エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

2019年08月

 そんなわけで、川崎戦では、札幌戦で大量失点した西部に代わって、新加入の大久保択生がゴールマウスを守った。

 そもそも、札幌戦での8失点のうち、西部の責任は、どのくらいあっただろうか? 確かに、先制点の持つ意味が大きかったことを考えれば、1失点目のチャナティップに食らったやつが痛かった。相手のクロスボールに対し、パンチングで逃れたものの、悪いことにそれがチャナへのパスになってしまい、切り返しで翻弄された末に、ゴールマウスに蹴り込まれたものだった。

 ちなみに、あの場面、札幌側は、ゴールを認めるのは当然のこととして、立田のハンドを主張していた。しかし、主審はそのアピールを却下。確かに、ボールは最後尾で守っていた立田の腕に当たった上で、マウスに吸い込まれている。細かいルールは良く分からないが、ボールがゴールインした以上は、「手を使って決定機を阻止した」ことにはならないのだろう。もしもあれを立田が実際に手で止めていたら、あの試合はどうなっただろうか? 当然、立田は退場、PKでたぶん先制を食らい、残りの70分くらいを数的不利で過ごすことになった。しかし、かえって守備意識が高まり、大量失点はなかったかもしれないな、なんてことも思う。

 話を戻すと、その後の大量失点は、西部の責任が大きかったというわけではないだろう。もちろん、8点の中には、止めてほしいものもあったが、守備全体が崩壊したとしか、評価しようがない。

 いずれにしても、大量失点後の試合というタイミングで、GKを代えたということは、理解できる。そしえ迎えた大久保の清水でのデビュー戦、全体としては、まあまあ普通の出来だったのではないか。川崎に喫した2失点は、ガンバの東口、柏の中村クラスなら止められたのではないかという気もしたが、GKの責任で失点したというわけではあるまい。大久保は190cmと、清水の現所属GKの中では最も大柄なので、ハイボールでの安定感はあるように感じた。

 大久保起用は、川崎戦限定の気分転換だったのか、それとも鹿島戦以降も起用を続けるのか?

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 正直に告白しよう。所長は今季開幕前、鹿島のメンバーよりも、清水のメンバーの方が良いのではないかと思っていた。いや、鹿島が優勝争いを演じ、清水が下位で苦しんでいる今となっても、なんで鹿島があの程度のメンバーでやれているのかと、不思議でならない。この夏のウィンドウでは主力が相次いで欧州に渡り、今では(こう言っては失礼だが)学生に毛の生えたような選手が出場したりしているのに、なぜあんなに安定感があるのか、まったく不思議である。認めたくないが、それが鹿島の伝統というものなのか。

 しゃらくさいことに(笑)、鹿島は今季まだ、ACL、J1、ルヴァン、天皇杯と、4つのタイトルをとる可能性を残しているそうである。ただ、ジーコTDは、J1優勝を最優先に掲げているといった話も聞いた。まあ、常識的に言って、そうなるだろう。

 その鹿島は、28日(水)にアウェーでACLの広州恒大戦を戦い、スコアレスドローに終わった。ほぼベストメンバーで臨んだようである。中国って、実際に行ってみると「意外と遠いな」という印象を受けるが、南部の広州は東京から5時間近くかかるそうだ。広州から東京に飛んで、わざわざ鹿島にいったん戻るかどうかは知らないが、いずれにしても、日曜日の清水戦は中3日しかなく、なかなかのハードスケジュールであることは間違いないだろう。

 プライオリティとしては国内リーグ戦が一番なのに、今回の広州戦にベストメンバーをぶつけたということは、鹿島としては「それでも清水には確実に勝てる」と判断したということか? 今のうちでは、ナメられても仕方がないが。

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 川崎戦で、解説の戸田氏は、「ワントップのドウグラスは強く、かなりの確率でロングボールを収めてくれるから、その落としを拾って相手ゴールに迫る選手が必要」ということを強調していた。

 まあ、それは戸田氏が指摘するまでもなく、多くの清水サポが、そう感じているところだろう。逆に言うと、河井には、ワントップに次ぐセカンドストライカーとしての迫力は、あまり感じられないということでもある。

 河井はどちらかというと、全体のバランスをとった上で、人を使うタイプである。2トップのトップ下だったらピッタリだが、今の清水ではドウグラスが前線で孤軍奮闘している状態であり、それを第2のアタッカーとして手助けするというのは、河井には少々荷が重いかもしれない。

 そう考えると、ドウグラスと北川という組み合わせが、どれだけ最適だったということを、改めて思ってしまう。ドウグラスがパスしたり、あるいは落としたボールを拾って、直線的に相手ゴールに迫る力が、北川にはあった。翻って、北川の能力を最大限に活かしてくれる存在もまた、ドウグラスだった。今季、FC東京が躍進し、清水が低迷したため、「J最強2トップ」の称号は東京のオリベイラと永井に持っていかれてしまったが、ドグ&北川コンビにも、充分にその資格はあったはずである。

 とはいえ、いなくなった選手のことを、いつまでも言っていても始まらない。河井が今の位置で攻撃を活性化する術を見出すこと、またドゥトラがもっとフィットして北川に劣らないほどの活躍を見せてくれることを期待するしかないだろう。

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 DAZNの川崎VS清水戦の解説は、戸田和幸氏だった。戸田氏は、おそらく日本の熱心なサッカーファンの間では人気No.1の解説者だろうし、当S研でも「ぜひ清水の監督に」と推したことがあった。

 他方、戸田氏は忖度をせずに、痛いことをズケズケというタイプなので、昨今の清水の試合を解説すると、どうしてもコメントが苦言じみてくる。それを、快く思っていない清水サポもおられるようだ。

 ただ、所長としては、厳しいことをどんどん言ってほしいと思っている。「良薬は口に苦し」という言葉があるが、戸田氏の解説は「良言は耳に痛し」だ。駄目出しをされるのは我々にとっても辛いけれど、具体的な問題点を一つ一つ克服しなければ、清水の今後の躍進などはありえないのである。たとえば、川崎での清水の戦い振りを、解説者が称賛してくれたとしたら、それで少しでも我がクラブの足しになるだろうか? 誰がどう見ても、課題だらけのチームであり、今はどうにか、だましだまし勝ち点を拾っている境遇である。解説者が無料で問題点を指摘してくれるのだから、こんな有難いことはないではないか。苦言を呈されるということは、まだ見捨てられてはいないということであり、駄目出しをされるうちが華である。

 それで、有難いことに、戸田氏は今回の試合につき、自身のYouTubeチャンネルで、戦前のプレビューと、試合後のレビューを、両方アップしてくれている。上掲がレビューである。この中で戸田氏が特に強調しているのは、清水のサイドハーフのポジショニングの問題である。まず、敵がボールを持って清水がプレスをかける時に、サイドハーフが前寄りの位置をとり過ぎ、4・2・4のようになって中盤が薄くなり、それでボランチの脇を使われたり、酷い時にはボランチの間を通されたりするという問題が指摘されている。また、ファーサイドのサイドハーフは、もっと中に絞らなければ駄目であり、現在は外に張り過ぎているので、それも中盤がコンパクトさを保てない一因となっているということである。

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 この間、舛添要一氏が、「ミュンヘンの教訓」云々ということを言っていた。周知のように、ミュンヘンの教訓とは、戦争を回避するためにナチス・ドイツに宥和政策をとったら、ヒトラーがますます増長して歯止めが利かなくなり、結局は世界大戦に突入してしまったという話である。安易な妥協はかえって悪い結果をもたらすという戒めとして言われる。

 しかし、舛添要一氏をはじめ、「ミュンヘンの教訓」を絶対視し、「妥協は一切するまい」なとどいう立場は、考えてみればおかしいものである。ちょっと考えてみれば分かる通り、世界の歴史では、妥協したり、宥和したりした結果、丸く収まった時だってあったはずなのだ。ただ、そういう丸く収まった出来事というのは、人々の強烈な記憶に残らず、歴史として後世に語り継がれないだけである。だから、舛添要一氏のように、「ミュンヘンの教訓」云々を絶対視するような論者は、疑った方がいい。

 さて、なぜそんな話をしたかというと、有名なサッカーライターの杉山茂樹氏による 「その引き分け、喜んでいいのか? 川崎戦で見せた清水・篠田監督の旧態依然たる選手交代劇」 という記事を読んで、同じようなことを感じたからである。

 この記事で杉山氏は、川崎戦で篠田監督が逃げ切るためにトップ下の河井を削って5バックにしたのは悪手だった、かえって前からの圧力がかからなくなった、現にシステムチェンジした直後に清水は同点に追い付かれたではないか、逃げ切るために守備を増やすなどというやり方は15年前の古い戦術だ、実は篠田監督はFC東京時代にも同じ過ちを犯して、その時も私はその悪手が逆効果であることを見抜いていたのだ、といったことを論じている。

 まあ、確かに、所長も、「逃げ切るためには、なるべく前から行って、ゴール前で跳ね返すだけの状況になるのは勘弁してほしい」と思うことはある。実際、近年の清水でも、守備の枚数を増やして、逃げ切りに失敗したことはあっただろう。

 しかし、今回は確かに川崎相手に逃げ切れなかったが、現実には、守備を厚くして、逃げ切った試合だって、それなりにあったはずだ。「ミュンヘンの教訓」と同じで、失敗した方の印象が強烈に残りがちであり、「ディフェンダー増やして逃げ切りましたとさ」といった当たり前の展開は、あまり記憶に残らないものなのではないか。

 杉山氏は、静岡出身だけあって、清水のことは結構気にかけてくれているのだと思う。しかし、この人の場合はとにかく、「サイドの攻防で勝敗が決まる」とか、物事を断定的に決め付ける悪い癖がある。

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362

 お馴染みの、ヨンソン・篠田別勝敗表をお届けする。

 それにしても、アレだな。川崎戦、守備の集中力を取り戻して、貴重な勝ち点1をゲットしたという感覚だったが、良く考えてみれば、今回もしっかり、2失点している。普通、サッカーで2失点したら、守備は落第だ。前の試合が8失点しているだけに、2失点だと守備がものすごく頑張ったような錯覚を覚えてしまう。いわば、「失点感覚」が麻痺してきた。

 上の表に見るとおり、篠田体制になってから、1試合平均の失点は、ちょうど2点。ヨンソン時代の2.4点よりマシになったとはいえ、異常な数字であることに変わりはない。仮に札幌戦を除外して考えても、篠田政権下の1試合平均の失点は1.5で、まったく褒められたものではない。

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 アウェー川崎戦は、2:2ドロー。所長の戦前のプレビューというのはほとんど当たらないものだが、今回は割と良い線行ってたのではないか(笑)。つまり、敵に先制点を奪われても、支配されても、そこで変にバランスを崩して、かえって傷口を広げるのではなく、ブロック守備とカウンターを主体とする自分たちのゲームプランを貫いて、勝ち点1を掴み取った。いかに川崎が現時点で不調といっても、我が軍にとっては大の苦手の相手だし、ディフェンディングチャンピオンであることに間違いはない。その相手に、先制点を奪われながら、引き分けに持ち込んだというのは、大きな価値があると言っていいと思う。そりゃ、勝ち越した時には、所長も色めき立ったし、もしあのまま逃げ切れれば万々歳だったが、世の中そう甘くはないだろう。

 前節の大敗の反省を活かし、弱者であることを自覚して、その上で、今できることはすべてやり切った。その意味での、充実感、清々しさ(きよきよしさ by本田圭佑)はある。まあ、しかし、これはあくまでも、J1の末席にしがみついているだけのサッカーで、これ以上の発展性はない。今季は序盤で躓いて、大借金を背負っての戦いだから、内容云々の贅沢は言えない。今季、上手く残留に成功したら、オフを利用して、もうちょっと胸を張れるようなサッカーへの転身を図ってほしいものである。

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 見たくもない札幌戦のDAZNダイジェストを観てみたが、凄い代物だった。普通、DAZNのダイジェストは、両チームの得点やチャンスシーンをなるべく平等に取り上げている。しかし、今回の清水VS札幌戦のダイジェストでは、清水の攻撃シーンは、最初のドウグラスのビッグチャンスだけ。あとはすべて、札幌の得点シーンだった。うちにも、ドゥトラのヘッドなど、シュートがなかったわけでもないのだが、何しろ得点シーンはすべて取り上げざるをえず、そうすると、その他のシーンは全部ボツということになってしまったのだろう。それにしても、とんでもない試合を演じてしまったものだ。

 さて、今季開幕に当たって、当S研では、2019シーズンに清水がリーグ優勝という身分不相応な目標を掲げさせてもらった。清水の下位低迷が明らかになった今となっては、無謀な目標を掲げたものだと、猛省している。しかし、今考えてみても、今季は清水が優勝するためには大チャンスの年だったと言っていいと思う。

 何しろ、別次元の強さと思われた川崎が、一向に伸びてこない。鹿島は出遅れ、浦和やガンバは低迷。名古屋や神戸はコスパ悪すぎ。そして、現在首位を走っている東京にしたって、確かに安定した良い戦いはしているが、「到底かなわない」と思わせるような絶対的な強さはない。清水さえしっかりしていれば、優勝争いに加われたのではないか。そう思えてならないのである。

 そんなわけで、本日の対戦相手の川崎なのだが、最近は怪我人も出て、まったく調子は上がっていない。今季の川崎は引き分け病に苦しんでいるらしく、前節も仙台に乗り込んで2:2ドロー。もっとも、川崎はレギュラーセンターバック2人が出場停止で、2失点も明らかにその影響があったはずなので、本来の守備力が弱いというわけではない。

 ただ、いくら調子が悪くても、我々は川崎に抜きがたい苦手意識がある。あのチームの攻撃をどうやって抑え、どうやって点をとり、どうやって勝ち点を奪えばいいのか、まったく想像がつかないというのが、所長の本音である。

 とにかく避けなければならないのは、前節の大量失点の再現である。もちろん、相手に先制点を奪われることもあるだろう。しかし、札幌戦のように、そこで捨て身で攻めに出たりすると、前節の愚行の繰り返しとなり、敵に着々と追加点を奪われ、追い付く確率がますますゼロに近付いていく。

 サッカーではよく、「前半をスコアレスで折り返したら、プラン通り」などと言ったする。清水が川崎とやる時は、前半スコアレスなら望外であり、仮に1失点でも、もっと言えば2失点くらいしても、プラン通りと受け止めていいのではないか。そこで変に戦い方を変えたりせず、それ以上の失点を防いで、粘り強く反撃の機会を伺った方がいいのではないか。負け犬じみて恐縮だが、そんな気がする。

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77

 オーストリア・リーグも開幕してすでに4試合を消化したはずだが、「北川が活躍した」という話は、一向に聞こえてこない。ラピッド・ウィーンのHPを見てみたが、ドイツ語だけのページであり、試合情報も詳しくなく、本人がベンチ入りしているのかも、良く分からない。

 それで、選手のページを見てみると、上の画像のように、航也の身長が178cm、体重が79kgとなっている。清水時代のプロフィールでは、180cm、74kgになってなかっただろうか。まあ、確かに、航也が大柄という印象はなく、むしろ清水時代に身長を盛っていて、オーストリアに行ったら正確なデータが記入されてしまったのかもしれない。

 つい先日、「今生の別れ」みたいな雰囲気で、ウィーンに旅立った航也だったが、今のままでは、そう遠くない将来に我々との再会の日が訪れるかもしれない。本人は、それは気まずいし、不本意だろう。だったら、その場所で頑張るしかないわな。

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 テセが右ハムストリングス肉離れ、全治までは4週間を要する見込み、か。

 8月12日のトレーニング中に負傷ということは、天皇杯・福岡戦の2日前ということか。ただ、その前のリーグ戦の松本戦でも、ベンチ入りはしていなかったわけだし、篠田監督の下では、フォワードとしての序列がだいぶ下がっていた。ドゥトラも加入した今となっては、テセが離脱しても、戦力の低下は、最小限なのかもしれない。

 本人によれば、若い頃は筋肉系の怪我なんか、一切なかったらしく、本人も体が丈夫なことは自負していただろう。小麦のグルテンが体に悪いとされながら、どこ吹く風といった雰囲気で、パスタ屋を推したりもしていた。しかし、2017年以降は、毎年、筋肉系の怪我で、離脱する傾向が目立っている。これも、加齢によるものなのだろうか。

 我々にとって、テセはJ1に戻してくれた恩人である。なるべく長く、元気で活躍する姿を、清水で見ていたい選手だ。今なおチームの精神的支柱でもあるし、ベンチにいるだけでも相手は嫌だと思う。1ヵ月なら、まだ今期中の復帰は、間に合うだろう。

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 札幌戦後に、竹内は、「システムがハマらないということは試合をやる前から分かっていて、少ない時間の中で準備をしたが、まだ足りなかったところがあった」と、ちょっと不思議なコメントをしている。西澤も、「自分たちのシステムと(相手のシステムが)上手くハマらないまま、それが最後まで続いてしまった。割り切ってやり方を揃えることが必要だったし、それを試合中に話せなかった自分たちの責任」と、同様のことを話している。

 これは、あくまでも、惨敗という結果が出たことを受けた、後知恵である。なおかつ、素人の浅知恵ではあるのだが、システム的な不整合があり、あんなにコテンパンにやられるなら、どうせなら、清水も3バックにして、ミラーゲームを仕掛け、相手を混乱させるくらいのことをしても、よかったかもしれない。システムだけの問題ではないにせよ、完全に相手の注文にはまり、なすすべなく敗れてしまい、「何か打てる手はなかったのか」という後悔の念が募る。

 それで思い出したのだが、皆さんすっかりお忘れかもしれないが、今季の清水は、開幕から2試合は3バックで戦ったんだよね。しかし、それで結果が出ず、特に第2節でガンバに惨敗したことから、4バックに戻した。しかし、4バックに戻した第3節のアウェー札幌戦では、完全に先方とのシステム的なミスマッチが生じて大量失点を喫し、「この札幌戦こそ3バックで戦うべきではなかったのか」といった批判を浴びたものだった。

 対戦相手を徹底的にスカウティングし、敵の弱点を突いて勝つことを身上とする篠田監督だが、システムの引き出しとかはそんなにたくさん持っているわけではなく、時々、「あれ? 何の策もなく負けちゃった」と思うことがある。今回は、ミッドウィークに長距離遠征があったという事情はあったにせよ、あまりに無策だったなという悔恨は禁じ得ない。

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 振り返りたくもない札幌戦の振り返りを続けるが、実を言うと、札幌の選手たちがウォーミングアップに出てきた時点で、所長はちょっとビビっていたのだった。

 「ん? デカいな、こいつら。」

 清水の選手たちに比べると、札幌の選手たちは、身長も筋肉量も、一回り大きい印象を受けたのである。実際、試合が始まってみると、この日の今村主審が接触プレーに寛容だったこともあって(所長はその方向性は支持する)、清水側が札幌に当たり負けするシーンが目立った。そもそも、あれだけ先方に好き放題にカウンターを許した原因は、ジェイと武蔵にあまりにも簡単にポストプレーをさせてしまったことにあったわけだし。

 清水も、昨年の一時期は、イレブンのうち8人くらいが180cm超えというような時期もあった。しかし、最近また、小兵に偏重してきた印象がある。「清水らしさ」という時、我々は小柄なテクニシャン・タイプを揃えることをイメージしがちだが、今回の札幌戦でも明らかになったように、フィジカルで負けていたら、そもそもテクを発揮する余地もないのである。札幌のように、大柄な選手の中に小兵チャナティップが1人いて動き回るというのは有効だが、小兵を並べるのは駄目だ。

 フィジカルで劣っているなら劣っているで、数的優位を保つとか、危ない場面ではファウルで止めるとかしなければならないわけだが、札幌戦ではそれもできなかったからこそ、記録的な大敗に繋がった。この試合では、札幌のイエローが3枚だったのに対し、清水のイエローはゼロ。あれだけ相手に攻められながら、イエローがゼロだったということは、いかに無抵抗なままやられ放題だったかという証左であり、「ボクたちはクリーンでした」などと誇れることではまったくない。

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0818

 札幌戦で8失点惨敗したことにより、今季はもう得失点差の改善は無理であろう。ついに失点は50の大台に乗り、篠田政権になってからの得失点差もマイナス7に転落してしまった。恐らく、このまま失点数および得失点は、リーグワーストに終わる公算が大きい。

 普通、リーグワーストの失点数、得失点差のチームはJ2に降格するものだが、今季の清水の場合はまだそうと決まったわけではない。すべて1点差ながら、すでに8つの勝ち星を挙げている。今後も、得失点差を挽回できるような大勝は想像できないが、篠田監督お得意の、相手の隙をついて辛勝する可能性はありそうなので、勝ち点はそれなりに積み上がると期待することもできるからだ。

 そんなわけで、今季残りのシーズンで、清水が目指すべきものを、箇条書きでまとめてみる。

  • ドウグラスの得点王。
  • 天皇杯の優勝。しかも初戦から決勝戦まで、すべて1:0で勝つ。
  • 最多失点のチームとして最高の順位を目指す。ちなみに過去最高は磐田の11位(年間34試合となった2005年以降)。
  • ワースト得失点差のチームとして、初のJ1残留を達成する。年間34試合となった2005年以降、ワースト得失点差チームはほぼ常に最下位で、良くても17位であり、つまりはワースト得失点のチームが残留したことはJ1の現行レギュレーションでは過去一度もない。
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 ホーム札幌戦は、0:8と大敗。Jリーグ記録は知らないが、チームとしては最多失点だったようである。しかも、今季はアウェーの札幌でも2:5と大敗しているわけだから、一つのチームに実に13点も奪われたことになる。松原は、前回対戦の悔しさを口にし、「今度は我々が5点とるくらいの勝利を」と語っていたが、現実にはホームでアウェーよりも無残な敗戦となった。

 試合全体として見れば、あらゆる面で先方が上だったと言わざるを得ず、その差が点差にそのまま表れた。皆さん、今節の『WONDERプレイヤー賞』の投票には、お困りになるのではないか。なにしろ清水側で良かった選手は、一人もいなかったので。

 ただ、個人的には、今回の試合を、大まかに、前半と、後半に、分けて考えるべきだと思う。前半は、普通に、両チームの力の差、特にサイド攻撃の質の差が出ただけだった。2点リードされて、当然、清水としては攻めに出る。結果として、後半さらに敵にダメ押し点を奪われ、0:3くらい、あるいは必死の反撃が実りなんとか1点返して1:2とか1:3で終わるというのが、普通のサッカーだろう。だから、前半だけなら、普通の敗戦だった。

 ところが、この試合は、普通ではなく、異常な敗戦となってしまった。その原因は、今季の清水が、敵にリードを許して相手に余裕を与えると、ほとんどチャンスを作り出せなくなり、逆にカウンターから失点を重ねがちであることだ。負けている状態で、清水が遮二無二攻めに出ると、反撃の得点を奪うよりも、ダメ押しの失点をくらう確率の方が大きいのである。それは、遅効のクオリティが絶望的に低いこともあるし、攻めている時のリスク管理や戻りながらのディフェンスが下手という点もある。今季、清水が、「負ける時はほとんどが大敗」という現象を続けているのは、偶然ではないのだ。清水のそうした欠陥(ちなみにこれは新旧監督を通じて同じ)と、札幌の速攻の練度の高さ及び最後まで攻め続ける姿勢が相まって、記録的スコアが生まれたわけだ。

 スタジアム全体の雰囲気としては、「せめて1点でも返せ」というものだった。しかし、個人的には、得失点差のことを考えたら、下手に反撃に出ない方が、いいのかもと考えていた。5点目をとられたあたりで、「こりゃあ、逆群馬もあるぞ」と心配していたら、案の定、つごう8失点をくらった。

 最後に一つ。当方はなんとなく、札幌は「J1復帰同期生」というような親近感を多少抱いていたが、今回の先方のイレブン、サポーターの立ち居振る舞いで、そうした意識は完全に消え去った。その滅亡を心から願う存在に変わった。


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 どこの誰とは存じませぬが、こちらに見るとおり、天皇杯の福岡戦をYouTubeに全編アップしてくださった方がいた。ありがたいことだ。

 試合全体として見れば、失点のリスクを減らすことを最優先した戦い方なので、どうしても地味なサッカーになる。ジュビロみたいに、下のカテゴリー相手には6点くらいとって快勝してほしいような気もするが、まあこんなところが今のうちのチームのリアルなのだろう。マリノス相手に1:0 で勝つこともできるが、福岡相手にも1:0でしか勝てないという、そんなチーム状況なのかなという気がする。

 松本戦で見た時も思ったけど、ドゥトラはまだだいぶ重いというか、動きが鈍いというか。事前に好プレー集の動画を見た俊敏な印象とは、だいぶ異なる姿である。ドウグラスほどのキープ力はないので、福岡戦では孤立気味だったこともあり、前線の起点にはあまりなれていなかった。まだまだ調整不足ということなのか、それとも能力的にこんなものなのか?

 「ブラジルでは週2試合が普通」と豪語し、福岡戦出場を直訴したというヘナトだったが、この試合でも存在感は際立った。普段からボール奪取力は高いが、J2相手だとデュエルはほぼ全勝という感じである。本当に中2日でコンディションが戻るのか、心配な面もあるが、今日も活躍を期待したい。

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 天皇杯で福岡に遠征したチームが無事帰ってこられるかと、だいぶ気を揉んだが、試合翌日、15日の昼頃には静岡空港に無事到着したようで、安堵した。これで、土曜日のリーグ戦への影響は、最小限で済むだろう。篠田監督は持ってる人だなと、改めて感じた。

 しかし、帰静しなかった選手が一人いた。高橋大悟が北九州へ育成型期限付き移籍することになり、静岡行きの飛行機に乗り込むことなく、そのままギラヴァンツに合流したようである。

 どうも、大悟の北九州行きは、何日か前から決まっていたようである。なので、福岡に遠征に出かける前に、本人は荷物整理とか発送とか、済ませていたのだろう。

 今回の大悟のギラヴァンツ移籍、所長としてはポジティブに捉えている。清水にいたら、おそらく、今シーズンの公式戦の出番はもうなかっただろう。他方、大悟と同年代の若者の一部は、もう欧州に渡ったりもしている。来年の五輪という夢もあるだろうし、このまま清水のBチームでくすぶっているよりは、出場機会を得やすいチームに移るのはアリだろう。

 高校時代には全国に名を馳せた大悟なので、できればJ2くらいから声がかかると、もっと良かったのだが。それでも、北九州で、お互いを知るコバさんに指導され、しかもJ2昇格というミッションも託されているので、やり甲斐はあるだろう。一回りも二回りも成長して帰ってきてほしいものだ。

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 時々申し上げることだが、自分の応援しているチームが負けるというのは当然嫌なものだけど、試合を観れないというのはもっと嫌なものである。2015年のリーグ終盤、もうJ2降格が決まった後でも、個人的には、最終節まできっちり戦いを見届けたものだった。それだけ、「清水の公式戦を全部観る」というのは、自分にとっては生きることそのものみたいになっている。

 それだけに、今回の天皇杯3回戦・福岡戦のように、観る術がないという状況は、本当に恨めしい。日本国内のサッカーは、もうDAZNに完全集約し、Jクラブの公式戦は安心してすべて観られるようにしてほしいものである。スカパー!では、今回の3回戦、一部の試合を放送していたが、清水は対象外であり、怒り心頭だ。よほど夏休みを利用して現地・福岡に行ってしまおうかとも思ったが、(上述のこととは矛盾するようだが)カップ戦1試合のためだけに、もうそれほど新鮮味のない福岡に行くモチベまでは沸かないし、仮に行っていたら、台風で酷い目に会っていただろう。

 まあ、そんなこんなで、ネットで速報を追うくらいしかできなかった福岡戦。前半の楠神の先制点の後、追加点がなく、やきもきしたが、相手に多少持たれながらも試合を上手くコントロールし、点差以上の安定した勝利だったようである。

 これまでの采配を見ていると、篠田監督は結構カップ戦を大事にする人である。今回の福岡戦は、とにかく台風という要因が一番大きかった。試合が中止になる可能性もあったし、週末のリーグ戦までに余裕を持って帰ってこれない恐れもあった。もしも所長が清水の首脳陣だったら、まず今回の福岡遠征に主力は一切帯同させない(スタメンは言うまでもなく、ベンチにも入れない)。さらに、監督は遠征を回避し、ヘッドコーチくらいに指揮を任せる。何しろ、「土曜日に監督が静岡にいない!」なんてことが万が一にもあってはいけないわけだから、ひたすらリスク回避に努めると思う。

 しかし、実際には篠田監督は慌てず騒がず、ターンオーバーは敷きながらも、普通に福岡に勝つためのメンバーを選んだ。特に、リーグ戦で欠くことのできないヘナトを先発フル出場させたとは、驚愕の一手である。リーグ戦の悪くない流れを、途切れさせないためにも、カップ戦で勝ち残ることを選んだ。

 現時点では、遠征チームがいつ静岡に帰ってこられるかも分からない。代償を伴った遠征だったが、この勝利がリーグ戦の勢いに繋がることを、祈るばかりである。


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0813

 毎度お馴染みヨンソン・篠田別の勝敗表。実は第22節は、色々重要な節目になった。

 第1に、表を見ていただければ一目瞭然のとおり、ヨンソン監督と篠田監督が、ちょうど同じ11試合ずつを戦ったことになった。11試合で獲得した勝ち点が、ヨンソン8、篠田20であり、監督交代は大成功だったと言うべきだろう。前監督のことをことさらに悪く言うつもりはないし、ドウグラスの復調が大きかったことは確かだが、両監督の明暗は完全に分かれている。

 第2に、清水は今季すでに8勝を挙げ、勝ち数で2017年のそれに並んだことが注目される。なお、2017年は8勝・10分・16敗の勝ち点34であり、どちらかというと引き分けで勝ち点を稼いだ年だった。

 第3に、清水は降格した2015年に勝ち点わずか25に終わったが、今季はすでに勝ち点28に達しており、悪夢の2015年はすでに上回ったことを指摘できる。

 第2、第3の点は、あまりにも低い目線だが、一応、現在地を確認したまで。

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 湘南ベルマーレの曹貴裁監督がパワハラ問題で退任濃厚という報道には驚いた。一般的には湘南は名将に率いられた好チームという印象を持たれているし、当S研でも湘南イムズを称賛するエントリーを書いたこともある。

 しかし、聞くところによると、チョウ監督のパワハラというのは湘南関係者にとっては有名な話らしく、「むしろ、最近はわりと穏便になってきたのに、なぜ今になって表面化したのか?」なんて指摘する声もある。

 まあ、チョウ監督みたいな熱血指導と、パワハラは、紙一重みたいなところがある。むろん、暴力を振るったりしたら論外だが、怠慢プレーを厳しく叱責するとか、やる気のないスタッフに思いっ切り駄目出しするとか、そういうのはグレーゾーンだ。報道によれば、湘南の選手やスタッフの一部は、かなり精神的に追い込まれ、退団・退社を余儀なくされた人もいたみたいだったから、チョウ監督が超えてはいけない一線を超えてしまったことは間違いないのだろう。

 2012年就任のチョウ監督は(当時は左伴繁雄氏が湘南の専務理事だったわけだが)、たぶんJで一番在任歴が長い監督だろう。まだまだ長期政権が続くような雰囲気だったが、こんな形で終止符が打たれるとは思わなかった。

 しかし、J各クラブのサポたちなら、「多少のパワハラは大目に見るから、チョウ監督にうちのチームを強くしてほしい」と思う人が多いだろうね。それは、かつて戸塚ヨットスクールが、過酷なスパルタ教育であることは百も承知で、親たちが自分の子供を同スクールに入れたがった構図と似ている。

 所長だって、ここ数年の清水の球際の弱さ、闘争心の低さ、走力の欠如などを見せられた時には、「チョウ監督のような人にしごいてほしい」と思ったものだった。選手諸君は、スパルタ監督が嫌だったら、自分で努力してほしいものである。

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 松本戦の振り返りを続けると、攻撃力の低い松本とはいえ、キックオフ直後にコーナーキックを奪われ、コーナーが延々と続いたのにはマイッた。松本のコーナーは前半5本だったそうだが、そのほとんどが開始数分の出来事だったのではないか。

 たぶん、反町氏率いる松本というチームは、流れの中で崩す練習とかよりも、「コーナーキックをとる練習」の方を沢山やっているのではないだろうか? 冗談半分だが、半ば本気で、そのように疑ってしまう。

 この試合、セットプレーも流れも含め、清水ゴール前を脅かされるシーンは数多くあったが、本当に危険だった場面は、少なかった。現に、スタッツを見ると、松本のシュートは前後半1本づつで、わずか2本に終わっている。まあ、そこが松本が苦しんでいる部分なのだろう。


 清水のシュートも前半3本、後半4本で、決して褒められたものではなかった。しかし、清水には、「無から有を生む男」、ドウグラスがいるのである。皆で頑張って掴み取った松本戦の初勝利だったとはいえ、勝敗を分けたのが、決定力のあるフォワードがいるか、いないかだったことは、否定できない。試合の最後の方で、西部の苦し紛れのクリアを、ドウグラスが決定機に変えてしまったのも、凄かった。

 今季は得点王争いが大混戦となっており、ドウグラスにもチャンスはあると思う。開幕後、数試合欠場したのに、復帰後の得点ペースはかなり速い。本人は常に、自分の得点よりもチームの勝利をと語っているが、であるならば、チームとしてはそのお礼に、ドウグラスに得点王をとらせてあげたいものである。何度も言うように、清水から得点王が生まれたことはこれまでなく、実は得点ランキングでベスト3に入った選手もいないのである。

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