エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

2019年09月

 今季リーグ戦の勝利は、すべて1点差だった清水。個人的には、「いっそこのままシーズンが終わり、珍記録を達成してほしい」なんてことも思い始めていたが、ついにその殻を破る時が来た。それも、6:0というど派手な形で。

 前半の半ばまでは、どちらに転んでも、おかしくない試合だったと思う。湘南のハイプレスに苦しみ、清水は自陣でのビルドアップに苦労していた。もしも前半の早い段階で湘南に引っ掛けられて失点でもしたら、逆に惨敗コースになった可能性も否定できない。

 ただ、湘南は今のメンバーでは、良い形になりかけても、違いを出せるアタッカーが見当たらない。それに対し、「武器」を持っているのは、清水の方だった。とてもサイドバックとは思えないようなエウシーニョの2得点により、試合の流れが一気に変わった。

 湘南も、ホームだし、意欲はあるし、試合展開次第では戦えるチームのはずだが、エウシーニョの妙技で出し抜かれたことによって、監督問題で揉めていること、最近勝てていないことなど、ネガティブな要素がプレーに直結する感じになった。逆に、うちはいつも見せ付けられる側だが、点をとってリードしたチームというのは、余裕が生じてさらにプレーが冴えるものであり、面白いように追加点を重ねた。

 そんなわけで、望外の大勝がもたらされたわけだが、この日の清水の戦いが勝利に値するものであったことは間違いないにせよ、6:0というスコアは今の湘南さんの悩みの深さを示すものであり、決してうちの強さの表れではないことは、わきまえておくべきだろう。まあ、そんなことはチームも分かっているだろうが。

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 今日の試合には関係ないが、「静岡学園・松村が鹿島入り 常勝軍団でプロスタート」という記事が出ていた。

 静岡学園のU-18日本代表MF松村優太(3年)が来季、J1鹿島アントラーズに入団することが26日、分かった。清水エスパルスやジュビロ磐田、松本山雅FCなど複数のクラブから獲得オファーを受けていたが、このほど尚志(福島)の同日本代表FW染野唯月(3年)も加入するアジア王者入りを決断したという。DF伊東、MF名古らOBが活躍する常勝軍団で、プロキャリアの第1歩をスタートさせる。松村は170センチと小柄だが、スピードに乗ったドリブルが武器のアタッカー。一部クラブに練習参加するなど、悩んだ末に鹿島を選んだという。

 本当に「悩んで」くれたのかねえ(笑)。野心ある若者が鹿島、清水、磐田、松本から声をかけられたら、普通は鹿島一択だろう。増してや、現時点では、鹿島以外は来期J2の可能性が大なり小なりあるのだから。

 清水からしてみれば、有望なタレントの獲得を逃したということで、悔しくはあるが、清水では「小柄で俊敏なアタッカータイプ」は、すでに飽和状態なのではないだろうか。はっきり言って、個人的には、身長170cm以下の選手はこれから5年くらいとらないでほしいとすら思っている。身長180cm以上の人材を優先し、特に戦える守備系の選手に獲得の照準を合わせてほしい。

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 こちらの記事が、以下のような興味深い話を伝えている。

 “残留切り札”ドウグラスのトップ下新布陣テスト「いいイメージ」

 紅白戦2本目。篠田善之監督(48)が動いた。控え組は仮想湘南で3バックとし、主力組は181センチのテセ、184センチのドウグラスを縦関係にした。「ドグに前を向いてプレーさせたい。テセはターゲットができる」と説明。空中戦に強いテセに浮き球を競らせ、2列目から走り込んだ助っ人にセカンドボールを仕留めさせる青写真を描いた。

 きわめて耳寄りな情報である。ドウグラスの起用法の変更に加え、テセを新システムに組み込むとしたら、今季の我が軍にとってはかなりの新機軸だ。

 それと同時に思うのは、「ちょっと清水の情報、漏れすぎではないか?」ということ。所長の印象では、スポーツ新聞で、「清水、誰それを先発起用へ」というような記事が出ると、数日後の試合で、ほぼ確実に現実のものとなる。清水の場合は、移籍情報などはほとんど事前に表に出ないのに対し、メンバーや戦術は事前に報道で伝えられることが多い。

 もしかしたら、他のチームも似たようなものなのかもしれない。世間様から注目していただくためには、チーム情報を包み隠さず表に出した方がいいという面もあるだろう。

 しかし、現在の清水の境遇は、どんな手段を使ってでも、今季残留に必要な勝ち点をかき集めなければならないというものである。できればメンバーや戦術は当日明らかになるようにして、少しでも対戦相手を慌てさせてほしいと思うのだが。

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 最近のJリーグ界隈をざわつかせているニュース、スキャンダルと言えば、名古屋の「180度方向転換」に、湘南の「チョウキジェ監督のパワハラ騒ぎ(問題発覚後勝ちなし)」に、浦和の「調子悪すぎてアマチュアにジャイキリされちゃった」、といったところか。何だよ、ここ3試合の清水の対戦相手じゃないかよ(笑)。まあ、そのうち名古屋との対戦はもう終わったけど(結局、うちが風間監督に引導を渡した)、湘南、浦和とはこれからだ。

 一般論として言えば、対戦相手がスキャンダルにまみれていたり、勝てていなかったりすれば、我々にとって有利なはずだ。しかし、どうも清水はこういう時に限って、相手に助け舟を差し出し、浮上のきっかけを与えてしまうことが多い。湘南あたり、チームがバラバラになっているかと思いきや、逆に結束して、火事場の馬鹿力を発揮しそうで、怖すぎる。浦和に関しては、今のレッズは組織として戦えていないから、興梠さえ抑えれば勝てるなどとも指摘されているが、他ならぬその興梠に2点くらいとられる予感しかしない。

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 名古屋戦のよもやま話を無理やり続けるシリーズ。

 1失点目、敵右SBの宮原に決められた場面。まあ、あれはGK大久保としては、どうしようもないかな。ゴール前に上がったルーズボールに対して、一歩早く反応していたら、宮原よりも先に触ってクリアできたような気もするが、あれでGKを責めるのは酷かもしれない。むしろ、潜入しようとする敵のSBに、西澤がついていくべきだったか。西澤は、試合を決めるようなゴールを決める一方で、守備対応はまだだいぶ甘い印象がある。

 しかし、1失点して引き締まったのか、それ以降のGK大久保のプレーは、見ていて安心感があった。特に、ハイクロスに対応した場面では、すべてキャッチやパンチングでしのぐことに成功していたと思う。以前も書いたが、現清水所属GKの中では大久保が最も長身であり、DFのクロス対応の難点が指摘される我が軍にとっては、GK大久保が長身を生かしパンチングではじいてくれると、非常に助かる。というわけで、今季の残り試合はずっとGK大久保で行くということも、充分考えられる。

 ただし、天皇杯の磐田戦で活躍した西部も調子を上げているらしく、正守護神の座を巡って競争が起きているという情報もある。固定するというよりも、その時点で一番調子の良い方が先発するという方針になるのかもしれない。

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 名古屋の風間監督が解任された関係で、「もはや解任ブーストは効かないのか?J1で6クラブ目の監督交代。状況が悪化するクラブも…」という記事が出た。この中で、交代劇の前と後の監督の戦績を比較した数字が出ていたので、今季J1のリリーフ監督の成績を、上の表のように整理してみた。

 これを見れば一目瞭然のように、今季数人いたリリーフ監督の中で、最多の勝ち点を稼いでいるのは清水の篠田監督であり、1試合平均でも篠田さんがトップである。当然保有戦力や対戦相手によっても左右されるわけで、単純には言えないものの、今季のJ1の中では、監督の交代策が(今のところ)最も上手く行っているのが清水だと結論付けていいだろう。そもそも、勝ち越しているリリーフ監督は、うちの篠田さんと、神戸のフィンク氏しかいない。

 まあね。篠田エスパルスの場合は、勝った試合も「どさくさに紛れて勝った」ような試合が多いし、逆に負けた試合では完膚なきまでに叩きのめされるパターンだから、「強くなった」という実感はまったくないのだけれど、どうにかこうにか、勝ち点は稼げているということは、数字が物語っている。

 それにしても、揶揄するわけではないが、リリーフ監督成績表のビリとブービーを独占している磐田、そりゃ苦しいわな。

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 試合間隔が開いて、ネタがないので、無理やり、名古屋戦の話の続き。

 西澤の3点目に繋がったカウンターだけど、あれは元々、金子が相手ディフェンスラインの裏に抜け出して、GKと一対一になりかけたんだったよね。しかし、ハーフライン付近から独走したはずが、ペナ前くらいで、相手2人に追い付かれてしまった。西澤に渡してゴールが決まったから良かったものの、FWとしては、あの感じで抜け出したら、一人でフィニッシュまで持って行かなければ駄目だろう。

 所長は前々から事あるごとに指摘してきたのだが、実は金子は足が遅いのである。(日本人プレーヤーにありがちなように)最初の2~3歩くらいは速いので、俊足というイメージを抱きやすいが、20~30メートルくらいの長い競走になると、まず相手に勝てない。

 名古屋戦の問題のシーンをスローで見ると、金子と名古屋2名の足の回転はほぼ同じくらいだが、足の長さの分だけ、どんどん追い付かれていくという印象である(笑)。本人は試合後に、「逆風でなかなか前に進まず、ゴールが遠かった」なんてコメントしてたが、条件は相手も同じだろう。

 清水のアタッカーでは、岡崎が陸上のトレーナーを起用したんだったか、走りの姿勢などを改善して、走力が増したという有名な話がある。金子も確か、陸上のトレーナーに指導を受けてたんじゃなかったっけ?

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23

 前々から憤りを感じており、今朝もまた憤りを感じたので、声を大にして、異議を申し立てておきたい。朝日新聞のデジタル版の見出しの件である。

 上に、今朝の見出しを抜き出してみる。「岡崎慎司フル出場」は、まあいいだろう。人気者だし、まだ代表に絡む可能性もなくはないから、情報価値がある。しかし、「CSKAモスクワ西村、出番なし」や、「豊川は途中出場」などという、一文の価値もない事柄を見出しに掲げて、どうしようというのか?

 日本人選手が欧州4大リーグやCLに出場して、守備で大奮闘したとか、得点を挙げたというなら、まあ大きく扱うのも許そう。しかし、朝日新聞ネット版の見出しの付け方を見ていると、いわゆる欧州組の動きは、無条件に見出しにするという愚かな方針をとっているように見える。それゆえ、「出番なし」や「途中出場」といったマヌケな見出しが躍ることになるのである。

 豊川なんて、つい最近まで普通にJ2でプレーしてたのに、じゃあ朝日新聞は豊川がJ2でプレーしていた時に、その一挙手一投足を報道していたのか? ベルギーに移籍しただけで、なぜ急にVIP扱いに変わり、「途中出場」なんてことまで律儀に伝えるのか? 所長が思い付く答えは一つしかない。朝日新聞デジタルのスポーツ欄の見出しを付けている人間が、愚かだということに尽きる。

 このような見出しの付け方は、非常に悪いすり込みを与える。こういう見出しを日常的に目にしていれば、どうしてもJリーグよりも欧州サッカーの方が価値が上だと思い込んでしまうだろう。選手だって、日本の時と同じプレーでも、欧州に渡っただけで急に新聞の見出しになれるわけだから、ますます欧州に憧れ、日本のサッカーは空洞化していく。

 朝日新聞は、Jリーグの百年構想パートナーではなかったのか? 見出し付けで、なぜJリーグを無視し、海外組のどうでもいい「出番なし」や「途中出場」の類ばかり載せるのか? 確かにこの週末はJ1はないが、J2の昇格争いは佳境で、充分に報じる価値があるはずだ。日本の地域の誇りを背負って戦っているJクラブを無視し、やたらと個人レベルの海外組ばかりクローズアップしようとする朝日新聞の姿勢を、所長は断固糾弾する。

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0922

 名古屋が変なタイミングで監督の交代に踏み切ったが、果たして清水はこのオフ、どうするのだろうか?

 篠田監督は、良い監督だと思う。確かな手腕があるし、人格的にも信頼できる。現時点の清水の戦績、試合内容はきわめて心許ないものだが、今季途中、篠田さんがチームの指揮を移管された時の悲惨な成績・内容を考えれば、良くやってくれている方だと思う。他の監督だったら、あのまま最下位に沈んでいた可能性もあったはずだ。

 ただし、現在篠田監督が取り組んでいるのは、あくまでも「今季、なりふり構わず残留する」という、期間限定の、特別任務である。そのミッションに失敗したら解任になることは言うまでもないが、成功した場合にも、ここからのチーム立て直しはまったく別のミッションなので、必ずしも篠田監督の続投が必然ということにはならないと思うのだ。

 今の清水の戦いは、必ずしも篠田監督が本来志向するようなサッカーではないはずだ。こう言っては何だが、あんなサッカーを進んでやりたいと思う監督はどこにもいないはずで、篠田監督はあくまでも、今の清水のメンバーや能力で残留するための最適解を実践しているだけだと思う。だから、今季首尾良く残留出来たら、篠田監督が続投して、篠田監督の下で新しいサッカーを目指すというのも、それはそれでアリだと思う。

 しかし、選手があまり入れ替わらず、監督も同じだとすると、抜本的に新しいチーム作りができるのだろうかという疑問がある。結局は、何の発展性もない今のサッカーをずるずると続け、そうするうちにクラブの体力が疲弊を続けるのではないかと危惧する。このオフは、大変革に着手すべき時であり、「その大変革に相応しいのは誰か」という観点から監督を人選すべきだろう。

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 名古屋の風間八宏監督が解任されたということである。まあ、清水目線で言わせてもらえば、風間監督がいるうちに名古屋に2つ勝っておいて、本当に良かったということだ。名古屋戦の直後にも申し上げたが、確かに名古屋はツボにはまった時の攻撃力には見上げたものがあるが、清水にとっては一番やりやすいタイプだ。名古屋は代わりに守備の鬼として知られるフィッカデンティ氏を監督に招聘するなどとも言われており、そうなったら清水が勝てたかは疑問だ。

 風間監督というと、「名将」というイメージがあるけど、Jでタイトルをとったわけでもないし、名古屋でも補強をしまくったわりにはまったく結果が出なかった。

 風間監督の哲学として、「ミスをしなければ、守備をする必要すらない」という考え方があるとされる。しかし、イニエスタ・クラスを11人揃えでもしない限り、ミスは必ず起こる。新体操だったら、5人のメンバーがノーミスで演技を終えることも、可能かもしれない。しかし、サッカーでは相手が邪魔をしてくるわけだし、予期せぬことが連続で起こるわけだから、ミスはどうしても起こるのである。ミスを前提にリスクをヘッジしながら戦うのが普通である。どうも、風間監督のやり方を見るていると、根本的な前提が間違っているのではないかと考えざるをえない。まあ、ただし、あの人も清水出身なわけだし、ああいう奇人変人監督がいなくなることには、一抹の寂しさも覚えるが。

 清水のサッカーは逆で、「どうせ自分たちはミスをする」という前提に立っている。パスを繋いで前線まで運ぶなんて無理だから、ドウグラス目がけて大きく蹴る。自陣ゴール前で下手に繋ごうとすると相手に奪われて大ピンチになるのがオチだから、とにかく大きくクリアする、というのが今のうちのサッカーだろう。

 風間監督のような「ミスをしない」という非現実的な前提も考え物だけど、今の清水みたいにリスクを恐れてまったくチャレンジしないというのも、どうかと思う。

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 所長は、プロのサッカー選手は呼び捨てにさせてもらっているが、育成年代の選手は「君」付けで呼んでいる。だから、川本梨誉君ということになるわけだが、彼はもうすぐ「君」がとれるのかもしれない。

 そもそも、先日の名古屋戦で川本君がベンチ入りした時には、「テセも滝もおらず、アタッカーの人繰りが厳しいな。ユースの選手入れて人数合わせか」と感じたものだった。むろん、川本君はすでにルヴァンでの出場は果たしており、その時の直線的なプレー振りは印象に残っているが、リーグ戦に実際に出場するところまではイメージできなかった。

 しかし、リーグ戦と同等のベストメンバーで臨んだ今回の天皇杯ラウンド16でも、川本君は再びベンチ入りした。ベンチ入りしただけじゃなく、74分に河井に代わって出場した。出場しただけじゃなく、結構攻撃のアクセントになった。アクセントになっただけじゃなく、アディショナルタイムの同点弾をお膳立てしてみせた。数合わせどころか、もはや立派な「戦力」ということだろう。

 考えてみれば、川本君は久保建英と同い年ということだろうし、世界的にはこの年齢でトップレベルでやることは珍しくもなんともない。2018年入団組が今一つ伸び悩んでいるだけに、川本君は物怖じせずに、一気に先輩たちを抜き去るような野心を持ってほしいものである。

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 個人的に、現地観戦もTV観戦もしておらず、ニュースや動画で断片的に情報に接しただけである。だから、ごく限られた情報からの推測なのだけど、天皇杯磐田戦は、粘り勝ち(トーナメントのPK戦決着なので記録上は引き分けだろうが)といったところか。

 まあ、それにしても、今季はリーグ戦・カップ戦含めて盤石の完勝というのは、ほぼない。今回も、前半は決定機が多く作れたようだが、「序盤のビッグチャンスは逃す」という今季の清水の悪いジンクスゆえか、先制して試合を優位に運ぶことができず、ぎりぎりの戦いに。お互い、ゴール前のごちゃごちゃっとした形から1点づつを奪い、PK戦までもつれて、ようやく決着が付いたという試合となった。

 そんなわけで、リーグ戦で苦しんでいる磐田相手に、完勝というわけには行かなかったものの、この決着の付き方は、清水には勢いが出て、逆に磐田には大きなショックとして残りそうだ。磐田の側は、この大会のタイトルということ以前に、リーグ戦の潮目を変えたい、新監督の下での初勝利を飾りたい、しかもその相手が清水なら余計に効果絶大、と思っていただろう。それが、終了間際に勝利が手からすり抜けて、90分+PKまで戦って勝ち抜けなかったとなると、残るのは疲労と絶望だけだろう。

 内容はともかく、敵地でミッションを成し遂げた我が軍。(調べたわけではないが)おそらくは史上初となるであろう「シーズンでダービー5勝」も見えてきた。

 しかし、今季磐田と5回対戦する中で、一番大事なのは、ホームのリーグ戦である。これこそ、勝利が絶対に義務付けられた試合になる。もしも次回負けたら、それまでの4勝はすべて吹き飛ぶと言っても過言でない。今回の天皇杯の結果は、「11月2日の勝利に向けて良いお膳立てができた」と受け止めておくことにする。

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sakkaku

 それにしても、名古屋戦を終えた時点で、暫定とはいえ、清水が9位に躍り出たのは、嬉しいというよりも、思わず笑っちゃったよね。あのボロボロなサッカーと、悲惨な得失点差で、一桁順位かよ、ってね。

 もちろん、暫定9位は一晩だけのもので、全チームが26試合を終了した順位表を見れば、清水は10位に下がった。それでも、もしも神戸が松本に対して負けか引き分けだったら、清水は現実に、第26節終了時点で、一桁の9位だったわけだ。

 昨年のJ1の順位表も奇妙なものだったけど、今年も同じく奇妙だ。清水のJ2降格の危険はまだまだ現実のものだと思うが、これまでのJの歴史で、第26節終了時点で一桁順位に着けていたチームが降格した実例なんて、あるのかねえ?

 だが、言うまでもなく、順位表をよくよく見てみれば、勝ち点31~32に7チームもがひしめいており、1節で状況は大きく変わる。そして、これも言うまでもなく、得失点差がワーストの清水は、「並ばれたらアウト」なのである。「一桁順位か。これで一安心」などと油断したら、とんでもない落とし穴が待っている。

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 我々は2015年シーズンの結果をもって、J2陥落を余儀なくされたが、皆さんが降格を覚悟した瞬間というのは、いつだっただろうか? 所長の場合は、9月にエコパで浦和に完敗した時に、「ああ、これはもう完全に駄目だ」と覚悟した。調べてみると、それは2015年9月19日の土曜日とある。スコアは1:4だったが、中でも、アディショナルタイムに柏木に決められた駄目押し点が、強烈に印象に残っている。

 浦和に負けた時点で、まだ6試合残ってたんだけど、清水の残留の可能性は単に数字上のものであり、何より、サッカーの内容からして、浮上などまったく不可能であることは、明らかだった。秋口の時点でそのことを悟ったので、10月17日に降格が決定した時のショックは、それほど大きくなかった。所長は以前から、「もしも清水がJ2降格などということになったら、マラカナンの悲劇のように、心臓発作で亡くなるサポや、自殺者も出るのではないか?」なんてイメージしていたが、あの時は我が軍のあまりの弱さに、悲しみというよりも、情けなくあきれ果てるという感情の方が強く、涙すら出なかった。

 あれから色んな出来事があったので、もうずいぶん昔のことのように感じるけど、わずか4年前だったんだよね。

 2015年は前期後期制で、チャンピオンシップがあったから、シーズンが妙に前倒しだった。それに比べると、今季はまだ8試合残っている。ただ、いずれにしても、磐田のチーム、サポは、4年前の我々と、同じ気持ちなのではないだろうか。数字上、ここからの逆転残留は奇跡に近いが、その奇跡を起こすための肝心のチーム状態が、一向に上がってこないという。

 もちろん、我々には人様の心配をしている余裕などない。数字上もまだ危ないし、4年前と比べてマシなサッカーをやっているなどということも、とても言えないのだから。

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 勝利した名古屋戦でも、しっかり2失点。1失点目は、不運な感じもしたが、吉田のクロスに対するエウシーニョの寄せの甘さ、二見がバランスを崩してしっかりクリアできなかったこと、そしてGK大久保が一歩目を躊躇して相手に競り負けたこと、入ってきた敵SBを誰も見ていなかったことと、いくつものミスが重なったものであり、やはり必然の失点である。

 2失点目は、誰が見ても明らかなように、ミドルシュートに対する寄せの甘さ(というか欠如)から生まれたものだった。正面にいたのはヘナトであり、清水の中では称賛されているヘナトも、所長の見る限り、実は時々守備のミスを犯しており、今回もその印象が残った。長谷川のアクロバティックなシュートに目が行きがちだが、ペナ前に侵入していた彼を誰もマークしていなかったことも問題であろう。

 それで、今節は個人的に他のチームの試合も結構観ているのだが、たとえば鹿島VS東京戦。やはり、優勝争いをするチームというのは、最低限の必要条件として、こういう守備のタイトさを備えているものなのだなと改めて痛感した。何度も言うように、所長は今季開幕に当たって、清水のJ1リーグ優勝という目標を掲げていたわけで、まったくのお門違いだったなと、恥ずかしくなった。

 いや、上位チームだけじゃない。札幌VS仙台の試合も観たが、我々が8点とられた札幌相手に堅守を徹底し、1点に抑えて完勝した仙台の戦い振りは、感動的ですらあった。「なるほど、こんな風に守備を徹底すれば、札幌だって最少失点に抑えることができるんだなあ」と、つくづく感心させられた。

 こういう本物の堅守を見せ付けられると、はて、彼らは清水と同じカテゴリーなのか? いやもっと言えば、清水がやっているのは彼らと同じ競技なのか?とすら疑いたくなってくる。これは、選手のポテンシャルの問題ではない。現に、清水では頼りなかった犬飼やブエノが東京戦で奮闘していたし、仙台などは清水よりもずっと低予算なのに、ハードワークと創意工夫でチームを構築している(とてもJ2降格の可能性があるチームには思えなかった)。すべては、ここ何年か清水に蔓延していた守備の文化の欠如、意識の低さ、ぬるま湯体質の問題である。

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 今回の名古屋戦。エウシーニョのシュートが河井に当たってラッキーな形で入ったのが54分、西澤の追加点が入ったのが59分だった。そこからの残り時間が、長かったこと、長かったこと。ずっと十字架にはりつけにされて、往復ビンタを食らい続けるような時間帯。「自らボールを持って時間を使う」というオプションのないチームは、つくづく辛いなと感じた。とても、今季開幕時に、「ポゼションを上げる、ショートパスで崩す」という目標を掲げていたチームとは思えない姿が、そこにはあった。

 今回は珍しく2点差にできた。2点差のリードは、4月の磐田戦で一度あったが、それ以来の天恵であった。もっとも、磐田戦では2点差のリードが13分しか持たず、先方のロドリゲスに追い上げ弾を食らって、最終的にはぎりぎりで逃げ切った。それと同じように、今回の名古屋戦でも、2点差は15分しか持たず、敵に追い上げ弾を許した。まるでお約束であるかのように、「勝つ時は必ず1点差の辛勝」という今季の命題を、またしても実践して見せた。

 たとえば、大分は、片野坂監督がJ3時代から一貫した哲学で強化を図り、J1に上がってもブレない戦いで、現在のところ中位に着けている。あのチームにもしも強力な外国人ストライカーでもいれば、それこそ上位争いも可能かもしれない。また、柏などは、今季のJ2を圧倒的な大差で制したあと、同じサッカーで、来季J1で暴れまくる可能性もあるだろう。

 残念ながら、そういう着実な上積みのチームと比べ、清水が今やっているサッカーに、未来はない。イモムシがいつか美しい蝶に変身するように、清水もこれを継続すればいつか強く美しいチームに生まれ変われるなどということは、ありえないのである。今季に関しては、どんな形でもいいから、とにかくJ1で生き残ることだけに特化することを決めたのである。来季以降のことは、残留が決まってから考える、ということだ。こんな継続性のない、焼き畑農業のようなチーム作りを続けていて、いつか栄光の日が訪れるのかと、暗い気持ちになってしまうが、これが現実だ。

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 大村愛知県知事:「リニア新幹線の開通は、重要な国策である。静岡県はただちに、工事着工の許可を出すべきだ。」

 川勝静岡県知事:「だったらグランパスがエスパルスに勝ってみろ。」

 そんなやりとりがあったかどうかは知らないが(笑)、いやあ、どうにかこうにか、勝ちました。

 正直言えば、名古屋に勝てなければ、もうJ1に勝てる相手はいないのではないかと個人的には、それくらいに位置付けていた試合だった。いや別に、これは名古屋さんが弱いという意味ではない。単にうちとの相性の問題である。

 今季の清水は、同じ相手に2度負けたり、逆に2度勝ったりしている。これは、今の清水は、対戦相手の特徴によって、まったく勝ち目がなかったり、逆に付け入る隙が大きくなったりするということである。苦手なのが、FC東京、鹿島みたいなタイトな守備のチーム。得意なのが、横浜、神戸、そして今回の名古屋のような、セキュリティが甘めの攻撃的なチームである。だから、前半戦に勝った名古屋には、是が非でも再び勝たなければならない、名古屋に勝てなければお先真っ暗だと、個人的に思っていたわけである。

 それにしても、変なゴールの多い試合だったが、長谷川アーリアの「ももクロシュート」には参ったわ(笑)。

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 今期の清水の目標が実質的に残留に絞られた今となっては、残留ライバルが負けてくれることを願うとか、対戦相手に怪我人や出場停止が出てくれと願うとか、そんな志の低いことばかり考えている。

 前節の名古屋の試合を観ていたら、GKランゲラックが負傷して、途中交代する場面があった。相手のシュートを足先でブロックしたものの、その勢いで足をもっていかれて、捻挫的な状態になったらしい。本人には気の毒な話だが、次節対戦する当方としては、思わず「おお!」と色めき立ったのである。

 それで、その後の名古屋のルヴァン戦をチェックしたら、GKランゲラックが出ていないではないか。「やはり、あの怪我は重かったのだな。ウッシッシ」と、所長はほくそ笑んだのだった。情けない話だが、今季はもう、そういうことに喜びを見付けるしか、楽しみがなくなってしまった。

 ところが、よくよく情報を確認してみたら、GKランゲラックは単にオーストラリア代表に呼ばれただけであり、ルヴァンの試合に出場しないのは当然だったのである。代表に呼ばれるということは、怪我も完全に癒えているということだろうし。うーむ、これは参った。

 そんなわけで、本日のフライデーナイトマッチ、清水の攻めるゴールに、現役バリバリのオーストラリア代表GKが立ちふさがることが、確定した(笑)。うちのGK陣が集団ノイローゼの状態にあることを考えると、GKの戦力で大きなハンディキャップを抱えての戦いとなる。どうなることやら。

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 もう何年も、清水のフィールドプレーヤーで、1シーズンを通して先発フル出場を続けるような選手は出ていないはずである。たいていは怪我やカード累積で1年に1~2試合くらいは出られない試合が生じてしまうものだ。

 そんな中、左SBの松原后が今季ずっとフル出場を続けているのは、大したものだ。チームとして、ものすごく助かっている。もっとも、現在イエローが3枚でリーチがかかっており、今季34試合のフル出場が可能かどうかは、微妙なところだ。もしも、本人が年間フル出場の達成を過剰に意識して激しく守備に行けないようなことがあったら、逆にまずいだろう。

 それで、必ずメンバーにいてくれることは有難いものの、パフォーマンスはどうだろうか? 人によっては、「松原は成長している。松原だけが光っている」といったことをおっしゃる向きもある。しかし、所長の評価を率直に申し上げれば、百点満点で、守備は70点、攻撃は20点くらいである。本人のポテンシャルやこちらの期待を込めた上での評価なので、厳しくなるが、とにかくそんなところだ。

 これは、もしかしたら別意見の方もおられるかもしれないが、松原の攻撃面での伸び悩みは深刻だと思う。攻撃の時に彼がボールを持つと、消極的なプレーや、あるいは逆に無謀に行ってミスをして、ため息で終わることが、あまりにも多い。視野が狭く、プレーの選択を間違えがちで、状況が不利な時に無理に仕掛けて奪われるなど、売りのはずの攻撃面で貢献できていない。

 まあ、それはチーム全体の問題でもあり、良いタイミングと良いスペースを使って松原を気持ち良く駆け上がらせることができていない。どうしてもチームとして手詰まりになる中で、2人くらいにマークされている松原が無理矢理仕掛けようとして失敗することが多い。

 松原ファンの方は気を悪くしたかもしれないが、所長も期待の大きさゆえの苦言なので、ご容赦を。何しろ、本人が「欧州に渡って5億円稼ぐプレーヤーになる」と言っているわけだから、その基準で評価しなければ失礼だろう。

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 夏の移籍でピンポイント的な補強を済ませたつもりだったが、ここに来て怪我の情報があり、またちょっと手薄な感じになってきた。DFの吉本とFW(MF?)の滝の話である。過密日程でもないのに、どちらも練習試合で怪我をしたようで、何だか釈然としない。

 吉本は、個人の能力云々ということもあるが、周りに声をかけて守備全体を統制する能力を買って獲得したものだった。実際、吉本が加入して横浜、松本と連続完封し、一時ブームになった「1:0の清水」の立役者となった。まあ、その後、大量失点の試合が続き、すっかり「神通力」は剥がれ落ちたが、今の清水にとっては重要な存在であることは間違いない。はっきりしたことはまだ分からないが、長期離脱の可能性があると伝えられる。

 そして、滝は、篠田エスパルスの中ではテセよりも序列が上のFWであり、すなわち、試合終盤に苦しい状況で途中投入するFWとしては一番手の存在だった。テセが離脱したことで、滝の重要性はますます高まっていた。今季リーグ戦で、「滝の得点のお陰で勝った試合」というのはまだないわけだが、いずれにしても、ベンチに置いておく攻撃のカードが、当面一枚欠けるというのは、何とも痛い。

 本来であれば、吉本や滝が1ヵ月程度離脱しても、その程度のことは痛くも痒くもないと言いたいところである。それが、そうとも言えないところが、我が軍の辛いところだ。

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