蓋をされると即座に行き詰るのだ。

 で、清水のその弱みを、見事に突かれた。サイドではめて奪ったボールを素早く繋いでショートカウンターという形は、仙台が想定と訓練を重ねていたのだろうか? それくらい、非常に見事に、フィニッシュまで持って行かれた。

 そして、2失点目のコーナーで、万事休す。まあ、セットプレーを生かすためのトレーニング、それを実行する集中力も、仙台が上だった。あの場面は、そもそも清水が攻めていたのに、カウンターで一気にゴール前まで持って行かれ、そこからのコーナーだった。1失点目、2失点目とも、自分たちの攻撃を上手く完結できず、奪われると一気に大ピンチになるという、このチームの問題が浮き彫りになった。

 成長、上積みというのが、一切感じられないのが辛い。

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