エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

2019年09月

 今はたまたま台風やら、猛暑のぶり返しがあるけれど、本来なら9月は気持ちの良い季節であり、祝日もあるわけで、Jリーグファンとしてはもっとこの時期にリーグ戦をやってほしいものだと思う。しかし、9月の清水のリーグ戦は、3試合だけ。それも、本来8月31日だった試合が鹿島の都合で9月1日にずれて、結果的に2試合から3試合に増えた形だった。あとは、天皇杯が1試合あるだけ。4冠を見据える鹿島などは逆に過密日程に直面し、FC東京あたりは代表にも選手をとられている。それに比べると、清水は、チームもサポも、「ヒマだなあ」というところだろう。代表は立田が東京五輪チームにぎりぎり引っかかっているだけ。これで「北川大活躍」の話題が海の向こうから聞こえてくれば、まだしも退屈がまぎれるが、そういった情報もなし。

 チームが「ヒマ」ということは、コンディションを整えたり、戦術やコンビネーションを練り上げたりする時間がふんだんにあるということでもあるが、だいたい中断明けの試合は、「こいつら、時間あったのに、一体何してたんだ?」と憤りたくなるようなことが多い。まさか、相手に押し込まれたらすべて力一杯クリアして一切繋がない練習とか、前線で敵3人くらいに囲まれて孤立しているドウグラスめがけてロングボールを蹴り込んで、「あとはお任せ」という戦術の徹底とか、そういう練習でもしてるんだろうか? いや、実際の試合を見せられると、ホントにそういう練習をしてるんじゃないかと、疑いたくなるのだが。

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 これと言ってネタもないので、久し振りにこのグラフを更新してみた。

 こうやって見ると、現時点の勝ち点は2017年や2018年のそれと、それほど大きく変わらない。問題は、過去2年は、このあたりが大きな節目になって明暗が分かれたことである。この時期以降、ずっと勝てずに、最終節まで残留争いに巻き込まれた2017年。対照的に、このあたりから負ける気がしなくなり、大きく勝ち点を伸ばしたのが2018年だった。

 要するに、上も下もある状況ということか。去年はこのあたりから2トップを中心に爆発的に点がとれたけど、今年は果たしてどうなることやら。

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 昨日、東海学園大学との練習試合が行われ、5:0で清水が勝利したという。

 この試合では、ドゥトラがトップ下として先発し、得点も決めたようだ。メンバーに河井の名前がなく、ひょっとしたら河井の体調不良ということなのかもしれないが、次節のリーグ戦にドゥトラが先発出場する可能性もありそうだ。

 誰がどう見ても、得点の期待感が高まるのは、河井よりもドゥトラである。それでも、これまでのところ河井が優先されていたのは、全体のバランス、守備意識などの点で河井に分があるからだろう。ドゥトラがフィットしてきたという要因はあるにせよ、篠田監督が先発のトップ下を河井からドゥトラに切り替えるとしたら、チームとして大きな方針転換になる。

 今回の練習試合ではエウシーニョも2本目に出場し、次節先発に復帰する可能性もあるとされる。ドウグラス、ドゥトラ、ヘナト、エウシーニョと、ブラジル人4人の先発揃い踏みが実現するかもしれない。

 今の清水は、ブラジル人の個人能力に頼る部分が大きくなっている。言い換えれば、第1に組織として機能していない、第2に日本人プレーヤーが違いを出せていないということである。今季、日本人プレーヤーで勝ち点に直結するような活躍が認められるのは、前半戦の北川と、デビュー当時の西澤くらいだろう。ドゥトラの台頭で、日本人選手たちが、ますます受動的になり、特に得点に関しては「ブラジル人にお任せ」という感じにならなければいいのだが。

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 鹿島戦の惨敗を受け、色んなことを書いてきたが、なんだかんだで、結論としては、清水よりは鹿島の方がずっと上のクラブだということを認めざるをえない、ということである。

 個人的に忘れられないのは、3年ほど前に出た「FKの名手中村俊輔が語る、Jで一番“壁”がうまいクラブは……『気合いが違う、伝わってくる』」という記事である。この中で俊輔は次のように証言している。

 「壁の作り方が伝統的にうまいチームってありますか?」と聞かれたフリーキックの名手・中村は「鹿島アントラーズです」と明かし、「全員が頭で止めてやろうという気合いが違う、伝わってくる。一瞬でもそういうのが見えたら気になります」と説明した。

 「全員が頭で止めてやろうという気合い」が、今回の三竿のように、なんだったら手を使ってでも止めてやろうというプレーになって表れたのだろう。むろん、それは完全な不正だが、審判に見付からなければセーフだし、実際今回は完全に見逃されたわけだから、結果的に鹿島の勝ちである。そういうところも含めて、鹿島の勝利への執念であり、翻って、我が軍に最も欠けている部分なのだと考えざるをえない。

 たとえば、先日の札幌戦で福森に決められたフリーキック。あんなものは、壁さえしっかり作っていたら、物理的に、あんな軌道でゴールネットに突き刺さるなんてことはありえないのである。「頭で止めてやろうという気合い」どころか、「当たって痛い思いをするくらいなら、シュートコースを空けた方がマシ」くらいに思っている証拠である。確かに、すでに大差がついており、試合の大勢には影響しなかったが、日頃のそうした心がけが、勝負所にも出るものなのだ。

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 川崎戦で(スーパーではないにせよ)「悪くない」デビューを飾ったGK大久保択生だったが、早くも鹿島戦では悪い方で目立ってしまった。1失点目のポジショニングは何とも中途半端だった。2失点目は、侵入してきた敵FWに、一応清水のDFがついており、シュートコースを限定していたことを考えれば、飛び出すべきではなかっただろう。

 まあね、大久保は守備立て直しのカンフル剤として、連携面の不安はある程度度外視して、先発起用しているものだから、その無理がたたったという見方もできる。鹿島戦のディフェンス陣は、今季開幕前に想定していたものとはまったく違う布陣だったわけで、不安定なのも当然と言えば当然である。鹿島戦だけの結果で、大久保に駄目GKの烙印を押すのは違うだろう。

 とはいえ、GKというのは信用で商売しているようなものであり、大きなミスを犯したりすると、その後ずっと、チームが不安を抱えながら戦うことになってしまう。六反不在の大きさを改めて痛感する。西部も大久保も大量失点にかかわった中で、次の試合、ゴールマウスを誰に託せばいいのか? まあ、そもそも今季序盤、頼みの六反もたびたび大量失点を喫したわけだが。

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 鹿島戦は言い訳の余地のない完敗だったので、審判のせいで負けたとまで言うつもりはない。しかし、映像、スローで確認すれば、西澤の蹴ったフリーキックに対して、鹿島の三竿健斗がハンドで止めたことは明らかである。所長の見るところ、これは新旧競技規則などとはまったく関係ない問題であり、意図的に手を広げて止めたものなので、PKが与えられるべきであったことは、間違いのないところである。FIFAレフリー100人に映像を見せたら、100人全員が「ハンドでPK」と言うくらいの、疑問の余地のないシーンだった。

 ちなみに、西澤のシュート自体は、枠には行っていなかったように見えたが。。。

 普通、こういう場面については、テレビの実況や解説は、「微妙ですね」などとコメントするものである。しかし、今回に限っては皆さんこぞって、「これはハンドでPKすね」と明言している。DAZNの「ジャッジリプレー」を見てみたが、同番組でもその点で意見が一致していた。

 ただし、所長はDAZNの「ジャッジリプレー」に不満が残った。個人的に意見を聞きたかったのは、PKは当然として、三竿健斗は一発退場になるべきだったのではないかということなのだが、「ジャッジリプレー」ではその点にまったく言及がなかったからである。もしも、あれがPKになり、スコアが1:2になっても、その後清水が同点ないしは逆転に持って行けたかと言うと、心許ない。しかし、攻守の要・三竿が退場になり鹿島が1人少なくなれば、話は全然別である。その場合は、さすがに残りの時間ずっと清水が押し込んだはずだし、同点くらいにはできたかもしれず、少なくとも大敗はなかったと考えたくなる。

 西村雄一氏についての所長の評価は、「この人、確かに『目』は良い」というものである。普通だったら見逃してしまいがちな細かい接触とか不正を見付ける能力は凄い。ただ、なまじ「見えて」しまうので、ファウル・PK・カードなどが増え、しかもそれが試合の流れを決めたりどちらか一方に有利に働いてしまうので、かえってサッカーをつまらなくしてしまうという悪い癖があった。ただ、近年は、なるべく接触プレーを流すように心がけており、出すカードの数なども低下していたので、所長なども、そんなに悪い印象は持っていなかったのである。

 今回、西村氏が三竿のハンドを見逃したのは、立ち位置が原因で角度的に見づらかった、などとも言われているが。それにしても、「西村氏は、少なくとも『目』は良い」という評価が崩れる、お粗末な誤審であった。

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 今回、鹿島戦がみじめな結果になって、鹿島というチームの本質、そしてその真逆な存在としての清水ということを、改めて考えさせられた。

 もちろん、選手の技能とか、チーム戦術とか、そういった部分の差は、言うまでもない。しかし、もっと根本のところで、鹿島の厳しさ、清水の甘さということを痛感する。すべてを勝利から逆算する鹿島と、「清水らしさ」などという幻想から抜け切らない清水の差と言おうか。

 今回、「鹿島が上手いな」と感じたのは、止めて蹴るというサッカーの基本だけでなく、たとえば、守備で相手を止める場面。鹿島の選手は、ファウルにならないギリギリの激しさで止めること、それをファウルに見せないことが上手い。あるいは、ファウルになるにしても、警告が出ないギリギリの汚さで抑えるのが上手い。そういうことも含めて(あるいは、そういうことこそ)サッカーの本質だということが良く分かっている。それに対し、清水の側は「危ない場面ではファウルででも止める」という意識が徹底されていないから、いざピンチになると、パニック的にファウルを犯し、印象が悪くなる。(西村主審の問題については明日コメントしようと思うが)だからこそ、判定が鹿島側に有利になり、戦況もどんどん鹿島の優勢に傾いていく。

 今回の試合ではそういうことはなかったが、鹿島は「揉め事」も上手い。鹿島は、お咎めがなされないギリギリの線で、相手を挑発する。相手がそれに乗って興奮したり報復したりすると、その相手チーム側に退場者が出たり、チームに制裁が科されたりする。2年ほど前に、鹿島戦でうちの角田がやらかしたことがあったが、あれだって何か鹿島側が仕掛けた伏線があってのことだろうし、でも結局そこで一線を超えてペナルティを受けるのは清水側なのである。鹿島が他チームと揉め事を起すと、必ず相手チームの側が罰を受けるようにできているのである。もちろん、審判やリーグに公平であってほしいとは思うが、「揉め事」すらも自分たちの勝利のために上手くコントロールするという鹿島イズムがあってのことだろう。

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 鹿島戦の完敗はショックだったが、ここで冷静になって、我が軍のリアルな状況を考えてみよう。

 ヨンソン清水が終焉した時点で、有識者も、我々サポも、概ね次のような共通認識を共有していた。「今季ヨンソン監督の下で、ポゼションの向上、ショートパスを繋いで中央で崩す形などを試み、それによってトップ5という目標を目指したが、今の清水にそんな理想は無理。ここは目標を明確に残留に切り替えて、戦術ドウグラスでいいから、どんな形でもいいので残留に必要な勝ち点をかき集めるべきだ」、と。

 他方、当S研では、篠田監督がヨンソン負債(勝敗面でも、得失点でも)を完済してくれたら嬉しいけれど、篠田監督自身が五分の星を残してくれたら充分である、たぶんそれで残留もできるのではないかとコメントした。

 さて、蓋を開けてみたら、篠田エスパルスは、見事なまでに、政権交代時の見立てに応えてくれている。今の清水のサッカーは、文字通りの戦術ドウグラス。勝ち点を拾った試合は、ほとんどが彼の活躍によるものだ。ポゼションだのショートパスだのなどということは、完全にかなぐり捨てた。

 さらに、S研で期待を述べた、「せめて篠田監督自身が五分の星を」ということにも、今のところ監督は答えてくれている。上の表に見るように、今もって篠田監督自身は勝ち越しているわけで、ノルマ以上の勝ち星、勝ち点を挙げてくれている。

 唯一の誤算は、ヨンソン監督から篠田監督に代わっても、負け試合での大量失点癖が一向に改まらなかったこと、その一点である。むろん、それにより、最終的に同じ勝ち点で競った時に、得失点差で生き残るという可能性が、すでに我々からは失われてしまった。大量失点は、印象が非常に悪い。なので、つい絶望的な気持ちになってしまうが、冷静に篠田監督就任時の状況を思い起こせば、「プラン通り」と言っていいのではないかと思うのである。

 いくらみっともなくても、またドウグラスが敵の3人くらいにマークされていようとも、今さら「戦術ドウグラス」以外のサッカーができるとは思えない。そんなやり方で、あと2つか3つくらい運良く勝てれば、なんとか残留はできるのではないか。

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 よく、サスペンスドラマで、半狂乱になった殺人犯が、「一人殺るも、二人殺るも、同じよ!」と叫ぶシーンがあるが、それと同じような話で、今の清水にとっては、0:1の負けも、0:4の負けも、同じようなもんである。

 …とは言いながら、ホーム鹿島戦の0:4大惨敗。これは相当こたえた。もちろん、先方の方が強いことは周知の事実だが、ACL遠征の疲労があるはずだという希望的観測があり、実際にこの試合では白崎も土居もメンバーにいなかった。我が軍も札幌戦の大敗から学習しているはずだし、少なくともロースコアの競った展開には持ち込めるのではないか。そのように期待していたからである。

 結局のところ、先制点がすべてだったのかもしれない。最近の試合によくあるように、序盤でいくつかチャンスを作りながら決めきれず、逆にコロっと失点して、ビハインドを背負った時点で、お馴染みの大敗コースはもう定まってしまったのかもしれない。相手に先行を許し、余裕を与え、守備をセットされると、ほぼ何もできなくなる我が軍。遅攻では相手ゴールに迫るルートも方法も確立できていないので、無理矢理なプレーをして変な失い方をして、危険なカウンターを浴び続けるという構図である。

 ちなみに、試合前のアップの際、内田篤人は「別メニューアップ」と言おうか、他の選手とは違うメニューをこなしていた。最後は、その内田にリハビリ出場まで許すとは、つくづく情けなくなった。

 やりきれないのは、元清水選手たちも、それなりに鹿島色に染まって、タイトなプレーを披露していることである。選手の素材の問題ではない、ということなのだろう。オリジナル10同士で、横一線でスタートしたはずなのに、どうしてこんなに差がついたのか。試合の最後の方は、そんな思いをずっと噛みしめていた。

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 磐田は昨日も敗戦を喫し、ダントツで最下位の様相を呈している。昨日の試合をDAZNで観たが、さすがに城福監督の下で鍛え上げられてきた広島と、今季4人目の指導者の下で再建を模索している磐田とでは成熟度がまるで異なり、勝負にならなかった。まあ、うちにもありがちなことだが、前半は一見良さげでも、得点は奪えず、そうこうするうちに相手がちょっとギアやモードを変えると対応できずに先制され、そうなるともうなすすべはない、といった感じの試合だった。

 清水サポの間では、磐田の凋落を喜ぶ人々と、「いや、やはりダービーも観たいし、磐田とはJ1の高いレベルでのライバル関係でいたい」と考える人々に、二分される。価値観は個人の自由であり、別に前者の皆さんを批判するつもりはないが、所長の考えは後者に近い。確かに、今季、磐田の試合を観る時は、負けてほしいと思いながら観ていたが、それはあくまでも先方が残留ライバルだからであって、磐田そのものの不幸を願っていたわけではない。今の情勢では、清水と磐田は勝ち点の差がある程度ついたので、むしろ磐田が他のチームを倒してくれた方が、清水のためにもなる。

 11月2日に磐田とのダービーがアイスタであり、その頃には磐田は相当に追い詰められている可能性がある。清水がその試合に勝てたとしても、我々は「ザマーミロ」的な態度は慎みたいものである。それがクラブの品格というものである。

 因果応報という言葉がある。2013年に磐田がJ2降格を余儀なくされた時、我々のとった振る舞いが、その後の我が軍の没落や、応援体制の劣化に繋がったことを、ゆめゆめ忘れてはならないと思う。磐田の苦しみを目の当たりにして、清水がすべきことは、それを他山の石として、自分たち自身を鍛え上げることだけである。

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