エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

2017年06月

20170625team

 甲府戦のチーム走行距離対決は、少々意外な結果になった。お互いに、サッカーの質が低い分(おっと失礼)、ハードワークでカバーするチームというイメージがあるにもかかわらず、チーム走行距離は双方とも伸び悩んだ。清水は、チーム走行距離の「連敗」こそ止めたものの、105.234kmという数字は、今季最低である(対戦相手の距離も今回の甲府が最低だった)。涼しいコンディションだった割には、両チームとも運動量は上がらなかった。ひょっとして、雨で濡れたピッチで、走りにくかったなんて事情もあったのだろうか?

 なお、清水の方は、今季初めて、選手交代を2人しか行わなかったので、フレッシュな選手の投入が少なかった分、距離が出なかったという要因もあっただろう。テセは完全にバテていたように見えたので、テセに代えて絶好調男(?)の長谷川悠を入れる手もあったような気がするが、監督はセットプレー守備のストーンとしてのテセを外したくなかったのかもしれない。

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20170625shihai

 DAZNが試合直後に発表するスタッツはあまりにいい加減なので、今回はボール支配率のデータを、より正確なこちらのサイトからとることにした。まあ、とにかく、終盤はずっと先方がボールを握っていたので、トータルでも支配率は甲府が上回った。

 それよりも、上記サイトに出ている下図の方が、試合展開を雄弁に物語っている。清水は後半の頭に多少支配率を上げ、何本かシュートを放った。この試合の清水のシュートは、45~60分の時間帯にほぼ集中している。その最後のシュートが、60分の二見のゴールだった。ところが、そのゴールが決まって以降は、清水のシュートは1本もなく、敵の攻撃を浴びるだけだった、ということになる。ボクシングに例えるなら、第8ラウンドくらいに1回だけダウンを奪って、残りの時間はずっとクリンチして逃げ切った、といった試合だったわけだ。

 なんだか、当S研、せっかく甲府戦に勝ったのに、駄目出しばっかりしているように思われるかもしれない。「今は結果が大事で、サッカーの中身なんか、高望みできないよ」というご批判が聞こえてきそうである。一応、誤解のないように、釈明しておくと、所長も今は守備重視の戦術でいいと思う。別に、華麗なパスサッカーをしてくれとか、奔放に攻めまくる清水が観たいとか、そんなことは全然言っていない。先日来主張しているのは、あくまでも、リードをした試合の終盤で、単純なクリアだけじゃなくて、キープや繋ぎやカウンターも織り交ぜた方が、逃げ切れる確率がより高くなるんじゃないですか、ということ。たとえば、鳥栖戦では、敵のゴールキーパーの攻め上がりまで許すという屈辱的な場面があった。あれだって、「清水は跳ね返すしか能がなく、カウンターを浴びることはまずない」と敵がタカをくくっていたから、GKを含む全員攻撃を仕掛けてきたわけである。もしも清水がカウンター要員を1人前に残していたら、相手の守備は2人は残らなきゃいけないし、GKもまず上がってこれないはずである。そういう、「隙あらばカウンター」という抑止力を放棄しちゃって、専守防衛に徹するから、毎度おなじみのサンドバッグ祭りになるわけでね。そのことを言っているわけ。

nashi
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20170625bunpu

 当ブログって、「エスパルス研究所」っていうより、「エスパルス・マンネリ図解」とかにした方がいいかなあ? つーか、今回の甲府戦では、全国5000万サッカーファンの敵ことDAZNのくるくるフリーズが特に酷く、試合内容の細かいとことか全然把握できてないのよね。

 というわけで、またぞろ、特に新味のない図。甲府戦の勝利は、やはり完封だった。かくして、敵地広島戦に次ぐ、2度目のウノゼロ勝利。完封しなければ勝てない、完封さえすれば勝てるという法則が続いている。

 それにしても、上の図を見ても分かるとおり、今の清水ってホントに変なチームだよ。サッカーでは、スコアレスドローって、割とよくあるはずだけど、それが今季一度もない。また、2:1勝利とか、1:2敗戦なんてのも、サッカーでは最もありふれたスコアじゃないかと思うのだが、それらも一度もない。何なんだろーねー、このチームは。

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 それにしても、静岡新聞に載ったテセのコメントは、なにげに、衝撃的だった。

 鄭大世は「どんなことをしても1点を守り抜く戦いを」と2年前から提言したが、当時の主力に「そこまでして勝ちたくない」と言われ諦めた。その年にチームはJ2に降格。「やっとここで、全員で堅実に戦うことができた」と感慨深げだった。

 「当事の主力」って、どう考えても、大前のことだよね(笑)。これを読んで、ここ2~3年、清水というクラブに何が起きていたか、いよいよハッキリした。変なプライドにこだわって、現実を直視できず、崩壊したのが2年前。J2に落ちても、まだ雰囲気はだいぶあまちゃんだったものの、大前の怪我もあり、テセがチームの主導権を握り、そこでようやく守備の献身性という課題がチーム全体で共有され、昇格レースを勝ち上がったのが1年前。そして、遅れ馳せながら、ようやくテセイズムがJ1のホーム戦でも実を結んだのが、日曜の甲府戦だった。だからこそ、本人は感慨深げだったのだろう。

 今季、清水がリーグ戦のアウェーゲームでほぼ負けていないのは、敵地においては、徹底した守備意識、愚直なまでのハードワークという課題が、全員に共有されやすいからだろう。逆に、ホームゲームでは、良いサッカーをやろうとか、勝たなきゃとか、点とろうとか、欲が先走ってしまうあまり、隙が生まれて失点を重ねた。今回、ホームで甲府に勝てたのは、先方の攻撃力がJ1最低であるにもかかわらず、アウェーのような戦い方を選択したからだろう。

 今回は、あくまでもJ1復帰後の第一歩としては(もう6月も末だが)、これでよかったのかもしれない。しかし、所長は清水の戦い方がこのままでいいとは全然思わない。逃げ切りの時間帯に、前線で孤立しているFWにロングボールを蹴ったり(収められるはずがない)、酷い場合には誰もいないスペースに蹴ったりして、いとも簡単に相手にボールを渡すのは、なぜなのか? 何ゆえに、好き好んで、敵の攻撃機会を増やしてあげるのか? 特にプレッシャーもなく、キープや繋ぎができそうなのに、それでもなぜボールを捨てるのか? ボールを持つことをそこまで怖がって、君たちは本当にサッカー選手なのか? 今回勝てたのは、あくまでも攻め手のない甲府さんが相手だったからで、J1の他のチーム相手なら同点・逆転までもっていかれたかもしれない。相手の攻撃を単純にクリアし続け、キープ・繋ぎやカウンターを放棄するのは、かえって失点のリスクを高めることになり、そういうのを「高い守備意識」とは言わない。所長は、「かつての主力」ほどのプライドは持ち合わせていないが、「守備重視」という方針を前提にしたとしても、今の清水の戦い方が理に適っているとは、とても思えないのである。

 ・・・そうは言ってみたものの、甲府戦の、押し込まれている時間帯に、「ここは蹴らずに繋げ!」と思った場面で、実際に繋いだシーンがあったのだけど、そこであっさりとパスカットされて、ピンチになったことがあった。ああいうのを見ると、「とりあえず蹴っちゃえ」という選手の気持ちも、分からないではない(笑)。

 ちなみに、恒例の、時間帯別の得失点の図を、載せておくことにする。今回は、得点直後の失点こそなかったものの、「最終的には押し込まれる」というお馴染みの構図となった。何しろ、清水は前半にリードして勝利した試合がこれまで1つもないそうだから、甲府戦の「60分に先制」というのは、なかなか良い時間帯だったかもしれない。これ以上、早く先制すると、それ以降、防戦一方の時間帯が長くなり、耐え切れるとはまず思えないので。

20170625goals
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 なんか、思い描いていたホーム初勝利と違ったな。当S研の事前の予習に反して、清水のボール支配率は50%以下だったようだし。結局のところ、甲府さん相手でも、最後はただ跳ね返すだけになり、ひたすら耐え忍ぶだけのサッカーになってしまった。今季これまで、同じような試合展開で何度も勝ち点3を逃して、今回は耐え抜いたわけだが、正直言って、清水が成長したから守り切れたのではなく、先方に攻撃の決め手がなかっただけだろう。

 まあ、個人的に、今年は残留が絶対的なノルマだと思っているので、それに近付いてくれさえすれば、どんな勝ち方だって、大歓迎だ。実際、今の清水にとっては、こういうブサイクでも皆で守り切るような戦い方の方が、勝ち点を手繰り寄せられるのだとは思う。でも、このサッカーに、未来はあるのだろうか? そんなことも感じずにはいられなかった。「J1に復帰してホーム初勝利を挙げるという重い扉だったから、ぎこちない戦い方になったものの、それさえクリアすれば、あとはサッカーの質も上がっていく」ということならいいのだけれど。

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 当S研としては、久し振りの試合前の「予習」である。しばらく前まで、素人なりに、対戦相手の直前の試合をものすごく綿密に観て、力を込めて予習を書いていた。しかし、入魂の予習を書いた時に限って、残念な結果に終わることが多かったので、今度はむしろ自虐的、冷笑的な予習を書いて、そのネガティブな筆致が裏切られるような結果が出るのを密かに期待した。しかし、それでも勝てなかったので、今度は試合がある日でもそれをわざと無視して、全然関係ない話題を書いたりした。ところが、それでもやはり勝てなかったので、結局一周して、また普通に予習を書くことにした次第。

 さて、甲府は手強い相手だ。J1の下位チームは、清水も含め、ほとんどすべて、堅守速攻を基礎コンセプトとしている。そうした中、所長が今季J1各クラブの試合を眺めている限りでは、おそらく甲府は最も上等な堅守速攻チームだと思う。伝統的に押し込まれることに慣れているので(変な言い方で恐縮)、攻め込まれても清水のようにパニックにはならず、粛々と相手の攻撃を跳ね返す。前節は、ラッキーな部分も多々あったようだが、今まさに手が付けられない状態の柏を完封している(スコアレスドロー)。そして、手数少なく一気にゴールに迫るカウンターも、意外と鋭い。ゆえに、ホームの清水が手数をかけて攻めあぐみ、カウンターで先制点を奪われるような展開だけは、何としても避けたい。ただ、甲府のカウンターの主役となるべきFMドゥドゥは、今回出場停止ということらしい。先方の選手層は決して厚くないはずなので、何としてもこの天恵を活かして、勝利をものにしてほしい。

 ちなみに、当S研では、ボール支配率のグラフを載せるのが恒例になっているが、それをちょっとアレンジし、清水のボール支配率が高かった順に並べ替えると、下図のようになる。以前から、今季の清水は支配率の低い試合ほど勝ち点を稼いでいるというようなことを指摘はしていたが、こうやって図で整理してみると、その傾向は歴然である。現在までのところ、「支配して勝った」と言える試合は新潟戦くらいしかなく、それ以外の支配率が高目の(というか拮抗した)試合は、ロクな結果が出ていない。逆に、支配率30%台の試合では、ほぼすべて勝ち点を獲得している(鹿島にもあやうく勝ちそうだったし)。かといって、本日の甲府戦で、「わざと支配率を低くする」なんて芸当ができるほど、我が軍は器用じゃないだろう。おそらく、清水の支配率は50%を超えるはずである。新潟戦以来の「支配しての勝利」を成し遂げること、それが本日のミッションである。

katsu
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 よそのチームからは、補強や移籍の話題がちらほらと聞こえてくる。そう言えば、Jリーグの移籍ウインドウの期間って、どうなっているのかと思って検索したら、こちらのページにそれらしい情報が載っていたけれど、これだけ読んでも、何だかよく分からなかった。要するに、9月15日(金)までは選手を獲得して追加登録できる、ということか?

 覚醒中(?)のデュークと無事契約を延長できたとはいえ、白崎の怪我で、サイドハーフが手薄になった。もちろん、スーパーな新戦力を獲得できれば言うことないが、資金面などから、そう簡単ではあるまい。であるならば、チームにすぐに溶け込めるという観点から、ちょっと恥ずかしい感じもするが、社長が岡山に頭を下げに行って石毛を返してもらうなり、澤田をもう一度レンタルで獲得するなり、何か手を打った方がいいような気もする。

 贅沢を言えば、センターバックも、両サイドバックも、ボランチも、全部欲しいような気もするけれど、せめて1人くらい、スタメンに絡んでくるような新戦力が欲しいものだ。追加登録がユースの選手ばっかりっていうのは、どうもねえ。もちろん、若人たちについては、それはそれで楽しみなのだけれど。

 そう言えば、最近、野津田の名前を聞かないけど、怪我でもした? 「研究所」を名乗りながら、情報弱者で、スイマセン。

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20170617

 東京駅を振り出しに、JR東海道線に沿って一路西を目指す、2017エスパルス走行距離選手権。第15節を終えた時点の途中経過が、上図のとおりである。これまで一貫して首位を快走してきた白崎が、第14節で無念のリタイア。それにしても、この図では、清水の地を目前にした158.8km地点で停車を余儀なくされている白崎を、あと3ヵ月も見なければいけないのか。辛すぎる。

 第15節では、その白崎を、ついに松原が追い抜いた。開幕から全試合フル出場を続け、捻挫をした後の試合でも強行出場しただけのことはある。それを激しく追っているのが六平。テセは、脳震とうによる欠場が1試合あったので、その分遅れをとったが、セレッソ戦でのテセの走行距離12.367kmはチーム最高の数字であり、なおかつ今季のテセの最高記録でもあったということは、強調しておきたい。

 ていうか、犬飼がハムストリングやって、さらに4週間って、どういうことだよ。勘弁してくれよ。

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 21日の天皇杯・北九州戦。もしこれをスカパー!で放送してくれたら、もうちょっとスカパーに留まろうかとも思ったのだけど、事前にチェックしたら、放送予定はないとのことだったので、先日、個人的にスカパーからは完全に脱退した。

 だから、4:1で勝った試合の模様は、SNSなどに上がっている断片的な動画でしか観ていないのだけど、セットプレーのチャンスが多く、清水としては珍しくそれらを効率的に決めて、勝った試合だったということかな。まあ、個人的には、カップ戦とはいえ、「今季ホーム初クリーンシート」をぜひとも実現してほしかったが、2:0とかよりも4:1の方が平日の悪天候にもかかわらず集まったサポさんたちにとっては楽しいスコアなので、悪くない結果だったかな、と。所長は、清水の試合が観れないので、NHK-BSでベガルタVS筑波大を観ていたのだけど、絵に描いたようなジャイアントキリングを食らっており、それに比べれば清水は無難な初戦突破となった。J3に負けたら、一昨年の悪夢が頭をよぎったはずなので、そういう意味でも良かった。コバさんも、ルヴァンカップで懲りて、カップ戦が負のスパイラルのきっかけになることを避けたかったと見え、主力に近いメンバー構成だったしね。

 天皇杯の完勝といい、デュークの契約延長といい、最近としては珍しく、良い知らせの多い一日だったな。

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20170617run

 またまたマンネリの図。試合時間が昼間から夜になったので、セレッソ戦では清水の走行距離が多少盛り返した。しかし、セレッソはそれ以上に走った。セレッソがそんなに走るチームというイメージはなかったが、ユンジョンファン革命(?)がチームカラーを変えつつあるのだろうか。

 いずれにしても、上図に見るとおり、これでチーム走行距離は4連敗。あまり意味のない話だとは思うが、第15節まででチーム走行距離は8勝7敗という状況となり、少なくとも「運動量を武器に戦う清水」というシーズン当初のイメージは、完全に色あせた。

 頑張ってはいるんだけどね、選手は。

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20170617goals

 またいつものマンネリの図で恐縮です。

 先制点が3分で、同点弾を食らったのが90分+4分だったから、正味90分以上は耐えたんだよな。失点が多い後半中頃の、「魔の時間帯」も、どうにかやり過ごして。

 この試合をクルクルDAZN観戦しながら、所長が考えていたのは、「1点リードしたくらいじゃ、信用しないぞ。2点目がとれたら、ようやく少しその気になってやろう」といったことだった。それでも、残り10分、残り5分、アディショナルタイムと1点差で推移して、「も、もしや、行けるのでは!?」と色めき立ったところでの失点。

 もはや、個人的には、3点差くらいつけてくれないと、勝てるという確信が持てない。2点ですら安心できないというのが本音だ。あるいは、終了間際に清水が決勝点を奪い、逃げ切りの時間が短くて済むとか、そのくらいしか、勝利のイメージが湧かない。

 セレッソ戦終了後、小林監督は、「もっと時間があったら、逆転まで行かれていたかも」という趣旨のことを述べていた。実際、あと2~3分あったらヤバかっただろうということは、所長も感じている。しかし、小林監督の口調は、どこか評論家チックというか、他ならぬ自分自身が逃げ切りに失敗したのだという当事者意識が希薄であるように感じてしまった。むろん、悔しさを押し殺すために、わざとクールな口調で述べたのだとは思うけれど、チーム状態がこれだけ悪い中で、監督の態度や言葉一つでさらに悪い方向にも行きかねないわけだから、ああいう変に達観したような言い方はちょっと考え物である。

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20170617shihai

 表現が適切か分からないが、清水の選手たち、特にディフェンダーたちは、ものすごく頑張ってると思う。セレッソ戦では、二見も、カヌも、悪くなかったし、両サイドバックも奮闘していた。しかし、あれだけ守備に追われる場面、自陣ゴール前でのピンチが増えれば、単純に確率の問題として、失点する危険は増大する。村上主審のPK判定を批判する声もあるとは思うが(所長も、あのぐらい見逃してくれよと言いたい気持ちはあるが)、やはり全体として見れば、清水の戦い方のまずさが招いた土壇場の同点被弾だったように思えてならない。

 確かに、清水はこうやって自陣に引きこもって耐え忍ぶような戦い方をした時の方が、守備の集中力を発揮して、今季ここまで勝ち点を稼いでいる。しかし、そうした戦法は、今回のように、交通事故のような失点をする危険性と、常に隣り合わせということだ。敵の攻撃をただひたすら跳ね返したり、せっかく奪ったボールを無人の荒野に蹴っ飛ばすことしかできないチームに、そうそう勝ち点3は訪れるものではない。やはり、守備優先で守り切るという状況でも、常にカウンターの姿勢を見せて敵に脅威を与えたり、奪ったボールを回すなどして自分たちの時間を作るようなことができなければ、今後もこうした悲劇は繰り返される恐れが大きい。まあ、横浜Fマリノスくらいの守備力があれば、話は別だけど。

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20170617stats

 開始3分で先制して以降は、ただひたすら耐えるだけの時間が続く。試合内容のストレスを、3分に1度くらいは訪れるDAZNのクルクルが、さらに倍加する。でも、どんなに苦しかろうと、結果的に勝ち点3がとれれば、選手も、サポも、報われるはずだったのだが。。。

 結果的には、ホームの鳥栖戦と、同じような結末になってしまった。なんだか、清水の勝ち点の落とし方は、もうパターン化されており、落胆はあるが、驚きはない。もう何度も同じことを言っているような気がするが、これでホームで勝ちさえすれば、アウェーで上位相手に貴重な勝ち点1という位置付けも可能だが、それができていないからこそ、ちっとも前向きな気持ちにはなれない。チームに進歩や学習の跡が見られないことが、何より辛い。小林監督が試合後にコメントすることはいちいちその通りなのだが、我々素人から見ても自明な改善ポイントを、なぜトレーニングでチームに徹底できないのか? うちの場合は、代表にとられている選手なんか、一人もいないのに。

 ところで、クルクルDAZNで試合終了後に出るスタッツって、ものすごくいい加減だということに、今回気付いた。上に見るように、チームの総走行距離が100kmを下回っていたことに衝撃を受けたが、実際にはこの試合で清水は115.477km走っているし、シュート数とかコーナーキックの数も、DAZNは滅茶苦茶のようである。当S研では、試合終了後の第一報で、このDAZNのスタッツを使うことが恒例と化していたのだけれど、考え直した方がよさそうかも。

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 静岡新聞のサイトに、「J1清水、守備再構築し原点回帰 17日にC大阪戦」という記事が出ていた。当S研では1ヵ月ほど前に、「原点回帰か、それとも進化か」というエントリーをお届けしていて、今回の記事はそれと一脈通じた内容だなと感じた。

 遠回りした感はあるが、リーグ戦で勝てない試合が続いたことで、改めて守備優先の戦術に回帰するということになるのか。というか、そもそも本日のセレッソ戦では、攻め込まれる苦しい試合展開が予想されるから、否応なしに守備に追われることになるとは思うが。

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nishimura

 以前、当S研で、Jリーグの主審たちのデータを比較したウェブサイトを紹介したことがあったが、それを見ていて、一番面白かったのが、かの西村雄一氏のデータである。上図のように、ファールをとる回数や、イエローを出す回数が、年々減少しており、直近では「最盛期」の半分近くにまで低下しているのである。主な主審の中で、ここまで劇的かつ明確に傾向が変わっている人は、西村氏くらいである。(なお、同サイトの更新は、なぜか2016年途中で止まっているように見受けられる。)

 まあ確かに、ここ1~2年の清水の試合のことを思い返してみても、2016年のアウェー・セレッソ戦、2017年のアウェー川崎戦と、どちらも試合自体は苦しかったものの、西村主審の判定で試合を壊されたという記憶はない。数年前とはだいぶ印象が変わった。元々この人は、プレーが良く見えすぎて、目に付いた問題をやたらにファールにとる結果、かえってゲームを壊してしまうタイプだったのだと思う。それを、近年はなるべく我慢して流すようにしているから、選手も観客も、ストレスをあまり感じないようになったのだろう。まあ、願わくば、その我慢を、ワールドカップのブラジルVSクロアチア戦でも発揮してほしかったところだが、あの肝心な場面で厳格主義の本性が出ちゃったんだろうなあ。

 ちなみに、今回紹介している主審別ページの下の方を見ていくと、その審判が裁いた試合のチーム別成績という表が出ている。意外にも、試合結果という観点から言うと、清水は西村主審との相性が、結構良い方である。ゴトビ時代にレッドカードを多発されたことが、印象の悪さに繋がっているのだろう。

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 第14節の清水の結果により、個人的にメンタルがやられてしまったので、他チームの敵情視察作業なども滞っていたのだけれど、このほどようやく、とりあえず同節のセレッソ大阪VS新潟戦をDAZNの見逃し配信で観戦してみた。結果はホームのセレッソが4:0で快勝。まあ、新潟がロペス監督になってから守備ブロック重視の方針が徹底されているため、セレッソも最初の1点をとるまでは、結構手こずったけどねえ。ちなみに所長は、他のチームの試合を観る時に、残留ライバルに負けてほしいと願うとともに、次の清水の対戦チームに怪我人やカード累積が出ろと思いながら観ている(邪悪なようで申し訳ないけど、皆そうだよね。笑)。このセレッソVS新潟戦もその両方の関心があったのだが、見事、セレッソの中心選手のソウザが累積で清水戦出場停止となりました。

 それにしても、今季戦前の評価で、清水の降格を予想する専門家が何人かいたのに対し、セレッソを降格候補に挙げた向きは皆無であり、上位進出の可能性も取り沙汰されていたのは、悔しかった。セレッソはJ2のプレーオフをやっとの思いで勝ち上がってきたチームであり、普通に考えればJ1での序列は18位のはずである。そう、これまでは、必ず1年で再びJ2に降格するポジションだったはずだ。それが、フタをあけてみれば、評論家連中の予想どおり、清水が下位で苦しんでいるのに対し、セレッソは上位争いに食い込んでいる。

 そう言えば、昨年アウェーのセレッソ戦で、清水が劇的な勝利を収めた時に、「大熊がアホで助かった」とコメントしていた清水サポさんがいたのには、思わず笑ってしまった。ちなみに、いま、グーグル検索をしてみたら、「セレッソ 大熊」まで打ち込んだところで、「無能」という予想ワードが出てくるくらいであり、とにかくセレッソというチームはタレント力が秀でていながら、意味不明な監督人事やお粗末なチームマネジメントで、もてる戦力を活用できないことが多かったわけである。

 そうしたセレッソの監督に今年就任したのが、鳥栖を九州の雄にまで引き上げた尹晶煥(ユン・ジョンファン)氏。所長は開幕前、もしかしたらセレッソで内紛が勃発するのではないかと思い、それ次第ではJ1グッバイの可能性もあるのではないかと、ちょっと期待していた。ユン監督は過酷なフィジカルトレーニングを課すことで有名であり、もしかしたら柿谷とか、自己主張の強いテクニシャンタイプの選手たちの不満が爆発したりするかも、と思ったのである。しかし、今季が開幕してみると、そうした予想は裏切られた。たぶん、セレッソのプレーヤーたちにしても、昨年までの苦い経験で、「我々に必要なのは規律だ」ということを痛感するに至り、ユン監督の厳しい指導を素直に受け入れているのだろう。

 そんなわけで、次節清水はセレッソと、アウェーで対戦。なんだかもう、「J2上がりの同格」という感覚はないよなあ。

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 所長にしても、かつてはそれなりに日本代表にのめり込んでいた。2002年日韓W杯までは、清水エスパルスと日本代表に入れ込む比率が、50:50くらいだったと思う。しかし、今や99:1というか、無限大:0というか、本当にそんな感じだ。考えてみれば、かつて代表を応援していたのも、清水の選手がコンスタントに選出されていたからにすぎなかったのかもしれない。試合前に緊張でお腹が痛くなったり、勝つと泣きそうになったりするのは清水だけで、代表戦はもはやそのような深い思い入れとは無縁の代物になった。そんなわけで、当ブログにも一応「日本代表」という記事カテゴリーがあるのだが、ようやく2回目のエントリーである(笑)。

 代表戦を観ていても、やはり週末のセレッソ戦のことを考えてしまう。怪我で選ばれなかった清武はどうなのかなとか、山口蛍出場して疲弊しないかな(笑)とか、そんなことばかり気になる。残念ながら、昨晩実際に疲弊したのは、大阪は大阪でも、ガンバの方だった。

 ただ、昨日の日本のメンバー表を眺めたら、たまたまだろうけど、MF登録は全員、国内組だった。ガンバの井手口あたりが先発出場しているのを見ると、「清水の選手だって、頑張れば、あそこにたどり着けるのではないか」と思えてくる。まあ、アタッカーは飽和状態なので、大前氏は無理だろうが。お気の毒。

 昨晩の日本代表は、シュートがやたら少なかった。ある程度ゴール前まで行っても、崩し切ることを優先するあまり、フィニッシュまで行けないという感じ。SBの攻撃参加が自重気味だったこともあり、サイドからのクロスが少ない。清水の場合は、とりあえずクロスを上げて、それで何となく「攻撃やっている感」を出していることが多いが、良い意味でも悪い意味でも、昨日の代表の戦い方はだいぶ違った。

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 こちらに出ている、「サッカーのトレーニングでランニングは無駄。 Jリーグにも上陸。欧州サッカーを変えた新理論」という話なあ。近年の清水の迷走を考える時、避けて通れないテーマだ。

 前にも書いたとおり、所長は、去っていた監督たちのことを称賛しようとも非難しようとも思わない。むろん過去から教訓を学ぶことは必要にしても、賛否両論ある元監督に関して持論を主張したりすれば、必ず不快に思う人がいて、清水の団結にヒビを入れるだけだと思うからである。

 だから、ゴトビ氏のことも、褒めようともけなそうとも思わない。ただ、それにしても、ゴトビ監督がこだわっていた、「サッカー以外の無駄なランニングは禁止」というルール、あれはどうだったのかというのは、いまだによく分からない。ゴトビ氏のメソッドは、上掲の記事にあるピリオダイゼーション理論というのと同じで、オランダ/ヒディンクの系譜というのも符合する話であり、世界最先端の理論を清水に持ち込んだという見方もできる。しかし、当時の清水のサッカーに、その最先端であるはずの理論に見合うような内容なり結果なりがあったかというと、肯定はしがたい。当時選手たちにくすぶっていた不満の一つが、「自由にランニングすらさせてもらえないので体力が落ちる」という声だった。伝えられるところによれば、監督の目を盗んでランニングしていた選手もいたというし、監督が交代したら、みな嬉々として走り込みを始めたような印象がある。ゴトビ流が「自分たちは強くなっている」という選手たちの自信に繋がっていたら、そういうリアクションにはならなかっただろう。まあ、所長はどちらの言い分が正しいのか、判断する術はないが、とにかく当時チームが分裂する際の重要なファクターの一つだったように思う。

 小林清水では、どういう練習をやっているのかよく知らないが、ピリオダイゼーション理論を積極的に取り入れているとは聞かず、普通にランニングはやっているのだと思う。ただ、今シーズン開幕当初は走行距離で目を見張る数字をたたき出したりして、やはりランニングによる体力強化は必要なのだなと思わせたものの、その後走行距離で対戦相手に負けることも多くなり、引き続き怪我人も多い。ああ、一体どうするべきなのか?

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 先日、東洋経済Onlineに、「テレビ局の『ネット音痴』意外にも深刻な実態 ―『逃げ恥』大ヒットを大多数が学べていない」という興味深い記事が掲載された。テレビ局の話だが、Jリーグ、エスパルスにとっての教訓を含んでいると思う。

 デジタルネイティブな昨今の若者は、SNSなどで自然発生的に共感を広げていき、テレビ局が仕掛けがちなしつこい番組宣伝にはかえって反感を抱いてしまう。デジタル世代の価値観や行動様式を学んで、そこに刺さるようなキャンペーンを張らないと、ヒット番組なんか作れない。記事には、だいたいそんなことが書かれている。

 我がエスパルスにも、そんなところがあるのではないか。昔ながらの地道な宣伝活動は、活動してくださっている方には本当に頭が下がるものの、それによって新規の顧客、特に若者や女性を多く取り込めるかというと、やや疑問もある。逆に、皆がワイワイ盛り上がっている楽しそうなものには、「何?何?」と、放っておいても人が寄ってくるものである。

 現代社会で、女性や若者にアピールするツールと言えば、どう考えてもSNSであろう。上の記事に出ている逃げ恥の例もそうだし、Jリーグでも鹿島アントラーズなどはSNSの使い方が非常に上手いと言われている。そういった成功例に共通しているのは、SNSから公式HPに誘導していく導線が上手く練り上げられていることである。

 翻って、エスパルスはどうなのか? 一応フェイスブックやツイッターのアカウントもあるはずだが、機能しているとは言いがたい。とにかく情報をふんだんにばら撒き、シェアしてもらい、「いいね」してもらうことが大事という、そんな世の中になっているのだと思う。

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 代表週間ということで、この週末のJ1リーグ戦はお休み。「待っているのは最高の週末だ」なんてJリーグの標語もあったけど、残念ながら、このところ清水サポの週末は最悪続きだった。束の間の小休止、リーグ戦のない週末に、ほっとしている自分がいる。

 とはいえ、チームの方は、この週末も休んでいるわけではない。昨日、完全なるガチメンバーで広島に遠征してサテライトリーグに臨み、敵さんは控え中心だったようだが、2:1で勝利した由である。むろん観ていないので内容的なことは分からないが、なんだか久し振りにエスパルスの得点者欄にボランチの名前(竹内)があって嬉しかったし、テセも復活を遂げたということで、手応えのあるテストマッチになったようだ。

 所長は、清水の試合以外も、他のJ1の試合も結構観ている方だと思う。特に、残留ライバルになりそうなチームの試合は、清水の試合を観るのとほぼ同じ熱量で、入れ込んでDAZN観戦する(もちろん、残留ライバルが負けてくれと祈るわけである)。ただ、いっぺんに観るのは無理だから、何日かに分けて観るようにしている。そういう場合に、あらかじめ試合結果が分かって観るのは面白くないので、清水の試合が終わってすぐに他のチームの結果や順位表をチェックしたりしないのである。しかし、第14節に関しては、清水の負けにあまりに激しく気落ちしてしまい、そもそもサッカーを観る気になれず、他の試合の結果も順位もまだ知らないのである。だから、当S研、ちょっと情報が遅いことがあるが、それは他のチームの試合を後日観るために情報遮断しているからなのです。悪しからず。

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