エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

2017年11月

 来期エスパルスに加入することが決まっているルーキーのうち、神村学園(鹿児島)FW高橋大悟君は全国高校選手権出場も決まったということで、特に大きな話題になっている。むろん、うちのユース昇格組にも期待だ。しかし、肝心のトップチームの戦績がアレで、来期清水が戦うのがJ1なのかJ2なのかも明らかになっていない状況では、新加入選手たちの心境は複雑で、やきもきしていることだろう。せっかく清水入りを選択してくれたのに、なんだか申し訳ない気持ちになってしまう。ていうか、高橋君は清水加入が「内定」と伝えられているけど、「清水がJ1に残留できなかった場合、契約は白紙」なんていう特約事項があったりしないだろうねえ?

 まあ、それはともかく、こちらのサイトで、高校選手権の注目選手に関する座談会の模様が伝えられている。その中で、高橋君についての部分を、抜粋・紹介させていただく(あまり長くコピーするのは適切じゃないけど、YAHOOの記事って消えちゃったりするので)。ついでに、清水桜が丘(静岡)のFW白井海斗君の部分も。

 安藤 神村学園(鹿児島)の屋久島出身FW高橋大悟くんもおもしろい選手ですよ。

 川端 屋久島の大自然の中でドリブルをしたり……。

 安藤 海に向かってボールを蹴ったり……。(一同笑)

 安藤 でも本当にやっていたみたいです。中学から神村学園に入って、彼らの代の神村学園中は鹿児島の中で最強世代だったんです。でも高校に上がったら、鹿児島城西にずっと負けていて選手権には出られなかった。彼はまだ選手権に出たことがない選手なので、そういう意味でも楽しみですね。

 安藤 左足のキックの精度やパスのセンスがすごい。

 川端 “ファンタジスタ”ですよね。

 安藤 (鹿児島県予選の)準決勝でも、チームを救う同点ゴールを決めたしね。

 平野 その試合では足を痛めてもう交代かというところで、同点ゴールを決めた。話す内容も仲間のことが多くなってきましたし、ものすごくエモーショナル(感情的)な選手なんですよね。本当に見ていて感動するんです。(出身の)屋久島もそうですし、いろいろな思いを背負って戦える選手になっていると感じます。サッカー選手としても小柄(163センチ)ではありますが、左利きでシュートセンスがあっていい選手。でも、それだけではない。何か感じるものがある選手です。役割的にはストライカーとしてやっていたけれど、学年が上がるにあたってチャンスメークの部分だったり、守備を助けるプレーだったりと徐々にプレーの幅が広がってきて、プロ入りまでこぎつけた選手ですね。

 川端 初めて話したときから「サッカーで生きていきたい」という気持ちをピュアに持っている子だなと感じさせる選手でした。それが今度は自己表現の面でも、「俺のプレーを見てくれ」というところから「俺のチームを見てくれ」という方向に広がってきた。そういう意味でも、成長をすごく感じますね。

 平野 この前の(鹿児島県大会)準決勝で話を聞いてきたんですけれども、「今までの僕はただ点を決めているだけでした」と。「少しずつチームのことをやらなければいけなくなってきて、3年生の夏を過ぎてからは、誰かが決めて勝てばいいと思うようになりました。でも、今はもう一度、俺が決めて勝たせるんだという思いを、チームとして戦うのに加えて上乗せできるようになってきました」と言っていました。言葉どおり、何でも惜しみなくやるんです。だから本当に、見ていて感動するので、個人的には今大会イチオシの選手です。見て損はしないと思います。

 安藤 予選の決勝も準決勝で打撲をしていたのに、延長戦の最後まで戦い抜きましたからね(編注:神村学園はPK戦の末、鹿児島城西を下し、本大会の出場権を勝ち取った)。全国的にはまだ無名に近いですが、この3人全員のイチオシと言ってもいいかもしれないね。

 平野 僕はもう1人の注目選手として、清水桜が丘(静岡)のFW白井海斗くんを推したいと思います。

 川端・安藤 あー、そうだね。

 平野 彼は清水エスパルスのジュニアユースの出身なんですけれど、非常に力のある選手です。

 川端 ワンタッチシュートなど、天才的なところを持っている選手ですね。ゴール前のオイシイところに飛び込んでいって、難しいことはしないんですけれど、それが本当に「うまい!」というタイプです。大瀧(雅良)先生は藤田俊哉(現リーズ・ユナイテッド、コーチ)に例えていましたけれど、ああいうタイプのトップ下ですね。

 安藤 ミドルシュートもうまいですよ。「このタイミングで打ってくるか」というシーンで、小さい体からものすごいシュートを打ってくるんです。

 平野 スペースを突くのも、シュートを打つのも、ずっと狙い続けているからこそで、「流れでそうなった」というような行き当たりばったり感がない選手です。フラフラしているところのポジションが、すごく良かったりするんですよね。

 川端 僕が彼を初めて見たのは中学の全国大会の決勝戦。鹿島アントラーズのジュニアユースとの試合で、途中出場で出てきたときには0−2でリードされていました。正直「このゲームは決まったな」という雰囲気の中でしたけれど、彼が出た途端に全部が変わって分からなくなった(笑)。

 平野 相手にはプレーが読みにくい選手ですよね。

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 日本のサッカー界には、「サッカーで2点差という点差は、一番危ない」という都市伝説がある。その言説があまりに一般化しすぎて、2点差がつくと、バカなアナウンサーが、「この点差はどうでしょう?」なんて解説者にミエミエの振りをして、これまたバカな解説者が、「いえ、サッカーで2点差は一番危ない点差です」などと返すやり取りが、パターン化している。

 ご存知の方はご存知と思うが、この「2点差は危ない」という話は大ウソであり、1点差よりも2点差の方がはるかに安全なことは、統計的に実証されている。確か、『エスパルス・ニュース』で、ヒラちゃんがそのことをちゃんと指摘していた。要は、言説が一人歩きしているだけなのである。野球でよく、「(守備が)代わったところに打球が飛ぶ」などと言われることがあるが(笑)、それと同じ類の迷信にすぎない。所長は、時々、英語の実況でサッカーを観ることがあるが、「Two goals difference, it's dangerous!」などというナンセンスなコメントは一度も聞いたことがない。なぜなら、調べてみればすぐ分かるとおり、そんな事実は存在しないからである。

 ただし、「清水のような守備がザルのチームにとっては、2点リードしていても、まったく安心できない」と言い換えれば、それはそのとおりである。また、「清水のようなメンタルが豆腐のチームにとっては、たとえ2点リードしても、1点返されただけでパニックになり、同点・逆転まで持って行かれがち」であることは、近年の歴史が、そして直近の新潟戦が証明している。調べたわけではないが、今季2点差を2度ひっくり返されたのは、たぶんJ1で清水が唯一なのではないか。

 問題は「2点差」という点差なのではない。守備がザルで、メンタルが豆腐で、試合運びがクソなことだ。

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 気分転換に、ブログのデザイン変えてみたけど、どうでしょうか。

 さて、新潟戦、テセのコンディションは、予想していたよりもかなり悪かった。トップフォームを100%とすれば、新潟戦では30%くらいだったのではないか。責任感の強い彼が、ルーズボールを追いかけるのをあっさり諦める姿を見て、ぎりぎりの状態であることが良く分かった。前半の2得点は、テセはゴールもアシストも記録していないものの、1点目の潰れ役、2点目の金子の抜け出しをお膳立てしたワンツーと、テセがいなければ生まれなかったものであり、手負いの状態でなお存在感を発揮したのは立派である。しかし、足だけでなく、試合数日前には胸が苦しくなり病院で検査まで受けていたことを考えれば、当然テセの早めの途中交代を想定してゲームプランを練っておくべきだったろう。

 北川から鎌田への交代は、それ自体が?としか言いようのないものだったが、テセのところで交代カードを使う可能性が高いことを考えれば、まだ余力のあるように見えた北川をあそこで下げる道理はなかったように思える。また、小林監督の選手交代術の特徴として、FW → FW というシンプルなチェンジではなく、選手を替えながらポジションも動かすという点があるが、これまでその方式が奏功した印象は乏しい。新潟戦、選手交代でまず打つべき手は、テセから長谷川への交代で、前線に運動量を回復させ、収まりどころを再構築する点だったのではないか。

 ちなみに、当S研では何度か指摘したことがあるが、テセは所長も最大限に尊敬する偉大なストライカーながら、一般的なイメージに反し、実はポストプレーがあまり上手くない。ワンタッチで雑にさばいてしまい、ボールを失うことが意外に多い。特に、新潟戦の後半のように、押し込まれた状況では、テセがキープして味方が休んだり攻め上がったりする時間を作ってほしいのに、テセは無造作にはたこうとしがちなので、すぐに敵にボールが渡ってしまう。昨年からの清水が、いったん押し込まれるとそれがエンドレスに続いてしまうのは、実はテセの「クセ」にも一因がある。DAZNが試合途中に出したデータによれば、新潟戦のテセは、パス成功率が50%を下回っていた。

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 TVでは良く分からなかったのだけど、鎌田ってどこのポジションに入れたの? 3ボランチにした? それとも4141とかに変えた? そもそも鎌田がピッチ上にいた時間があまりに短かったし、DAZNの実況・解説もその点にまったく触れていなかったので、理解できなかったのだけれど。まあ、サッカーの監督というのは、そういう奇策が成功すれば称賛されて、失敗すれば非難される商売である。今回は大失敗したのだから、小林監督は非難されても仕方がないだろう。普通だったら、最終節が残っていて、その最終節の空気を悪くしないように、サポも監督批判などは自重すべきところなのかもしれないが、個人的に、最終節に清水が勝つというイメージはなかなか描けない(ちなみに、引き分けの勝ち点1はもう意味がない)。監督や選手たちは口々に「まだ自力のチャンスがある」と発言しているが、最下位相手のホームゲームでこんな後半を見せられた直後に、そんな気休めを言われても困る。清水の命運を握っているのは、もはや清水自身ではないと言わざるをえない。

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 ありきたりなことしか言えないけど、新潟戦のポイント、まあ、サイドの攻防だろうな。特に清水の左、新潟の右。新潟はそのサイドを快足のホニが務めることが多く、やつに裏に抜けられるとまずいことになる。そのあたりを警戒して松原が守備的にプレーするのか、それとも松原が積極的に攻め上がってむしろホニを守備に回らせるのか、それが焦点だろう。一説によると白崎欠場で左サイドハーフを任せられるという金子のサポートも鍵になる。

 今季、清水が唯一、リアクションではなく、主導権をとって勝った試合が、アウェーの新潟戦だった。また、振り返ってみれば、今季清水が流れの中で狙い通りの自分たちの形で綺麗に得点を決めたのは、その新潟戦のテセのゴールだけと言っていい気がする。長らく得点からご無沙汰しているが、清水が最後に得点をとったのが、広島戦のテセのヘディングシュートだった。サイドから、テセの頭。その原点に返ることが、得点への、そして勝ち点への近道なのではないか。

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 録りためた番組で、何か面白いものがないかなと、DVDレコーダーの録画リストを過去に遡って見ていったら、昨年のJ2最終節の徳島戦の録画が目に留まったので(というか、昨シーズンの試合は全部保存してあるのだが)、つい観てしまった。

 言うまでもないことだけど、昨シーズン終盤の清水、やっぱり強かった。今の清水が、1年前の清水とやったら、確実に負ける。それにつけても、もどかしいのは、去年蓄えた力や、勢いを、そのまま今季のJ1にぶつけられなかったことである。昨年、J2を2位で駆け抜けた、その力を、そのままぶつけて、それでもJ1で通用しなかったというのなら、諦めもつく。しかし、最近の戦いを、1年前のそれと比較してみると、明らかに昨年よりも大幅に劣化しているのである。対戦相手のレベルが違うというのもあるが、完全に自分たち自身が、去年できたはずのことが、まるでできなくなってしまっているように感じる。

 残り2試合で、勝ち点3とればほぼ確実だろうし、勝ち点2とか1だけでも非常に大きい。カテゴリーが違うとはいえ、昨年終盤の「勝ち続けるしかない」という切羽詰った状況に比べれば、難易度は低いはずなのに、まるでそれがミッション・インポッシブルのように思えてしまう。

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 かつて日本で、イビチャ・オシム氏の語録が脚光を浴びたことがある。まあ、オシム氏は雰囲気が哲人っぽいので、何となくものすごい高尚なことを発言しているような印象を受けるけど、冷静に吟味するとフツーのことを言っていたりもするのだが(笑)、それはともかく、オシム氏が日本サッカー界にとっての御意見番の一人であることは間違いない。

 そのオシム語録の一つに、こんなものがある。

 「ライオンに追われたウサギが逃げ出す時に、肉離れをしますか? 要は準備が足りないのです」

 まあ、この発言もねえ。本当に野生動物は一切肉離れしないのかとか、ではオシムさんアンタは現役時代一度も肉離れしなかったのかとか、そもそもライオンがウサギのような小動物を襲うのだろうか(笑)とか、色々とツッコミどころがあるような気もするが、いずれにしても、サッカーにおいて「準備」が大切なのは、まったくもってそのとおりだろう。

 ホントにさあ、近年の清水、特に今季、怪我の多さと、その長引き方は、どうなってるのかねえ。クラブの医療体制は整えられる方向にあったと認識していたんだけどなあ。結局、この期に及んで怪我人が増え、手負いの状態で残り2節を戦うことになるのか。残留か降格か、その答えはまだ出ていないけれど、今季の清水が2015年と並んで史上最悪のシーズンだったことは間違いなく、その主原因の一つが怪我人の多発であったことは事実なわけで、シーズン終了後に徹底した総括、担当者の引責、体制の再構築を望む。

 全然関係ないけど、巨人の長嶋元監督が、外国人選手が肉離れした時に、「You, meat off ?」と訊いたっていう話は、本当なのかな?

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 当S研では、1ヵ月ほど前に、「残留のための3箇条」として、以下の3点を挙げた。

  1. ライバルが負けること。つまり、他力本願。
  2. 怪我人が戻ってきて、選手層が厚くなること。ていうか、せめてこれ以上薄くならないこと。
  3. 幸運。ていうか、奇跡。

 つまり、今季に関しては、清水のサッカーの質が高まることは諦めたので、それ以外の要素に期待することにしたわけである。それから1ヵ月ほどが過ぎ、残念ながら、この見立ては的中しつつある。ただし、第2のポイントは完全に裏切られつつあるので、「他力と奇跡」しか頼るものがなくなってきている。

 単純に勝ち点の状況だけを考えれば、清水はかなり優位に立っている。清水が2連敗しても、残留できる可能性はそこそこある。15位のチームである広島が、2連敗するということは、普通に考えれば、それなりに起きうることである。ごく単純に、広島がある試合で勝つ確率を3分の1、引き分ける確率を3分の1、負ける確率を3分の1だとすれば、広島が2連敗する確率は約10%である。当てにはできないが、起きたとしても不思議ではない。

 また、16位のチームである甲府が、2試合で勝ち点2以下に留まる(1つも勝てない)ことも、ありうる話である。上述の3分の1ずつの確率論に当てはめれば、甲府が勝ち点2以下に留まる確率は44%くらいである。ごくごく単純な確率論から言えば、清水が2連敗しても、広島または甲府が清水の勝ち点を下回る確率は、50%ちょっとくらいはあるということになる。

 むろん、対戦相手もある話だし、広島および甲府が火事場の馬鹿力を発揮するかもしれないので、順位とか確率など意味をもたないかもしれないが、逆に緊張でガチガチになることだってあるわけだから、蓋を開けてみなければ分からない。

 そして、言うまでもなく、清水が2試合でたとえ勝ち点1でもとれれば、上述の50%うんぬんという確率はさらに上がるし、勝ち点3でもとろうものならほぼ当確であろう。まあ、その道筋が見えないことが問題なのだが(笑)。

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 確かに、ジェイは現在のJの中では(駄洒落じゃないよ)屈指の外国人ストライカーであり、目下好調でもある。しかし、もう3年くらい彼のプレーを見ているが、今回の清水VS札幌戦ほど、ジェイがノープレッシャーで伸び伸びとプレーをしていたのを見た記憶がない。

 土曜日の試合では、主に犬飼がジェイの対応に当たっていたはずだが、どうも「クリーンに競って、競り勝とう」などという勘違いをしていたのではないかという気がする。ディフェンダーの仕事は、競り勝てないまでも、相手に詰めたり体をぶつけたりして、少しでも敵の自由を奪うことだろう。もっと言えば、審判にバレない程度に、ヒジでも頭突きでも蹴りでも何でも駆使して、敵にダメージやストレスを与えることが、ディフェンダーの仕事ではないのか。札幌戦で清水のディフェンスは、「ジェイにある程度ポストプレーをされることはやむをえないから、そこからの落としやセカンドボールを拾おう」と意識して臨んだのかもしれないが、セカンドボールに意識が行きすぎて、肝心のジェイのポストプレーを少しでも邪魔する、彼のペースを乱すということが全然できていなかった。

 これは八つ当たりになってしまうかもしれないが、試合中の犬飼の表情に疑問を覚えた。ジェイと競り合った後、彼と笑顔で言葉を掛け合い、仲良くタッチを交わしていた。古い話になってしまうが、中山雅史と秋田豊が試合中にバチバチやりあって、そのあとすぐに仲良く笑顔で言葉を交わすようなことが、あっただろうか? もう一つ古い話をすると、柔道の小川直也がプロレスに転向した際に、「言葉は悪いが、相手を殺すつもりでやる」といった発言をしていたと記憶する。むろんラフプレーをしろという意味ではなく、生き残るためにはそのくらいの闘争心が必要なのではないのか?

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 「オレンジのチームは降格しない」なんて言われていたのも、今は昔という感じだ。いつしか、「毎年1チーム、オレンジが降格する」という時代になった。そして、今年は、オレンジ3兄弟が揃って降格してしまうかもしれないという、未曾有のオレンジ危機に直面している。そういえば、以前は「オレンジ互助会」なんて言葉もあり、次節でそれが発動されることをつい期待してしまうが、まあおそらく新潟はプレッシャーから解放されて、伸び伸びとプレーしてくるだろうなあ。

 J2の方では山口が残留したらしいので、もし仮にJ1からオレンジ3兄弟が揃って落ちると、愛媛とも合わせ、来年のJ2ではオレンジが5チームも溢れることになるのか。以前聞いた話では、サッカーのユニフォームでオレンジ色というのは決して主流ではなく(代表チームではオランダ、コートジボアールなどがあるけど)、オレンジ色のクラブチームがこれだけ多いのは日本くらい、ということらしいが、それが全部J2に集結するとしたら、世界のサッカー史上でも相当異常な事態になるのだろう。

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 土曜日の札幌戦。アイスタに行こうかどうか迷ったけど、結局やめることにした。所長の場合、清水の命運にかかわる他のチームの試合は、結果をチェックするだけでなく、試合そのものも観たい。今節は、他の試合が全部14:00キックオフであったのに対し、清水VS札幌だけが15:00キックオフだった。はっきり言って、清水が札幌を倒す確率よりも、広島が神戸に負けてくれる確率や、甲府が新潟に負けてくれる確率の方が、はるかに高いように思われた。なので、清水が生き残るために、よりプライオリティが高い順に、広島VS神戸、甲府VS新潟、清水VS札幌と、DAZNで時間差観戦することにしたのである。まあ、1人でも多くのファンがアイスタに詰めかけることが、清水イレブンの力になるのならそうするが、ご存知のとおり今季の清水はホームゲーム、それも動員数が多い試合ほど成績が悪いと来ているので、それならば自宅で関係3試合をじっくり観戦した方がマシだと考えた。なんでも、偉大なる鹿島アントラーズ様は、川崎が負ければ自分たちの優勝が決まるという今節のシチュエーションについて、「川崎が負けて決まることは望んでいない」と太っ腹なことをコメントしたそうだが、現在の我々のように零落した身としては、そんなことは言っていられないのである。

 そんなわけで、広島VS神戸を生観戦、甲府VS新潟を夕方頃に見逃し配信観戦、さらに夜に清水VS札幌を見逃し配信観戦した。自分たちの生き死ににかかわる3試合をぶっ続けで観るというのは、相当しんどく、ストレスがマックスである。3試合の中で最も重視していたことが、広島が負けてくれることだったので、広島が先制した場面、勝ち越し点を奪った場面などでは、悶絶してしまった。いや、どっちに転んでもおかしくない試合だったんだけど、本当にまずいことになったと思った。それに比べると、我が軍の札幌戦の敗戦に関しては、悔しくはあっても、「やっぱりな」という諦めに似た感覚の方が強かったかもしれない。

 も~いや、こんな生活。

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 清水VS札幌戦。清水は、あらゆる面で、札幌に負けていた。キーパー、ディフェンス、ボランチ、アタッカー。しかし、最も負けていたのは、監督の能力であったと断ぜざるをえない。

 今季のJ1は、実に監督の交代が多いシーズンだった。シーズン途中ではなくとも、すでに退任が決まっているというのも入れると、1.鹿島、5.横浜、7.浦和、9.神戸、10.ガンバ、12.東京、15.広島、17.大宮、18.新潟と、実に過半数の監督がその座を追われている。清水より順位が下のチームでは、16.甲府の吉田監督の続投が発表されているが、あのチームの場合は歯車が狂って下位に低迷しているというよりは、元々予算・戦力的に厳しい中で、持てる力をそれなりに出し切りながら、やむなく下位に位置していることが明白であり、また吉田監督がチームを正しい方向に導いているという手応えもあるので、続投という判断になったのだろう。

 チームが明らかに崩壊しているのに、監督に手を付けていないのは、清水だけと言っていい。過去数年の経験から明らかなように、清水は監督人事の機動性に欠けるクラブであり、いよいよ切羽詰ってどうしようもなくなった時にしか動かない。リーグ戦残り2試合というこのタイミングで動くことは、現実的にまずないだろうと予想する。

 しかし、所長としては、後半戦の成績と内容からして、ここでクラブが監督解任という荒療治に出たとしても驚かないし、むしろ賛成したい気持ちである。今季の経緯からして、ここから小林監督が何か有効な手を打てるとは想像しがたい。座して死を待つよりも、賭けに出るという考え方は、アリだと思う。

 慎重なサポの皆さんは、「残り試合がわずか2つで、次の試合まで数日という中で、体勢の立て直しが間に合わないよ」とお考えになるだろう。しかし、世界を見渡せば、今般のワールドカップの欧州予選で、クロアチアが最終節の直前に監督をすげ替えて、その試合に勝利し、プレーオフも勝ち抜いて、W杯出場権を得たなんて例もある。清水にとって、ここからの2試合は、リーグ戦というよりも、いわばプレーオフやトーナメントのようなものである。とかく悠長に構え、引き出しも少なく、勝負師としての資質にも欠ける小林監督がそれにふさわしいかというと、疑問を払拭できない。

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 思うところあり、所長は参戦を見送り、DAZN観戦だったが、寒い中で辛い思いをしたサポの皆様、心中お察しいたします。この試合の清水、どこがどういう風に悪かったかなんてことを語り始めたらキリがないし、サッカーファンなら「見れば分かる」というレベルの明白な酷さなので、省略させていただく。

 リーグ戦が中断期間に入るたびに、「その間に連携を深めてほしい」といった希望を抱くが、それがかなえられたためしはない。ていうか、今季の清水、中断明けの試合はだいたい負けており、中断期間をチームの成熟なり対戦相手の対策なりに有効活用するということが一切できていない。よっぽどトンチンカンな練習をしているのだろう。最後の中断期間も終わったので、もうチームが抜本的に改善されることはないだろう。

 しかし、これだけ酷いサッカーを続けていても、まったく勝ててなくても、もっと言えば得点すらとんとご無沙汰していても、不思議なことに、まだ我々は降格圏にはいない。これは、おそらく、相当ラッキーなことである。所長は今季清水のサッカーが良くなることはもう諦めたけど、残留はまだ諦めていない。

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 そんなわけで、久し振りのリーグ戦再開だけど、間隔が空いただけに、どんな試合になるのか、想像つかないな。「研究所」を名乗りながら、所長は情報弱者なので、良く知らないのだけれど、清水は怪我人がほぼ全員復帰し、出場可能な選手の選択肢は増しているようだ(チアゴに関してだけは札幌戦を回避という情報が伝えられているが)。ただ、個々の選手の回復具合とか、詳しいことは分からないので、どんなメンバーになるのか、読みづらい。

 また、天候も微妙である。当初、「雨」と聞いて、暗い気持ちになったのだが、どうも試合が始まる15:00くらいまでには回復するという予想のようだ。いずれにしても、昼頃まで雨が振り、やや水を含んだピッチで、ボールが走りやすくなるのだろうか? だとすると、札幌ドームのボールが止まるピッチに慣れている札幌の選手たちには、やりにくくなるのかな。

 さらに、両チームの指揮官がどのような戦術を選択するのか、選手たちがどのようなメンタルで試合に臨むのかということも、予測困難である。一般論として言えば、札幌は内弁慶チームであり、アウェーは苦手にしているので、慎重に入ることが考えられる。しかし、最近はアウェーでも良い戦いをしており、あと一歩で残留を確定させられるということで、アグレッシブに来ることも想定しておかなければならない。対する清水の戦い方は、さらに微妙である。「must win」の一戦とはいえ、今季ホームで入れ込みすぎた試合はことごとく悪い結果が出ており、むしろ守備から入ってカウンターに活路を見出した時の方が、結果としては勝ち点を稼いでいる。

 また、第32節は他の試合はすべて14:00キックオフであるのに対し、清水VS札幌だけが15:00キックオフであり、果たして指揮官は選手たちにハーフタイム時に他会場の結果を伝えるのか、それによって後半の戦術を変えたりするのかというもの、悩ましい要因である。

 たとえば、ハーフタイムで、広島の敗戦が明らかになったとする。その場合、むろん清水が勝てば残留確定で万々歳なわけだが、試合展開によっては、「札幌戦は引き分けでOK」という判断をしたとしても不思議でない。今節、広島負け、清水分けであれば、残り2節で広島が2勝、清水が2敗しない限り順位はひっくり返らず、確率的にかなり低いものになるからだ。

 「わからん」。それが結論。とりあえず所長は祈る。

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dazn

 フェイスブックに流れてきた、次節に向けた煽り画面。すでに新潟さんが省かれているのが不憫だが。それにしても、どうなることやら。

 ちなみに、所長はフェイスブックを冗談で関西弁バージョンにしているので、「いいね」が「ええやん」になってます(笑)。

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 日本代表のブラジル、ベルギーとの2連戦、一番印象に残ったのは、松木安太郎氏の話芸が健在だったことかな。ブラジルとの試合の後半、松木氏は盛んに、「日本は前から行かなきゃ駄目だ」と指摘していた。しかし、前からのプレスがはがされて、後ろが薄くなりピンチを迎えた場面で、「あ~、人数が足りない」と悲鳴を上げていた(笑)。まあ、実は本人はまっとうな専門家で、テレビの解説は自分の芸風を自覚した上でビジネスとしてやっているらしいけど、前から行ったら必然的に後ろは薄くなるっちゅうの。

 それにしても、「日本代表に入りたい」と言い残して大宮に移籍して行った大前氏は、今何を思うのかね。まあ、どうでもいいけど。

 代表週間も終わり、そろそろ本格的に清水モードに戻していかないとな。

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 ワールドカップ欧州予選のイタリアVSスウェーデンは、個人的に、「イタリアがいないW杯はさすがにつまらないから、イタリアでも応援するか」という気持ちで観ていた。ただし、「こんなところでオレの運を使いたくもないな。清水にとっておきたい」ということで、そんなに入れ込んで応援するということもなかった。結果は、2試合合計1:0で、スウェーデンに軍配。W杯は2022年大会から出場枠が拡大するはずで、そうすればイタリアはほぼ永久的に出場を続けられただろうから、ここで連続出場が途切れたのはお気の毒という他ない。

 所長がDAZNで観戦したのはイタリア・ホームの2レグだけだったが、この試合ではイタリアのボール支配率が七十数パーセント、スウェーデンのそれが二十数パーセントという極端な数字が出た。まるで、川崎と清水が対戦した時のような支配割合である。ただ、その割には、スウェーデンはそれほど危なげなく、イタリアの攻撃をやりすごしていた。ちなみに、スウェーデンのフォーメーションは清水と同じ442である。

 まあ、比べること自体がナンセンスかもしれないが、スウェーデンと清水では、どこで守備の強度が違うのだろうか? 解説の水沼氏は、「スウェーデンの2CBがつり出されることがほとんどなく、中央でどっしり構えていた」といったことをコメントしていた。言い換えれば、その周りのボランチやSBがデュエルで負けるということがほとんどなく、全体的に守備の対応に余裕があるのだろう。清水の場合は、ディフェンスラインがズルズルと下がると、バイタル辺りにぽっかりとスペースが空いてそこを使われたり、敵のサイドプレーヤーに自由にクロスを上げられたりするのに対し、スウェーデンはリトリートしてもバランスが良いので、危険なスペースはほとんど与えないし、ボールも人もしっかり見れている。守備の間合いが近く、敵の攻撃陣にほとんど自由を与えない。まあ、何の分析にもなっていないが、とにかく全然違うなと思った次第である。

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45165

 九州のJリーグ地図というのは、なかなか興味深いものだと思う。第1に、ほぼすべてのチームが、経営危機を経験したことがある。第2に、都道府県や市町村の格というものが、必ずしもチームの優劣に直結していない。九州においては、福岡県、とりわけ福岡市が圧倒的な中心のはずで、たぶん佐賀県なんかは足元にも及ばない存在であるはずなのに、サッカーにおいてはその佐賀県のローカルタウンにすぎない鳥栖が福岡を圧倒している。今のところ、九州では、ホームタウンのポテンシャルよりも、有力スポンサーの有無で力関係が決まっている印象が強い。

 そして、今般のV・ファーレン長崎のJ1昇格決定により、今後の九州のJリーグ勢力図がどうなっていくのか、ますます分からなくなってきた。まあ、確かに今季の長崎には安定感や勢いはあったけど、はっきり言って、今のままではJ1で通用するとはとても思えない。ただ、早くも国見OBの徳永や渡邉千真を獲るなんて話もチラホラ出てるし、編成次第ではさらに強くなる可能性もあるかもしれない。

 これまでは、「経営の苦しい地方クラブ」というイメージがあったので、全国のサッカーファンがV・ファーレンを見る目はわりと同情的だった。高田社長のキャラも、今のところは好意的な話題となっている。しかし、もし仮にジャパネットマネーで大型補強を敢行するようなら、Jリーグ各クラブサポからの風当たりは強まるかもしれない。ていうか、所長個人としては、ジャパネットという会社はそんなに革新的なビジネスモデルでもなく、要は話術の上手い社長のいたテレビショッピングにすぎないわけで、サッカークラブを丸抱えできるような余裕がいつまで続くのか…という疑問を抱いてしまうが。

 それにしても、澤田は熊本、長崎では活躍できるのに、清水では輝いた瞬間というのを、ほとんど見れなかったなあ。

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jef

 2016年に清水がJ2暮らしをして以来、個人的には、以前にも増してJ2、J3を興味を持って見るようになった。むろん、あそこに戻りたいとは思わないが(笑)、以前は別世界と思っていたカテゴリーが、自分たちと地続きの世界だということを実感するようになり、必然的に従来以上の関心を寄せるようになったわけだ。最近では、J3の沼津、藤枝の試合なんかも、チェックするようにしている。

 J2の前節は、長崎のJ1初昇格に沸き、むろんその試合も観たが、所長が個人的にもっと盛り上がったのは、名古屋VS千葉戦だった。今季のJ2に関し、所長が願っていることはただ1つ、「名古屋、コケろ」である。いや、別に個人的に名古屋さんに恨みはないし、むしろ親近感を感じてすらいるのだ。ただ、親会社である大企業が、あそこまでサッカーをないがしろにし、チームを滅茶苦茶にしたのだから、その戦犯であるトヨタへの罰として、少なくとも3年くらいはJ2でクサい飯を食ってほしいというのが、所長の希望である。しかも、1年でのJ1復帰を掲げながら、どう考えてもチーム作りに時間がかかる風間監督を招聘するなど、相変わらずサッカーを舐めているとしか思えない幹部連中の態度を見るにつけ、やはりもう少しお灸が必要と思うわけである。

 で、土曜日の名古屋VS千葉戦は、0:3でアウェーの千葉が会心の勝利を収めた。千葉にとっては、プレーオフ進出の可能性を繋ぐとともに、結果的に名古屋の自動昇格を阻む大きな勝利であり、内容的にも完勝だった。

 ご存知の方も多いと思うが、エスナイデル監督率いる今季のジェフのサッカーは、ハイライン・ハイプレスの攻撃的スタイルで、娯楽性満点である。個人的に、今季のJ2全体の最大のハイライトは、ジェフのボールボーイがボールを渡さずに徳島の決定機を阻止した場面だったと思うが(それに怒った徳島の選手がボールボーイを小突いて退場、笑)、あれだってジェフの無謀なハイラインが招いた現象である。

 まあね、1試合に2~3回は必ず裏をとられて破局的なピンチを招くエスナイデル監督のサッカーで、J2を勝ち上がれるとも、J1に定着できるとも思えないが、今回の名古屋戦のように、はまった時の破壊力はすごい。純粋なサッカーファンだったら、単に「面白いから」という理由で、フクアリに足を運ぶ人もいるかもしれない。

 翻って、我が清水はどうだろうか? 何か誇るべきスタイルを持っていたり、カタルシスを提供できているだろうか? むろん、「今はしょうがない」ということは、百も承知である。しかし、今のような耐え忍ぶだけのサッカーでは、長期的にじり貧であることも間違いない。

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 当S研の記事カテゴリーには、「レジェンド」というカテもあるので、たまにはその記事も書かないとということで、安永聡太郎のことに触れたいと思う。ご存知の方も多いと思うが、こちらのサイトで、田崎健太氏というライターが、安永聡太郎のキャリアについての連載を手掛け、このほど同連載は完結した。それで、清水とのかかわりが語られているのは、連載のNo.9No.10である。

 安永が清水にいたのは、清水にとっての黄金時代とも言えるペリマン、ゼムノヴィッチ時代だったので、多くの清水サポにとって安永はそれなりに働いてくれたプレーヤーという位置付けになるのではないかと思う。しかし、本人は大いなるジレンマを抱えて清水でプレーしていたということが、この連載から良く分かった。

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