エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

2019年06月

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 天気予報では、「九州地方は災害級の大雨」なんてことも伝えられているけど、今夜の鳥栖VS清水戦は予定どおり開催されるのだろうか? 清水のサッカーは、それなりに上向いては来ているので、ちゃんとした条件の中で普通の試合が観たかった。

 ただ、しかし、篠田監督であれば、対戦相手を見極めるだけじゃなく、大雨の中の試合ということも想定して準備してきたんじゃないだろうか。駅前スタジアムの水はけとか、事前にちゃんとチェックして。横浜のポステコグルー監督だったら、「どんな天気でも自分たちのサッカーをやるだけです」とか言いそうだが(笑)、現実主義者の篠田監督は違うはずだ。

 松本の反町監督は、担当主審の傾向と対策まで調べて、試合に臨むそうだからな。気象条件とか審判とか、そういうのも全部ひっくるめてサッカーだから、そのすべてを味方に付けないと。

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 さあ、位置付けやら相性やら天候やら、色んなものが微妙な鳥栖戦が目前に迫ってきた。

 まず、大前提として認識しておかなければならないのは、清水が前監督と現監督で様変わりしたのと同じように、鳥栖も監督交代でまったく違うチームになったということである。現在の順位こそ最下位だが、新しい金監督の戦績だけ見れば、リーグの中で中位くらいの力は発揮している。また、今の鳥栖のチームコンセプトは清水のそれと結構似ているように思え、全員で粘り強く守った上で、相手の弱点や一瞬の隙を突いて攻撃をしかけるといったやり方だと思う。違うのは、先方にはうちのドウグラスのような絶対的な点取り屋がいないという点か。

 我々として読みにくいのが、トーレスが起用されるのか?という点。引退を表明してから初めてのホームゲームであり、ファンの期待が高いのと、一時期負っていた故障から回復しつつあるということなので、先発起用か?といった見方も一部にある。はっきり言って、我々としては先発で出てきてくれた方がありがたいが、金監督は真面目な人なので、いくらトーレスがスーパースターでも、残留がかかった大事な試合を、彼の想い出作りのために使うということはなさそうな気がする。せいぜい、上手く2点くらいリードしたら、最後の方に顔見世程度で出してみようか、というくらいではないか。

 鳥栖は怪我人が多く、フィジカルお化けのイバルボは前節出場したけどキレ無し、ファンタジスタのクエンカは今節はまだ出場が難しいのではなかろうか。しばらく前に見たクエンカのプレーはさすがのクオリティだったので、彼のいる・いないは非常に大きな要因だと思う。

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 最新のエスパルス・ニュースの中で、滝が以下のように述べていたのは、さもありなんという話で、面白かった。

 篠田監督は本当に凄い。試合は、監督が試合前に話していた通りになる。相手のすべてを知り尽している。

 それにしても、今季序盤でつまずいて、五里霧中だった我が軍にとっては、救世主が身近にいたわけであり、実に有難い話だ。

 ただし、篠田エスパルスはここまでは望外な勝ち点を積み上げているものの、これからも何もかもが上手く行くなんてことはありえない。特に、次の対戦相手の鳥栖は、ある意味で非常に難しい相手だろう。

 相手を研究し尽くして、ゲームプランを練り、敵の隙を突いて勝機を見出そうとする篠田エスパルス。そういう特質からすると、相手が攻撃的で、特徴的なクセのあるチームの方が、我が軍にとっては戦いやすいとも言える。相手の力を利用して倒す合気道のようなサッカーなので、実は横浜、名古屋といったイケイケの攻撃的チーム相手にはやりやすい面があったのだと思う。逆に、松本みたいな攻撃の圧の低い相手には、だいぶ苦戦した。

 清水は伝統的に、最下位で苦しんでいるチームとかに、救いの手を差し伸べてしまう傾向がある。まあ、そういうジンクス的な話を別にしても、金監督の鳥栖というのはオーソドックスで慎重な戦い方をしてくるチームであり、合気道的な観点から言うと、やりにくさがあるように思うのである。かといって清水の側から主導権を握って攻め倒す力があるとは思えないし。

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 所長は先日、大失敗をした。清水がルヴァン敗退して、もう用はないのにもかかわらず、スカパー!を解約するのを忘れていたのである。高いサッカーセットの料金を、1ヵ月分余計に支払う羽目になった。

 何も観ないのももったいないから、「平畠会議」という番組を観てみた。J1各節をまとめて振り返る番組なのだが、権利の関係で試合の映像が使えないので、単なるトークショーの様相である。ただ、第16節の振り返りでは、名古屋・清水戦がピックアップゲームとして詳しく取り上げられたので、その部分は興味深く話を聞いた。以下、土屋征夫、安永聡太郎、佐藤悠介という有識者3名が清水について指摘していたことを、整理しておく。

  • (土屋氏の指摘として)この試合を分けたポイントは、エウシーニョの独特の「テンポ」だったのではないか。ディフェンダーは、ああいう風に独特のテンポで、しかも変則的なコースでドリブルをされると、ついそれに見入ってしまい、ディフェンスラインが乱れたり、侵入してきた選手に気付かなかったりするものである。
  • (誰の発言だったか忘れた)エウシーニョはチームの中で浮いていたが、篠田監督に代わって、周りも使い方が分かってきた感じがする。普通の選手があんな風にドリブルをすると、周りは「早く離せ」と言ったり、サポートに行ってしまったりするが、最近の清水はあえてエウシーニョにサポートに行かずに1人でドリブルをさせて、それによって別の場所で味方がフリーになったりしている。
  • (佐藤氏の指摘として)名古屋戦ではヘナト、竹内のダブルボランチが光った。監督交代当初は最終ラインとボランチの間が空きすぎてそこを使われたりしたが、名古屋戦では最終ラインとボランチの適度な距離感が保たれ、たまに縦パスを通されても、相手はそこからほとんどコンビネーションを使えなかった。横ずれもちゃんとできていた。
  • (安永氏の指摘、どうも久保山氏からのリークっぽかった)ヘナトはシーズン当初は、練習で、自分ができないことまでやってアピールし過ぎてしまうところがあった。確かにボールを奪うのは上手いのだが、そこから無理して自分で運んだりして、そこで奪われてピンチを招くといったことが多かった。当時は「これでは使えない」というのが首脳陣の評価だった。しかし、ボランチに怪我人に出たりして、ヘナトを試合で使ったところ、練習とは打って変わって、自分のできることしかしない。練習とは態度を変え、試合でそういう割り切りができるのは、ブラジル人ならではである。
  • (安永氏の指摘として)あれだけ名古屋戦で守備を頑張ったのに、最後に1失点してしまったのは課題が残った。あの場面は、松原がジョーにファウル気味に倒され、起き上がって前田の対応に行ったのだが、縦を切ることを優先し、前田の得意な左足を封じることをしなかったのが問題。せっかく90分耐えてきても、交代出場選手の持ち味、武器をちゃんと頭にいれて対応しなければ、台無しになってしまう。今回はたまたまそのあと決勝点が入ったから良かったものの、今後のことを考えれば、ちゃんと1:0で終わらせるようにならなければ駄目である。

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 珍しく日経にエスパルスの話が出ていた。こちらにある「エスパルス、デジタル技術で挑む経営革新」という記事である。

 まあ、話自体は我々サポには周知の事柄であり、清水が日本IBMと提携しデジタル技術を活用して顧客満足を高めようと試みているということが紹介されている。ただ、これを読んでいて、やはりどうもクラブの方向性に?マークが付くなということを、改めて感じさせられた。

 念のためにお断りしておけば、所長は、現清水経営陣の経営努力は素晴らしいと思っているし、それについては敬意を表したい。引っかかるのは、その中身があさっての方向を向いていないですか?という点だ。今回の日経の記事の中には、次のようなくだりが見られる。

 飲食店のキャッシュレス化を進め、アプリで注文しておけば、ハーフタイムに長い列に並ばずに飲み物や食べ物を受け取れるようにする。さらに、ハーフタイムのトイレの待ち時間や、試合後にJR静岡駅や清水駅に向かうバスの行列の待ち時間がわかる仕組みの導入も検討する。Jリーグでは試合の入場料はすべてホームチームの収入になる。2万人を収容できるIAIスタジアムの利便性を高め、現在1万5000人前後にとどまる平均入場者数を増やす。スマホアプリを導入した人にIDを発行したうえで、顧客のデータを収集する。個々の顧客の購買動向や嗜好を分析して、新たな売れ筋商品の開発につなげる。開催試合の同じ対戦カードの過去のチケットの売れ行きや天気予報によって販売価格を変える「ダイナミック・プライシング」を試験的に実施し、導入を検討中だ。空席を減らし、入場料収入を最大化する狙いがある。

 なんだか、これを読んでいると、清水の新スタジアムなんか今後10年、20年とずっとできないから、せめて今の日本平の利便性の低さを、デジタル使って多少目先をごまかしましょうという程度の発想にしか思えない。

 たとえば、シャトルバスの問題。勝利の喜びを半減させ、敗戦のイライラを倍加する行列地獄。素朴な疑問として、行列の長さがスマホアプリで可視化されたからと言って、少しでもイライラが改善するのか? 記事を読んでいると、一事が万事、「そんな問題じゃない!」と叫びたくなるような、そんな的外れ感を感じずにはいられないのである。

 繰り返すが、創意工夫は評価したい。しかし、清水のデジタル革命が、新スタを作れないことの目先をごまかすものにすぎないなら、そんなものは遠慮申し上げたい。

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 いつもS研ブログをご覧いただいて、ありがとうございます。お知らせですが、当S研ではこのほど、独自ドメインを取得しました。新ドメインは、

http://www.skenvictory.com

 独自ドメインをとったということは、これまで以上に力を入れていきたいという決意の表れ(?)ですので、今後ともどうぞよろしくお願いします。一応、旧ドメインから新ドメインに転送される設定にはなっていますが、そのうち転送設定も消えてしまうかもしれないので、ブックマーク、スマホ・ホーム画面設定などいただいている方は、今のうちに新ドメインに設定し直していただけると幸いです。

shino

 さて、毎回恒例の監督別勝敗表(ちょっと書式を変えた)。それにしても、篠田監督に代わってからのV字回復振りには、目を見張るものがある。ただ、ヨンソン・篠田時代を通じ、今季の清水のリーグ戦の5勝は、すべて1点差勝利なので、なかなか得失点のマイナスが減らない(涙)。このペースじゃ、例の2失点、3失点、4失点の「ホップステップジャンプ3連敗」で膨らんだマイナスを黒字転換することは、夢のまた夢か。

 ただ、現在のJ1の順位表を見ると、清水の34失点はリーグ最悪であるものの、得失点差のマイナス12は鳥栖のマイナス15に次ぐワースト2位になっている。清水は鳥栖の3倍近く得点をとっているので、それでかろうじて収支では上回っている形だ。

 まあ、いずれにしたって、今の清水の失点ペースは年間70失点くらいになっている。最終的には、得失点はもちろん、失点数も、何とかワーストを免れたいものである。ちなみに、過去10年のJ1で失点が最も多かったチームの結果を整理すると、以下のようになる。ご覧のとおり、最多失点のチームがビリになることが圧倒的に多いのだ。

2018年の最多失点:59 長崎18位、名古屋15位
2017年の最多失点:60 大宮18位、新潟17位
2016年の最多失点:66 福岡18位
2015年の最多失点:65 清水17位
2014年の最多失点:74 徳島18位
2013年の最多失点:67 大分18位
2012年の最多失点:88 札幌18位
2011年の最多失点:75 福岡17位
2010年の最多失点:82 湘南18位
2009年の最多失点:60 磐田11位

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 ちなみに、名古屋戦で所長のお気に入りのシーンの一つは、試合開始早々にシャビエルに突破されそうになった時に、二見がファウルで引きずり倒したシーンだった。あれは良いファウルだった(笑)。あそこで先制点を奪われていたら、いきなりゲームプランが崩れていただろう。

 なぜシャビエルに裏を突かれたかというと、ディフェンスラインが揃っていなかったからである。実は同じ問題は前節の横浜戦でも露呈していた。上の写真は、仲川に得点を決められる直前の様子を捉えたものだが、センターバック2人に対して、むしろサイドバック2人が1メートルくらい後ろに下がっていて、そのギャップを突かれたことがお分かりいただけるだろう。普通は4人フラットか、凹凸があるにしてもサイドバックが前目なのが当たり前だが、今の清水はその部分の統率がとれていないのである。名古屋戦のDAZN中継では、口下手の解説者(!)がその点を再三指摘していた。

 しかし、二見がくだんのプレーでイエローを食らったことが良い薬になったのか、名古屋戦では時間が経つに連れ、清水の守備のリズムがはまっていった。名古屋の風間監督は、今日は良い部分がまったく出せなかったとおかんむりだったが、清水が出させなかったという面もあったはずである。

 篠田監督になって、リーグ戦のクリーンシートはまだ一度もない。しかし、攻撃力のある名古屋に対し、90分+αまで持ち堪えたのだから、限りなく完封勝利に近付いていたと言ってもいいのではないか。上述の凸凹の問題のように、まだまだ改善点は数多いが、少しずつでも前進していたら、それでいい。

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 当S研では先日、

 劇的勝利自体は大いに結構だが、いずれも紙一重だったし、こんなドラマチックな勝ち方がそう何度も訪れるものではない。もっと安定した戦い方をしなければ、勝ち点を積み上げられないことは確実である。

 なんて書いたものだった。ところが、前節に続き、今回のアウェー名古屋戦も劇的な勝利。ミラクル篠田エスパルスというイメージが、すっかり確立された感すらある。こちとら、嬉し涙は前節の勝利でもう枯れ果てているのである。そこへ持ってきて、今節もまた同じ若者が劇的な決勝点を奪うとは、一体どういう拷問なんだよと、嬉しい悲鳴を上げたくなる。

 しかし、冷静に考えれば、劇的な勝利にはそれなりの必然性があるものだと思う。当S研では戦前のプレビューで、「相手の分析・対策をする篠田監督と、相手などまったく眼中になくひたすら自分たちを磨き上げようとする風間監督」というコントラストを描いていたが、その差が勝敗を分けたと言っていいのではないか。

 清水の2得点は、いずれも、右サイドへのスルーパスで相手を崩した形だ。おそらく、名古屋があそこが弱いということは事前のスカウティングで掴んでいて、勝負どころでそこを狙う意識付けと練習を積んで試合に臨んだのではないだろうか。でなければ、スルーパスの出し手、受け手、そして中に詰める選手と、あれだけ上手く噛み合うはずはない。篠田監督が試合後のインタビューで「練習してきた形が出た」と発言していたのも、これまでこのチームになかった部分だったので、とても嬉しく感じた。

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 名古屋戦の予習という意味で、リーグ戦前節の大分VS名古屋戦、そしてルヴァンの名古屋VS仙台戦をチェックしてみた。ただ、せっかくルヴァンも観たのに、ターンオーバーで、あまり参考にはならなかったが。

 名古屋は、一時期FWジョーが離脱し、その間に勝ち点が伸び悩んだようである。しかし、ジョーが復帰してチームも復調したのか、大分戦では、90分間ほぼずっと敵陣でハーフコートゲームをやっているような感じだった(それでも隙を突かれて失点し1:1ドロー)。見た感じ、ジョーへの依存度が高く、彼にクロスボールやクサビを入れて味方に落として攻撃を組み立てるのが基本になっているような印象だ。ただ、ジョー自身のキレはまだ戻っておらず、やつが振り向いてそのままシュートといった雰囲気はなかった。密着マークさえ怠らなければ、ジョーの脅威はある程度限定できるかもという気がするが、何しろ清水のDFは敵FWを見失いがちなので、心配である。

 以前からの風間監督のチームの特徴として、クロスを入れるにしても、清水のようにアーリーとかサイドライン際から遠目のクロスを入れるのではなく、ペナ近くまでえぐった上で至近距離のクロスを入れるというのが目立つ。バイタル付近でボールを保持している時に、追い越して走り込んでくる選手がいるので、それを見失わないようにしたい。そういう状況ではDFは中に絞っているから、ボランチやサイドハーフが付いて行くんだろうな。どうしても、名古屋に押し込まれて、シュートを打たれる場面は出てくるだろう。シュートブロックがいつもの試合にも増して重要になってくる気がする。

 名古屋は敵陣に押し込んでいることが多いので、カウンターを受けるとやや脆い面もありそうだ。確かにタレントの揃った怖いチームだが、清水との戦術的な相性は悪くはないかもしれない。風間監督のサッカーというのは、「精度」を極限まで極めるというのが特徴で、横浜のようにシステムとか戦術が特殊というわけではないだろう。対応する清水の側の粘り強さが肝心である。

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 明日の名古屋VS清水戦。試合開始前のDAZNインタビューで、風間監督が何と言うかは、最初から分かり切っている。

 インタビュアー:相手の清水は、監督が代わってから2勝2分と調子を上げています。その清水を相手に、どう戦いますか?

 風間:相手は関係なく、自分たちのサッカーをやるだけです。

 いや、もしかしたら、地元アナウンサーは、風間監督が対戦相手については一切コメントしないことをよく知っているから、最初からその質問はしないかもしれない。そのくらい、風間監督というのは、試合前も、試合後も、対戦相手については何の論評もしない人である。たとえば、負けた試合の後でも、「相手の前からのプレッシャーがきつかったですね?」などと話を振られても、「いや、そんなことよりも、うちの選手がミスをしたことが問題です」と、全部自分たちの話に置き換えてしまうのである。

 所長は前々から疑問に思っているのだが、あの風間という人は、本当に対戦相手のことにはまったく興味がないのだろうか? それとも、実際には最低限のスカウティングや対策はやっているけれど、それを隠した方が得策だから、「相手は関係ない」とうそぶいているだけなのか? いずれにしても、「相手は関係ない」というのは、究極の上から目線という印象を受けてしまい、非常に感じが悪い。100メートル競走だったら、周りは気にせずに自分の走りに集中するというのもアリだろうが、サッカーで「相手が関係ない」というのは、この競技の本質からかけ離れているような気がして、不快である。

 そしたらもう一人、「相手は関係ない」という監督がJに現れた。前節対戦した横浜のポステコグルー監督だ。前節開始前に、この監督が「相手は関係ない」と言い放った時、まるで「清水など眼中にない」と言っているようで、このチームには負けたくないと思ったものだった。そんな戦いが、横浜、名古屋と、2節続くことになる。

 一方、まずどんな対戦相手であるかをしっかりと見極めた上で戦いに備え、なおかつ試合の中でも修正を図るのが、我らが篠田監督である。その現実的で謙虚な姿勢が実を結ぶことを、期待したい。

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 以前書いたとおり、昨年の2018シーズン、清水はPKで6得点を挙げ、これはリーグ最多の数字だった。

 実は、今季もPKで得点を稼いでいる。上の図はこちらから拝借したものだが、一番左の濃い朱色がPKによる得点であり、清水のPK3点は浦和と並んで今のところリーグ最多となっている。

 なぜ、2018年、2019年と、清水はPKに恵まれているのか? それは言うまでもなく、ドウグラスのPKを獲得する技の賜物である。本当に上手いと思う。もはや名人芸の域だ。昨年の鳥栖戦のようにDFとの競り合いで体を入れて相手に倒させるのも上手いし、今年の大分戦、松本戦のようにGKとの駆け引きで接触を誘うのも上手い。

 だが、このところ、ドウグラス絡みで、審判のジャッジがクローズアップされる事態が続いている。松本戦のPK判定は妥当だったのか、横浜戦ではドウグラスに2枚目のイエローが出るべきではなかったかという論争だ。

 おそらく、Jの審判団は今後、ドウグラスを「要注意人物」と見て、彼のプレーについてはより厳しく判定してくるのではないかと思う。そうなった場合でも、勝ち点を獲得できるようなたくましさをチームとして身につけていかなければならない。

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 今季、清水はリーグ戦で4勝しているが、内訳はホームで3勝、アウェーで1勝。ただ、唯一のアウェー勝利はエコパなので、今季のリーグ戦はまだ静岡県内でしか勝っていない(苦笑)。実はルヴァンの2勝も2つとも県内である(両方ジュビロ相手なので)。

 それで、リーグ戦における3つのホーム勝利を思い起こしてみると、いずれも試合終盤に決勝点が入る劇的勝利だった。セレッソ戦の北川の「ありえない角度弾」、仙台戦のドウグラスの「完全復活弾」、そして横浜戦の西澤の「待たせてSorry弾」と続いた。

 劇的勝利自体は大いに結構だが、いずれも紙一重だったし、こんなドラマチックな勝ち方がそう何度も訪れるものではない。もっと安定した戦い方をしなければ、勝ち点を積み上げられないことは確実である。

 金子はDAZNのコメントで「仙台戦がベストゲーム」と述べていたが、試合展開という観点から言えば、むしろアウェー磐田戦の方が理想だろう。ある程度安定した守備から入って、一瞬の隙を突いて先制し、追加点も奪えた。言いたかないが、鹿島っぽい試合運びである。まあ、上手く時間を使ってそのまま2:0で逃げ切れたら、もっと鹿島っぽかったのだが、そこはこれから学んでいくほかない。

 今はどんな勝ち点でもウェルカムとして、いずれは2:0とかで勝つ試合も見せてほしい。そうなれば、篠田エスパルスも本物ではないかと思うのである。

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 それにしても、今季の清水は、つくづく変なチームだと思う。ちなみに、監督が代わっても、その「変」なところは、継続している。

 一般的に、サッカーでは、先制をしたチームが勝つ確率がざっくり7割くらい、引き分ける確率が2割くらい、負ける確率が1割くらいと言われる。ところが、今季リーグ戦の清水は、まったくその常識に当てはまらないのである。

 まず、清水が先制した試合が6試合あったが、その結果は2勝・2分・2敗。これは、ほとんどありえない数字である。

 逆に、清水が敵に先制を許した試合が9試合あったが、その結果は2勝・2分・5敗。さすがに負けが多くなってはいるが、逆転勝利も2度あり、先制点をとられてもまだ期待は持てるという傾向になっている。

 なお、どちらも先制しない試合、すなわちスコアレスドローは、今季はまだ一度もない。はっきり言って、これもかなり珍しいだろう。

 ちなみに、篠田監督に代わってからの4試合で、清水は3度までも敵に先制点を許している。これ自体は、大問題と言っていい。しかし、その3試合の結果が、2勝1分なのである。まったくつかみどころのないチームだと言わざるをえない。

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shino

 前にも申し上げたとおり、前監督と現監督に分けた勝敗表を作成していくことにしたのである。それで気付いたのだが、前任者は11試合をかけてようやく2勝2分の勝ち点8を獲得したのに対し、篠田監督はわずか4試合で2勝2分の勝ち点8を達成し、早くも前任者の勝ち点に並んだことが判明した(笑)。しかし、篠田さんがこれだけ立て直しの手腕に長けているとは、正直予想していなかった。

 こうなると、「目指せ、ヨンソン負債の完済」とか、「最初から篠田さんだったらマジで5位以内行けたんじゃね?」とか色々考えたくなるが、過度に色めき立つことなく、地道に一歩一歩課題を克服していってほしいものである。だいたい、新監督になってからも、1試合平均2失点近くしてるしなあ。

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 ホーム横浜戦、まさかこのタイミングで「金星」が来るとは思わなかった。今朝起きて、「あれは夢ではなかったか?」と、改めてネットで結果を確認したほどだった。

 試合全体を通したサッカーの内容で言えば、事前に予想していた以上に横浜のクオリティが高く、差を見せ付けられたという印象の方が強い。前半など、相手のポジショニングとパスワークの速さ・正確さにまったく対応できなかった。我が軍もそれなりに食い下がってはいたが、再建途上の清水にとっては、あまりにも上級編の対戦相手であり、それがそのまま試合結果に表れるのだろうなと思って観ていた。

 ではなぜ勝てたのか? 少年ジャンプのキャッチフレーズのようになってしまうが、「幸運・継続・修正」といったところがポイントだったのではないか。

 まず、試合序盤から、主審のジャッジが妙に神経質であり、カードを乱発していた。誰がどう考えても、カードという要因が試合を左右するかもしれないという予想は成り立った。ただ、横浜の最大のキープレーヤーであるマルコス・ジュニオールが退場の憂き目に遭うとは、先方としては勝ち越し点を奪った以上に痛かったのではないか。DAZNの中継では、なぜ彼が2枚目をもらったのかが全然分からなかったのだけど、勝ち越し点を奪った歓喜で、ユニとか脱いじゃった? まあ、いずれにしても、この2枚目のイエローは、この試合を左右しただけじゃなく、もしかしたら2019年のJ1優勝争いにも大きな影響を与えるのではないかと思えるほど(マルコス・ジュニオール不在の横浜が次節も苦戦するのではないかと考えると)、重大なものだった。

 そして、継続。ヨンソン体制下の清水は、1点失うとガクっと落ち、そこから2点、3点と失点を重ねていく悪い癖があった。今回の横浜戦も、以前であれば、0:3くらいで負けていたと思う。しかし、今回の横浜戦では(仙台戦や松本戦でもそうだったが)、敵に先制点を奪われても下を向かず、攻守のハードワークを続け、攻撃の基礎コンセプトであるロングボールでの裏狙いを執拗に狙い続けた。

 そして、継続のみならず、修正も図って見せた。後半から4-1-4-1に切り替えることで、ある程度守備がはまるようになった。前任者の時代には、試合が進めば進むほど、どんどん内容が悪くなっていくという悲惨な現象があったが、「幸運」が前提にあったとはいえ、攻撃力のある横浜相手に修正の成果として勝利を収めることができた意味は大きい。

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 トラタヌ、捕らぬ狸の皮算用という言葉があり、我々清水も、下位の相手とやる時にはつい勝ち点を計算してしまうことがある。

 今夜の横浜戦は、それと真逆。どんなおめでたい清水サポでも、今の横浜相手に、勝ち点を計算している人は、一人もいないだろう。それだけに、もし勝ち点がとれたら、スゲー嬉しいだろうなあ(笑)。

 清水サポからは、「水たまりでボールが止まったりする方が、横浜のパスワークを封じられるから、大雨歓迎」なんて自虐的な声も聞こえてくるが、それはどうかな。逆に雨のような難しいコンディションの時こそ、技術の差が出るなんて説もあるし。そういえば、Jの歴史に残る名場面、ピクシーことストイコビッチの長距離リフティングドリブルも、大雨の中だった。

 少なくとも、篠田監督の下での「再建の手応え」だけは、見せてほしいものである。

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 今季開幕前、当S研ではマリノスにつき、「横浜は、チームとして負のスパイラルの途上にあるとしか思えず、降格危機に巻き込まれるのでは」との見通しを示した。ところが、現実には、現在のところ横浜は、8勝3敗3分で堂々3位につけている。ビリサポの分際で、横浜さんに失礼な予測をしてしまったことを、まずは素直にお詫び申し上げたい。

 ただし、ちょっと釈明しておきたい。今季所長は、横浜の試合を1試合しか観ていない。磐田相手に4:0で圧勝した試合だ。だから、わずかその1試合だけの感想なのだけど、ポステコグルー監督の哲学が結実して今の横浜の躍進があるとは、とても思えなかった。むしろ、外国人、とりわけマルコス・ジュニオールが大当たりして、それによってチームが変わっただけではないかというのが、偽らざる印象である。

 ポステコグルー監督は、Jリーグにマンチェスター・シティ流のポジショナルプレー、ハイライン、「偽サイドバック」などを持ち込んだ革新的な戦術の持ち主というイメージが一般的である。しかし、ある人に言わせれば、しょせんそれは「シティの劣化コピー」にすぎず、完成度は相当低いようだ。実際、昨シーズンの横浜の試合を思い出してみても、あのやり方を継続して、上位争いをするなどとは、とても想像できなかった。その意味で、所長は今でも、今シーズン開幕前の横浜についての予想が的外れだったとは思わない。

 昨シーズンと今シーズンの横浜の違いは、外国人の当たり外れだけではないのだろうか。マルコス・ジュニオールという、一人でなんでもやってしまう、清水の歴史で言えばオリバみたいなスーパーな助っ人が加わったことで、横浜というチームの手詰まりが一気に解消されたのだろう。そして、元々、横浜には一定のタレントが揃っていたわけだから、マルコス・ジュニオールの作り出すリズムに突き動かされるように、周りも生き生きとプレーし始めたと、そんなところではないかというのが、所長の見立てである。その意味では、昨シーズン途中に清水にドウグラスが加わって、急に勝てるチームになったのとも、一脈通じる。

 色々書いたが、結果として、横浜が非常に攻撃力溢れる恐ろしい敵になってしまったということに、変わりはない。何とか失点を最小限に抑え、勝ち点を拾いたいものである。

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 日本人インタビュアー:ヨンソンさん、再就職おめでとうございます。

 ヨンソン:Yeah! ヨカッタデス。Actually, I was looking forward to spending the summer vacation in my homeland Sweden, デモ, I am also happy, ウレシイデス, to have this opportunity. ガンバリマス!

 というわけで、ヨンソン前監督がノルウェーリーグのスターベクというクラブを率いることになったらしいので、それに関するインタビューを妄想してフェイクでお届けした(笑)。

 ヨンソン氏は以前、このノルウェーのチームを長く率いたらしいので、ノルウェーでは、ノルウェー語交じりの英語で選手とコミュニケーションしているのだろうか。それとも、たとえばノルウェー語とスウェーデン語が似ていたりして、お互いに母語で通じるのか。分からんな、そのあたりは。

 まあ、解雇した外国人監督の浪人生活が長くなると、また訴えられたりしかねないから、よかったんじゃないかな、その意味でも。新天地の活躍を祈りたい。

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 昨日のユース決勝の写真の続き。3年前、まだ高3だった頃の立田悠悟。まあ、身長はもう今とあまり変わりはなかったが。

 それにしても、ピンチの清水を留守にしてまで派遣されるコパ、出場機会があればいいが、おそらく選出メンバーの中で、DFとしての序列は最下位だろう。どういう状況になったら、立田にA代表デビューの機会が巡ってくるのか、ちょっと想像ができない。森保監督が、「東京五輪で頑張ってもらわないといけないから、1試合くらいやらせてみるか」という感じの起用をしてくれれば可能性が出てくるかもしれないが、普通に勝ちに行く場合には、立田の出場は厳しいか?

 何しろ、ザル守備の清水ですら、最近は控えに回ってるくらいだから。二見よりも下のCBという位置付けだから。いや、期待値は、大きいんだけどさ。

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 所長は、普段はユースの試合とか見るガラではないが、2016年8月に行われたクラブユース選手権の決勝はわりとうちの近所でやったので、見に行った。結果は、残念ながら清水ユースがFC東京U18に0:2と敗れたのだった。

 当時から、東京の久保はかなり注目されていた。この時点では、久保は中3だったにもかかわらず、飛び級でユースの大会に出場し、何と得点王。ちなみに清水の滝などとの同時受賞だった(上の写真はその表彰の様子)。所長が観た決勝戦では、久保は後半の最後に途中出場しただけだったので、これといった見せ場はなかったが、物おじしないで堂々とプレーしていることだけは分かった。

 育成年代で脚光を浴びても、その後、伸び悩む選手というのもいる。残念ながら、清水ではそのパターンが多い。しかし、東京の久保はその後も成長し、昨日はついにA代表デビューを飾った。1~2年後には世界のサッカーファンの誰もが知るスーパースターになっているかもしれない。「こんなことなら、3年前のあの時、サインをもらっておけば、価値が出たかな? 滝のサインなら、いつでももらえるしな」なんて、つい思ってしまう。

 タイトルに、「なぜ清水ユースの選手は伸び悩むのか?」と掲げたが、むろんそんなことは所長には分からず、こっちが聞きたいくらいだ。でも、昨日の代表戦で、久保が見せた視野、常に首を振って周りの状況を確認する習慣、2つ・3つ先くらいまでイメージしたプレー、ブレない体幹、ああいうのを見せられると、「元々モノが違うのか? いや、見習える部分もあるはずだが」などと、色々考えさせられる。

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