エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

2018年05月

 清水サポの皆さんは薄々感じているのではないかと思うが、日本代表のハリルホジッチ前監督をめぐる問題は、清水のゴトビ騒動と酷似している。

 なお、以前も書いたことがあるが、所長は今さらゴトビ氏を支持するとか、逆に支持しないとか、そんなことを論じるつもりは一切ない。むろん同氏についての個人的な評価というのは持ち合わせているが、もうすでにクラブと関係なくなった指揮官の是非を論じても意味がないし、そんなことをしても清水の団結にヒビが入るだけだからである。所長がここで言いたいのは、我々の体験したことが、現在の日本代表の状況と非常に似ているということにすぎない。

 類似点としては、知将と期待された外国人指揮官を招聘し、当初はそれなりに結果も出ていたが、いつしか閉塞感が生じ、監督と選手の信頼関係が損なわれた。清水はシーズン真っ盛り、代表はW杯直前ではあったが、監督を代えなければにっちもさっちも行かないという状況に陥った。そこで、異例のタイミングで監督解任に踏み切り、半ば喧嘩別れのような気まずい解任劇となり、結果として裁判にまで発展した。後任監督には、危機管理的な意味合いで、内部昇格が選択されたが、状況が状況だけに、苦戦を強いられる。一部のサポは、「それ見たことか。名将をむげに解任するからこんなことになるのだ。前監督のサッカーそのものは正しかったのに、それを実践できなかった選手に責任があるのだ」と論じる。逆に、「いや、前監督の下だったら、座して死を待つのみだった。準備期間の短い後任者を責めるのは酷だよ」と、後任を擁護する向きもある。かくして、1つのチームを応援するという共通の目的を持っていたはずの共同体で、世論が二分され、不毛な神学論争が延々と続く。。。

 まあ、このような最悪の状況を回避するためには、なるべく監督のノルマを明確にすること、交代するにしてもタイミングを間違わないことが肝心なのだろう。我々清水は、その教訓をしかと胸に刻むことにしよう。

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 例のハリル解任問題で、日本サッカー協会の田嶋幸三会長が批判を浴びている。当S研ブログ、プチ休暇中であり、ハリル解任の是非についてここで論じるつもりもないが、田嶋氏について、清水サポとして、一言言っておきたいことがある。

 あれはJリーグ創設直後のことだったと思うので、1993年か94年くらいのことだったか。NHKのBSで鹿島VS清水戦の中継があり、田嶋氏が解説を務めていた。うろ覚えだが、確か、清水が1点リードしながら、鹿島の猛反撃を受け、防戦一方となる、苦しい試合だった。

 そして、ついに清水の守備が耐え切れなくなり、鹿島に同点ゴールを許した(逆転ゴールだったかもしれん。違ったらゴメン)。その瞬間、あろうことか、解説の田嶋氏は、「ヤッター!」と歓喜の声を上げたのである。まるで、欲しかったオモチャを与えられた、小5男子のような幼稚な声で。

 日本代表が外国チームと戦ってるならいざ知らず、日本国内のクラブ同士が戦っている試合で、解説者が一方に肩入れするというのは、普通はありえない。日テレで巨人戦を解説している巨人OBですら、表向きは中立の立場を装う。ところが、田嶋氏は当時協会の強化委員という公的な立場であり、NHKという公共放送であるにもかかわらず、自分が一方のチームに肩入れしており、そのチームの同点弾が嬉しくてしょうがないということを、恥ずかしげもなく吐露したのである。繰り返しになるが、小5男子のような幼稚な声でだ。この男には、鹿島が清水に同点に追い付いて、テレビの前で喜んでいる人と同じくらい、悲しんでいる人々がいるという、そんな当たり前の事実すらも、想像が及ばないのである。

 要するに、田嶋幸三というのは、その程度の品性、知能の持ち主なのである。くだんの中継を目の当たりにして、所長は、この男を一生軽蔑し続けようと思った。なので、ハリル問題など、待つまでもない。こんな男が協会会長になったことが、そもそも間違っているのである。

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 ちょうど、J1が中断に入るタイミングで、仕事がだいぶ忙しくなってきたので、当S研、しばらく休業とさせていただきたい。6月に入ったら再開して、第15節までのまとめとかやってみたいし、ワールドカップ関係のことも書くかもしれないし、それ以外にも何か思い付いたら書くかもしれないけど、取りあえずちょっとお休みです。エスパサポの皆様、お元気で。

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 見てのとおり。J1で一番ポゼションとビルドアップが上手く、崩しも秀逸なチームと、それが一番下手なチームが対戦して、まったく順当な結果が出ましたという試合だった。

 ただし、ある程度握られるのはやむをえないにしても、3失点がいずれも大して崩されてもいないのに、自滅した格好だったことは、痛恨である。川崎がエースストライカーを欠き、それほどチーム状態も良いようには見えなかったことを考えれば、清水次第でロースコアの競った展開に持ち込める可能性もなくはなかったが、そのためには守備が100点に近い仕事をしなければならない。現実に起きたのは、あまりにもお粗末なディフェンスラインの集中力欠如だった。

 広島戦と同じく、GK六反勇治のミスが致命的となった。1失点目は、無駄なプレジャンプを入れて反応がワンテンポ遅れ、シュートコースを勝手に決め付けるという彼の悪い癖が、モロに出た。2点目は、簡単にシュートを打たせた最終ラインの責任が大きいとはいえ、六反の本来の能力をもってすれば、止められたシュートだったのではないか。さらに、後半反撃に転じ、もしかしたら多少相手を慌てさすことくらいはできるかなという雰囲気が漂ったまさにその時に、GKの不用意なフィードから決定的な3失点目を浴びたことは、言い訳できない。清水は直前のルヴァン札幌戦で同じようなフィードミスから大ピンチを招いていたのであり、チーム全体としてまったく学習ができていなかった。

 誰が見ても明らかなように、清水は川崎よりもはるかに弱かったが、今となってはそんなことはどうでもいい。問題は、今年の清水が、去年の清水よりも強いか弱いかだ。川崎戦の結果を見る限り、とても去年より強くなったと言えないことに、大きな危機感を感じる。

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goal

 金子は、現在のところ、J1の得点ランキングで、日本人の2位タイ。タラレバになっちゃうけど、もしも前節の終了間際、足がつらずに、あのビッグチャンスを決めてたら、金崎と並んで日本人トップタイで、W杯中断に突入する可能性もあったわけだ。もちろん、本日の川崎戦で金子が決めて金崎に追い付くかもしれない(北川が2点とって追い付くかもしれない)。

 しかし、その割には、金子が日本代表候補に取りざたされた記憶はないし、たぶん清水サポの間ですらそんな話題はほとんど出たことがないのではないか。

 U-21代表からも立田が外れちゃったみたいだし、年代別代表を含めても、今の清水にはU-19中国代表の呉少聰君しかいないという(笑)、ちょっと寂しいことになっている。

 金子も、北川も、松原も、もう一皮、いや三皮くらいむければ、代表といったことも、まったくの夢ではないはずだけど、今回のロシアW杯に関しては、まったく手が届かなかった。というわけで、今回のW杯でも日本代表で清水サポの琴線に触れる存在は、またも岡崎慎司だけとなった(最終的に残れば、だけど)。

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 こちらの記事で、韓国代表のメンバー28名(+7名)が発表されたということが伝えられている。うちのファンソッコも代表歴はあるはずだけど、もう数年も呼ばれていないようで、今回のワールドカップも選外となったようだ。

 でも、我々からしたら、ソッコは救世主以外の何物でもなく、あんなレベルの高い選手でも韓国代表には選ばれないのか、と思ってしまう。日本だったら、まずメンバー入りしそうな気がする。それだけ、韓国は守備系の人材が豊富なのだろう。

 だとしたら、この夏の補強で、韓国の代表クラスのDFを一点買いし、ソッコとセンターバックを組ませてみるというのはどうか? 所長はフレイレに期待しており、実際今季はそこそこやってくれてはいるが、やや不安定だったり、怪我がちであったり、ファウル癖があったり、試合終盤足が止まったりして、全幅の信頼は置けない。韓国人DFなら、ソッコとのコミュニケーションもスムーズだろうし、チームに溶け込むにも時間はかかるまい。イニエスタを買うよりも、費用対効果は高いはずだ。所長の理解によれば、清水の外国人枠はたぶん1つ余っていると思うので、補強資金をその部分に集中投資してはどうかと思う。まあ、センターバックでなく、守備力の強いボランチでもいいけどね。ちなみに、韓国代表のDFの顔触れは以下のとおり。

▼DF
キム・ヨングォン(広州恒大/中国)
チャン・ヒョンス(FC東京/日本)
チョン・スンヒョン(サガン鳥栖/日本)
ユン・ヨンソン(城南FC)
クォン・ギョンウォン(天津権健/中国)
オ・バンソク(済州ユナイテッドFC)
キム・ジンス(全北現代モータース)
キム・ミヌ(尚州尚武FC)
パク・チュホ(蔚山現代FC)
ホン・チョル(尚州尚武FC)
コ・ヨハン(FCソウル)
イ・ヨン(全北現代モータース)
以下は予備
DFチェ・チョルスン(全北現代モータース)
DFソン・ジュノ(全北現代モータース)

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 中断前のラストマッチ、アウェー川崎戦に向け、色んな思いが去来する。

 西城秀樹さんが亡くなってしまい、ヒデキはヤングマンのハーフタイムショーで等々力を沸かせてきた人なので、ひょっとしたら日曜日は追悼試合になるのだろうか?

 川崎と言えばテセの古巣で、昨年のアウェー川崎戦では色々あったが、バットマン・テセは今年は出場するのだろうか? 水曜日の試合でフル出場したので、もしかしたら回避?

 そして何よりも、清水は勝ち点を1つでも持って帰れるのだろうか? アウェーに強い清水のジンクスは、まだ生きているか? 1コでも拾えれば、長い中断期間を、心安らかに過ごせるんだけどなあ。

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 札幌には勝てたけれど、この日の勝利の喜びよりも、以前の試合についての後悔の方が大きい、そんなミッドウィークの夜になってしまった。何で甲府に勝てなかったのか、何でアウェー磐田戦でせめて引き分けられなかったかと、今さらながらに悔やまれる。

 札幌戦については、チームとしての力の入れ具合と、選手のモチベの差がはっきり表れたということに尽きる。いつものリーグ戦と違って、先方が、スペースも、時間も、自由も、ずいぶん与えてくれるなあと思いながら観ていた。清水の方がターンオーバーをしながらも本気度は高かったから、今回に限っては勝って当然でしょう。でもミスも相当多かったよ、相変わらず。

 カップ戦が終わってしまい、これから、Bチームのモチベやコンディション、試合勘が失われるようなことがなければいいのだが。

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 お読みになった方も多いかもしれないが、先日、「砂浜ダッシュ、補食…細部まで拘った取り組みの成果。清水ジュニアユースが全日本U-15大会3連覇!」という記事が配信された。そしたら、この記事をめぐり、「試合直後の補食という取り組みは理解できるが、行き先がすき屋というのはいかがなものか?」と、各方面で物議を醸したようだ。

 それを受け、「『牛丼論争』の火付け役、林舞輝コーチが考える『最強の吉野家メニュー』」という記事が配信された。若干ネタっぽいが、アスリートと食事というテーマについて貴重な情報も含んでいるので、よかったらご一読ください。

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 清水はPK2本の恩恵で湘南に勝てたわけだけど、実は湘南は前節のホーム仙台戦でも2本のPKを献上していた。ちなみに、湘南のGK秋元は、仙台戦、清水戦と、すべてのPKでほぼシュートのコースに反応しており、仙台戦では2本のうちの1本を見事止めていた。他方、仙台戦で湘南は1点をとり追い上げたのだけど、その1得点もPKによるものだった。というわけで、湘南はこの2試合で、4本ものPKを課せられ、逆に1本を与えられたのだけれど、はっきり言ってその5本とも、ファウルにとってもとらなくてもどうでもいいようなプレーだった。むろんペナ内ではもっと慎重に振る舞うべきとも言えるが、どちらかというと、湘南にとってはこの2試合は災難続きだったという気がする。

 ただ、それと同時に思ったのは、最近のJリーグ、妙にPKが多い気がする。もしかしたら、ワールドカップに備えて、ペナ内のファウルをより厳格にとるように審判団に通達が行っているとか、そんな背景があるのかもしれない。

 清水の選手たちも、本当に気を付けた方がいい。特に最近は、手を使って相手を押したり、相手のユニを引っ張る行為は、厳しく罰せられるからね。清水の選手、疲れてくると、守備の対応が後手に回って、手で相手を押しがち。松原の2枚目のイエローは、ユニを引っ張ったことが決め手になってしまった。逆に、ショルダーチャージであれば、結構激しく行っても許容される傾向があるから、とにかく手を出すのは我慢して体で激しく寄せることが肝心だ。

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 なんか、最近当ブログはネガティブなことばかり書いていて申し訳ないのだけれど、もちろん湘南戦に勝ったことは大きかったし、良いこともいくつかあった。中でも、ずっと得点から遠ざかっていたクリスランが、PKとはいえ、得点を決めたことは大きい。率直に言って、最近のクリスを見ていると、どんな風に受けてどんな形でフィニッシュに持っていきたいのか、全然「形」のようなものが見えないなあと感じていた。ポストプレーの負担が大きいとはいえ、彼のところから得点が生まれるというイメージがさっぱり浮かばなかった。シュートに時間をかけすぎてブロックされてしまう悪い癖も目立った。

 しかし、不思議なもので、湘南戦でPKで得点を決めた後は、プレーに余裕が生まれ、後半立て続けに、北川と金子の得点をアシストした。特に金子のゴールシーンは、クリスがディフェンダーと入れ替わって裏に抜け出すのが見事だったし、最後は自分で強引に行ってもよさそうなところを、より確率の高い金子にラストパスを送ったのは、点をとっているという余裕のなせる業だっただろう。

 本人は、母の日の前日の試合で、来日中のお母さんに良いところを見せたいと意気込んでいたようだが、これからも毎日が母の日だと思って継続してほしい。

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 それにしても変な試合だった。逆説的にも、勝因は、最初のハンド、あれを見逃されたことにあったのかもしれない。クリスのセンタリングがペナ内の相手の手に当たったのは、審判にも見えただろうし、客観的に見てPKが妥当だったが、主審はとっさに笛を吹けなかったのだろう。その後ろめたさがあったから、「ペナ内で湘南側のファウル気味のプレーがあったら、今度はすぐに吹くようにしよう」という意識になり、その意識付けが強かったので、勢い余って、2つもPKをもらえたのだと思う。フレイレがユニをちょっと引っ張られたのも、クリスが相手と接触したのも事実なので、誤審とは言えないまでも、普段であればPKにとってもらえたかどうか。で、清水というのは、とれない時はからっきしとれないが、1点とれると2点目、2点とれると3点目と追加点はとれるチームなので、実に4つものゴールを積み重ねたわけである。正直、今の清水の守備は、ザルの中でも、だいぶ目の粗いザルの部類であり、内心、「3点くらいとらないと勝てないな」とは思っていたが、退場者が出たこともあり実際2点を返され、最後はまったく勝った気がしないゲームになってしまった。

 1年に一度あるかないかという幸運により、4:0というアドバンテージを得ながら、退場者を出し、ほうほうの体で逃げ切ることしかできない清水。勝ち点3とは裏腹に、不安ばかりが募る試合だった。

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 読んだ方も多いと思うが、こちらのサイトに、「エスパルス新たな挑戦 外部のアイデアをクラブ運営に活用」という記事が掲載されている。一部を引用させていただくと、

 サッカーJリーグ1部の清水エスパルス(静岡市清水区)は4月から日本IBM(東京)と協力し、ベンチャー企業など外部のアイデアを同クラブのビジネスに活用する新事業「清水エスパルス・イノベーション・ラボ」を始めた。「新規ファン拡大」など5つのテーマでアイデアを公募し、実証実験などを経て、実際のクラブ運営に取り入れる。こうした取り組みはJクラブ単独では初という。今回の試みを地域を巻き込んだクラブ経営戦略の一つと位置づけ、担当者は「リーディングクラブとして取り組んでいきたい」と意気込んでいる。

 募集分野は、試合観戦の魅力創出や飲食などの周辺サービスといった「スタジアムでの観戦体験」や、スポンサーの地域貢献活動を支援し地域経済の発展を進める「パートナーシップ」など5つ。具体例としては、「スタジアムでの観戦体験」の場合、スタジアムでの盛り上がりの状況を人工知能(AI)が察知して座席が振動する仕組みであったり、「パートナーシップ」の場合は、地域の店舗で利用できるポイント制度の活用などが挙げられる。アイデアは、ベンチャー企業など同一企業内で5人以上のチームを組んで応募。書類選考を経て各分野1チームが選抜され、選ばれた5チームのアイデアに関しては、約4カ月、ワークショップを開催したり、IAIスタジアム日本平(静岡市清水区)などで実証実験を行った上で、最終的に採用の可否を判断する。各チームにはエスパルスや日本IBMのサポート担当がつき、実務的視点からアドバイス。クラブが持つさまざまなデータが提供されるほか、日本IBMが提供している新規事業を開発するベンチャー企業向けの起業支援プログラムも受けられる。

 率直に所長の第一印象を申し上げれば、「迷走の予感しかしない」と言わざるをえない。いや、何事も挑戦するのは良いことだし、クラブの経営努力をくさすようなことはなるべく言いたくはないのだが、このクラブのやることは常にちょっとピント外れなところがあり、今回も???という感じがしてしまうのだ。

 エスパルスの運営に、外部のアイディアや人材を取り入れようという方向性自体は、結構なことである。しかし、思い出すのは、清水が何年か前にホームページ上で、「皆さんのアイディア募集」みたいな試みをやった時のことだ。所長自身、無い知恵を絞って、何本かのアイディアを投稿したものだった。しかし、投稿した際には、「確かに受け取りました」という返答はあったものの、その後クラブが、それらアイディアの検討・採用状況などにつき、情報を開示したことがあっただろうか? むろん、所長をはじめ、サポのアイディアなど、しょせんは素人の思い付きであり、現実味が乏しいものがほとんどなのだと思う。しかし、サポたちは、少しでもクラブが良くなってほしいという思いを込めて、それぞれに提案を寄せているのである。であるならば、提案を受け取ったクラブ側は、「貴方のアイディアは、委員会で検討させていただきました。確かに魅力的なご意見ですが、予算や人員の都合から、すぐに実行に移すのは難しいという結論に至りました。今回は残念でしたが、今後ともエスパルスの運営にぜひご意見をお寄せください!」といった事後報告をする程度の対応はとるべきである。そうした対応ができないのなら、そもそもサポからアイディアを募る資格があるかどうか、疑わしいと言わざるをえない。今回の「新たな挑戦」は、素人ではなくプロが提案を行うという違いがあるが、以前のことがあるだけに、仮に素晴らしい提案が寄せられたとしても、清水というクラブにそれを消化する能力があるのか、そのことを、所長などはつい疑問視してしまうのである。

 もう一つ、所長が懸念してしまうのは、「具体例としては、『スタジアムでの観戦体験』の場合、スタジアムでの盛り上がりの状況を人工知能(AI)が察知して座席が振動する仕組みであったり」というくだりだ。サポたちは、そんなエッジの効いた斬新なサービスを求めているのだろうか? 我々が願っているのは、シャトルバス地獄を何とかしてほしい、せめて洋式トイレを増やしてほしい、屋根付きの座席が増えてほしいといった、ごく初歩的な事柄である。そして、それらの抜本的な解決のためには、究極的には、新スタジアムを作るしかない。そうした根本的な課題に向き合わず、やれAIだやれプロジェクションマッピングだと、奇抜な試みにクラブが走るようなことは、決してあってはならない。しかし、中途半端な「プロ」がアイディアを競うと、必ずそういうあさっての方向に議論が行きがちである。そうじゃないんだ。そんなことじゃないんだよ。

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 今回の磐田戦では、清水の秘技2発が、炸裂した。

 1つは、愚かにも、自分たちのコーナーキックからカウンターを浴びて失点するパターン。せっかくコーナーを奪いながら、それを活かして得点する確率よりも、その流れで失点する確率の方が高いプロサッカーチームは、おそらく世界中探しても清水だけだと思う。磐田戦の失点シーンを見ても、大人数が同じようにゴール前に殺到するなどバランスが悪すぎ、ゆえにセカンドボールを拾えず、相手GKのフィードを誰も邪魔するわけでもなく、カウンターを途中でファウルで止めることもせず、失点するべくして失点している。この点、主力組のセットプレーカウンターの対処は、昨年よりはマシになったかなと感じていたが、カップ戦のBチームは昨年までの主力が多いだけに、悪い癖を引きずっている。

 もう1つは、これまた愚かにも、せっかく得点を奪っても、その直後に失点するパターン。今回も、Youの同点ゴールから、わずか3分後に敵に勝ち越しゴールを許した。当S研では昨年から、「得点を奪ったあと、5分間は、攻撃禁止。5分間は、全員自陣に戻って守備ブロックを作り、ボールを奪ってもまずはポゼションを重視して試合を落ち着けるようにし、リスクのあるプレーは避ける」ということを提言しているのだが、ナイーブなオレンジ戦士たちはたまに点がとれるとすっかり舞い上がってしまい、なぜか得点後にかえってバランスを崩して失点する悲劇を繰り返しているのだ。

 清水の応援では伝統的に、セットプレーのチャンスの時に、「決めろよ決めろよ ゴール! ゴール!」というチャントを送ることになっている。しかし、上述のようなセットプレーカウンターの危険を考慮すると、清水が勝つためにはそれは逆効果であり、むしろ「カウンター警戒! カウンター警戒!」といったチャントに変えるべきである。また、得点した時には「オーレーオレオレオレー」が恒例となっているが、選手たちから平常心を奪う呪文のようになっており、即刻やめるべきである。以上、実現することは絶対にないことを承知の上で、あえて暴言を言ってみました(笑)。

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 倦怠感が漂っていた最近のリーグ戦に比べれば、メンバーに新味があり、それなりに動けてはいたが、クオリティが低いのは、AチームもBチームも同じ。収穫は増田の動きが良かったのと、村田がキレていたことだったが、増田は1失点目の対応が致命的だったし、村田も守備は相変わらずで2失点目に繋がるクロスを簡単に上げさせてしまったから、両者ともプラマイゼロくらいか。Youがゴールを決めたのは収穫だったが、なぜゴールにではなく相手の背中めがけてヘディングシュートを放ったかは謎。オウンゴールと記録されなくてよかったね。

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 2月に行われた「2018清水エスパルスサポーターミーティング」の議事録がこちらで公開された

 質疑応答の部分を読むと、何となく、全体的に、官僚の答弁を聞いているような。。。新しいウェブサイトのデザインに自信を持っているような口ぶりだが、あれだけ出来損ないのサイトで、よく言うよねえ。SNSの活用についても、実質ゼロ回答だし。社員ができないならできないで、外部のコンサルを入れるなり、あるいはITに詳しいサポの力を借りるなり、なんか考えればいいのに。

 過去のサポーターミーティングでは、質疑応答で、新スタジアムの話題が出たこともあったと記憶しているが、今回はそのくだりは見当たらない。

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 つまり、そういうことなのだろう。だからこそ、ホームで勝てない、下位に勝てない(どん底状態の名古屋さんクラスは別)。

 では、なぜ主導権を握って勝つことができないのか? それは、ポゼションとビルドアップがど下手だからだろう。ブロックを作って構えた時にはそれなりに安定感があるし、相手に対してプレッシャーをかけショートカウンターを発動することはできるが、パス成功率がJ1とは思えないほど低いので、自分たちでボールを運んで相手を崩すことはほぼ不可能。ゆえに、こちらが先制して相手が前がかりになってくれれば前からはめて2点目、3点目がとれることもあるが、逆に相手に先行されると1点すらも遠くなる。だからこそ、複数得点で勝てることもあるが、無得点試合も異様に多い。鳥栖戦だって、自分たちで仕留めたわけじゃなく、OGだから、実質完封負けだ。

 逆に言えば、のびしろは無限大である(と日記には書いておこう)。

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 磐田がJ2暮らしをしていた頃、名波監督がある試合の高度な内容に胸を張り、「J1の香り漂う良い試合だった」といったコメントしたことがあった。対戦相手はどこだったか忘れたが、自分たち磐田も、対戦相手も、ともにJ1に昇格するに値すると実感できるような、そんな素晴らしい試合内容だったのだろう。

 今回の鳥栖VS清水戦は、まったく逆。J1同士だけど、J2の香りがプンプン漂っていた。サガン鳥栖様、連敗脱出、おめでとうございます。でも、あまり真に受けない方がいいですよ。対戦相手が酷すぎただけなので。こんな弱い相手、もうJ1には残ってないんでね。お互い頑張らないと、来年はこのカード、完全にJ2の対戦カードになっちゃいますね。

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 広島戦終了後のヨンソン監督のコメントは、次のようなものだった。

 内容的には良い試合運びができたと思う。終盤にもいくつかのチャンスが生まれていた。ただ効果的に決められなかったということが残念だった。・・・こちらもチャンスはしっかりできていた。終盤にはパワフルな選手を入れているので、もう少し簡単にクロスを入れていくことが必要だったと思う。良い内容のゲームはできたが、ただ綺麗なサッカーをしてしまうだけでは何もならない。相手より仕留めていかなくてはいけないと感じた。

 監督さん、本当にこのように思っているのだろうか? まさかな。誰が見ても明らかなように、広島とは明白な差があり、かなり必然色の濃い敗戦だった。先制された後は、まるで蟻地獄にはまったかのように、清水はもがいているだけだった。むろん、運良く先制できれば多少は違った展開になったかもしれないし、そうなる確率がゼロだったと言うつもりはないけど、相当な幸運に恵まれた場合だけだろう。サッカーを知っている人ほど、広島と清水の現状の力の差を実感した、そんな試合だったはずである。サッカーを知り尽くしているはずのヨンソン監督が、その歴然たる現実に気付かないはずはない。ただ、チームを預かる現場の指揮官として、「なすすべもなく敗れた絶望的な試合でした」なんてことは立場上言えるはずはないから、「我が方にもチャンスはあった」とコメントしているだけなんでしょ? そうなんだよねえ? もしそうじゃなかったとしたら、今後のことが不安になっちゃうけど。

 そんなこんなで、鳥栖戦である。やりにくいねえ。相手は大型連休ならぬ大型連敗中で、こういう相手に救いの手を差し伸べる伝統が我が軍にはある。前節の鳥栖VS札幌戦を観てみたけど、その試合で鳥栖は敗れはしたものの、久し振りに点がとれ、チームとして戦う形はだいぶできてきた印象だった。自信を回復して清水を迎え撃つのではないか。ちなみに、鳥栖VS札幌戦の解説もコバさんで、どうやら九州エリア担当解説者みたいな位置付けになっているようだが、清水戦はコバさんではないようで(小林違いで別の小林氏)、残念である。本人が清水戦の担当を嫌がったのだろうか?

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 ご存知の方も多いかと思うが、静岡市の観光・町興しプロモーションのバーチャルキャラクターで「さくやちゃん」というのがおり、所長はそのツイッターをフォローしていた。このツイッターの主たる情報発信として、静岡・清水の飲食店の紹介というのがあるのだが、ある日のツイートで、某ラーメン屋さんが紹介され、こってりラーメン定食、鶏のから揚げ付きといった画像に、「エスパルスの選手の色紙もたくさん飾られています」といったコメントが添えられていた。それを見て所長は、「こんなもん食ってるから勝てねえんだよ!」と、心の叫びをつい反射的にリツイートしてしまった。そしたら残念、さくやちゃんにブロックされてしまったようだ(苦笑い)。まあ、さくやちゃん、というかそのアカウントを担当しているオッサンの立場からすれば、ネガティブな内容のリツイートを放置すれば店にも迷惑がかかるから、ブロックせざるをえないのだろう。別に恨むつもりはない。しかし、近年の清水の反省点として、食事・栄養面での自己管理がずさんだったという点は間違いなくあるわけで、純粋に清水を強くする観点から言えば、こってりラーメン屋にオレンジ戦士の色紙がずらっと並んでいることが、喜ばしい光景でないことは間違いないだろう。食事はもちろん飲む水にすらこだわっているという六反の高い意識が、チーム全体に浸透していくことを、強く願う。

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