エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

2018年08月

 当S研では、清水の試合にまつわるジンクス、データ等を時々語らせていただくけど、今季の清水について、第24節まで生きている、絶対的な法則がある。それは、

 前半45分のうちに点をとらないと、勝てない。前半無得点だった試合は、一度も勝てていない。

 という法則である。もっと言えば、引き分けた試合も、基本的には、前半に得点できた試合である。例外は、スコアレスドローが2度あったことだけ。このことが意味するのは、深刻である。なぜなら、

 今季の清水は、前半ゴールが生まれなかったら、ほぼ負け。良くてスコアレスドロー。

 ということになってしまうからである。普通、弱いチームは、「前半はゼロゼロで我慢して、後半少ないチャンスをものにして逃げ切ろう」といったことを考える。しかし、守備力の弱い清水は前半かなりの確率で失点するし、ゼロゼロで後半に突入するようなタイトな試合では相手のゴールをこじ開けるクオリティがないので、「前半は我慢して後半勝負」という選択肢はほぼない、ということになる。

 なお、念のために申し上げておけば、前半に得点さえすれば、試合内容が流動的になって、後半に清水が追加点を挙げたり、追い付かれても勝ち越し点を奪ったりといったことは、可能である。横浜FM戦でも、同点弾が前半のうちに生まれたからこそ、後半に勝ち越し弾が生まれた。そういった意味での後半勝負は当然あるわけだが、前半のうちに1点でもとっておかないと、勝負にすら持ち込めないということである。


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 仕事が極度に忙しくなり、当S研ではしばらく更新が滞ってしまい、申し訳ない。

 それにしても、今回の横浜FM戦、「何でもいいから、とにかく勝たせてくれ」と思っていたのは事実である。他のサポさんたちもそうだろうし、おそらく選手も同じではないか。その、待望の結果を得たわけだけど、ただ、それにしても、ボロボロだったねえ。DAZNで観ていた当方などは、「解説の戸田先生に、90分+アディショナルタイム、ただひたすら清水の試合内容に関するお説教を聞かされた試合」という印象だけが残った。まあ、あとそれと、今の清水は、自分たちに有利な誤審が3つくらい重ならないと勝てないのかという、情けない思いと。

 例によって「内容は良かった」とうそぶくスウェーデン人とは対照的に、清水の守備はなぜ機能しないのかということを的確に指摘し、対戦相手の戦術とも照らし合わせつつ、具体的な対処法まで分かりやすく語る戸田先生。はて、現監督が今の清水に最も適任だろうかという疑念が募った試合だった。

 

 

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 清水サポなら誰でも、このチームは得点するとバカみたいに大はしゃぎしてその直後に失点すること、また「ベルギー・カウンター」(自分たちのコーナーキックからカウンターを食らうこと)で失点しがちであることを、熟知している。ところが、サポはそのことを痛いほど知っているのに、肝心の選手たち自身は、自分たちがどういうチームなのか、知らないのだろうか?

 一方、浦和に目を転じると、最近の浦和は上向き加減ではあるものの、基本的には裏狙いとセットプレーだけで点をとっており、守る側にとってはまだしも対策は可能である。川崎みたいに、分かってはいるけどどうしてもやられるという相手とは違う。

 そんな、清水のウィークと、浦和のストロングが、完全に現実のものとなった3失点。確かに、セレッソ戦、浦和戦と、パスの巡りは良くなり、攻撃の期待感は高まってきた。それ自体は良いことだけど、勝負を分けるのは、そういうことじゃないんだよね。

 かつて山形戦で、3点差を5分で追いつかれたというのは我々のトラウマとして残っているが、3度リードして3度とも追い付かれたという今回の浦和戦も、新たなトラウマとして残りそうだ。

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 清水自身の質に関して言えば、3連勝の時がものすごく良くて、3連敗の時がものすごく悪かったとは、思わない。どちらかと言うと、対戦相手の優劣によって、結果が決まったという印象の方が強い。まあ、その中には同じセレッソとの2回の対戦も含まれているわけだが、あのチームはソウザがいる・いないで攻守のクオリティーが全然違ってくるので、今回対戦したセレッソは、前回のそれとは違っていた。

 むしろ、今回のアウェー・セレッソ戦の前半などは、ヨンソン体制になって、一番良くパスが回り、スムーズにフィニッシュに持ち込んでいたという印象すらあった。だからこそ、先制点を奪い、リードした状態で前半を終えたかったのだが。

 時間帯によっては、良いサッカーも見せられたけど、試合の流れを掴めなかった、といったところか。それにしても、後半敵にリードを許して以降の、まったくなすすべがない様子は、見ていて辛かった。

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 ホーム川崎戦、ご覧のとおりの完敗。川崎の最近の試合を観て、「清水は少なくとも1点、まあたぶん2点くらいはとられるだろう。ということは、おそらく、複数得点しないと、勝ち点はとれないだろうな」とは思っていた。残念ながら、ドウグラスが負傷退場した時点で、清水が複数得点できる可能性は、ぐっと下がってしまった。

 ドウグラスの人並み外れた決定力により、先制こそできたものの、試合内容から考えても、勝ち目のあった試合とは、とても思えない。10回やったら、1勝・1分・8敗くらいになるのではないかと思われた。

 しかし、誤解を恐れず言えば、この敗戦に限っては、引きずる必要はないのではないか。川崎のサッカーは特殊であり、川崎のようなサッカーをやるチームはJ1全体を見渡しても他に存在しないからである。昨日の試合を思い返しても、そもそも同じ競技をやっているように思えない。こちらがサッカーをやっているのに、相手はハンドボールをやっているような感じで、完全に小バカにされていた。実に悔しいことだが、清水と川崎の相性により、両者の対戦は必ずそのような構図になる。

 我々は、川崎に勝てるように努力するよりも、川崎のサッカーがなくなることを期待した方がいいと思う。川崎はチームとして優れているが、属人的要素も大きく、中村憲剛が引退したり、大島が移籍したりしたら、もうあのサッカーは続けられないと思う。川崎のサッカーがなくなるまで、我々は我慢だ。おそらく、そんなに遠い将来ではあるまい。我々は、自分たちのできるサッカーをやり、勝てる相手に勝てば、それでいいと思う。

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 アウェー鹿島戦、何とも評価しがたい試合だった。清水の側は、安定感はあったし、戦う姿勢も見て取れた。運が良ければ勝てたかもしれないし、スコアレスドローの勝ち点1くらいには充分に値した。何度かあった低い位置での致命的ミスと、セットプレーを除けば、失点しそうな気配はほぼなかった。

 失点しない試合運び、負けない試合運びはできていた。指揮官も、そんな空気を読んでか、積極的に点をとりにいくというよりは、最低限スコアレスドローで終わるという選手交代カードの切り方だった。だから、失点したワンプレーさえなければ、悪くない遠征だったのだが。

 悔しい負けではあっても、1ヵ月ほど前のような絶望的な気持ちにはならない。最後は事故のようなものだったと、逆の結果になってもおかしくなかったと、自分を慰めることはできる。ただ、メンバーも苦しくコンディションも悪かった鹿島相手に、自分たちで試合を動かすだけの力はなかったということは、認めなければならない。

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 犬飼智也氏が、鹿島に移籍したしばらく後に、こんなコメントをしていた。鹿島に来て、練習から激しく、遠慮なくぶつかり合ったりするのを目の当たりにして、嬉しくなった。自分が求めていたのは、まさにこんな環境だった、と。まあちょっとうろ覚えだが、そのような趣旨のことを言っていた。

 それを読んで所長は、とても複雑な気持ちになった。練習の時から闘志を燃やして、激しくぶつかり合う、それによって自分を向上させる、そういうことを望んでいるのなら、清水でそれを実践すれば良かったのではないか。犬飼氏だって、年齢的には若い部類だったとはいえ、ユース出身だし、一応はディフェンスリーダー的な立場でもあったわけだから、「なれ合いの練習なんか駄目だ。トレーニングの段階から、もっと本気で取り組もう!」ということをチームに働きかけ、それによって清水を戦う集団に変える、そんな挑戦をしてほしかったと、所長は思うのである。結局、犬飼氏が選んだのは、自分が環境を変革するのではなく、環境が自分を変えてくれるはずだという、安直な選択だった。「高いレベルのクラブに行って、厳しい環境で揉まれ、いつかはその中で自分もレギュラーを」といった発想で移籍したのだろう。出場機会は欲していたと思うが、こんなにも早く鹿島のディフェンスラインを任される日が来ると想像していたかどうか・・・。

 生え抜きが環境に物足りなさを感じて清水を出ていっても、今の清水には頼もしい「外様」が存在する。テセや六反である。特に、六反の発言振りを聞くと、元々清水には甘さが目立ち、努力を冷笑するような空気があったが、自分が先頭に立ってそれを変えていってやるという、強い決意を感じる。ここ数年、テセがこのチームに注入し続けてきた魂については、いわずもがなだ。清水は戦う集団に変貌した、そんなことを証明する試合になってほしいものである。

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 それにしても、鳥栖戦の戦前に、大方の清水サポは、「金崎ムーにちぎられて、フレイレが置いて行かれるのが心配」と思ってたはずだが、実際の試合でまさにそのようなシーンが起きてしまった。あのシーン、噂のVARでじっくり吟味されたら、どう考えても、一発レッドだよね。鳥栖の皆さん、ホントにお気の毒でした。

 ただし、鳥栖ホームの試合で、ゲームの行方を大きく決定付けたPK判定、あれを河井のハンドととったのは判定ミスだったということが、後日Jリーグで公式に認定されている。今回のフレイレのプレーも、おそらく同じように、実は有罪だったという評価が後日下される可能性が高いだろう。フレイレがムーを倒したのはペナ外だったので、フリーキックが失点に直結したとは限らないが、1人少なくなった清水がその後の長い時間を守り切れたかは微妙だ。そんなこんなで、「おあいこ」ということで、今回はご納得いただければ幸いです。

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 本件は、単なる業務上横領じゃないよね。クラブの収入は、地域のスポンサー、そしてサポーターの愛の結晶なわけだから、それを横領するというのは、たとえば災害の被災者に寄せられた義援金を勝手に懐に入れるような、そのくらい人の道に外れたことだろう。仮に全額が返還されたとしても、それで済む問題じゃない。

 とはいえ、人間の中には、一定の割合で大馬鹿者がいるものであり、それがエスパルスの職員の中にもいたということ自体は、ありうる話である。問題はやはり、会社としてのガバナンスだろう。くだんの大馬鹿者だって、最初はビクビクしながら、千円、1万円程度の金をちょろまかしていたのだろう。ところが、何のチェックも受けない。人間というのは弱いものだから、そうなればちょろまかす額がどんどん大きくなっていくし、金を使う上での金銭感覚も麻痺してくる。問題を見付け歯止めをかけられなかったことに、重大な問題がある。零細企業なら「会計は●●さんにお任せ」でも仕方がないが、エスパルスのような、地域の多数のステークホルダーに支えられている企業であれば、高度な透明性と厳格性が求められる。人間性悪説にもとづいて、不正のチェック体制を築いておくべきだった。それを怠ったのは、企業としてのエスパルスの重大な落ち度だ。今のところ、社長の減俸が発表されているだけだが、たとえば直属の上司などは責任を問われないのだろうか?(それとも、不正を犯した大馬鹿自身が、経理部長みたいな要職にあったのか?) どうも、今般の発表を見る限り、会社としては穏便に幕引きを図りたいようなニュアンスを感じるが、スポンサーやサポーターはそれで納得するのだろうか。

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 当S研では、ドウグラスのデビュー前に、「それにしてもドウグラスはどう使うのか?」と題する記事を書き、彼の起用法につきあーでもないこーでもないと考えてみたりした。しかし、ある意味でその答えはもう出てしまった。クリスとテセが負傷中であり、否応なしにドウグラスを北川と組んで先発起用することとなり、しかも2試合続けて得点という結果も出したからである。誰が見ても、新エースの誕生であり、FWの中での序列はトップになったと考えるべきだろう。コンディションの部分はまだ様子見だとは思うが、当面ドウグラスがFWの軸として起用されていくのだろう。

 鳥栖戦でもドウグラスの動きは別格というか、攻撃面での打開も、前線の守備のスイッチも、1人でやっていたような雰囲気だった。逆に言うと、ドウグラスが良いプレーをした時しか、清水のチャンスが生まれず、早くも「ドウグラス依存症」みたいな傾向がちらつき始めたのは、やや気になるところである。昨年だって、チアゴが鮮烈デビューした時には、大船に乗ったような気持ちになったもんだが、その後、尻すぼみになっていったという苦い記憶もある。

 まあ、いずれにしたって、フェルナンド・トーレスの鳥栖への貢献度よりは、ドウグラスの清水への貢献度の方が、きっと大きくなるはずだ。逆の目が出ると嫌だったので事前には書かなかったが、正直言えば、鳥栖戦でトーレスの存在が我々にとって大きな脅威になるとは、個人的に予想していなかったし(むしろ金崎の方が不気味だと感じていた)、実際に戦ってもスーパーなFWという印象はあまりなかった。こう言っては申し訳ないが、鳥栖さんがトーレスを獲得すると聞いた時に、個人的に思ったのは、「来年のJ2の集客にとっては、朗報だな」ということ。鳥栖さんと言えば、「正直田舎者」のキャッチフレーズが有名だが、何だか今の動きを見ていると、大スポンサーのお金が流れてきて、田舎者が突然大金を手にして人生を踏み違えちゃったというか、そんな感じがする。

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 鳥栖戦終了後の金子翔太のコメントが、個人的に非常にしっくり来た。

 これからも今の戦い方がベースだが、鹿島、川崎Fという特殊なチームとの対戦になる。川崎Fは今の自分たちの4-4のブロックを崩しにくるので、今のままではダメだと思う。もっとボールに寄せなければいけないし、カウンターのクオリティを高めて、自分たちの狙い通りの戦い方をしたい。

 中断明けからの3連勝は画期的だったが、冷静に考えれば、コンディションの悪い相手、下位で苦しんでいる相手との試合が続いたことは、差し引いて考えるべきだろう。ここから8月いっぱいくらいは、難敵との連戦が続き、文字通り真価が問われることになる。

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 当S研の前半戦のまとめで、完封勝ちができない、複数得点しないと勝てない、ウノゼロは一度もない、といったことを指摘した。しかし、後半戦最初の試合で、いきなりそれらの法則が崩れた形となった。これは、清水が新境地を開き、ウノゼロで逃げ切れるしたたかなチームに変貌したと言えるだろうか? いや、それはどうかなあ?攻撃はシュートわずか2本、守備も相手の攻め手のなさに助けられ、ジャッジにも救われた印象が強い。いや、ホントに大きいんだけどさあ、3連勝は。巨大なんだけどさあ。

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 Jリーグ各クラブの2017年度の事業規模(営業収益)が発表されたので、大した工夫でもなく恐縮だが、それをグラフにしてみた。清水は上から9番目なので、成績面でも、そのくらいを最低線と位置付けたいものである。ましてや、現状で経営規模が10分の1以下の沼津さんや藤枝さんに、練習試合であっても、負けるようなことは許されない。そういう、最低限のノルマを再認識する機会にしたい。

kibo
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