エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

2018年04月

 後出しジャンケンのようなことを言って恐縮だが、柏戦を前に所長は、「左SBは二見で行ったらどうか?」と思っていた。そこには、色んな意味合いがある。出ずっぱりだった松原を肉体的に休ませるという意味合い。柏のドリブラー対策として、対人に強いとされる二見を当てるという意味合い。ただ、一番大きな意味合いは、最近精彩を欠き、どちらかと言うと穴になっていた松原をいったん休ませ、精神面でリフレッシュ、リセットさせた方がいいのではないかという点だった。

 そんなことを思っていたので、柏戦のメンバー表を見て、「おお、本当に左SB二見で行ったか!」と色めき立った。それ以外にも、テセの先発起用、石毛に代わって白崎のサイドハーフ先発起用など、いつものベスメンとは異なる点が見られた。連戦が続く中、そういうターンオーバーをしながら、試合に勝てたというのは、大きいと思う。

 2点目の北川の得点は、スローインが得点に直結するという清水としてはレアな形だったが、二見の長く鋭いスローだからこそテセがああいう落としができたということを忘れちゃいけない。もう一つ、柏戦で所長が最も感心したのは、二見が伊東をファウルで倒してイエローをもらった場面である。ああいう、カウンターの卵みたいな状況で、昨年の清水はあまりにも甘い対応をして、簡単に突破を許してしまい、その典型こそホーム柏戦だったのだが、今季は「ファウルしてでも、カードもらってでも止める」という意識が強まっており(『エスパルス・ニュース』でソッコ先輩も力説)、その表れが今回二見が伊東を倒したシーンだったと思う。あれだけでも、二見を使った意味があった。まあ、もちろん、その前のデュエルで伊東に勝ってくれれば、もっと良いのだが(笑)。

 ただ、そんなこんなで二見はイエローを背負ってしまったし、後半のかなり早い時間帯に疲弊の色を隠せなくなっていたので、ベンチのマネジメントとして、もっと早く二見から松原に交代すべきだったと思う。清水は3枚目の交代カードとしてテセ→クリスランを準備しており、クリス投入の直前になって二見が限界になったので、急遽交代カードを差し替えたわけだが、場合によっては交代カードを使い切った後になって二見が動けないなんてことも考えられたわけで、きわめて危うかったと思う。

 清水は、リーグ戦の最初の何試合かは、ほぼ固定メンバーで戦っていたが、だいぶ色んなバリエーションが出てきた。連戦ゆえに、ということもあるけれど、控えメンバーが奮起し、層が厚くなりつつあるのだとしたら、心強いことである。

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 昨年のリーグ戦ホーム初勝利は、確か甲府戦だったよね。あの時も思ったけど、今年のリーグ戦ホーム初勝利も、決して「ホームっぽい」勝ち方じゃなかった。むしろ、押し込まれる苦しい時間が続いて、少ないチャンスを活かし、あとは全員で耐え忍ぶといった勝ち方。もう一つ言えば、昨年のアウェー柏戦の勝利も、こんな感じだった。はっきり言って、柏は、今季ここまで我々がホームに迎えた敵の中では最も強かったと思うのだが、ある意味でそういう相手だからこそ、適度に押し込んでくれて、いわばアウェー的な苦しい試合を演出してくれたので、我が方は少ないチャンスを活かして皆で守り抜くという戦い方ができたのだと思う。

 今はホーム初勝利を素直に喜びたいが、これから降格の危険など気にせずに、上位争いに名乗りを上げようというのなら、こういうサッカーだけでは限界があることも事実である。今は贅沢は言えないにしても、いずれは主導権を握った上でホームで勝つ清水を見てみたい。

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 それにしても、清水のサッカーは攻撃がミスで終わることが本当に多い。最終的にシュートを打って外れたとか、ギリギリのラストパスを送ろうとして惜しくも通らなかったとか、そういうのならいいんだけど、それに至るまでのもっと早い段階で、ミスで潰えてしまうことがあまりにも多い。期待感ゆえに実名を出せば、名古屋戦の松原などは、かなりフリーに近い状態でパスを受けても、トラップミスなどでそれをフイにしてしまうことが多かった。

 よく言われるように、「止めて蹴る」という基本技術が死活的に重要なのだろう。それに関して清水と一番対照的なのが、やはり川崎なのだと思う。あのチームを見ていると、とにかくトラップが正確である。それから、風間監督時代に植え付けられた、パスを出す時も細部にこだわるところが秀でている。清水の選手は、味方にパスを出す時に、何となく味方のいる方向に漠然と蹴ることが多いが、川崎の選手は味方の利き足とか動きの方向とか次のプレーとか、そういうことまで瞬時に判断して最善のコース・強さ・球種を選択しているのだと思う。だからこそ小気味良くパスが繋がっていく。

 名古屋戦での清水は、選手のオフザボールの動きに、ちょっとだけ改善がみられた。ボールを持っていない選手が、フリースペースや相手の裏に走り込む場面がいくつか見られた。しかし、ボール保持者がそれに気付いてパスを出すケースが、まだ圧倒的に少ない。想像するに、川崎の選手は止めて蹴る技術に自信があるので、足元を気にせずに広い範囲に視野を広げることができ、それゆえにピッチ全体を俯瞰的に見れていて、だから動いた選手を使えるのではないか。

 なお、そうは言っても、川崎でもパスがずれることはある。ただ、川崎がすごいのは、パスが少しくらいずれても、何事もなかったかのように、それをトラップの技術で収めてしまうことである。清水のように、パスを重ねるごとに誤差が拡大して行って結局相手に奪われるというのとは、対照的である。

 もう一つ、所長が前々から感じていたのは、「広島の選手は、皆、妙に姿勢が良い」ということである。皆さんも思い出してほしい。広島の選手って、胸を張って顔を上げて、ドリブルしているイメージがありませんか? たぶん、元々そういう選手を集めており、なおかつそういう指導もしているのだろう。その姿勢の良さが、やはり広い視野と的確なプレー選択、正確なプレーに繋がっているのではないかと、そう思うのである。

 むろん、川崎のサッカーを作った風間監督は、今は名古屋で苦労をしている。広島だって、昨シーズンのように、一つ歯車が狂えば、低迷することもある。いずれにしても、清水のサッカーにミスがあまりにも多いのには、それなりに原因があるということだろう。

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 清水が久し振りに勝利し、降格圏転落を回避したということで、もう今シーズンこのまま終わってもらっても結構というか、もっと言えば世界がこのまま終わってもいいという感じすらする。しかし、現実にはシーズンは続いて行き、もう土曜日にはホーム柏戦が控えている。清水の場合、ホームがアレなので、この安堵感は3日ほどしか続かない公算が大である。あ~あ、せめて1週間くらいは余韻に浸りたかったな。過密日程を強いたワールドカップの馬鹿。

 普通であれば、名古屋戦で吹っ切れた、さあホームでも暴れろと言いたいところなのだが、何しろ名古屋戦は「大スランプ同士が対戦してより深刻な名古屋が負けた」という試合だったから、清水が復調したとはとても言えない。何しろ、清水の選手が前を向き放題なんて、滅多にあることじゃない。それでも、清水はミスを繰り返していたのだから、水曜に当たっていたのが名古屋以外のチームだったら、また苦杯をなめていた可能性が高い。もちろん、北川の先取点はスカウティングが活きたシーンだったし、石毛が裏に飛び出そうとした場面などには工夫も見られたが、狙っていたはずのサイド攻撃が左右両方でことごとく失敗に終わるなど、まだまだ精度が低すぎる。名古屋戦に向けては遅攻の練習を重ねていたらしいが、65分くらいに、清水がアタッキングサードでパスを回していたはずなのに、敵を追い詰めるのではなくなぜか徐々に追い詰められ(!)、しまいにはボールを失ってカウンターを浴びた場面などでは、見ていて発狂しそうになった。

 ただ、内容が悪くても、得点や勝利がきっかけになって、内容も良くなるということはある。今後の戦いに向けて、慢心は禁物だが、「良い意味での勘違い」はあってもいいのかもしれない。

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 昨年の清水は「完封しないと(ほぼ)勝てない」チームだったけど、今季は逆にまだ完封勝ちがなく、むしろ打ち合いの試合をものにしている。今回の名古屋戦は、前半はお互いにミス合戦のような感じで、さすがは絶不調同士の対戦だなという印象だったが、まあそれでも何となくやりたいことがおぼろげに見えていたのは清水の方だった。先制点は、河井が長い距離を運んだのが良かったね。今の清水の場合、どうしても繋ぎのところでミスが出るから、ああいう風に河井→北川とパス本数が少ない方が、得点の確率が高い。最近の名古屋さんの守備はだいぶユルユルで、正直この相手に点をとって勝たないと、他ではまず無理だろうという相手だった。ホント、助かりました。

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 こちらこちらのページに出ている広島の城福監督のインタビューは、なかなか考えさせられる内容である。

 言うまでもなく、ヨンソン現清水監督は、昨シーズン広島を残留させ、普通であれば続投も考えられるところだったが、広島は契約満了という判断を下し、だからこそ清水が招聘することができた。一方、噂レベルの話だが、清水は2年前、小林監督に声をかける前に、城福氏に打診をしたが、断られたといった話を聞いたことがある。色んないきさつがあって、ヨンソン清水、城福広島という形で今季を迎えたわけだが、場合によっては、城福清水、ヨンソン広島で2018シーズンを戦うことになった可能性もあったのかもしれない。城福氏が2年前に清水のオファーを断ったのだとしたら、その主たる理由は「J1チームを率いたい」ということだったと思うので、清水がポスト小林の新監督に改めて城福氏に声をかければ、あるいは応じてもらえたかもしれない。

 広島がヨンソン監督を切ったことに関し、「立て直したのに、何故?」と疑問に思う人は多かったと思う。ちなみに、今季開幕前に広島を降格候補に挙げた専門家もいたが、その理由は「ヨンソン監督と契約延長しなかったから」というものだった。しかし、今季蓋を開けてみれば、城福広島は大躍進しているわけだから、広島のフロントの判断は的確だったことになる。

 で、ここからは思考実験なのだが、もしも今季の清水の監督が城福氏だったら、清水は今の広島のように大躍進できただろうか? それに関しては、所長は少々疑問に思う。城福氏だって、別にオールマイティの指導者ではなく、FC東京では思うように成績を伸ばせなかったし、甲府では(クラブ規模を考えればJ1に留まり続けたのは立派だが)リアクションサッカーの域を出なかった。城福氏が広島で成功しているのは、今の広島の状況にすばらしくマッチしたからだろう。清水で同じ成功を収められる保証はない。

 上掲の城福監督のインタビューの中で、とりわけ印象的だったのは、次のくだりだ。

 うれしい驚きだったのは、誰ひとりとして、(2017年の低迷の原因を)チームや監督、チームメートのせいにしなかったこと。ただただ純粋に、自分がどうすればよかったのかが分からない、と悩んでいたんです。6年間で3度も優勝しているんだから、去年がたまたまダメだった、と思っている選手がいてもおかしくないのに、そういう選手がひとりもいなかった。こういう集団だからこそ3度も優勝できたんだろうな、と感じました。

 (特に青山は)シーズン前に話し合ったときも、「なんでチームがこうなってしまったのかを知りたい。自分はこう思っているけれど、よく分からないというか、霧がかかっているんです」と苦しんでいた。そんな彼を見て、キャプテンは彼しかいないと思ったし、こういうキャプテンシーもあるんだなと。

 つまり、広島の選手たちは、それだけチーム愛に溢れ、責任感を持ち、サッカーに真摯に向き合っていた、だからこそ城福新監督が気付きの点を伝えたりヒントを与えたりするだけで、それがものすごく大きな効果を発揮し、前年15位のチームが短期間で首位を独走するチームに変貌できたと、そんな風に捉えることができるのではないかと思うわけである。

 問題は、我が清水だ。2017年の屈辱を、どう総括したのか? 選手が自分たち自身で昨シーズンの問題を突き詰めて反省し改善を図るような努力をしているのか。もしかしたら、そういうことを怠り、監督お願いしますといった受け身の姿勢でいるのではないか? 清水と広島の明暗を見るにつけ、そのようなことを考えさせられる。

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 それにしても、開幕から4節くらいまでは、良い夢を見させてもらったものだ。当ブログでも、柄にもなくはしゃいでしまったりして、振り返ってみると恥ずかしい。今となっては、清水を降格候補に挙げた評論家の先生方に、ひれ伏す他はない。

 去年のことを振り返ってみると、一応は一桁順位といった目標もあったものの、誰もが、最低限死守すべきはJ1残留という意識をもっていた。そういう共通意識があったからこそ取れた勝ち点も多かった。それに対し今年の場合は、ヨンソン監督は堅実っぽい指揮官だし、なまじ開幕ダッシュにも成功したので、まだ「我々は降格危機にある」実感が湧かない。チームが「残留モード」になかなか向かいにくい分、今の清水はきわめて危うい状況なのだと思う。

 当S研では以前、こちらのエントリーで、J2降格には大別して、戦力不足型、大崩壊型、モヤモヤ型の3パターンがあるという分析を示した。最近のヨンソン清水の低迷は、典型的なモヤモヤ型だと思う。以前書いたことの繰り返しになるが、モヤモヤ型のJ2降格とは、次のようなパターンである。

 ある程度戦力も整っていて、試合内容もそれほど悪いようには思えないのに、肝心なところで失点したりしてなぜか勝てず、首をかしげているうちに落ちてしまうというパターンである。誰が見ても明らかな「大崩壊」を起こしているわけではないので、建て直しは可能であるように思われ、現状維持を続けているうちに、いつしか取り返しがつかないことになってしまうという怖いケースだ。

 ヨンソン監督は、昨シーズン広島を残留させた実績があるので、もしも清水が他の監督で上手く行っていない時に、シーズン途中でヨンソン監督を招聘するというのは、理に適っている。しかし、シーズンのスタートからヨンソン監督が指揮をとって、それで上手く行かなかった時にどうするかという、青写真が見えてこない。監督退任でヘッドコーチが昇格というというのが常套手段だが、篠田さんがFC東京を躍進させたという印象はないし、残留争い渦中での手腕などはまったく未知数だ。

 いかん、どうもネガティブなことばかり考えてしまう。

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 今季ここまで、清水の守備が大崩壊した試合はない。リーグ戦の4敗は、すべて1点差である。

 だからこそ、監督も選手も、「やっているサッカーは間違っていない」とか、「決めるべき時に決めていれば結果は違っていた」とかいったコメントになるわけである。

 本当にそうだろうか? 逆に、ここ5試合のうち、4試合で1点差で負けているということは、そうなる必然性がものすごく高いということだろう。今の清水が、そこそこ守れてはいても、一瞬の隙を突かれて必ず失点するチームである、そして、いったんビハインドになってしまうと、攻撃の創意と精度が低いので、まず追い付くことはできず、だとすれば相手はしゃかりきになって追加点を取る必要もないので(連戦が続くので省エネ大事)、清水の鈍い攻撃を適当に受け流して時間が過ぎ去るのを待てばいい、だからこそ1点差負けが続いているのではないのか?

 一連の1点差負けを、「紙一重」と勘違いすることは、ものすごく危険である。この戦いを続けていれば、いずれ勝てるのではなく、いずれもっと酷い大敗を喫するようになる、そう認識すべきだろう。

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 もうJクラブ関係者やサポーターの間では、この噂で持ち切りであろう。駿河路の日本平の山中には、勝ち点がいくらでも落ちている黄金郷があるという。あまつさえ、心優しき現地の民は、黄金を気前よく旅人に分け与えるのだとか。急げ、急げ、勝ち点とり放題の、エルドラドへ急げ!

 ああ、なさけな。。。

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 このほど配信された「健康で長生きのカギ『男性ホルモン』はこうして増やす」という記事を読んでいたら、聞き捨てならないことが書いてあった。男性の健康長寿のカギは男性ホルモン「テストステロン」の分泌量だということを伝えている記事なのだが、その中に次のようなくだりがある。

 海外の論文では、応援しているチームが勝つとテストステロン値がアップするという報告があります。野球でもサッカーでも強いチームのファンになれば、テストステロンを増やす機会が多くなります。また、赤い色の物を身につけると通常よりもテストステロンの分泌が高くなることもわかっています。少し取り入れるだけでも効果があるので、日頃からネクタイや小物など赤い物を身につけるように心がけてみてください

 まずいじゃん、これ。赤色と言えば浦和レッズだが、それじゃあ、チームカラーの要因により、清水サポより浦和サポの方がホルモン出まくって、長生きできる確率が高いことになっちゃう。まあ、それだけならしょうがないかもしれないけど、少なくともここ数年は、清水よりも浦和の方が一貫して上の順位にいるわけだから、勝利ホルモンという意味でも、浦和サポの寿命の方が有利になっちゃう。

 う~む、色の方は、色彩見本帳を見ると、オレンジと赤の中間くらいの「赤橙」なんて色があるから(C:0 M:81 Y83 K:0)、徐々にそっちに寄せていくか。他方、勝利ホルモンは、勝ってもらうしかないよな、チームに。よろしく頼むぜ。オレたちの寿命がかかっているんだからさあ。

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 消化不良だった甲府戦で、強いて言えば、最も輝いていたのが村田だったことに、異論はなかろう。久し振りに躍動している姿を見た。中央に侵入しての先制ゴールも良かったが、サイドで「分かっているけど止められない」モードの村田を見たのは、本当に久し振りである。「もう全盛時のスピードはないのか」と疑問に思っていたファンも多かったはずだが、ひとまずはその心配を払拭してくれるプレーだった。久米GMに「迷わず仕掛けろ」といった助言をもらい、吹っ切れたような雰囲気だった。

 まあ、ただ、「J2のディフェンスだから、スピードについてこれなかった」という面もあったことは、考慮しなければならないだろう。一昨年のJ2時代は、村田は仕掛けさえすればかなりの確率で抜ける選手だったが、今回の甲府戦でも再び「J2キラー」振りを発揮したと、そんな捉え方もできるのかもしれない。

 しかし、J1のリーグ戦でも、また使ってみたいと思わせる活躍だったことは間違いない。先発向きではないにせよ、膠着した後半に投入してアクセントをつけられる、希少な存在ではあるだろう。

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 開始1分も経たないうちに先制した時には、こりゃ3:0くらいは行けるんじゃないかと期待したが、終わってみれば、内容的にはがっぷり四つで、結果で見ても1:1の引き分けか。いつものリーグ戦よりは攻撃面で面白いシーンが多かった気もしたが、意図が合わなかったり精度が悪かったりで、2点目が遠かった。デイフェンスラインも本職でない配置の選手が多く、まあOGの1失点くらいはしょうがないところだし、2点目をとって試合を決定付けてしまうべきだったろう。リーグ戦のスタメンに向け猛アピール、といった選手は見当たらなかったかな。にしても、クロスからの失点多いよね。ほとんど中身のない感想で申し訳ないが、とりあえず以上。

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 浦和は日本最大規模のサッカークラブであり、普通に考えれば、そのチームにアウェーで1点差で敗れること自体は、破局的な出来事ではない。前半だけなら悲惨だったが、後半は1点とってある程度は敵を苦しめたので、まあこんなものかと納得することもできる。普通なら。

 問題は、昨年と同様に、ホームが鬼門と化していることに尽きる。ホームで勝てないチームが、アウェーでも勝てなければ、それは単に弱いチームであり、そのことが問われた試合だったからこそ、我々は浦和戦の結果に落胆したわけである。今季ここまでリーグ戦ではアウェー負けなしで来ていたので、その神話が密かにうちらの心の拠り所になっていたが、その神話が脆くも崩れてしまった。

 あと、残っているのは、「ルヴァンカップ・ホーム全勝神話」かな。本日はどうなることやら。あ、あと、クリスが点とったら勝つという神話もあるか。

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 浦和戦、前半はクオリティの違いを見せ付けられたが、だからと言って、敵に山のように決定機を量産されたわけではなかった。むしろ、ここぞという場面で、興梠が見事に決めたと言った方がいいだろう。

 ただ、決める・決めないはFWの技量だとしても、やはりクロスが良くなければ、ヘディングシュートのお膳立てはできない。浦和と清水ではシステムが違ったので、単純な比較はできないものの、浦和のサイドプレーヤーが良いクロスを上げ、清水はそれができず、それが勝負の分かれ目になったことは否定できない。

 特に、左SBの松原はクロスの失敗が目立った。フリーに近い状態で2度ほど完全なキックミスに終わったのは、いただけなかった。確か、今シーズン開幕当初は、クロス成功数で松原がリーグ1位というような話を聞いた覚えがあるが、正直言ってここ数節は彼の良いプレーを思い出せない。右SBの立田も、この試合もクロス成功はおろか、単純なパスミスが多く、途中交代となった。まあ、2人とも若いから、という言い訳をしたくなるが、それを言うなら、興梠の2点目をアシストした橋岡大樹はもっと若い。

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 そんなわけで、絶賛失速中の清水だが、ここ4試合で3敗していて、そのすべてで前半に失点していることが気になる。アウェーの札幌戦のように先制されながら逆転できた試合もあったにせよ、今の清水にとって相手に先行され守備を固められた中でこじ開けるのは、きわめて困難である。

 まあ、サッカーでは、前半と後半で形勢が正反対になることはありがちだけど、それにしても浦和戦前半の清水は何もできず、一体浦和をどう分析してどう戦うつもりだったのか、まったく見えないような内容だった(ていうか、ある程度の想定はあったはずだけど、予想以上に浦和が手強く、電光石火で2点とられてしまったので、戸惑っていたのかもしれない)。それが、後半になると形勢が逆転し、たぶん後半だけなら清水の方が保持率とかパス数とか上だったのではないか。「なぜ前半からそういう戦いができない?」と多くの人が思ったことだろう。しかし、支配しているかに見えた後半も、スムーズにフィニッシュに繋げられたわけではなく、得点シーン以外で、浦和守備陣が本当に慌てた場面はなかっただろう。

 2:0になった時点で、「本日のミッションは、勝敗・勝ち点関係なく、とにかく久し振りに得点をとることだな」と思ったので、それだけはクリアされた。

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 所長はよく知らないのだが(笑)、長崎にV・ファーレンというサッカークラブがあるらしい。こちらの記事で、同クラブの高田社長が、長崎市中心部における専用スタジアム建設の構想を熱弁しているという話題が伝えられている。聞くところによると、同クラブは最近ゼーワン初勝利を挙げたらしく、その直後ということで、意気も上がっているのだろう。

 新スタの話はかなり具体的なようで、実現する可能性が高いんじゃないかな。こういうのを見るにつけ、やはり新スタ実現のために何よりも求められるのは、親会社でも行政でもいいから、強力なリーダーシップだなということを痛感する。恐ろしいよね、この勢いで行くと、本当に長崎市内に3万人くらいの最新鋭専用スタジアムができて、V・ファーレンがビッグクラブへの道を歩み始めることになるかもしれない。社長のゼーワン優勝という目標だって、あながち夢物語ではなくなってくる。

 翻って、どう考えても必須の新スタジアムにつき、クラブもサポも行政も、イマイチ煮え切らない清水。いつまでもオリ10プライドの上にあぐらをかいていると、5年後、10年後に、我々が長崎を仰ぎ見る時代が来たとしても、不思議ではない。

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 先日お届けした、清水駅前新スタジアム妄想話の続きである。

 焼津市あたりでは、震災時に津波を避けるための津波タワーの建設が進められようとしているようだ。清水は、焼津よりは危険度が低いと思うのだが、いずれにしても沿岸部は備えが必要だろう。そこで、所長の妄想なのだが、スタジアムに繋がる立体プロムナードを整備して、それが津波避難施設を兼ねるようにしたらどうだろうか? JR清水駅と仮想スタジアムはほぼ直結するはずだからそれはまあいいとして、たとえば静鉄の新清水駅からスタジアムに立体プロムナードを設け(むろん途中にもあちこち階段を設ける)、普段は人の往来に、そして緊急時には津波を避け避難先のスタジアムまで安全に行けるルートとする。同じく、ドリームプラザ界隈からスタジアムまで延びる立体プロムナードがあれば、普段からスムーズに行き来できるし、津波対策という意味でも広い範囲をカバーできるだろう。

 立体プロムナードなんて言うと、いかにもコストがかかりそうだけど、要するに規模の大きめな歩道橋みたいなものね。妄想だから許して。

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 当S研では何度か指摘したことがあるが、一般的なイメージに反し、テセは実はあまりポストプレーが上手くない。上手くないというか、変なクセがついている。楔のパスを受けたときに、ワンタッチで簡単にはたいてしまう傾向がある。もちろん、それが味方に上手く繋がれば大チャンスになることもあるが、失敗して敵へのプレゼントパスになり、ピンチを招くケースも多々ある。せっかくテセに縦パスが通ったのに、本人がそれを無造作にワンタッチでバックパスし、それが相手への絶妙なスルーパスみたいになってしまうこともある。FWにボールが通ったら、前を向いて勝負するなり、ボールをキープして味方が攻め上がる時間を作ってほしいのに、なぜかテセはすぐにボールを放してしまい、しかもそのパスが無造作なので、そこで敵に奪われひっくり返されることがしばしば起こるのだ。

 水曜日の試合で(対戦相手を書くことさえムカつくので、単に「水曜日の試合」と呼ばせていただくが)、序盤清水がペースを握れなかった一因は、テセがそうした形でのミスを繰り返していたからだった。

 悪いプレーというのは伝染するのか、問題の失点シーンは、石毛の敵塩バックパスが発端だった。石毛に良い形でボールが入ったのに、なぜか本人は迷わずそれをワンタッチでバックパスし、それを相手に奪われたところから崩された。戻りながらのディフェンスが下手な清水にとっては、ビルドアップの途中でそういう変なミスが出ることが、一番危険である。

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 幻想から目が覚めたというか、何と言うか。唯一の成果は、自分たちの立ち位置がはっきり分かったという、ただそれだけの試合だった。相手のシンプルで縦に早い攻撃に対応できず、工夫も精度もない攻撃を繰り返し、珍しく多かったコーナーキックもまったく得点の匂いなし。敗戦はきわめてロジカルな結果だった。まあ、最初の3試合くらいが出来過ぎで、化けの皮が剥がれて、本来のポジションに戻ったと言えばそれまでである。

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2018

 昨シーズン何度かお目にかけた図を、またちょっと作成してみた。上に見るとおり、清水の節ごとの勝ち点推移を、命からがら残留した2014年、降格した2015年、再び危機に見舞われた2017年、そして今季2018年と比べたものである。こうやって見ると、今季良い形で滑り出したようでありながら、実は現時点の勝ち点は、昨年と同じ9である。上位を狙うこともできる一方、下手をすればまた残留争いを強いられる危険性がなくなったわけではない。

 そういう意味でも、今日の試合、ものすごく大事。昨シーズンの勝ち点ペースを上回っていけるのか、同じような軌跡を辿るのかの、分かれ目になる。相手は、下馬評では最下位予想も多かった長崎で、そのチームをホームに迎え撃つわけだから、普通に考えれば、今シーズン一番、「絶対に勝たなければならない試合」である。ダービーとはまた違った意味で、勝利が義務付けられている。

 昨年、小林清水が困難なシーズンを余儀なくされた最大の原因は、こういう下位相手のホームゲームで、「いくらなんでも、ここには勝てるだろう」という状況にもかかわらず、そういう試合をことごとくものにできなかった点にある。ちなみに、清水は松本にJ1初勝利を献上してしまった苦い過去があり、今季J1初勝利に飢えている長崎が相手ということで、嫌な予感が頭をよぎらないでもない。

 日曜日の長崎VS東京戦をDAZNで観てみた。解説がコバさんで、コバ語(?)も健在であり、お元気そうで何よりだった。今季、苦戦を余儀なくされている長崎だが、第5節までは負けても1点差であり、意外にJ1相手に食らいついているなという印象だった。しかし、第6節では、東京の多彩な攻撃にディフェンスラインが混乱し、実に5失点を喫して、初の大敗となった。ただし、長崎が無得点に終わった試合もここまで1試合しかなく、東京相手にも2得点を記録。基本的には縦に速いカウンターとセットプレーだけだとは思うけれど、それなりに攻撃力はある。

 東京戦の印象からすれば、清水は3点はとりたいな、とれるんじゃないかな、という気がする。決して侮れる相手ではないので、全力で倒してほしい。

 ちなみに、大エースのファンマ(プレシーズンで河井に怪我をさせたやつ)がカード3枚累積しているということで、「カードもらいやがれ!」と思いながらくだんの試合を観ていたのだが、残念、この試合では大人しくしており、しかも後半途中で退いてしまって、清水戦の出場停止という願望は実現しなかった。もっと終盤まで競った試合展開だったら、ファンマを最後まで残し、警告の場面も期待できたと思うのだが、点差がついたので、次節に備えるために早めに下げたのだろう。惜しいことをした。

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