エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

2017年09月

 今季、清水がリーグ戦で、その試合の1失点目を喫した時間と、試合結果を整理してみた。あくまでも、その試合での最初の失点だけ。

6分 ● A磐田
6分 ▲ H大宮
6分 ● A札幌
6分 ● A鳥栖
6分 ● H広島
14分 ● H川崎
15分 ● H横浜
17分 ▲ A横浜
17分 ● A鹿島
24分 ▲ A浦和
24分 ○ Hセレッソ
45分 ● H柏
57分 ● H仙台
57分 ▲ Aガンバ
62分 ▲ A川崎
64分 ● H浦和
68分 ● H東京
71分 ● H神戸
74分 ● H鹿島
94分 ▲ H鳥栖
94分 ▲ Aセレッソ
無失点 ○ A広島
無失点 ○ A新潟
無失点 ○ A柏
無失点 ○ H甲府
無失点 ○ Hガンバ
無失点 ○ A甲府

 まあね、あくまでも「1失点目」だけだから、それ以外の2失点目、3失点目とかも加えれば、わりと色んな時間帯に満遍なく失点しているのだとは思う。それにしても、こうして「1失点目」を奪われる時間帯に注目すると、特定の時間帯に集中する傾向があることが分かる。とりわけ、一目瞭然のように、実に5試合で6分に初失点を喫している(当然、すべて先制点を献上した形である)。一体何なんだよ、どんだけ試合の入りが悪いチームなんだよと、改めて頭を抱えたくなる。とにかく前半は無失点で行け! 特に6分は気をつけろ!

 なお、今季清水の最も早い得点は、テセがアウェーのセレッソ戦で記録した3分。上に見るように、その試合は94分に失点して追い付かれており、最初に得点して最後に失点して終わるという奇妙なゲームだった。

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 とにかくチームの調子がアレなので、まったく意欲が湧かないけれど、一応お約束の走行距離選手権をお届けしておく。第27節広島戦終了時点の状況が下図のとおり。トップ争いでは、松原が1試合欠場したこともあり、六平との一騎打ちがますますヒートアップするかと期待されたものの、今度は六平が怪我をしてしまい、また松原独走の様相が強まりそうだ。個人的に、浜松駅より向こうの土地勘は乏しいのだけれど、東海道線で静岡県で最も西にある駅は新所原というところらしく、松原はその手前まで迫っている。次節には確実に県境を超えて、愛知県に一番乗りするだろう。このほか、第27節の主なトピックは、用宗を過ぎたあたりでストップしてたテセが再始動したこと、デューク、金子が相次いでホームタウンの清水駅に到達したことだろう。ちなみに、広島戦では、今季初めて、枝村がチームで最高の走行距離を記録した(11.7km)。

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bs

 大宮との試合は、NHK-BSで全国放送が決まったようだ。やはり、アレかね。優勝争いは鹿島の独走っぽいから、残留争いの方が野次馬視聴者が集まりそうだっていう判断なのかね。見世物じゃねーぞ、バカヤローと言いたい気持ちだが。

 チケットが残り少なくなっているようだが、所長は一応確保し、参戦を決めた。

 よく考えたら、そもそもサッカーは見世物以外の何物でもないな(笑)。

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 加入が決定した高橋大悟君に関しては、以前当S研で、「屋久島の神童、高橋大悟」というエントリーをお届けしたことがある。その時に述べたことと、所長の心境は変わっていない。言うまでもなく、高橋君個人がいけないというようなことを言いたいのではないし、清水加入が決まった以上は全力で応援するつもりである。ただ、それとは別のチーム編成の問題として、小柄なテクニシャン、俊敏系に偏りすぎるのは、やはり大問題だと思う。今の清水がJ1で、泣けてくるほど情けない戦いを続けているのは、何故なのか? それは、球際が弱く、メンタルも豆腐のように脆い選手たちの集まりだからだろう。だとしたら、新戦力の選考基準は、強靭なフィジカルや、球際で絶対に負けないという闘争心の持ち主であるべきではないのか。くどいようだが、高橋君個人については大いに歓迎したいものの(ひょっとしたら高橋君はものすごいフィジカルと闘争心の持ち主なのかもしれない)、もしもチームの強化・編成・スカウトが相変わらず「清水らしい足元の技術の持ち主」などという前時代的な価値観に偏重しているとしたら、個人的には疑問視せざるをえない。

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 清水の試合を真面目に観ている人間なら、誰でも知っているように、今季の清水の大問題として、自分たちのコーナーキックをとったにもかかわらず、そこからカウンターを浴び、逆に大ピンチや失点を招いていることがある。川崎戦や広島戦を見ても、あわやというピンチがあり、清水の首脳陣およびプレーヤーたちが学習をしている様子は、残念ながら、見受けられない。

 先日書いたとおり、所長は天皇杯の対川崎アウェー戦が、約5ヵ月振りの現地観戦になったのだが、その時に非常に気になったのは、やはり自分たちのコーナーキックの時の清水の選手配置が、非常にバランスが悪いという点だった。所長が知る限り、普通コーナーキックで攻撃側がペナ内に入れるのは、5~6人だと思う。それを、川崎との試合では、自分たちのコーナーになったら、ペナ内に7人くらい突っ込んでいたような気がする。しかも、かなりゴールに近い場所にゴチャゴチャと固まっており、あれだといったんはじき返されたら、バイタルに人数が少ないからセカンドボールが拾いにくいし、そこで一人がかわされたら、もう大ピンチである。むろん、自分たちのコーナーから相手に奪われかけたら、ファウルでもいいから潰すという意識は必須だが、そもそもマンパワーの配置が悪くアンバランスなので、「セカンド拾われたら即大ピンチ」になってしまっているのではないかという疑問を抱いた。

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 セットプレーの守備で、ゾーンがいいのかマンツーマンがいいのかという論争があり、所長はマンツーマンの方がまだしも確実だろうと思っているが、現実にはマンツーマンで失点を重ねている。しかし、マンツーマンが成立するのには条件があり、自分がマークしている相手をどんな手を使ってでも確実に抑え込むことが必要だろう。Jリーグの他のチームのマンツーマン守備を見ていると、守備側がマークしている相手をほとんど羽交い締めにし、競り合いでは相手を浴びせ倒すようにして守っている。もちろん、それを審判の目の前であまりに露骨にやれば反則・PKになるが、反則にとられない範囲内で羽交い締めにして浴びせ倒すのが、プロのサッカー選手の仕事だろう。しかし、清水の選手のセットプレー守備を見ていると、クリーンに競り合ってはじき返そうという牧歌的な姿勢が目立ち、「徹底的に相手の邪魔をする」という意識が欠けている。

 セットプレーは止まったところから始まるので、そういう清水の欠陥が一番分かりやすく出るものの、それ以外でも、カウンター守備、ルーズボールの競り合い、球際、シュートブロックなど、あらゆる場面で清水の甘さが際立つ。2013年頃から、監督が代わってもこの傾向はまったく変わらないので、これはもはや清水の風土病のようなものなのかもしれない。

 なんか、あんまり前向きな書き込みじゃなくて申し訳ないけど、とりあえず何か書こうと思ったら、こんなコメントしか出てこなかった。

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 昨日の広島戦の敗戦後、何もする気になれず、ぼーっと過ごしている。テレビのバカなバラエティー番組をずっとハシゴしているような感じ。試合について、当然、色々思うところはあるものの、「そんなもん書いても、しょうがないしな」と、無気力に陥るばかりである。だから、このブログを更新するのも、非常に気が重い。

 しかし、こんな精神状態のまま、どうやって1週間過ごしたらいいのか。そして、1週間後の試合で、このモヤモヤは、払拭されるのか。

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 天皇杯の川崎戦を現地で観戦された皆さんはご存知のとおり、前座の試合として、静岡学園中学と、川崎のどこぞやの中学チームとの試合が行われた。結果的には静学中が1:0で勝ったわけだが、清水サポはやはり地元の静学中を贔屓する目で見ていたと思う。試合後に、静学中の選手たちが清水の応援席に挨拶に来た場面などは、実にほほえましかった。

 たぶんあの後、あの子達は、川崎と清水の試合をスタンド観戦したのではないかと思うのだが(それとも、子供だから早々に静岡に帰った? 分からん)、まあ仮にあの試合を観戦したとして、あの子たちはどう思っただろうか。間違いなく、「エスパルスって、ダセぇ。絶対フロンターレに入りたい。大島先輩もいるし」と思っただろうなあ。大島だけじゃなくて、何かのコネクションでもあるのか、長谷川竜也とか狩野健太とか、川崎には妙に静学出身者が多いしなあ。

 我々大人のサポは、ここ何年か、「ダセぇエスパルス」を見ることに慣れてしまっていて、それがデフォルトみたいになっちゃってる。仮にそうだとしても、大人は今さら支持球団を変えられないしね。でも、子供は違う。オレンジ戦士たちよ、戦う姿を、勝つ姿を子供たちに見せて、未来へと繋げてほしい。

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 川崎と2試合連続で対戦してみて、一番強く感じたのは、「清水の選手と川崎の選手では、見えている景色が違うのではないか」という点だった。清水の選手は近距離しか見えていない。川崎の選手は中・長距離が見える。簡単に言えば、そんな違いではないかという気がする。

 こちらに出ている、「日本最高峰の司令塔・中村憲剛が明かす“選択の極意”」という記事を読んで、ますますその思いを強くした。まあ、水曜日の天皇杯では、ケンゴーは不在だったが、こんな研ぎ澄まされた感覚の司令塔がチームを率いていたら、そりゃチーム全体にそういう意識なり姿勢なりが伝播するだろう。あーあ、ケンゴーには、一番遠くが見えていて、0.1~0.2秒くらいで使い分けを判断するのか。清水の選手たちのように、パスが来たら、「え! 俺?」みたいに驚いて、パニック的に前に蹴ったり、ボールを受けてからどうするかを数秒も考えるようなのとは、だいぶ趣きが異なるな。まあ、今さらこんな愚痴言っても、始まらないが。

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 そんなわけで、天皇杯の川崎戦を現地観戦し、個人的には久し振りの参戦だったわけだが、またしても惨敗に終わった。事態は相当に深刻である。どのくらい深刻かというと、順位こそまだ降格圏ではないものの、現時点でJ1で一番弱いのは間違いなく清水だろう。いや、沼津さんに勝てるかどうかも、怪しいものである。また、降格した2015年と比べて、今のチーム状態の方がマシだとも、とても言えない。というか、風景が、だんだん2015年に似てきた。監督や選手は、チャンスはあった、あれを決めれば違っていたというようなことをコメントしているが、この人たちは本当にそう思っているのだろうか? 所長には、土曜日のリーグ戦、そして水曜日のカップ戦と川崎と戦って、100回やったら100回負けるなとしか思えなかった。偶然が作用する度合いが大きいサッカーという競技で、ここまで「必然の敗北」を実感することは、きわめて稀である。

 個人的には、事前に、試しにカヌ、フレイレのセンターバックコンビで行ってほしいというようなことを書いたが、それが現実のものとなったものの、期待外れもいいとこだった。まあ、あそこまで守備が崩れるのは、ボールの取られ方が悪いこと、ボランチがフィルターになっていないことが大きいが、かといって、最後の砦のはずのセンターバックがあそこまで軽いと、お話にならない。ヘディングの競り合いだけは強いはずのカヌが、まさにその競り合いで負けて2失点に直結したことは、重い現実だ。

 非常に困った。常識的に言って、こんな試合が続いたら、監督は解任である。しかし、残り8試合というこのタイミングでは、もはやその荒療治は困難だろう。かくなる上は、甲府戦のような、徹底した引き籠り戦術で、幸運により何とかそのうち2つくらい勝てないかと、祈ることしかできない。

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 しかし、サポってバカだねえ。あれだけリーグ戦の川崎戦の試合内容に絶望したのに、天皇杯のチケット買っちゃった。ていうか、今季は仕事でテンパってたから、個人的に、ほとんど現地観戦ができていなかったのだ。最後にスタジアムに出かけたのが、今から5ヵ月前の、アウェー川崎戦だった。ようやく仕事が一段落して、とりあえず近場の試合から現場復帰を図ろうかと思ったら、それが偶然にもまた等々力での試合になったという次第。

 まあ、気持ち的には、高揚感には程遠く、重症の家族のお見舞いに行くような心境だけどなあ。なんか、1つでも、良いもの見せてくれないかなあ。ダメモトでもいいから、カヌとフレイレのセンターバックコンビとか見てみたい。

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 当S研は、なるべく前向きな調子で行きたいと思っているし、今年は残留さえしてくれればというのが当方の基本スタンスである。そして、その残留を果たす上では、最悪の位置に付けているわけではないから、今の時点であーだこーだ文句を言うことは、なるべく差し控えたいとは思う。増してや、選手個人を名指しで批判するようなことは、なるべくしたくない。

 とはいえ、グチの一つも、言いたくなるというもんだ。スーパーとは言わない。せめて、フツーの、J1の並みレベルのディフェンダーを揃えることくらい、できないのだろうか? 今季、最終的にどういう結果に終わるかはまだ分からないが、ディフェンスラインの不安定さには、終始泣かされた。というか、シーズンを追うにつれて、どんどん酷くなってきているような。

 それにしても、川崎戦での2失点目のシーンには、我が目を疑った。清水の右サイドをいとも簡単に突破されたのにもあっけにとられたが、小林悠をマークしてた二見が、なぜか一目散に小林から離れて、ゴールラインを守りに回った。敵のFWにあえてフリーでシュートを打たせて、それをゴールライン上でクリアしようとするという、真剣白刃取りにも似た革命的な守備戦術を見せられた思いがした(まあ、それで致命的な2点目を失ったわけだが)。

 勝てる要素が一つもなかった川崎戦につき、一つだけタラレバを述べるとすれば、1失点目に繋がった村松の守備、あれファウルじゃないだろう。あんなもんファウルにとってるから、日本のサッカーは世界で勝てないのだ。ただ、あそこまでグリグリ押したら、日本ではファウルにとられがちなことは事実である。で、間が悪いことに、それで川崎に与えられたフリーキックで、あえなく先制点を献上することになってしまった。メンタルの弱い村松のこと、それですっかり自信を喪失し、そこからは右サイドが決壊し放題となり、村松は前半でお役御免になったと、そんなわけである。

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 東京駅を振り出しに東海道線上を、一路西を目指して健脚を競い合う2017エスパルス走行距離選手権の、川崎戦終了時点の状況が、下図のとおり。しかし、試合内容がアレだと、走行距離選手権の方も、盛り上がりを欠く。何しろ、清水の選手全員の働きが期待外れだったので、走行距離の数字を見ても、「躍動したなあ」という感覚が全然湧かない。最大の注目は、六平がトップの松原を捉えるかということだったわけだが、足を痛めたとかで、途中交代しちゃったしなあ。

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 残念ながら、J1で最もクオリティがあるチームと、そうでないチームの差が、如実に出た試合となってしまった。先方の過密日程とか、悪天候とか、地の利とか、そういうことをすべて吹き飛ばしてしまうほど、彼我の格差は巨大だった。DAZN解説の興津氏は、清水のコンビネーションがかみ合わないのは急造のメンバーだからというようなことを強調していたが、それは川崎もだいたい同じだったのではないか? 誰が出ても同じような質の高いサッカーができるチームと、主力が欠けたり左右が入れ替わったりするととたんにボロが出るチームの差が出たと言った方が公平だろう。

 まあ、ここまで一方的な試合内容は情けない限りだが、優勝争いしているチームに敗れたこと自体は、やむをえない。これほどまでに勝ち目がない試合だと、ある意味で諦めもつく。問題は次からだ。

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 いつも使わせてもらっているこちらのサイトを眺めていて、「1試合平均のクリア数」というデータが気になった。クリア数は、相手に押し込まれて、苦し紛れに跳ね返している回数なので、一般論として言えば、少ないほどいいだろう。その指標で、清水は1試合当たり27.2回のクリアを余儀なくされており、リーグワースト2位という成績となっている。一方、「1試合平均のインターセプト数」という指標もあり、これは相手に攻められても、上手くハメたりパスコースを読んだりしてして奪った回数ということだから、狙いどおりの積極的な守備ができていることを意味するので、回数が多い方が優秀ということになるだろう。全体的に、クリア回数が少ないチームの方が、インターセプト回数が多いという傾向がある。残念ながら、清水は1試合当たり2.0回のインターセプトに留まり、この指標で最下位に沈んでいる。

 まあ、スタイルの違いと言ってしまえば、それまでである。今季終焉を遂げたミシャ・サッカーの浦和、広島が上位に来ていることから、クリアが少なくインターセプトが多ければ、必ず勝てるというわけでもないだろう。ただ、こうやって全体像を見てみると、自分たちで主導権を握ろうとする志の高いサッカーをしているクラブは、苦し紛れのクリアは少ないということが確認できる。

 ただ、鳥栖のデータが清水と近いのは、意外だった。あそこも、相手の攻撃をひたすら耐え忍んで、前線のクオリティで勝負という点では、清水と同じなのだろうか(そして、現状では清水より結果を出している)。

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 図が縦長になりすぎて、だんだん馬鹿みたいになってきたなあ。ともあれ、走行距離選手権の、甲府戦を終えた時点での最新状況が、下図のとおりである。フル出場を続ける松原が首位をキープしているが、弁天島の手前まで迫ったところで、異変が発生。周知のとおり、累積警告で次節は出場停止となり、これで清水は今季もフィールドプレーヤーのフル出場がゼロになることが確定してしまった。次節、六平が11km走れば、松原を抜き、今季初めてトップランナーの座に躍り出ることになるが、果たしてどうなるか。あと、走行距離選手権の序盤戦をリードした白崎が、怪我によるリタイヤを乗り越え、ようやくホームタウンの清水駅を通過、ホッとした。

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 当S研で以前から注目してきた駅前の火力発電計画で、新たな動きがあったので、取り上げる。上の動画に見るとおり、事業者が計画を見直す方針で、近く発表するということである。

 所長は、この発電所に賛成している人も、反対している人も、また事業者も、清水の地域にかかわるすべての皆さんは大切な仲間だと思っている。なので、建設の是非ということ以前に、なし崩し的に物事が決まったり、本件をめぐって地域社会が分断されたりといったことが、一番悲しい。その観点から、建設が強行されたりせず、事業者が行政や地域住民に聞く耳をもってくれたことは、とても喜ばしいことだと思う。あとは、地域にとって最善のシナリオと、事業者の利益をすり合わせていけばいいわけで、必ず良い着地点が見付かると信じたい。

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 甲府戦でのデュークのあのパスは、何度見ても笑っちゃうんだけど、それを受けた北川のシュートを別角度から見て、さらに面白いことを発見した。「マツコ&有吉 かりそめ天国」の看板が、背景に写っていたのだ。余計に笑っちゃった。「あの看板、どこにあるのかなあ」と思いながらDAZNを見ていて、その時は気付かなかったけど、試合ダイジェストで、北川のシュートを別角度から捉えた画像で、それを発見した次第。なお、ヴァンフォーレの試合会場に、「マツコ&有吉 かりそめ天国」の看板が掲げられるようになった経緯は、こちら参照。デュークのプレーは全国的に話題になったから、今度番組でいじられたりするかもしれない。

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 清水と甲府の試合、DAZNの中継を見ていて、非常に印象に残ったのが、試合後の吉田監督のインタビューだった。単に負けたから悔しいということではなかったはずだ。やっているサッカーは我々の方が絶対に正しい。にもかかわらず、一瞬生じたエアポケットが原因で、敗れてしまった。そのような思いがあったからこそ、語気を強めて、我々はアグレッシブに戦ったと強調していたのだろう。

 そんな、甲府側から見た、あの試合の戦評が、「迫る降格圏。それでも『残留の達人』ヴァンフォーレ甲府は自信あり」というこちらの記事である。逆に我々は、1つ勝ったからといって、いつまでも浮かれてちゃ駄目だと思う。

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 久し振りの勝利の余韻に浸りたい方、デューク~北川の奇跡のホットラインの喜びをもっと噛み締めていたい方も多いと思われる中で、少々ネガティブなことを書いて恐縮である。でも、奇跡は何度も起きないから奇跡なのであって、チームの現状を直視することも必要だと思うのである。

 今の清水の、何が問題か? それに関する所長の仮説を申し上げる。サッカーの基本技術のことを、よく「止めて蹴る」と表現する。しかし、清水の選手たちのプレーを見てれば一目瞭然だが、彼らは「止めないで蹴る」ことが非常に多い。良く言えば「ワンタッチプレー」であり、サッカーではワンタッチプレーは、敵が対応しづらい素早いプレーとして賞賛されることが多い。しかし、清水の選手たちは明らかにワンタッチプレーに偏重しすぎで、トラップをしてボールを落ち着けるということがあまりにも少ない。ワンタッチプレーは、崩しの場面とか、アタッキングサードのラストパスとか、そういう「ここぞ」というところでは威力を発揮するが、今の清水のように、局面打開やビルドアップのところでワンタッチプレーを多用しすぎるのは、弊害の方が大きい。

 清水のワンタッチプレーの弊害がよく表れるのが、サイドの攻防であり、やたら狭いスペースで人数をかけて、ワンタッチでショートパスをごちゃごちゃと繋いで局面を打開しようとするのだが、ほとんど成功したためしがない。ワンタッチプレーの連続なので、どんどん誤差が拡大していき、結局相手に奪われるのが関の山である。また、これはワンタッチプレーというのとちょっと違うが、清水のディフェンダーの悪癖として、ボールが飛んでくると、全然プレッシャーがかかっていなくても、トラップせずに、ヘディングやキックではじき返してしまうことが多い。そうすると、前線にアバウトな浮き球が飛んでいき、よほどのことがないとマイボールにはできない。当S研では、色んなデータを取り上げることが多いが、今の清水を最も端的に表すデータは、もしかしたら「トラップ数の少なさ」なのかもしれない(残念ながら、そんなデータは見たことないが)。

 J1の他のチームは、清水みたいに無謀にワンタッチプレーを多用したりしない。川崎・柏・浦和あたりの試合を見れば良く分かるが、彼らはほとんどの場合、ちゃんとトラップしてから、パスを出している。ただし、そのトラップが正確で素早く、味方が適度な距離感でサポートし、またスペースや間に入ってパスを受ける準備をしているから、清水のドタバタな近距離ワンタッチプレーの連続などよりもはるかにスムーズにパスが繋がるのである。

 それにしても、なぜ清水はこんな変なサッカーになってしまったのか? 小林監督が、こういうサッカーを意図的にやろうとしているとは思えない。監督はよく試合後のインタビューで、「ボールを奪ったら、落ち着いて、2~3本パスを回せば、局面を打開できるのに」といったことをコメントしており、不本意ながら現在のような状態になってしまっていることをうかがわせる。一つ思い当たるのは、以前何かの記事で読んだのだが、小林監督の下で清水は、狭いエリアでワンタッチでパスを回す練習を重視しているとされる点である。それによって、プレッシャーのかかる場面で、正確なパス回しにより局面を打開するという訓練なのかもしれない。しかし、それが行き過ぎて、「狭いエリアでワンタッチ」ということが体に染み付いてしまったいるのではないか。結果、視野狭窄に陥り、ワンタッチのショートパスか、逆にものすごくアバウトなロングボールの両極端になってしまっているのではないか。これが今の清水の病状とその原因に関する所長の仮説である。

 小林監督のことは、尊敬も感謝もしている。しかし、もしも今季最後まで内容面の改善がなければ、個人的には、諸手を挙げて続投賛成とは言いかねる。

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