エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

2017年12月

suii

 拙いブログですが、読んでくださっている皆様方、今年1年ありがとうございました。1年の締めくくりに、こんな図を作ってみました。Jリーグ創設以来の清水の年間順位です。クリックすると拡大します。思えば、ここ数年は坂道を転げ落ちるようなシーズンが続きましたが、その転落にどうにか歯止めをかけてくれたのが小林監督だったと思います。ここからの逆襲、反転攻勢に向け、クラブの態勢は整いつつあるように感じます。

 どうぞ、皆様、良いお年をお迎えください。

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 2017年10月上旬、ジュビロ磐田とのダービーマッチを1週間後に控え、清水の右サイドの選手たちによる作戦会議が開かれていた。

鎌田 エダさん、オレ、アダイウトン、止められる気がしないっス。

枝村 安心しろ、お前だけじゃない。アダイウトンを止められる人間は、ウチには一人もいないから(笑)。

二見 自分も、アダイウトンに仕掛けられたら、ズルズル下がって、シュートコース空ける気しかしないっス。

枝村 さすがにそれはお前だけだ。いい加減にしろよ。

デューク ボク、オモウンダケド。アダイウトン、ドウセ、ファウルデシカ、トメラレナイナラ、ドコデ、ファウルヲスルカガ、ダイジジャナイ?

枝村 おお、デューク君、冴えてるねえ。

二見 確かに。なるべく早く、敵陣とか、センターラインあたりで潰しちゃえば、普通はカードも出ないし、相手のフリーキックも脅威じゃないっスよね。

鎌田 いくら、うちらの守備がザルで、中村俊輔さんのキックがエグくても、敵陣からのフリーキックで失点はしないですからね。

枝村 当たり前だろ、オレらだって一応プロだぜ。いくらキッカーが俊輔さんでも、敵陣からのフリーキックで失点とか、コーナーキックを直接入れられるとか、そんなことはありえないっつーの。

二見 そんなことされたら、面白動画のネタになっちゃいますよ。

デューク ヤメテー。ソンナドウガ、セカイニ、ハッシンサレタラ、ヨメニ、シバカレルヨ。

鎌田 ただ、さすがに、繰り返し露骨なファウルで止めると、カードが出ちゃうかもですね。

枝村 だな。もう、カードをもらう順番も決めとこう。そのくらいの割り切りが必要だ。ディフェンダーが早い時間帯にカードを背負うのはまずいから、まずオレとデュークからガツンと行くことにするわ。

デューク イイコト、カンガエタ。

枝村 何?

デューク アダイウトン、キガ、ミジカイジャン。ナンドモ、ケズラレルト、ホウフク、シテクルト、オモウンダヨネ。

二見 なるほど、アダイウトンが小突いてきたら、痛そうにして、大袈裟に倒れるわけか。

鎌田 そしてアダイウトンを退場に追い込む、と。

枝村 名付けて、秘技・・・。

全員 乙女倒れ!!

鎌田 オレ、乙女倒れの練習しとこう。

枝村 やめとけ。お前の今年の髪形じゃ、アウトレイジにしか見えないから。

デューク ヤクザコワイ、ヨメモットコワイ。

全員 ハハハハハハハ。

 こうして、事前の対策が実り、右サイドを完全に制圧しただけでなく、アダイウトンを退場に追い込んだ清水は、磐田とのダービーマッチで3:0の快勝を収めたのだった。

所長 何だ、夢か。

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 チアゴに関しては、シーズン途中に、散々論評したから、もうあまり語るべきことも残っていないけれど。まあとにかく、デビュー当時のインパクトは、すごかったねえ。ミドル、ロングシュートなんて、北朝鮮のミサイル迎撃できるんじゃないかと思うくらいの弾丸シュートだったし。鳥栖戦で決めたシュートとか、Jでは過去に見た記憶がないというか、味方ながらおいさすがに反則だろうというくらいのありえない代物だった。まさに、何にもないとこからゴールが生まれてしまうという感じがした。

 しかし、振り返ってみれば、得点は5月20日第12節の浦和戦が最後。6月25日の第16節甲府戦で負傷交代したあたりから、輝きを失っていった。復帰後も、相手チームのマークがきつくなり、また相棒のテセが不在がちということもあって、「自分が何とかしなきゃ」という思いばかりが先走り、強引さ、球離れの悪さ、ボールロストからカウンターを浴びる、といった欠点の方が目立つようになった。新潟のホニほどのスピードはないし。まあ、本当に、キック力だけとったら、清水の歴史の中でもNo.1といってもいい存在だったけど、もうちょっと周りを使って、使われてということができればよかったんだけどねえ。来季の去就に関しては具体的な情報がないが、レンタル満了ということなのかな?

 個人別反省会は、主なアタッカーを取り上げ終えたので(Youゴメン)、ここでいったん中断する。明日からは、年末年始特番。

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 デュークほど、サポの間で、評価が分かれる選手も珍しいかもしれない。まあ、確かに、「J1の主力級」という基準で見れば、物足りないのは事実である。貴重な外国人枠、アジア枠を使ったアタッカーが、割と多くの出場機会を得ながら、リーグ戦でシーズン1得点というのは、合格とは言いがたいだろう。

 ただ、今季のデュークについて、所長の評価を一言で言うなら、「デュークがいなかったらと思うと、ゾッとする」といったところだ。怪我人が相次ぐ中で、デュークは負傷離脱はほぼなく1年を過ごしてくれた。夏場から秋にかけては、彼がいなかったら、メンバーもまともに組めないような事態に陥っていただろう。

 プレー内容についても、一部のサポさんがおっしゃるほど、絶望的だとは思わない。あの推進力や献身性は捨てがたいし、「いつも」ではないが、「時々」冴えたプレーも見せてくれる。2017シーズンで言えば、アウェー浦和戦で一時は逆転まで行けたのはデュークを投入して勢いが出たことが大きかっただろうし、何と言ってもアウェー甲府戦の「死んだふりパスbyデューク」がなければ、今頃我々はJ2お遍路の旅支度をしていた公算が大きい。

 まあ、誰もが思うように、もうちょっとシュートが入ってくれるといいんだけどねえ。「ジャストミートしているのに、デュークのシュートは入らない」というのは、近年の清水の七不思議の一つだ(あとの六つは知らんが)。そのあたり、大前氏と比べると、分かりやすいだろうねえ。大前氏は、いつの間にかDFの視界から消えたり、意外性のあるタイミングで撃ったり、GKの逆を突いたりするのが上手かった。だから、それほど強いシュートじゃなくても、決まる。それに比べると、デュークは体が大きくて目立つというのもあるが、撃つぞ撃つぞ、ドカーン、ジャストミーーーート、という感じのシュートが多い。だから、しっかり当たった枠内シュートでも、GKが反応しやすいのではないかと思う。コバさんの個人授業が実って、デュークが開眼するのではという期待もあったけど、2017年も得点量産とはならなかった。

 やや甘いかもしれないが、個人的にはデュークは依然として、捨てがたい魅力を持ったプレーヤーだと思っている。ただ、今の彼のレベルで、清水でスタメンを張るとしたら、それはチームとして問題だ。デューク自身がさらに成長するか、デュークを控えに押しやる実力者がいる状態でなければ、J1では戦えない。

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 今季、金子が果たすべき責任は、大きかったと思うんだよね。何しろ、金子の台頭により、自分の居場所を失った大前が、大宮の甘言に乗って移籍しちゃったわけだからね。むろんプレースタイルが違うとはいえ、金子が大前の抜けた穴をどれだけ埋められるかというのが、2017シーズンの焦点の一つだったと思う。

 2017シーズン、終わってみれば、金子は4得点。その中には例の2万ゴールも含まれているし、鹿島戦や新潟戦の先制点も印象深い(まあ、両方ともそのあと逆転されちゃったけどな)。夏以降は、金子がボランチやサイドハーフに回ったりして、苦しい台所を支えた。

 しかし、全体として言えば、金子にとっては、J1での壁に直面した1年と言わざるをえないかな。中でも問題は、FWとして攻撃の起点になれなかったということだろう。体格の問題で、相手に覆いかぶさられるようにマークされると、まったくボールが収まらない。清水のイレブンも、金子にはスペースに出すなり工夫すればいいのに、浮き球で金子を相手DFと競らせようとするので、ことごとく競り負け、そのあたりが今季清水のポゼションが一向に高まらない原因となっていた。まあ、現実には清水はボール支配率の低い試合で地味に勝ち点を稼ぎ、そこには黒子として奔走する金子の姿があったわけだが、とは言え、あそこまで押し込まれた状態が続くのはやはり辛く、金子がチアゴに取って代わられたのはやむをえなかったと思う。

 レイソルの中川寛斗あたりは、金子よりもさらに小柄なのに、ボールを持った時やゴール前での落ち着きがあり、視野も広いように感じる。金子ももう少しプレーの幅を広げ、殻を破ってほしいと思う。

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 10番を継承し、何かと注目を浴びた白崎だったけれど、清水自体が苦戦続きのシーズンだっただけに、ファンタジスタとして攻撃を牽引するというよりは、守備の汗かき役としての役割の方が目立った。現に、当S研で今季お届けした「走行距離選手権」では、途中まで白崎がトップを快走していた。しかし、あれはホームのFC東京戦だったか、確か前田と競り合って着地した時にバランスを崩し、足を怪我して、やや長めの負傷離脱となってしまったのが痛かった。キーパーソンである白崎の離脱も、チームが夏場に変調を来たした一因だっただろう。結局、2017年の白崎、3得点というのはチト寂しすぎるな。でも大宮の10番の2得点よりは上か(笑)。

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 北川は2017シーズンのリーグ戦で5得点に留まり、リーグ全体の中では39位ということになるようである(5得点で39位の選手が18人もいるが)。こうやってランキングを見てみると、得点ランキングでベスト50に入った選手の中では、21歳の北川が一番若い、ということが分かる(鈴木優磨と同い年だが、生まれたのは北川の方が微妙に後)。おそらく、ベスト50の中では給料も一番安いだろう。例の「大山鳴動男」ことポドルスキも5点しかとれていないことを考えると、北川のコスパは抜群である。

 そして言うまでもなく、北川のリーグ戦における5得点は、どれも強烈に我々の記憶に焼き付いており、シュートそのものが素晴らしかっただけでなく、試合の中できわめて重要な意味をもった。そういう観点から言えば、北川は高評価となろう。なお、当S研では、「北川は途中出場で結果を出す選手なので、先発で使うことは疑問」というようなことを書いたことがあったが、神戸戦でそれを覆す活躍をしており、くだんの指摘はお詫びして撤回したいと思う。

 ただ、依然として我々は、北川にまだ物足りなさを感じている。もっともっと、大化けしてくれるのではないか、と。確かに、自分の形、ツボにはまった時には、ものすごく鮮烈なシュートを決めたりする。しかし、チームのリズムが悪い時とか、味方のパスがずれたりした時に、とにかくがむしゃらにボールを追いかけたり相手に圧力をかけたりとか、そういうゴン中山~岡崎系の必死さ・愚直さみたいなものが、まだあまり伝わってこないのだ。

 2018年も清水でプレーしてくれると信じるが、2018年には「自分がテセを抜いてこのチームのエースになる」という覚悟で取り組んでほしいものである。

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 テセは今の清水の大黒柱というか、チームそのものと言っても過言でない存在。この人がいなかったら、とてもではないが、今シーズンは乗り切れなかっただろう。そのことは、感謝してもしきれないが、普通に1サッカー選手として、特にエースストライカーとしての1年間の働きを評価したら、及第点というわけにはいかないだろう。何と言っても、リーグ戦の欠場が11試合にも及んだ。試合中の怪我による公傷欠場もあったので、責められないとはいえ、肝心な時に不在だったという事実は重い。また、10得点こそしたものの、その大部分がアウェーでの得点であり、確かホームは1点止まり(広島戦の一時同点に追い付くゴールだけ)だったのではないか。むろんテセ1人のせいではないけれど、アウェーに強くホームで弱いという今季の清水を作ってしまった一因は、ホームでのテセが決定力を欠いたことと無関係ではなかった。特に鳥栖戦で抜け出した追加点のチャンス、あれを決められなかったのは後々まで響いた。

 本人は、夏頃だったか、肉離れした時に、「まさか自分が筋肉系をやるとは思っていなかった」というようなことを発言していた。いくら鉄人でも、アンタだって人間だし、もうベテランの域なのだから、来シーズンはとにかく自分の体のケアを最優先して臨んでほしいものである。

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 本日から、2017年の清水の、選手別反省会を連載したい。まず、GK、No.13、六反勇治。

 今季の六反が、ダメダメ清水にあっては、MVP級の働きをしたことは間違いない。何しろ、唯一のリーグ戦フルタイム出場である。昨シーズンまでの清水は、GKのヘマのせいで負けたと言わざるをえない試合が年に何試合かあったが、今年はそういう試合がリーグ戦ではほぼなかった。

 六反が今季犯した明らかなミスからの失点としては、ホーム鹿島戦で相手のコーナーだったか、飛び出したのに触れずに、敵のヘディングシュートを許してしまった場面があった。もう一つ、ホーム新潟戦でフリーキックを叩き込まれた場面も、明らかにGKのミスだろう。長くサッカーを観ているが、あんな至近距離のフリーキックで弾丸シュートを決められる場面はほとんど記憶になく、要は壁の作り方や準備がまったくできていなかったのである。考えてみれば、今季の2大トラウマとも言うべき、2:0からの大逆転負けには、2回とも六反のミスが絡んでいたわけで、これはマイナス査定の材料だ。

 あと、これは良く分からないのだが、コーチングや守備組織の統率面での六反の貢献度は、どうだったのだろうか。今季、特にカウンターを浴びた時などに、清水の守備陣が敵をほったらかして、ゴールラインまで一目散に退却するような滑稽な場面がいくつかあったが、ああいう時にちゃんと敵をマークするように指示するのもGKの役目だと思うのだけれど、そのあたりができていたのかという疑問がある。

 六反は、日本屈指の一流のGKであり、清水の中では現時点で代表に一番近い存在でもある。しかし、「超一流」ではないというのが、1年見てきた所長の感想である(そもそも、代表レギュラークラスの「超一流」の選手だったら、清水には来てくれない)。技術的な話になるが、六反はシュートに反応する際の予備動作、いわゆるプレジャンプが大きすぎると思う。プレジャンプというのは、シュートを撃たれる時に、飛ぶ前に「ピョン」と小さなジャンプをする動作のことであり、サッカー界では賛否両論あるのだけれど、最近では弊害の方が大きいという認識が一般化しており、今日の超一流と呼ばれるGKはほとんどプレジャンプをしないと言われている。プレジャンプをしない代わりに、撃たれるギリギリまで細かいステップで位置を調整し、最適な位置と体勢から反応するというのが、現代の理想的なGK像である。「プレジャンプからの横っ飛び」というのは、いかにもGK仕事してます感は出るものの、実は失点を防ぐ最善策ではないのだ。

 ちなみに、プレジャンプに関しては、こちらのブログが参考になる。このブログでは、カミンスキがプレジャンプをしないモダンなGKで、仙台時代の六反がそれと逆のオールドファッションなGKとして取り上げられている。ただし、六反の部分のリンクはもう切れていて、読めないのが残念である。

 まあ、所長はGKなんて高校の体育の時間でしかやったことがないので(笑)、あくまでも素人談義。的外れだったらゴメンね。

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 昨日までご披露していた評論家リーグのオマケの話をしたい。あるチームについて20人の評論家が獲得したポイントを集計すると、そのプラスの数字が大きいチームほど事前の予想どおりの順当な順位だったということになろう。逆に、大きなマイナスの値になるようなチームは、良い意味か悪い意味かは別として、予想を裏切ったチームということになる。なお、以下で述べるのは表データだけの数字である。

 まず、明らかに良い意味で予想を裏切ったのは川崎であり、20人の評論家の同チームについての獲得ポイントを合計するとマイナス56となっている。それだけ大方の予想から良い意味で乖離していたわけである。ただし、S研方式では1位のチームに大きなポイント配分をしていることを差し引く必要があるだろう。それ以外で良い裏切りは3位のセレッソで、マイナス53を記録した。この他、札幌のマイナス36、横浜のマイナス34、磐田のマイナス31あたりが、良い裏切りということになるだろう。

 同じマイナスでも、悪い裏切りの最たるものは、やはり広島であり、実にマイナス105を記録している。2017年の評論家リーグが大荒れとなり、先生方の赤点が相次いだのは、広島の責任が大きい。また、FC東京のマイナス82、大宮のマイナス71というのも背信としか言いようがなく、評論家泣かせだった。ガンバのマイナス27、浦和のマイナス20も、やはり悪い裏切りである。

 一方、プラスの値が大きかったのは、2位の鹿島であり、堂々のプラス65を記録している。鹿島については、20人の評論家全員が1~3位に予想しており、実際にも2位になったので、全員が鹿島のお陰で勝ち点4または3を獲得しているという、まさにテッパンとしか言いようのない存在である(1~3位は裏ポイントの対象にもなるので、それを含めれば、評論家たちが鹿島で稼いだ勝ち点はもっと多い)。逆に、悪いテッパンになってしまったのが、甲府と新潟だった。大変気の毒なことに、16位の甲府はプラス56、17位の新潟はプラス54であり、大多数の評論家がこの2チームで勝ち点2~4をとっている(16~18位は裏ポイントの対象にもなるので、それを含めれば、評論家たちがこの2チームで稼いだ勝ち点はもっと多い)。

 14位の清水は、プラス50なので、残念ながら評論家の下位予想を覆せずに終わったという結論になる。評論家の予想は12位から18位の間だったので、清水のせいでマイナスをかぶった有識者は1人もいなかった。あと1つでも順位を上げて、最下位予想した福西氏、金田氏にマイナスポイントをお見舞いしたかった。

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 監督決まったね。何よりだね。奇抜な人ではなく、確かな手腕の持ち主だと思うので、安心して年を越せそうだ。

 閑話休題。そんなわけで、2017評論家リーグの結果発表。各評論家の2017年J1予想をS研のレギュレーションに当てはめ、20人の評論家を評点・ランク付けすると、以下のとおりとなる。

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 大多数の評論家がマイナスの勝ち点に沈む中で、1人だけプラス13点と優秀な数字をたたき出した中田浩二氏が優勝。さすが知性派! イケメン! トルコ戦でパスミスしてんじゃねーよバカヤロー。福西崇史氏に加え、あまり世評は芳しくない杉山茂樹氏までがプラスの勝ち点であり、なおかつACL圏ということになる。原山裕平氏、福田正博氏、浅田真樹氏の3人のJ2降格が決まった。

 やってみて分かったのだけど、順位の完全一致数を競うのではなく、「乖離に応じて加減点する」というS研方式では、全体的に数字が平準化され、思ったよりも大きな差がつかないことが判明した。また、特に2017年のような波乱が相次いだシーズンでは、多くの評論家の勝ち点がマイナスになってしまうことも浮き彫りとなった。さらに言えば、S研方式では、順位を当てるということよりも、大きく外して地雷を踏まないことの方が大事である。最下位に沈んだ原山裕平氏の敗因は、ひとえに、広島を優勝予想していたことにあり、それだけでマイナス32ポイントもの負債を抱え込んでいるのである(表ポイントでマイナス10、裏ポイントでマイナス22)。福田氏が振るわなかったのも、広島要因が大きい。逆に中田浩二氏の勝因は川崎を最も高く2位に挙げていたことだろう。なお、上位3名、下位3名の予想を改めて整理すれば、下表のとおりである。

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 大榎さんのように、「2015年の清水は優勝する」なんて言って、17位に終わったら、それだけでマイナス38ポイントですな、S研方式では。

 DAZNマネーの傾斜配分により、来期以降は、貧富の格差が大きいリーグになるので、順位予想はしやすくなるだろうな。こんな赤点だらけの評論家リーグも、2017年が最後かもしれない。

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 それでは、2017シーズン開幕前に精鋭20名の評論家たちが示していたJ1順位予想と、実際の順位とを、比べてみよう。

 まあ、別にここに挙げた評論家たちが特になまくらということではなく、2017年のJ1は相当に番狂わせの多かったシーズンと言えるのではないか。何と言っても、川崎の優勝を予想した専門家は、1人もいなかった。横浜、磐田、札幌などは、大方の予想を大きく上回る順位につけた。逆に、上位予想もあり、少なくとも1桁順位は固いだろうと思われていた広島が、残留争いに巻き込まれたのは、専門家たちの誤算だったろう。歴代得点王をずらりと揃えた東京がまったく振るわなかったこと、前年躍進を果たした大宮が最下位に終わったことなども、計算が狂ったポイントだ。2017年のJ1の順位を全部正確に当てるチャンスは、宝くじの10億円当選確率よりも低かったかもしれない。

 清水は、こうやって見ると、だいたい下馬評どおりの結果だったことになる。もっと上の順位につけて、降格予想をしていた評論家連中にマイナス点をくれてやりたかった。

 さて、この結果を、昨日ご説明したレギュレーションに当てはめ、評論家の順位を弾き出したら、どうなるか? 結果は明日発表。

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regu

 当S研では以前、評論家たちによるJ1順位予想をより厳密に検証すべきだという問題提起をし、そのためのS研独自の評価方式を提示した。詳しくは、以下のエントリーをご参照いただきたい。

そもそもスカパー!特番の予想評価システム自体がクズだ

2017評論家リーグ:レギュレーション発表

2017評論家リーグ:降格圏に沈むのは鈴木・山口・後藤

 それで、評論家リーグ、清水が降格したらミジメなのでなかったことにしようかと思ってたのだけど(笑)、どうにか残留を決めたので、満を持して、2017評論家リーグの結果発表と行きたい。

 ただし、以前の記事を書いたあと、ちょっと考え直し、レギュレーションを微修正したので、まずそれについて説明したい。

 以前の記事に書いたとおり、S研方式では、1位から18位までをすべて的中させたら、100点満点とする。ただし、優勝、ACL圏、降格チームを予想することは、中位の順位よりもずっと重要である。そこで、S研方式では、1位には12点、2~3位には8点、4~15位には4点、16~18位には8点を割り当てて、計100点とする。その際に、S研方式では、予想した順位が完全に一致しなくても、予想の惜しさに応じて得点を与える。たとえば、10位のチームを的中させたら4点だが、そのチームを9位または11位と予想しても3点が、8位または12位と予想しても2点が、7位または13位と予想しても1点がもらえる。それで、S研方式の恐ろしいところは、予想の外れ幅が大きいと、その外れ具合に応じて、マイナス点が与えられることである。この方式が素晴らしいのは、そうすることによって、上位や下位の予想を大きく外すと、大幅なマイナスに陥ることである。パーフェクトならプラス100点だが、下手な予想をすると、最悪でマイナス200点とかになることもありうる。

 それで、その後、よく考えてみたのだが、「1位の川崎を、各評論家が何位と予想していたか?」ということも大事だけれど、それと同じくらい、「各評論家が1位と予想していたチームが、実際には何位に終わったか?」ということも重要なはずである。そこで今回の修正版レギュレーションでは、1位に割り当てた12点を2分割し、6点は「1位の川崎を、各評論家が何位と予想していたか?」、残りの6点は「各評論家が1位と予想していたチームが、実際には何位に終わったか?」という、両面から採点することにした。前者を「表データ」、後者を「裏データ」と呼ぶことにする。表データはすべての順位につき評点するが、裏データをとるのは重要性の高い1~3位、16~18位だけである。

 なお、各評論家の勝ち点を計算して、同じ勝ち点になった場合は、1位ポイント(表データと裏データのポイントの合計)が上の評論家を上位とする。それも同じ場合は、2位、3位、18位、17位、16位についてのポイントが上の評論家を上位とする。重要性の高い順位についての予想の正確性を優先するわけである。

 修正版のマトリックス表が、上掲のとおりとなる。ここに示されているのは表データであり、同じ要領で計算した裏データを加味して、各評論家の勝ち点が計算される。

 まあ、一般の皆さんには、細かい話はどうでもいいよね。フフフ、首を洗って待っていたまえ、評論家諸君。

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 ヨンソン監督の傾向と対策に向けて、最終節の柏VS広島も観戦してみた。しかし、アレですな。今季はずっと、広島の試合を観る時に、「広島負けろ」と思って観てたけど、ヨンソン氏が清水監督就任濃厚と聞くと、とたんにそのチームである広島を応援しながら観てしまうのだから、我ながら現金なものである。

 さて、ヨンソン広島は、最終節は、残留争いの重圧から解放されて、前節以上に伸び伸びとプレーをしていた。結果的には柏が1:0で勝つのだが、内容からすればどっちが勝っても全然おかしくない試合だった。瀕死の広島を引き継いで、最終節までに、よくぞここまで立て直したものである。シーズン終盤の力だけ見れば、広島は完全に7~9位くらいの力はあったのではないかと思う。まあ、だからと言って清水が2018年に7~9位くらいになれる保証はどこにもないが、消去法的に白羽の矢が立った指揮官ながら、それなりに期待できそうだなと、個人的にはポジティブにとらえている。

 それにしても、シーズン終盤の広島と清水の戦い振りを比べると、あまりに違っているので、果たしてヨンソン広島が我々にとっての参考になるのだろうかという疑問も感じないでもない。たとえば、GKからのゴールキックまたは球出し一つとっても、広島はディフェンスラインにつけて低い位置からビルドアップし、たまにロングボールを蹴ってもちゃんと狙いがある。それに対し清水は、テセかデュークめがけて確率の低いロングボールを蹴るのが定番で、すぐに失うのが関の山である。GKからのキックを奪われてカウンターを浴びるのを防ぐため、タッチを割るキックでもOKみたいな戦法をとっていたと思う。また、広島の球際とか、あるいはシュートブロックの必死さとか、清水とは比べ物にならないレベルであり、そのあたりはヨンソン監督の指導というよりは、元々広島に根付いていたものだと思う。ヨンソン氏が、清水に来たら、たぶん呆れるのではないか。選手は球際どころか、ルーズボールに競りにすらいかないことも多いし、シュートブロックなどは「ちょい」と足を出してお終いである。だから、所長的には、ヨンソン監督の手腕云々よりも、うちのプレーヤーたちが新監督の当たり前の要求に応えられるかどうかということの方が心配である。

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 清水の新監督にヨンソン前広島監督が有力だというので、改めて、第33節の広島VS東京戦、つまり広島が残留を決めた試合を観戦してみた。

 ヨンソン監督就任当初は、「なんだか、広島も、特徴も長所も何もない、凡庸なチームになっちゃったなあ」という印象を、個人的に受けていた。最初の頃は、堅守速攻に重点を置いていたのではないかと思う。

 しかし、今回観てみた第33節の広島VS東京戦は、だいぶ様相が違った。この試合、広島はキーパーも含めかなり低い位置から丁寧にボールを繋ぎ、「あ、ミシャ~森保時代の広島っぽいな」と感じた。また、ラインを下げ過ぎず、前から圧力をかけ、また奪われたらすぐ取り返すなどして、主導権を握る戦い方ができていた。まあ、最終的にゴールを奪うという仕事に関しては、外国人のアタッカー頼みであることは事実だが、シーズン終盤の広島は、単なる堅守速攻ではなく、前政権のポゼションやビルドアップの遺産も活かしながら、それなりにアグレッシブな戦いができていたのだなと、認識を新たにした次第である。

 それで、肝心の問題は、ヨンソン監督が清水に来たら、清水がどう変わるかだろう。正直言って、それは良く分からない。第33節の東京戦で見られたような、ディフェンスラインからの丁寧な繋ぎで相手の守備網をかいくぐるような組み立ては、過去数年の広島の伝統がなせる業であり、あんなもんを今の清水のディフェンスラインがやったら大怪我をしかねない。

 おそらく、ヨンソン監督はあまり明確な自分の色を持っておらず、チームの状況や現有戦力に合わせて戦い方を変えていくタイプなのではないか。だから、危機的状況で広島の指揮を任された当初はわりと単純な堅守速攻で当座をしのぎ、シーズン終盤にかけて徐々にチームを成熟させていったと、そんな感じではないかと想像する。もしそうだとすると、「ヨンソン革命」、「ヨンソン・マジック」で清水が大躍進するということはないかもしれないけれど、大きく崩れることもないのかなと、そんなイメージである。

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 ご存知の方も多いと思うが、先日、イングランド・プレミアリーグの一戦、マンチェスターシティーVSマンチェスターユナイテッドのDAZN中継に、テセが呼ばれてゲスト解説を務めた。ちなみに本解説は水沼氏だった。所長はスポーツ中継で複数の解説者を置くことに否定的であり、特に現役プレーヤーをゲストに招いたりして、試合そっちのけの「トークショー」と化してしまうのが大嫌いだが、今回のマンチェスター・ダービーは楽しく観ることができた。テセは相当プレミアを観ているようであり、自分がイングランドで練習参加したことなどもあるらしいので、そういう知識や経験を活かした、素晴らしいコメント振りだった。

 ちなみに、マンチェスター・ダービーだが、現在の力関係では、シティーの方が完全に上。そこで、両チームが試合をすると、まるで川崎と清水の試合のようになり、川崎役のシティーがずっとボールを握っている。テセがユナイテッドのことを、「うちも今シーズンずっとこういうブロックで守る戦い方をしてきたので、気持ちは良く分かる」などとコメントし、ワントップで守備に追われるルカクを自分になぞらえていたのが面白かった。それにしても、あのユナイテッドが、清水と同じ境遇とは、赤い悪魔のサポたちの心中たるや、いかばかりか(笑)。

 それにしても、テセという人の人間的な魅力と奥深さは、底知れない。聞くところによると、本人は不動産仲介業の資格を取得して将来に備えようとしているそうだが、アンタはそんなことしなくても、解説者でも指導者でも、前途は洋洋だよ。ただ、解説をする時に、早口でボソっとしゃべってしまう傾向があるので、せっかく声は良いのだから、むしろアナウンススクールとかに通って、明瞭に喋る話術を磨いたらどうか。将来のための資格取得とかは、むしろ他のオレンジ戦士たちが考えた方がいいと思う。

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shihai

 これも今季、散々お目にかけたグラフだが、シーズンも終了したということで、最終結果を掲載する。完全に、ボール支配率と勝ち点が反比例したシーズンだった。ボール支配率が50%を上回った試合では(11試合しかないが)、平均勝ち点は0.45。50%を下回った試合では、同1.26だった。う~む。

 ちなみに、年間を通したホームでの平均ポゼションが45.8%、アウェーでのそれが42.2%であった。アウェーの方が好成績であることとも関連したデータである。

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rekidai

 ちょっと昨日の話の補足だが、清水は決して、元からホームで弱かったわけではない。過去10年の数字をまとめた上図を見ればお分かりいただけるとおり、元々はむしろ内弁慶型のチームだった。やはり、2015年、2017年と、ホームで勝てない時には、危機的な状況に陥ることになるわけで、当然これが2018年の最大のテーマとなる。ちなみに、2017年のアウェーでの1.35という平均勝ち点は、清水のJ1の歴史の中でも、結構高い部類である。ありえない仮定かもしれないが、2017年、もし仮に、ホームでもアウェーと同じくらいの勝ち点を挙げていたら、J1で7位くらいにはなっていた計算になる。

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uchi

 2017年シーズンの途中でもお目にかけたグラフだが、シーズンも終了したということで、最終的なデータをお目にかける。2017年、J1の各チームが、ホームとアウェーで、それぞれ1試合当たり勝ち点をどれだけ稼いだかという平均値を算出し、対比しながら示したものである。そして、ホームの平均勝ち点-アウェーの平均勝ち点=内弁慶指数、として、その指数が高い順に上から並べたのが、上掲のグラフである。ちなみに、J1平均では、ホームが1.44、アウェーが1.30、内弁慶指数はプラスの0.14となっており、やはりホームの方が優位である。

 あらいやだ。清水はホーム1試合当たりの平均勝ち点が0.65で、ホームの戦績だけ見れば最下位じゃないですか。また、内弁慶指数もマイナス0.71であり、こちらもぶっちぎりの最下位である。もしも、ホームでもアウェーでも勝てないのであれば、それは単に弱いチームであり、ある意味で仕方がない。しかし、2017年の清水の場合は、アウェーではそこそこ勝ち点を稼いでいたわけだから、戦い方次第ではある程度やれるチームが、ホームではまったく持てる力を発揮できなかったということになるわけで、それだけホームの体たらくさが際立つ。

 これだけホームのお客さんを裏切り続けて、よく最後まで、一定の観客動員を保ったもんだ。

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 先日、「各マスコミは、清水のJ2降格を想定した特集企画みたいなものを事前に用意していたはずなので、そういうのはお蔵入りさせず日の目を見せてほしい」というようなことを書いた。その後、静岡新聞のサイトで、まさにそういう特集が組まれた。そうそう、こういうのが見たかったのよ。

清水 J1死守(上)助っ人の差 実力と戦術かみあわず

清水 J1死守(中)負傷者続出 オーバーワークも一因

清水 J1死守(下)勝つ集団へ 契約内容見直しに着手

 この「J1死守」の部分を、「J2再降格」といったタイトルで準備してたんだろうねえ(笑)。ああ、差し替えになって良かった。

 ただ、これらを読んでも、まだ全体として釈然としない。2017年の清水が、なぜあれほどまでに崩れてしまったのか。「オーバーワークも一因」とあるけれど、世界の一流選手は代表戦も含め年間50~60試合戦うこともあるわけで、「J2激戦の疲れが・・・」などと言われても、にわかに納得はしかねる。なお、「上」の中で書いてある、「皮肉にも、(ホーム甲府戦で)決勝点が生まれたのはチアゴが負傷退場した後だった」というのは誤りであり、二見の得点が60分、チアゴの負傷退場が69分だったので(そもそも、チアゴの蹴ったコーナーから得点が生まれた)、報道機関たるもの正確を期してほしいものである。

 いずれにせよ、全体を読んで一番強く感じるのは、チームの歯車が狂い、迷走を深めていく中で、小林監督は孤独だったんだろうな、ということ。フロントとはぎくしゃくし、選手はついて来ず、サポからは批判を浴びて。おそらく、エガちゃん阪倉ヘッドコーチだけが心の支えとか、最後の方はそんな感じだったんじゃないかな。その孤立感から、「オレだって攻撃的なサッカーはできる」という承認欲求が高まり、フロントと守備的な戦術を確認しあったにもかかわらず、実際には攻撃に重点を置いたトレーニングをやって、直後の試合で守備が崩壊する・・・といった具合で。

 近年低迷は続けていても、気位だけはやたら強い清水というクラブにあって、小林監督は結局は、最後まで「外様」から脱することができなかったと、そんなところだろうか。

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