エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

2018年10月

 最近仕事が立て込んでおり、当エス研の更新が思うようにできず、恐縮です。特に、8月から東南アジア方面に何度か出張に出かけたりしたものだから、非常にバタバタしていた。

 以前、Jリーグをスカパー!で放送していた頃には、スカパーオンデマンドで、海外からもJリーグを視聴できた(ただし、国によって制限があったりもしたと思う)。それに対し、所長の理解する限り、海外からDAZNの日本ページにアクセスしてJリーグを観ることは、現状で不可能になっている。所長は以前本件に関しDAZNにクレームを入れたことがあったが、先方からは「ご理解のほどを」といった通り一遍の答えしか返ってこなかった。

 そこで所長はこのほど、海外に居ながらにしてDAZN経由で無理やりJリーグを観る方法を開発したので、親愛なる清水サポの皆さんと情報をシェアする次第である。

 最大のポイントは、ウェブブラウザにGoogle系のChromeを使い、「Chromeリモートデスクトップ」というのを活用することである。当該の設定をすると、たとえば自宅のPCを遠隔から操作でき、なおかつそのデスクトップの模様も遠隔から閲覧できるようになる。したがって、海外に居ながらにして、自宅PCのChromeでDAZNを表示し、それを出先のPCで閲覧すればいいわけである。なお、海外にお出かけの際に、自宅PCをつけっぱしにしておくことを忘れないように(いくらなんでもPCがオフになっていたら遠隔操作もできない)。Chromeリモートデスクトップの設定は無料であり、また自分のPCを遠隔から操作・閲覧しているだけなので、法律的な問題もない。設定方法は、こちらのサイトなどを参照。

 このように、Chromeリモートデスクトップを使って、海外からDAZNを観ること自体は、実にあっけなく可能となる。理論的には、愛する清水の試合を、海外から生視聴できる。しかし、問題は、国際回線をかますと通信が遅くなり、また海外のホテルのWiFiなどはそれほど高速ではないので、自宅PCが再生しているDAZNを観ようとしても、画面がカクカクして、まるで紙芝居を観ているようになってしまい、とても観るに堪えないことである。そこで生視聴は諦め、裏技を2つほど組み合わせ、もっと良い状態で再生を試みることにする。

 まず、以前「DAZNも録画できないことはない」というエントリーでご説明したとおり、動画キャプチャーソフトBandicamを使って、試合を録画する。たとえば、今回の広島戦の場合であれば、日本時間14:03キックオフだったから、その時間に自宅PCにアクセスしてChromeでDAZNの清水:広島戦をライブ表示し、録画ボタンを押す。その時点で、Chromeリモートデスクトップで自宅PCを見るのはやめにして(ネタバレしたら興覚めなので)、試合が終わるのを待つ。

 もう一つのポイントは、クラウドサービスのドロップボックスを使うことである(動画ファイルは非常に重くなるので、メールなどで送るのは非現実的)。ドロップボックスの説明はどこにでもあるので、省かせていただく。そして、動画キャプチャーソフトBandicamでは録画ファイルの保存先を選択できるので、保存先をドロップボックスの適当なフォルダにしておく。また、Bandicamでは一定時間が経つと録画を終了するように設定できるので、それを2時間10分ほどに設定しておく。すると、清水が広島を見事2:0で下し、勝利後のセレモニーがひとしきり終わった丁度良い頃合いに、録画が終了し、自動的にクラウドへのアップロードが始まる。それに要する所要時間がざっと30分ほど(ファイルの重さは録画の画質との兼ね合いになるので、録画時にそこそこの画質を選んでおく)。アップロードが終わると、今度は海外で使っているモバイルPCへのダウンロードが始まり、それがさらに30分ほどで終了。かくして、試合終了から1時間ほど経った頃には、試合の動画ファイルが出先のPCに転送し終わり、そのファイルをウィンドウズメディアプレーヤーなどで心置きなく再生できるようになるわけである。生ではなく、3時間ほどの時差を伴った観戦になってしまうが、生でカクカクした画像を観るよりは、よほど良い。

 所長は、以前は清水の試合がある時を避けて海外出張の時期を選んだりしていたが(笑)、出先でも試合が観れるようになり、自由度が高まった。メデタシメデタシ。

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 周知のとおり、今季のJ1は、優勝争いはともかく、ACL争い、残留争いなどは混沌としており、まったく先の見えない状況となっている。特に残留争いが異常なハイレベルになっていることが注目されている。そこで、2018シーズンの途中経過を、過去5シーズンと比較しつつ、勝ち点の分布を示した上のような図を作成してみた。これは、1試合当たりに獲得した平均勝ち点を、多い順に並べたものである。1番上にある青の線が当該シーズンに一番勝ち点の多かったチーム、2番目のオレンジが2番目に勝ち点が多かったチーム、以下同様である。ご存知のとおり、2015~2016年は順位決定戦があったので、勝ち点がそのまま順位ではなかったが、ここではあくまでも勝ち点の順に並べている。また、2018シーズンはまだ消化試合数にバラツキがあるので、現在の暫定順位ではなく、あくまでも1試合平均勝ち点の順に並べている。

 さて、改めてこうやって図にしてみると、2018シーズンの異常さは歴然である。1位と2位だけが離れており、それ以下の3位から18位までは稀に見る団子状態だ。新入生の長崎君などは1試合当たり勝ち点を0.97も稼いでおり、これだけ頑張っていながら最下位というのは気の毒としか言いようがない。

 何がこのような混戦、異常にハイレベルな残留争いをもたらしているのか? 1位と2位の平均勝ち点は、2015~2017年と比べると落ちているが、2013~2014年よりは上であり、これが異変の原因ではない。今期の波乱をもたらしている主原因は、3~6位がきわめて低レベルなことに尽きる。本来ならもっと勝ち点を積み上げて優勝争いに絡まなければいけないようなチームが、盛大に取りこぼしを続けた結果、その勝ち点が下位に流れ、史上稀に見る3位以下の大混戦がもたらされたのだろう。

 現在、清水サポは「3位と勝ち点3差」とか、「ACLも見えた」などと浮かれているわけだが、あくまでも今季J1の異変によりそのような好機が巡ってきたということは自覚しなければならないだろう。

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 去年の今頃は、「この世にサッカーなんてなければいいのに。Jリーグ氏ね」とか思っていたものだった。ていうか、今年だって、つい1~2節前までは、降格の恐怖に怯えていたのだ。それが、3位まで勝ち点3差とか、ACLも現実味とか、ずいぶんと劇的に境遇が変わったものだ。まあ、冷静に考えてみれば、うちはまだ五分の星にすぎないのだけど、今季の終盤の風景が、ここ数年と全然違うものになってきたことは事実である。もうあと4試合しかないのか、今が開幕だったらどんなに良いシーズンになっただろうか、せめて天皇杯かルヴァンのどちらか勝ち残っていたら・・・とか、色々思ってしまう。

 今回の広島戦、こう言うと上から目線のようになってしまい先方に失礼かもしれないが、さすがは曲がりなりにも2位のチームで、磐田戦とは違い、終始うちが好きにやらせてもらえたわけではなかった。しかし、少ないチャンスを確実に決め、当たり前のように勝ってしまった。チームに勢いがある時というのは、こういうものなのだろう。

 まあね、正直言って、今のうちに、ACLを戦う体力があるとは思えず、万が一来期ACL出場などということになったら、柏さんコースの危険もある気がする。ともあれ、急に新しい景色が目の前に開けて、所長も嬉しい戸惑いを覚えている。

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 Jリーグには、日本人の若手選手がちょっと活躍すると、すぐにヨーロッパに移籍してしまうという問題があるわけだが、ここ数年の清水は、幸か不幸か、際立って活躍する若手がいなかったので、そういう問題には直面しなかった。まあ、唯一当てはまったのは大前氏だったが、すぐに出戻ってしまったし。デビュー当時は「シティが3億円出す」などという噂のあった石毛は、海外ではなく一時J2クラブに修行に行ってしまった。

 海外クラブから目を付けられてもおかしくないほどの活躍を見せる若手が、ついにうちにも現れた。北川航也である。我々としては、せっかく選ばれた代表なので、試合に出てほしい、点をとってほしいという気持ちはあるものの、そうなればなるほど、清水からいなくなる可能性が高まる。

 ヨーロッパのサッカーのスケールからすれば、北川を買うくらい、タダ同然だろう。我々が手塩をかけて育てた逸材を、「安いから買っとくか」と、ダメモトくらいの感覚で買われるとしたら、実に悔しい話だ。ドイツ一部くらいで活躍できればまだしも納得できるが、ドイツ二部、ベルギーリーグ、増してや東欧の微妙な国などに行ってしまうようなことがあったら、釈然としない。しかし、日本のサッカー選手は「海外」の二文字にとにかく弱いので、いったん海外移籍の可能性が出てきたら、盲目になってしまいがちである。

 むろん、一度しかない、決して長くない本人のサッカー人生なのだから、本人が望むようにすればいいだろう。ただ、その前提は踏まえた上で、所長が思うのは、北川にはせめてあと1年、来シーズンまでは清水でプレーしてもらいたい。ここ数年の清水は、生き残るだけで精一杯だった。しかし、ドウグラス加入後の爆発的な攻撃力、北川との2トップの破壊力を考えると、もしかしたら来年は、単に生き残るだけでなく、タイトルを狙う年にできるかもしれない。そのために、あと1年でいいから、君の力を貸してくれないか。フロントは、本人をそんな風に説得してくれないだろうか。

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 時々お目にかけているこの図だけれど、今季の勝ち点が1つの目安にしていた40に到達したので、記念に載せておく。

 それにしても、今季の清水は引き分けが少ない。昨シーズンは引き分けで勝ち点を地味に積み上げたのに対し、今季は勝つか負けるか、はっきりしているので、負けることも多く、いまだに負け越しだけれど、効率良く勝ち点を稼いでいる。

 近年の清水にしては、すでにそれなりの勝ち点を獲得したものの、異常にハイレベルな残留争いにより、まだうちの残留も確定ではない。そこで所長は推察したのだが、今季はJ1全体で、引き分けが少なくなっているのではないか? だからこそ、下のチームも結構な勝利数を挙げており、残留ラインが上がっているのではないか? そのような仮説を立て、検証してみたのだけれど、別にそういうわけでもなさそうだった。2017シーズンに、J1リーグ戦の試合が引き分けに終わる確率は、23.9%だった。それが、2018シーズンでは、これまでのところ22.9%となっている。まあ、少し減ってはいるが、これが原因で残留ラインが高くなるほどの変化ではあるまい。今季の残留ラインが例年になく高まっているのは、単に勝ち点の分布が、高・中位から下位にシフトしたことによるものだろう。

 J1リーグ戦では引き分けに終わる可能性が23%くらいだとすると、年間8試合くらい引き分けるのが、標準的ということになる。うちは今のところ4引き分けだけなので、やはり少ない。

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 まあね、たまにはこんな良い思いもさせてもらわないと、サポーターもやってらんないよね(笑)。ホーム磐田戦、個人的にも、スタジアム観戦した歴史の中で、一番スカッとした勝ち方だったと思う。

 チーム全体のオーガナイズがものすごく良かったかと言うと、必ずしもそういうわけでもなかった。相変わらず、ボール保持やビルドアップには課題を抱えている。しかし、この日は、攻撃陣、とりわけ2トップが、訪れたチャンスをものすごい精度で得点に繋げたからこそ、快勝がもたらされたのだろう。

 ドウグラスが加入した時期と、北川が一時不振に陥った時期は、重なっていた。ドウグラスのパフォーマンスが異次元だったので、当初はチーム全体が「攻撃はドウグラスにお任せ」という雰囲気になり、自ずとボールも彼に集まり、それまで積み上げてきたバランスが崩れ、北川は居場所を見失いかけたのだろう。それが、ようやく2トップが上手く絡み合うようになってきた。今回の磐田戦の最初の3点は、2人の直接的な関係性によってもたらされた。所長も、鐘庵さんの2トップ丼を食った甲斐があったというものである。

 贔屓目なしに、今のドウグラスと北川の組み合わせは、J最強の2トップと言い切っていいだろう。まあ、1トップのチームが多いからという事情はあるが(笑)、ともあれ、強力な点取り屋コンビが誕生した。

 それにしても、この試合で、ドウグラスのプレー振りに、何度「神・・・」とつぶやいたことか。

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 所長も過日のガンバ大阪とのフライデーナイト・マッチに参戦し、例の無料シャツをプレゼントされた。でも、あれ、一言で言うとダサい。まあ、フリーサイズで、前ボタンのシャツなので、スタジアムに来た人がその場で羽織りやすいという利点があったことは事実である。実際、あの日は多くの人が着ていた。しかし、黒基調でオレンジ要素が少ないし、サッカーというよりは野球のユニみたいだし、あれを今後の試合であえて着ようという人は少ないのではないか? かといって普段使いにも向きそうもなく、パジャマとして使うのが関の山かなという気がする。

 一方、昨晩のフライデーナイト・マッチ、横浜VS札幌をDAZNで観てみたのだけれど、横浜でプレゼントされた無料シャツはよりサッカーテイストのものであり、スタジアムで着るのにも、普段使いにも良さそうなベーシックな青デザインだった。なんで、清水はあんなデザインになっちゃったんだろうか。清水のフロントにアパレルのセンスがないということか?

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