エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

2019年05月

 今季、大苦戦している一因に、期待の高かった助っ人CBが、戦力になっていない点がある。まあ、誰でも知っているので、名前を出してしまうが、皆さん大好き、ヴァン君のことである。

 それで、ヴァンについては、大榎GMが実戦をチェックせず、動画だけで見て決めたという発言がクローズアップされ、サポの間で物議を醸している。「そんないい加減な決め方してるのかよ!」と呆れた向きもあったことだろう。正直言えば、所長も、おいおい大丈夫かよと思った。

 ただ、今般、若干認識を新たにする報道に出会った。朝日新聞の「Jリーグのスカウト激変 格安の外国選手、ネットで発見」という記事である。なんでも、2004年にイタリアで開発されたオンライン動画サービス「ワイスカウト(Wyscout)」というのがあって、日本では先駆的に清水が取り入れたらしいのだ。ちょっとその部分を部分的に引用させていただく。

 ワイスカウトは欧州では常識となっていたサービスで、各国のリーグやカップ戦に加え、各年代別の代表戦も閲覧できる。選手の輸出大国ブラジルであれば、4部リーグまで見られる。試合数は20万あり、毎週1500試合が追加される。

 日本ではなじみが薄かったが、14年秋に日本語版が完成し、日本協会がアジア・チャンピオンズリーグの他国クラブ分析で使ったことで認知度が上がった。この2年で急に普及したといい、現在、35のJクラブが契約する。

 J1は今季、試合ごとの外国籍選手出場枠が3人から5人になり、助っ人探しの重要性が高まっている。これまでは代理人からの売り込みが主流で、編集された好プレー集を判断材料としてきた。清水の大榎克己GMは強化担当に就任した昨季、すぐにワイスカウトを導入した。「失敗した場面も見られるのは大きい。それで獲得するのをやめた選手もいる」。今季、担当スカウトを4人に倍増した鹿島の鈴木満強化部長は「時間があれば、ワイスカウトを見るように、と伝えた」。環境が似ているアジアで活躍するブラジル選手を中心にマークしている。

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 現在のJ1、J2の所属クラブの一覧を眺めてみると、所長の認識している限りでは、公式戦で対戦したことがないチームが3つあり、琉球、栃木、鹿児島がそうだと思う。

 一方、公式戦で対戦したことはあるけれど、一度も勝ったことのないチームが2つある。一つは、愛媛FC。2016年に共にJ2を過ごしながら、ホーム&アウェーとも引き分けだった。まあ、これはあまりにサンプル数が少なく、負けたこともないので、それほどの苦手意識もない。

 問題は、もう一つのチーム、松本だ。2015年にはJ1で2敗、2016年にはJ2で1敗1分、そして2019年にはルヴァンで1敗1分である。サッカーのチームなんてのは2~3年も経てばすっかり別物になったりもするが、松本の敵将は一貫して反町氏である。つまり、清水は明確に反町松本を苦手としており、必然性があって4敗2分という結果が出ていると理解すべきだろう。

 しかも、記憶を辿っていくと、松本に敗れたことが、我が軍の大きなターニングポイントになったことが想起される。2015年にはJ2降格への序章となったし、2016年には一時はJ1自動昇格を諦めかけるような手痛い敗戦だったし、今季のルヴァンでの対戦もチーム崩壊を加速させた。

 こうなると、もうカテゴリーとか、歴史とか、経営規模とかは、まったく関係ない。反町松本は、日本に存在するサッカーチームの中で、清水にとって最も恐ろしい天敵ということである。これまで我々は、新参者の松本をつい上から見てしまう悪い癖があったような気がするが、敵の手ごわさを認め、「奇跡を起こす」くらいの覚悟でなりふり構わず泥臭い戦いを挑まなければ、到底勝ち目のない相手なのである。

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 敵チームが今の清水から点をとるのは割と簡単で、まずFWがソッコの裏に隠れる、サイドからソッコの頭目がけてクロスを上げる、その瞬間にFWがソッコの前に出て頭で合わせる、という形で、一丁上がりである。

 まあ、ソッコの場合には、昨シーズンから今シーズンにかけての属人的な劣化が著しいが、その問題は別にしても、清水の選手の全般的な欠点として、ゾーンを守ること、定位置につくことを重視するあまり、肝心の相手アタッカーを野放しにするという傾向が挙げられる。むろん、ゾーンディフェンスだって、基本ポジションが決まっているだけで、そこを起点に、攻め込んできた相手選手をマークすることこそ肝要だと思うのだが、なぜか清水の選手たちは、所定のスペースを埋めることにばかり気をとられ、相手を見失うことが多いのである。

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 J1第13節は、清水が勝ち点3をとって安堵したのも束の間、他にも下位のチームで勝ち点3を奪うところが続出し、清水は順位を1つ上げるのがやっとだった。

 清水としては、次節で当たる松本、前半最後の折り返しゲームの相手となる鳥栖の動向が気になるところであり、所長は昨日両チームの試合をチェックしてみたが、困ったことに、どちらも強いという印象である。松本も鳥栖も、点がなかなかとれないので勝ち点が伸びていないが、守備がアマチュアレベルの清水と違って、松本や鳥栖の守備はれっきとしたJ1レベルの強度を持っている。相当難しい対戦相手だと覚悟した方がいいだろう。

 松本は、得点力不足に苦しんでいるとはいえ、清水相手なら2点くらいは簡単にとれそうである。そうなると、1試合平均失点が1程度の堅守・松本を相手に、かなり望みの薄い戦いになってしまう。あまり点がとれていない松本とはいえ、セットプレーと前田のスピードという必殺の武器は持っている。今頃、反町監督はニヤニヤしながら、清水のセットプレー守備の穴を突く形をいくつも練っているに違いない。清水にとって松本は、鹿島や浦和など以上に厄介な相手だと思う。

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 清水の失点地獄。簡単にシュートを許していることも問題だが、シュートブロックが甘いことも、失点を防げない一因になっていると思う。

 昨日の試合で言えば、まず1失点目。北川がシュートを防げる位置にいたにもかかわらず、一応はブロックに行ったが、シュートコースに対してまっすぐ入らず、むしろ顔を背けて半身になるような感じで、ブロックというよりはよけているような印象を受けた。

 2失点目、カウンターからのこぼれを、ミドルシュートをたたき込まれたやつは、たぶん二見がブロックに行ったと思うけれど、やはり顔を背けながら半身でよけるような、なんちゃってブロックという感じだった。

 清水のシュートブロックが甘いのは、もう何年も前から目立っていたものであり、チームとしてのヌルさを象徴する現象になっている。

 それで思い出すのが、FKの話なのでちょっと違うのではあるが、こちらに見るとおり、中村俊輔がJで一番フリーキックの際の壁が手強いのは鹿島だと証言していたくだりである。

 「壁の作り方が伝統的にうまいチームってありますか?」と聞かれたフリーキックの名手・中村は「鹿島アントラーズです」と明かし、「全員が頭で止めてやろうという気合いが違う、伝わってくる。一瞬でもそういうのが見えたら気になります」と説明した。

 シュートブロックも、それに通じるものがあるのではないか。「顔に当たってでも止める」という気合でシュートコースに入るのと、今の清水のように顔を背けながら恐る恐る半身で入るのとでは、もちろんシューターへのプレッシャーも違うだろうし、実際にブロックできるかどうかも全然違ってくるはずだ。実は勝敗を分けているのはそういうところなのである。

 クラブが選手を査定するポイントは色々あると思うけれど、シュートブロックも重点評価項目として入れたらいいのではないか。1点決めるのも、ブロックで1点防ぐのも、価値は同じはずである。

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 ホーム仙台戦は4:3で辛うじて勝利。

 それにしても、反吐の出るような試合だった。でも勝った。でもやはり不安しかない。

 失点のデパートは、相変わらず絶賛開店中。4点とらないと、勝てないとは。いや、目下得点に苦しんでいる仙台さんだからこそ、3失点で済んだものの、この守備の強度では、今後もコンスタントに4~5失点はするだろう。てことは、6点とらないと勝てない? どういうチームなんだ、それは。

 もちろん、今の状況では、下位との直接対決での勝利が、最優先であり、結果がすべてである。その結果が出たわけだから、とりあえずは喜びたいのだけれど、試合内容のあまりの情けなさが、喜びを打ち消してしまうのだ。

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 それにしても、今季、公式戦は4回しか勝ててなくて、そのうち3勝が磐田からかよ(笑)。あとの1勝はリーグのセレッソ戦だったけど、あの試合は得点の匂いが皆無であり、北川のミラクル弾で勝っただけだったからなあ。人によっては、磐田に勝つことの意義をやたら過大視する人がいるけど、たとえ磐田に全勝しても、他に全部負けてたら、お先は真っ暗だ。

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 ルヴァン最終戦のアウェー磐田戦。当S研のプレビューでは、全面的に若手、控えで行くだろうという前提で書いたが、実際にはかなり本気度の高いメンバーだった。ターンオーバーをしつつ勝ちに行くという姿勢だったことが見て取れた。

 つまり、篠田監督は、この試合を、主力の完全休養とか、若手のセレクション・訓練に使うのではなく、リーグ戦に向けて弾みをつける跳躍台として使ったということだろう。これは、リスクのある賭けでもあった。怪我人が増えてきた中で、これ以上主力に故障者が出るようなことは、あってはならない。もしも、カップ戦の消化試合で、主力も交えたメンバーを出して、アクシデントが起き、なおかつ敗れるようなことがあったら、目も当てられない。所長が監督だったら、平均年齢20歳くらいの若手だけで行ったと思う。

 結果的に、篠田監督は賭けに勝った。ダービーに勝利し、若手もアピールに成功し、主力も実戦での調整ができ、それでいて怪我人は出ず、リーグ戦への素晴らしい流れを作った。勝負師として、見事なものである。

 流れは来ている。そう思いたい。しかし、この試合の清水の守備は相変わらずユルユル、ドタバタだった。磐田が後半の頭に何本かあった決定機を決めていたら、失点が失点を呼ぶ清水だけに、0:3くらいで普通に負けていただろう。確かに我々のメンバーは急造ではあったが、敵のクロスの出し手に寄せない、中央で敵を見失う、相手のシュートに競らないという問題は、解決されていなかった。

 まあ、期待するのは、偽薬効果かな。現実には守備は改善には程遠いのだけど、クリーンシートで勝てたことで自信がついて、本当に守備が改善されていくことはあるかもしれない。

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 本日はルヴァンカップのアウェー磐田戦。すでに敗退が決定しているので、消化試合であり、位置付けとしてはかつて存在したサテライトリーグの一戦のようなものだろう。新監督就任から間もないということで、日程に余裕があれば、ベストメンバーで戦術確認をするのに使うということも、考えられないではないが、週末にリーグ戦を控え、疲労や故障が怖いということで、やはり控え、若手中心になるはずである。

 しかし、個人的には結構楽しみである。これまでは借りてきた猫のようなプレーばかりしていた若手が、自らの殻を破り、トップチームに食い込むべく猛アピールをしてくれるのではないかという期待があるからだ。

 考えてみれば、昨季、今季加入した新人たちの中で、かろうじて爪痕を残したのは、滝くらいだろう。特に2年目の選手などは、2~3年やって芽が出なければ、J2、J3への放牧や、解雇だって考えられる。しかも、天皇杯のことはまだ分からないが、今季はもう基本的にリーグ戦しか残っていないから、若手を試すなどという采配はできない。ということは、若手たちにとっては、今夜が今季最後の公式戦出場機会になるかもしれないし、もしかしたらJ1のチームでプレーすることはもう最後になってしまうかもしれないのだ(清水自体がJ2に落ちそうというツッコミは無しでお願いしますw)。

 若者たちよ、これが最後のチャンスだと思って、持てる力を出し尽くしてくれ。多少のエゴは大目に見るから、自分を出し切ってほしい。タイトルも何もかかっていない試合だが、君たちの今後のサッカー人生はかかっているのだ。

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 例の浦和VS湘南戦の大誤審問題の波紋が広がっているが、あの試合は単に誤審の度合いが甚だしかっただけでなく、その苦難を乗り越えて湘南が劇的な逆転勝ちをしたということで、Jの歴史に刻まれることになった。

 この試合についての論評記事が色々と出ている中で、決定版とも言うべき記事が、こちらだろう。読んでいて目頭が熱くなるほどである。この中でも、とりわけ印象的であり、また我々清水が見習わなければならないのが、次のくだりだ。

 「中盤をダイヤモンドにして、さらに攻撃の枚数が増えたことで、攻撃の距離感が近くてボールを動かしやすかった。中盤で数的優位を作っていけた。2点目のクロスも(ゴール前に)入るフリをして止まって、そこからマイナスの折り返しを受けるイメージ。練習通りだった」

 野田が口にした「練習通りだった」。この言葉の持つ意味は重い。

 不利を受けたり、不安定な状況でこそ、勝利のためにすべてを出し切れるメンタリティーがあるかが重要になる。それを練習でやっているか否か――そういう意味で、ピッチには日常が出るのだ。

 (中略)浦和戦で、リバプールがやったことを、湘南がやってみせた。チョウ監督がクロップに見えた瞬間だった。浦和戦後、チョウ監督はこう話している。

 「上手くなりたい、勝ちたい、諦めないという気持ち。日々の練習で、ピッチの中と外で彼らと一緒に向き合っていく。それがピッチに出る。今日、僕が選手に言った『金言』はなくて、普段のピッチ(でやっていること)が後半に出た。これは自慢でも、驕りでも何でもなくて、ただ日常が出た。ひとつひとつ向き合ってやってきたことで、今日のようなプレゼントがあった。たまたまかもしれないが、たまたまという言葉ではすませない彼らの強い思いがあった」

 所長は、清水の過去の監督のことを、事後的に批判するようなことは避けたいと思っている。そんなことをしても、何の意味もないからだ。だから、これは批判ではなく、直近の失敗を糧に、これから立ち直っていくための、教訓と受け取ってほしい。言うまでもなく、ヨンソン前監督のことだ。

 むろん、チーム内部の本当のところは、我々部外者には分からない。しかし、ヨンソン監督のイメージとして、メンバー表にベストメンバーを書き込めば、あとは自ずと選手たちがベストプレーをしてくれるはずだといった、大雑把さがなかっただろうか? 果たして、湘南のチョウ監督のように、対戦相手の緻密なスカウティングを踏まえて、具体的な攻略法を練り、それを練習で選手たちに落とし込むという、勝つために必要な手立てを講じていたのだろうか?

 現実には、ヨンソン清水の試合を見ていると、一見すると「内容は良い」ような入りをしながら、試合展開とともになぜか手詰まりになっていき、選手たちが頑張ろうにも、どう頑張っていいのか分からないような、迷子状態になっていた。浦和VS湘南戦が示した「ピッチには日常が出る」ということ、こうした精神で篠田監督を中心に再建を図ってほしいものである。

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 開幕からここまで、大分さんの快進撃は称賛に値するものであり、それにケチをつけるつもりはない。増してや、ビリサポが、揶揄するようなことを言う資格はない。

 ただ、これまで大分が順調に勝ち点を積み上げてきたのは、無欲のチャレンジャーゆえという面はあっただろう。J2上がり、もっと言えばJ3上がりの大分相手では、どのチームも勝ち星を計算するので、前掛かりに得点を奪いに来る。それを堅守で跳ね除けて、カウンターを発動。そんなやり方が、上手く行っていたのだと想像する(実際の試合は観ていないので、あくまでも想像)。

 そんな大分にとって清水は、今季初めて、明確に格下の弱い相手であり、それゆえのやりにくさがあったのではないか。ホームということもあり、自分たちが主導権を握って圧倒しようとする。しかし、中途半端にポゼションをさせられ、相手も思いのほかアグレッシブに前からハメに来て、戸惑った面があっただろう。というわけで、ここまでは順調に来た大分も、今後は研究されたり対策されたりするだろうし、篠田清水が示したとおり、「自分たちのサッカーというよりは大分の良さを消す」という戦いをしてくる対戦相手も増えるだろうから、これまでのようには行かないかもしれない。

 まあ、それにしても、ヨンソン前監督は、確固としてあるかどうかも疑わしい「自分たちのサッカー」に固執して、ずっと同じシステム・同じメンバー・同じ戦術で戦ってきたわけで(今季初めの3バックのテストなどはあったにせよ)、篠田新監督が「相手の良さを消す」ことに主眼を置いて確保した勝ち点1は、意義深いものであった。もちろん、3だったらもっと良かったが。

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 篠田新監督の初陣、アウェー大分戦は1:1のドロー。連敗ストップ、複数失点回避とポジティブな面はあったが、十二分に勝てる試合だっただけに、惜しいことをした。

 今季の大分の試合を観たことがなかったので、まさかあんな低い位置から丁寧に繋ぐチームだとは思わなかった。しかし、GKを含めたバックラインのパス回しにはぎこちなさがあり、この日の清水の前からのプレスははまっていたので、圧力をかけ続ければ敵が致命的なミスを犯すのではないかと思って見ていたが、案の定バックパスをドウグラスが奪い、PKゲット。実際にGKに倒されたかどうかは微妙という感じもしたが、ドウグラスのPK奪取の名人芸を久し振りに見た。それを決めて、清水が先制。

 ただ、敵の攻撃には大して迫力も質もなかったのに、あっさりと同点弾を許してしまう。清水の数年来のビョーキ、敵に押し込まれるとDFもボランチも全員がゴール前にベタっと貼り付いてしまい、バイタルをケアする人間が誰もいなくなるという悪い癖が出て、またしても安い失点を喫した。かくして、勝ち点3を奪う千載一遇のチャンスを、簡単に手放してしまった。

 まあ、システムが代わったり、サイドハーフの左右を時々入れ替えたり、北川を右で使ってみたり、ルーキーがデビューしたりと、ヨンソン体制と違って色んなトライがあり、選手たちもそんなに戸惑う様子もなく役割をこなしていたところは、一定の手応えはあったかもしれない。何より、選手の目の色が変わったことは良く分かった。選手の目の色で勝ち点がとれるほど、サッカーは甘くはないわけだが、チームが上向く必要条件ではある。

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 個人的に、清水の調子が良ければ、敵情視察とばかりに、他のチームの試合も結構観るんだけど、今季は、清水の試合こそ義務感で観ているが、気分は沈むばかりで、他チームの試合を観る気になれない。Jリーグそのものから、目を背けているような感じである。

 昨日フライデーマッチが3試合あり、誤審だの鳥栖の連勝だのが話題になっていたので、ダイジェストだけ観てみた。他チームの試合を観て思うのは、清水あたりとはインテンシティがまったく異なるという点である。本当に同じカテゴリーか?というくらい、試合の強度が違う。

 このところの清水の崩壊について、あの誤審さえなければとか、浦和・鹿島・川崎と強豪が続いたからしょうがないといった言い訳が散見される。しかし、昨日、世紀の誤審と言うべき酷い判定で得点を取り消されながら、大逆転した湘南の精神力、あれを見せ付けられると、今の清水に足りないものが浮き彫りとなってくる。

 あと、浦和はうちに勝ったあと、3連敗してるんだね。それだけ、絶不調のチームということであり、我々はそこに負けたのだということを、直視しなければならないだろう。

 つまり、我々は弱く、負けるべくして負け続けてきたということだ。ここからの巻き返しは、並大抵のことじゃない。覚悟が求められる。

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 篠田エスパルスの3大改革として、〈1〉ハードワーク〈2〉甘えの排除〈3〉システム変更 という3つが挙がってるけど、要するに今まではソフトワークで、選手たちが甘えていて、システムも上手く行っていなかったということか。で、篠田監督が就任してすぐにこれらが打ち出されたということは、篠田HCはヨンソン監督の隣でチームを見ていて、「こりゃユルいな。選手は甘えているな。システムが機能不全だな」と思いながら、ずっと沈黙していたということか? なんか、我々一般企業に勤めてる人間からすると、変な感じがする。監督が社長、HCが専務くらいだとすると、社長のやり方が上手く行ってなかったら、専務は「社長、このままじゃマズいです」って進言しないだろうか? よほど社長が酷い独裁者とか、専務が太鼓持ちだったら別だけど、普通は専務が問題に気付いたらある程度は社長に意見を言うと思うんだよね。まあ、それがサッカーチームと一般企業の違うところなのかな。サッカーチームというものは、権力を一元化しなければ成り立たず、部下が下手に口を挟んだりすると、組織としての体が保てないのかもしれない。だから、篠田さんも、ヨンソン清水を見ていて、「これ、ヤバくね?」と思いつつ、その思いをグッとこらえて、ひたすら監督を立てていたといったところだったのかな。

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 なんだか、今季は開幕が2度あるような、変な心境だ。ここまでの序盤戦、あれだけの醜態をさらし、大借金も抱えながらのリスタートなのに、何やらまっさらの状態から新シーズンが始まるような錯覚を覚えてしまう。

 現実には、同じ選手たちでやるわけだから、そう簡単にチームが変わるわけはない。篠田新監督にしても、旧チームの一部だったわけだし。たとえば、セットプレー守備の改善が急務なわけだが、聞くところによると、旧チームにおいてもセットプレー守備は篠田HCが指導していたなんて話もあり、だとすれば過度な期待は禁物かもしれない。

 勝ち星も、得失点も、巨額のヨンソン負債を抱えての再出発である。もしも、篠田新監督がそれらの借金を今季中に完済してくれるようなことがあったら嬉しいが、それは数字的に至難の業だろう。篠田監督自身が五分の星を達成してくれたら、それで充分である。昨年とは正反対で、今季は残留争いのレベルがかなり低くなるだろうから、篠田監督が五分の星を残してくれたら、残留の可能性はあるのではないか。

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 こちらの記事などによると、どうも篠田監督代行が、近日中に正式に監督に就任する流れのようだ。本人はすでに受諾の意向で、現在は契約条件とか人事とかを詰めている段階、ということだろうか。まあ、曖昧な状態が長期化するよりも、体制がはっきりした方がいいだろう。

 クラブとしては、篠田氏が福岡やFC東京をシーズン途中で率いた時に見せた手腕を買ったようだ。記事には、「16年途中にもJ1FC東京を指揮し、8勝2分け2敗でチーム再建に尽力」とあるが、なるほどそんな上手く行ったのかと、意外だった。というのも、個人的には、その翌年にFC東京を低迷させてしまったという印象の方が強かったので。ただ、一説によれば、その時もGMが篠田氏の望むような編成をしてくれず、心ならずもシーズン途中で切られたのが真相、といった話もある。

 下世話な話になるが、HCだった篠田氏が監督に昇格すれば、新たに外部から監督を登用するよりも、人件費的に節約できるのだろうか? いずれにしても、もう裁判起されるのはまずいから、ヨンソン氏への手切れ金は必要だろうし。うちって、今季、赤字許されるんだっけ?

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 ホーム川崎戦、悔しくはあっても、驚きはない結果だった。サッカーで0:4というのは、稀に見る大惨事に他ならないが、それが起きても「まさか」ではなく、「ああ、やっぱりな」と思ってしまうほど、我々はあまりに大敗に慣れ、それが日常化してしまった。

 以前も申したとおり、サッカーの監督というのは、絶対値で測れない。だから、ヨンソン氏のことを、とんでもない役立たずとか、言うつもりはない。状況によっては、昨年のように、上手く行って、数年振りの1ケタ順位を達成できたわけだし。しかし、長期政権を任せ、長くやればやるほどチームが成熟する、問題が解決するなどということもまたありえない。一度チームの歯車が完全に狂ったら、その張本人の監督が立て直すのはまず不可能であり、監督更迭しか前に進む道はない。そうなったらもう、サッカーの監督などというのは消耗品と割り切って、切って捨てるしかないのである。まあ、ヨンソン氏の場合は、思ったよりも賞味期限がだいぶ短かったなあ、というところだ。

 それにしても、広島がヨンソン氏を「手腕に疑問がある」として契約延長しなかったのは、今になって思えば慧眼であり、短期的なミッションは上手く行っても、長期的にじっくりチームを成熟させるタイプではないと見切ったのだろう。そうした見極めの部分で、残念ながら、清水は広島よりも見る目を持っていなかったことは、認めざるをえない。ただし、昨シーズン終盤にあれだけ期待感が高まれば、まあ無理もなかったかなという気もする。

 やはり、当面は篠田監督代行で様子を見るようである。成り行き次第で(本人の同意待ち?)、正式な監督就任もありそうである。所長は、川崎戦で惨敗した後のヨンソン監督の更迭というシナリオを思い描いてはいたが、何かと腰の重いクラブなので、クラブが果たして決断できるのかというのは疑問に思っていた。常識とはいえ、このタイミングで判断したことには、ちょっと意外感があった。

 監督更迭は不可避だったが、言うまでもなく、それでチーム状態が上向く、残留できるなどという保証は、どこにもない。スタッフと選手たちの奮起次第である。

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 同じカテゴリーの相手に「ジャイアントキリング」という言葉を使うのは悔しいが、今の清水が川崎を倒すのは、そのくらい難しいことである。天皇杯で大学生が川崎相手に番狂わせを起す確率はそこそこあると思うが、リーグ戦で清水が川崎に勝つのはそれよりも難しいと思う。いくら清水が下位で苦しんでいても、リーグ戦である以上は、先方はちゃんと清水をスカウティングして隙のない戦いをしてくるだろうから、天皇杯よりもハプニングの確率は低くなる。

 先日のUEFAチャンピオンズリーグの準決勝を引き合いに出して、「奇跡は起こる。諦めるな」とおっしゃるサポさんもいらっしゃるだろう。しかし、奇跡というのは、最大限の対策や努力をして、その結果としてごく稀に起きるものである。今の清水は、「最大限の対策や努力」という部分を怠っているとしか思えないからこそ、絶望的な気持ちになってしまうのだ。

 もっと具体的に言えば、サッカーで奇跡を起こすためには、守備でどれだけ粘れるか、無失点で我慢できるかがカギとなる。その上で、乾坤一擲のカウンターなりセットプレーで虎の子の一点をとるというのが、ジャイアントキリングの一般的なパターンだ。申し訳ないが、やはり天皇杯で大学生が川崎をゼロに抑えることは想像できても、清水がリーグ戦で川崎を完封できるとは、ちょっと想像しにくい。0:2、1:3くらいだったら、むしろ大健闘ではないかという気すらする。

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 ヘナトの離脱、すぐに発表がなく、「おや、大丈夫だったか?」と期待をもたせていただけに、時間差で発表がさなされ、しかも6週間という長期だったのは、相当こたえた。

 今の清水は、とにかくチームとしての共通意識や戦術で戦うということができていない。最近の選手たちのプレー振りを見ていると、相互理解にもとづくコンビネーションなどはなく、個人の思い付きの積み重ねになってしまっている。個人技頼りと言えば聞こえは良いが、そもそもどれだけ「個人技」があるのか疑わしいし、一つ一つのプレーが「曲芸」のようになって、確実性がどんどん低下している。ヨンソン監督は「ミス」というが、真相はそのあたりであろう。貴方のチーム作りの「ミス」なのです。

 ヘナトの怪我も、チームとして組織的に守れておらず、一人で過度に頑張った結果として、発生したものだろう。まあ、もともと彼はちょっと無理をしたり、とれそうもないボールに無理矢理競りにいったりするところがあったので、「怪我しなければいいが」と思っていたが、案の定だ。いずれにしても、チームとして戦えていないことの代償として、ヘナトの負傷が発生したというのが、所長の見解である。

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 清水の公式戦なのに、しかも一応はカップ戦で勝ち進む可能性も残っていたのに、何の感情も浮かばない試合だった。現地まで応援に行ったような熱心なサポさんたちには申し訳ないが、大事なのは、一つ一つの戦線がどうなるかということよりも、戦争全体の帰趨がどうなるかである。たとえば、何年か前に、ナビスコで清水が磐田に惨敗したことがあったが、清水はそれを教訓にチームを立て直して生き残り、磐田は逆にそのシーズン降格したということがあった。敗北も使いようである。

 今の清水にとって、最重要課題は、いつ、誰に、どのような形で、このチームの指揮を委ねるかである。カップ戦の敗退と、川崎戦での完敗までは、残念ながら、想定内。問題は、そこから先、どうするかである。

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