エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

2017年05月

 本日の鳥栖戦は、清水にとっては大きな岐路である。それはただ単に、「この試合に勝てば、五分の星に戻せるから」ということだけではない。基本的な戦法においても、重大な岐路に立たされていると思う。

 思い起こしてみれば、ちょうど1年前の今頃も、清水のチーム状態は最悪だった。そこで、「自分たちは決して上手くない。全員で泥臭く守備を頑張って、結果的に0:0で終わってもいい」と開き直ったことで、ようやく攻守とも安定するようになったのが、昨年の清水だった(面白いもので、「0:0でもいい」と開き直った結果として、連勝したり大量点をとったりできるようになった)。

 したがって、現下の清水が進むべき道として、「1年前の原点に回帰する」ということも、充分アリだと思う。とにかく無失点を目指して戦い、もしかしたらその延長上に勝ち点3もあるかもしれないという、謙虚な戦い方だ。考えてみれば、清水は今季のホームでのリーグ戦で、まだクリーンシートが一度もない。一方、アウェーでは無失点が3回あり、そのすべてを勝ちに繋げている。こうした次第なので、「まずはホームでの無失点にこだわってみる」というのも、一つの考え方であり、意外とその方が勝ち点3への近道かもしれない。サポーターの忍耐力も試されることになる。

 その一方で、清水はリーグ戦の前節、上位相手のアウェー戦で、まずまずの戦いを繰り広げた。竹内のパスさばきや、チアゴの攻撃力が加わったことで、ガンバ相手でも時間帯によっては主導権を握ることができた。その延長上で考えれば、あくまでも主導権を握った上で勝利を追い求める「進化」を目指すというのも、これまた充分アリの考え方だろう。

 果たして小林清水が選択するのは、原点回帰か、それとも進化か。先発するのが金子か、チアゴかというのが、その分かれ目かもしれない。

 対戦相手の鳥栖だけど、言うまでもなく最大のストロングポイントは、FW豊田の存在。ただ、一説によると豊田のコンディションが万全でないとも聞く。豊田が出場するという前提で考えると、以前も当S研で書いたとおり、豊田みたいな屈強なワントップは、清水のディフェンス陣が最も苦手とするタイプだと思う。所長の素人考えでは、こんな時こそフレイレの出番であり、フレイレをマンマーク気味に豊田につけることで、敵の攻撃の起点を潰すのがいいと思う。ただ、小林監督は、絶対にそんな変則的なことはしないだろうなあ(笑)。鳥栖側はDF谷口の欠場が濃厚、清水の方も松原が出られるのかというのが不明で、顔触れが変わるかもしれない両軍のディフェンスラインの安定度が、勝敗を分けそうだ。

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bandicam_catch

 Jリーグの中継がDAZNになって、ダウンロードはできないし、見逃し配信は1ヵ月くらいで終わってしまうし、試合をアーカイブ化できないことに憤りを感じていらっしゃるサポさんも少なくないことと思う。しかし、DAZNが公式にダウンロードサービスを提供しているわけではないものの、裏技を使えば、録画自体はできないこともない。パソコンには、動画キャプチャーソフトというものがあり、それを使えば、録画も可能である。動画キャプチャーというのは、スクリーンショットの動画版みたいなものであり、自分のPCで行ったタスクを録画するだけだから、私的利用の範囲内なら、当然合法のはずである。DAZNの配信した映像をダウンロードするというよりは、DAZNの配信を再生している自分のPCの画面・音声を記録するというわけですな。

 このほど所長は、動画キャプチャーソフトの一つであるBandicamというのを自分のデスクトップPCにインストールし、DAZNの配信を録画する実験をしてみたので、それを清水サポの皆様にご報告したい。結論から言えば、上手く行った。ただし、言うまでもなく、皆様が自分でもお試しになる際には、自己責任でお願いしたい。

 BandicamのHPはこちらである。無料版もあるが、それだと最長10分しか録画できないので、試合が細切れになってしまう。そこで、所長は4,320円の有料版を購入した。スカパー!1ヵ月分と考えれば、高くはないだろう。ソフトの使い勝手は特に難しくはなく、直感的に操作できる。画質・音質などを設定できるが、DAZNの元々の配信がそれほどハイクオリティではないので、低目の設定で充分だろう。ただ、それでも1試合録画すると10GB近くになってしまうので、外付けHDDなどに保存するといいかもしれない。ファイル形式はAVI、MP4を選択可能で、作成したファイルはウィンドウズメディアプレーヤー等で再生することになる。

 そんなわけで、所長は早速、清水のリーグ戦のアーカイブ化に着手した(開幕から数試合は、もう見逃し配信期間が終わってしまっていて、不可能だが)。問題は、このBandicamというソフトというよりも、DAZNの見逃し配信ではしばしば画面がフリーズし、酷い時にはそのまま終了してしまうことだろう。だから、Bandicamで録画している時に、ほったらかしでいいわけではなく、画面を見て異常がないかをチェックしなければならないのが面倒だ。また、全画面で録画している場合は、その間PCで他の作業ができなくなる(してもいいが、その操作状況も録画されてしまう)というのも不便である。

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 ルヴァンカンプの磐田戦、まあとにかく、お互いの守備がかなりルーズだった。磐田に4点を奪われたものの、あのメンバーの磐田がものすごく強かったかと言うと疑問であり、清水の側がお粗末だったとしか言いようがない。球際とか寄せとか、そういう部分で磐田に引けをとっていた。

 ただ、清水の失点シーンを巻き戻してみると、清水のポゼション、ビルドアップがスムーズに行かず、そこでボールを奪われてピンチを招くことが多かったように思う。攻撃面も含めた全体的なサッカーの質の低さが、2:4という情けない結果に繋がったように感じた。「ジュニアユースの爪の垢煎じて飲みやがれ!」と憤ったサポさんも多かったのではないか。

 植草のしくじりは、プロサッカー選手として一度あるか、ないかというレベルの凡ミスだった。その後のプレーも終始不安定で、相当メンタルをやられたのだろう。リーグ戦でもバックアッパーとしての重要な役割が控えているので、引きずらないように願いたい。

 ところで、小林伸二監督って、これまでどちらかというと下位のチームを率いることが多かったから、「ひょっとしたら、この人、ナビスコ/ルヴァンカップで、決勝トーナメント進出したこと、一度もない?」と思って、調べてみた。結論から言えば、決してそんなことはなかった。小林監督の下、セレッソが最終節までリーグ優勝を争った2005年には、ナビスコでも準々決勝まで進んでいた。山形でも、2011年にナビスコの決勝トーナメント1回戦まで進出したことがある。ただし、その2011年に、山形はJ1最下位で降格の憂き目を見ており、ひょっとしたらそのトラウマで、「カップ戦で色気出しちゃダメ。リーグ戦命」という教訓が植え付けられたのかもしれない。

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 残念ながら、「散々だった」と、過去形で語らざるをえない。4試合目にして、ようやく、ある程度「本気度」がうかがえるメンバーになった。ユースの選手が一人も入っていなかったし、サブにはいつものレギュラーメンバーまで入れていた。小林監督にしても、事前の予習で所長が述べていたのと同じように、ここは多少、主力を使ってでも、勝ちに行きたいと思ったのだろう。しかし、4試合目でようやく主力を小出しにして勝てるほど、この大会も甘くはなかった。2試合を残して早くも敗退決定、清水にとっては2017年のルヴァンカップは苦い出来事ばかりの大会となってしまった。

 まあ、J1に返り咲いて、再びルヴァンカップに参戦できるようになり、我々サポはときめきを覚えたけれど、この大会にリゾースを割けるほど、今の清水には余裕はないということだろう。肝心なのは、リーグ戦を何位で終えるか。今シーズンが終わった時に、「カップ戦で無理しなかったお蔭で、チームが疲弊せず済み、リーグ戦を良い順位で終えられたね」と、皆で笑えれば、それでいいのである。ジュビロとの直接対決で勝つのも、もちろん大事だけど、もっと大事なのは、リーグ戦でジュビロより上の順位でフィニッシュすることであり、そのチャンスはまだ残っている。だから、今は文句を言うまい。

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 それにしても、うちの角田といい、浦和の森脇といい、鹿島と揉め事が起こると、対戦相手が罰せられて、鹿島側は無傷ということが続いているね。要するに、鹿島はサッカーのルールの範囲内で時間稼ぎをしたりマリーシアを発揮しているのに対し、それにイラついた相手がサッカーのルールを逸脱した問題行為を起こしてしまうということだろう。清水サポであれば誰でもそうであるように、所長も鹿島のことは大嫌いだけど、だからこそ、盗めるところは盗んで、いつの日か鹿島を凌駕するようなクラブになりたいものである。

 嫌いで思い出したわけでもないが、本日はルヴァンカップの磐田戦。所長は、今季の磐田のリーグ戦、カップ戦は、全試合テレビ観戦している。「ホントは好きなんじゃないか」とツッコまれそうだが(笑)、まあ何かと気になる相手だし、残留争いや中位争いのライバルになる可能性もあるので、敵情視察は欠かさないようにしている。

 当然のことながら、磐田にしても、リーグ戦とカップ戦ではだいぶ様相が異なる。中村俊輔や川又がいるベストメンバーでは、一本筋が通った好チームだが、選手層があまり厚くないので、ちょっとメンバーを落とすと、とたんに「烏合の衆」という趣きを呈することになる。ルヴァンカップの前節の柏VS磐田戦でも、磐田の守備はユルユルで、柏に簡単に先制点を奪われた。その後も、柏側に100%決めなければいけない決定機が3~4本続き、1本でも決めていれば試合は決していたが、それらを柏がことごとく外したことで、ゲームの潮目が変わる。終盤のどさくさにまぎれて、磐田が2点をとって逆転、試合内容だけから見れば柏3:磐田0くらいの印象だったが、逆に磐田が2:1でアウェー戦をものにしたと、そんな試合だった。一方、直近のリーグ戦で磐田は、甲府とのアウェーゲームに臨み、そちらの方はスコアレスドロー。1人退場者が出てしまったので、耐え忍んで、勝ち点1を持ち帰ったという試合だった。まあ、そんなこんなで、リーグ戦、カップ戦とも、上手く選手をやりくりしながら、粘り強く戦って、それなりの結果を残しているのが、最近の磐田である。

 清水は、カップ戦でも手を抜いていたわけではなく、与えられた条件の中では全力で勝ちにいっていたはずである。しかし、前にも書いたとおり、あまりにも明確にリーグ戦とカップ戦のメンバー構成を区別したため、カップ戦の勢いをリーグ戦に繋げるという循環を自ら放棄してしまっていた感は否めない。幸いというか、本日はダービーであり、今季ホーム初勝利もかかっている。来たるリーグ戦のことはひとまず置いて、場合によってはレギュラーメンバーも思い切って投入しながら、「勝ちにいく」という戦いをしてみたらどうか。いや、くどいようだが、これまでの3試合も、勝ちにいっていなかったわけではないんだけどさ。

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 J1リーグのガンバ大阪戦があったのと同じ5月5日に、JFAプレミアカップの決勝が行われ、エスパルスJr.ユースが名古屋U-15を3:1で破って見事優勝を遂げた。清水のジュニアユースはこの大会2連覇であり、昨年の三冠に続いて、主要大会4連覇ということになるらしい。このところのユース、ジュニアユースの活躍は目を見張るばかりだ(そのわりにはU20日本代表に一人も選ばれていないのがシャクにさわるが)。

 この試合、スカパーで生中継しているのを所長が気付いた時には、もう前半が終わっていて、後半だけテレビ観戦した。中学生ということで30分ハーフの試合だったが、前半を2:1でリードして折り返し、後半は前半ほどは主導権を握れなかったものの、全体として危なげはなく、終了間際に追加点も挙げて、3:1の完勝だった。全体的に、清水の方が大人びたプレーをしていたように感じた。優勝した上に、フェアプレー賞も獲得とは、実に気分が良い。

 聞くところによると、たとえばドイツあたりでは、ブンデスリーガのトップチームの試合がある時には、他のカテゴリーの試合などはなるべく重ならないようにし、皆が最高峰のリーグ戦であるブンデスリーガの試合を鑑賞できるようにしているらしい(うろ覚えで、だいぶ怪しい話です、悪しからず)。だから、せっかくエスパルスJr.ユースが決勝に進んだのに、その決勝戦がJ1リーグ戦の清水の試合日と重なるというのはどうなのかなと、少々残念に思った。しかし、実は昼にJr.ユースの決勝が行われたのは大阪府堺市だったようで、もしかしたらJr.ユースの優勝を見届けてから吹田スタジアムのJ1リーグ戦に駆け付けたような猛者サポもいらっしゃったのだろうか?

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 ガンバ戦の失点は、何とも残念なものだった。わりと単純な中央突破に対し、まずボランチ(竹内だったか?)が一人コケて、二見もあっさりと抜かれて、いとも簡単に同点弾を許してしまった。小林監督が「安い守備」と指摘したのも、もっともだが、「だったら高い外国人助っ人使えよ」とツッコみたくなったのは、所長だけではなかろう。大宮戦のクロスからの失点も、ガンバ戦で中央を割られた場面も、「フレイレだったらはじき返してくれたのではないか」と、どうしても考えたくなる。

 今季の清水に関して、これまでのところ、我々の大きなモヤモヤポイントの一つが、フレイレの起用法であろう。かく言う所長も、ものすごく期待していたし、他のサポの皆さんからも同じような声をよく聞く。欧州の中堅リーグの中堅チームで主力のディフェンダーとして活躍していたブラジル人を獲れたのだから、期待が高まるのも当然であろう。その希望の星を、なぜ小林監督は使わないのか? 情報を総合すると、監督はJリーグおよび現清水のようなコンパクトフィールドで連携して守る守備には、フレイレは向かないと判断しているらしい。フレイレの持ち味は対人の強さであったり空中戦であったり野生の勘を働かせた危機察知能力だったりすると思うのだが、監督はどうもDFにそういうものよりも、組織的な守備戦術の理解と実践を求めており、その結果、二見 > フレイレ という序列になるようなのだ。うーむ。

 でも、フレイレが日本型のDFじゃないことくらいは、最初から分かり切っていた話ではないかという気もする。フレイレやカヌはこのまま持ち腐れなのだろうか? もし仮に、外国人DFを清水の守備組織に合わせるのが難しいのなら、多少値が張っても日本人の優秀なDFまたはボランチを1人でもいいから獲得した方が良かったんじゃないかという気がする。あるいは、既存プレーヤーの報酬をベースアップするとか、思い切ってセットプレー専門コーチ(?)招聘するとか、もっと有効なカネの使い方があったんじゃないかと思えてくる。

 まあ、内部事情は分からんけどな。愚痴でした。

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 東京駅を起点に、東海道線上を一路西に向かう2017エスパルス走行距離選手権。10試合が終わった段階で、全試合フル出場、走る王子様こと白崎がさらにリードを広げている。10試合で121.295kmを走った白崎は、丹那トンネルを一気に駆け抜け、すでに三島駅を通過している。テセ111.606km、松原110.855km、六平108.944kmといったあたりは、目下、丹那トンネルの暗闇の中で、もがいている(熱海~函南間は東海道線で最長の9.9kmもあるから、長いぞ!)。犬飼は100.575kmで、たぶん神奈川と静岡の県境のあたりまで来た。そして、第10節で出場機会のなかった金子がちょっと置いていかれて、94.045kmのまま、真鶴駅の手前で足踏みとなってしまった。以下、鎌田90.157km、野津田89.614km、枝村77.003km、角田53.753kmと続く。

 ところで、気温の上昇に連れて、チーム全体の運動量が低下してきたのが、気になるところである。今季の清水の10試合を、以下のとおり図にまとめてみた。最近の試合では、川崎戦こそナイトゲームだったので距離が伸びたものの、4月以降エスパルスの走行距離は低下傾向を辿っており、しかもここ2試合は対戦相手に走り負けている。まあ、図を見れば分かるとおり、走行距離の優劣と勝敗にそれほど明確な相関関係があるわけでもないのだけれど、今季の清水の場合は運動量を武器に戦うのがコンセプトと思われ、その観点から注視すべきデータであろう。

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hansoku

 ガンバ戦でも、清水のイエローは無しだったのに対し、先方は2枚。そういえば、最近ほとんどイエローもらってない気がする。もしかしたら、反則ポイントがものすごく優秀なことになっているんじゃないかと思って、こちらのサイトを見たら、御名答だった。清水は、反則ポイントがマイナスで、現時点でJ1で最も優秀という数字が出ている。

 まあね、イエローが少ないのは、どうしてもファウルで止めなければいけない時に行けてないということを示唆するデータでもあるので、あまりクリーンすぎるのも問題という説もあるけど。ただ、2~3年前には、こういうランキングで清水はワーストの常連だった。ファウルやカードが多いのに、それでも失点が多いというチームだった。それが、小林監督の下で、劇的に改善したじゃないですか。ホームで勝てないこととか、だいぶモヤモヤするところもあるけど、チームは正しい方向に進んでいると信じたいものである。

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 事前に「勝ち点3がノルマ」と公言していたので、当S研では昨日のガンバ戦に合格点を与えなかったが、正直に言えば所長は個人的に、今回の戦い振りに希望を持った。大袈裟かもしれないが、2017シーズンの清水の第2章が幕を開けたという思いを抱いた。

 上掲のように、清水は面白いことに支配する試合とされる試合を交互に続けており、ガンバ戦は支配される結果となった。しかし、このような数字になったのは、試合の終盤に押し込まれたからであり、試合の途中まではボール支配率はもっと拮抗していたはずである。決定機の数も、ガンバと比べて遜色なかった。柏や川崎に徹底的にボールを握られて試合を支配されたのとは、だいぶ様相が違った。

 まあ、その原因は誰が見ても明らかなとおり、竹内、チアゴという初先発2人の存在だった。開幕前、「絶好調」、「代表入りもあるかも」、「新婚パワー恐るべし」などと言われていた竹内の、待ちに待った復帰であり、やはり彼が中盤の底でパスをさばいてくれると、ビルドアップが格段にスムーズになる。今季これまでよく見られた、マイボールにしてもすぐに敵に奪われてしまうという現象が、ガンバ戦では少なかったと思う。そして、チアゴを先発で使ったことにより、前線での起点がテセだけでなくもう一つ加わり、攻撃を構築する回数が増加した。

 2016年の成功体験から、テセと金子は2人でセットというイメージがあり、金子の前線からの献身的な守備が小林清水のキモとなっていた。しかし、J1になって敵に押し込まれることが増え、そうした時に前線の収まりどころがテセ1人だけだと、劣勢の時間帯がずっと続いてしまっていた。たまに金子をポストとして使おうとしても、体格で劣る金子がボールをキープすることはできなかった。それに対し、チアゴのスタミナや守備力を不安視する声もあったが、今回のガンバ戦を見た限り、それなりにボールを追いかけていたし、何よりチアゴが前線でポイントを作ってくれることにより、敵に攻められっぱなしではなくなり、ある意味でそれが守備を楽にもしてくれる。テセとチアゴによる新たな2トップの誕生と言っていいのではないか。チアゴと白崎のホットライン成立というのもあるし。ここから清水のサッカーは変わっていくという予感がする。

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 首位争いをしている強豪相手に、アウェーで互角に近い戦いを繰り広げて、引き分けで勝ち点1。普通に考えれば、J1復帰初年度の我が軍にとっては、上々の成果である。問題はただ一つ、我々はホームで勝てていないということだけだ。次のホーム戦も、苦戦必至であることを考えると、敵地とはいえ、そして強豪相手とはいえ、ここで勝っておきたかった。当S研でも事前予習で、「勝ち点3がノルマ」と言っていたので、今日の結果に満足はできない。

 第10節までを終えて、3勝、4敗、3引き分け。正直言うと、この勝敗ペース自体は、事前に所長が想定していた慎重な見積もりと、大差ない。ただ、個人的に思い描いていたのは、「ホームで半分くらい勝てば、たとえアウェーで苦戦続きでも、残留できるのではないか」というイメージだった。ところが、蓋を開けてみると、正反対の構図となっている。勝ち星・勝ち点を稼いでいるのはアウェーであり、ホーム4試合で稼いだ勝ち点はわずか1。エコパでのダービーが準ホーム的な位置付けの試合で例外だったと考えると、その他のアウェーは無敗であり、リーグ戦の「県外不敗神話」が続いている。

 そろそろ、「ホームの大歓声が逆効果なら、もう応援行かないぞ」とか、「ホームでも守備重視で引き分け狙いで行った方が、逆に勝ち点とれるんじゃね?」とか、「オレンジ色ユニフォーム勝率悪すぎ(笑)」とか、雑音が高まってくる頃である。次あたり、マジで何とかしてくれ。

 続きはまた明日。

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 ガンバは、順位も、実力も、今の清水よりずっと上のチームである。しかし、あえて言わせていただこう。本日のガンバ戦、清水にとっては勝利、勝ち点3がノルマである。先日書いたとおり、どうやら清水がホームで苦戦続きなのには、必然的な原因があるようだ。だったら、たとえ対戦相手が強豪でも、アウェーで真価を見せてもらおうではないか。リーグ戦の流れから言っても、引き分け、引き分け、負けと続き、ここで勝ち点1程度では到底納得できない。「勝ち点3を狙え」などというこの文章を読んだら、ガンバのサポ連中は鼻で笑うかもしれないが、そんなことはどうでもいい。もはやメンバーや戦術のことなど語ろうとも思わない。オレンジ戦士たちよ、何としてもJ1に生き残るという気概と覚悟があるのなら、そのすべてをこの試合にぶつけてくれ。

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 今季の清水は、リーグ戦とカップ戦で、完全ターンオーバー制を敷いている。正確なデータを確認したわけではないが、おそらくJ1の全チームの中で、リーグ戦のメンバーとカップ戦のメンバーを完全に入れ替えるという方針を最も明確にとっているのが、小林清水なのだと思う。ルヴァンカップの初戦でこそ、レギュラーメンバー数人が出場したが、あれは怪我人続出でやむをえなくやったことであり、本来であればレギュラー陣は全休にしたかったはずである。

 当S研では、ターンオーバーはやむをえないこと、当然のことだと考え、小林監督の方針を擁護してきた。しかし、ちょいとばかり、考えが揺らいできた。他のチームでは、リーグ戦の流れが悪かったのに、ルヴァンカップの勝利でチーム状態が改善したとか、ルヴァンカップで結果を残した選手が、その後リーグ戦でも活躍するようになった、なんて話を時々聞く。それこそ、清水とのルヴァンの初戦でゴールを挙げた柏の手塚康平などは、その後レギュラーの地位をつかんだりしている。ところが、清水の場合は、リーグ戦のレギュラー陣が完全に固定されており、カップ戦は完全なる二軍戦となっている結果、カップ戦は全敗となっており、カップ戦で勢いをつけてリーグ戦に繋げるという流れが、一切生じていないのである。まあ、強いて言えば、カップ戦を足掛かりに、チアゴが戦力として目途が立った程度か。

 先日の、リーグ戦のホーム仙台戦で、清水のレギュラー陣の動きがあまりにも悪いのを目の当たりにして、「お前ら、体、なまってんじゃないの?」、「間隔空きすぎて、試合勘、鈍った?」などと思ってしまった。もしかしたら、ミッドウィークのカップ戦にも少しは出場した方が、週末のリーグ戦でも動きが良くなるのではないか、と。ただ、残念ながら、ルヴァンカップはすでに0勝3敗の状況であり、残り3試合あるとはいえ、ここからカップ戦でも本気を出すということには、なかなかならないだろう。

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 Jリーグの中継がDAZNになって、試合前の監督インタビューというのが流れるようになった。今回の事前インタビューで、仙台の渡辺晋監督にレポーターが、「具体的にどんな清水対策をしてきましたか?」という質問をぶつけたところ、さすがに渡辺監督は、「そんなの言えるはずないでしょ」といった感じで、苦笑いしていた。

 さて、実際に渡辺監督が清水対策としてやってきたことの一つが、前線からのプレスだった。特に、リードを奪ってから、守りに入って引くのではなく、むしろ前から圧力をかけてきたことが印象的だった。清水が、ビルドアップに問題を抱えており、前から行った方が得策であるということが、バレていたのだろう。実際、清水は試合終盤に、一刻も早く前を運びたいのに、敵に圧力をかけられて後方でまごつき、さらにはパスミスから大ピンチを招く傾向があった。まあ、ビルドアップ、遅効のクオリティは、竹内の復帰待ちかなあ。

 ワタナベ繋がりで言わせてもらえば、DAZNでこの試合担当した渡邊雅彦氏の実況、キモチ悪かった。テレビ静岡のアナらしいけど、こういう、試合そっちのけで、解説者にゴマすろうとする人、大嫌い。目も悪ければ耳も悪く、その証拠にシュート打った選手の名前間違えるし、「アディショナルタイム4分」という情報が入ったら「5分ですか、長いですねえ」とか言うし、スポーツ中継には向いていないのではないか。

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 第9節仙台戦のトラッキングデータは、非常に気になるものである。清水の全選手合計の総走行距離は112.781kmで、これは今季の清水のデータとしては最低だった。まあ、13:00キックオフで夏日の試合だったことは差し引く必要はあるにしても、長距離遠征してきた仙台の113.318kmに走り負けたという点が悔やまれる。白崎、松原はともに今季最低の数字を示しており、実際左サイドが躍動したという印象はない。運動量を武器にJ1復帰シーズンでまずまずの滑り出しを見せた清水だったが、ここからが本当の正念場である。

 他方で、本企画の走行距離選手権的な観点では、慶事となった。白崎、テセ、松原の3人が、9試合合計で100kmを突破。静岡県一番乗りとなった白崎は熱海を越え、丹那トンネルを疾走中である。テセと松原もおそらくは静岡県に突入したと見られる。

 いよいよこの地図を使うのも限界になってきた。

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 そんなわけで、ホームではまったく勝てていないわけだけど、「精神的プレッシャーが」とか、「日本平が鬼門に」とか、そういう精神論の話ではなく、サッカー的に必然的要因があると思う。要するに、今の清水は、「主導権を握って勝つ」ということができないのだろう。

 今季の清水、勝った試合もあれば、負けた試合もある。ボールを握った試合もあれば、握られた試合もある。しかし、上の図を見ていただければお分かりのとおり、ボールを支配した結果として勝利した試合というと、第3節の新潟戦くらいしかない。その後の磐田戦、大宮戦、そして今回の仙台戦と、支配率が50%を超えた試合は、悲惨な結果になっている。むしろ、柏戦とか、川崎戦とか、押し込まれた苦しい試合の方が、カウンターや敵の一瞬の隙を突く形で得点し、貴重な勝ち点に繋げている。ホームで下手にボールを握ると(磐田戦も準ホーム的な位置付けの試合だった)、逆に敵にカウンターや一瞬の隙を突く攻撃を仕掛けられ、そこで失点しているのである。

 まあ、なまじボールを握ると勝てない、むしろ押し込まれるくらいがカウンター勝負には丁度良いというのは、弱いチームにはありがちな状況であり、今の清水はモロにそれに当てはまるということなのだろう。

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 これまで当S研では、川崎戦で先制しながら勝てなくても、カップ戦でメンバーを落として負けても、擁護する論陣を張ってきた。それもこれも、今回の仙台戦のような試合、すなわちホームでのリーグ戦で下位チーム相手に勝ってさえくれれば、今のうちにとってはOKだろうという考えからだった。しかし、ことここに及ぶと、弁護は難しい。確かに仙台はひたむきに戦ってきたが、失礼ながらこれといった強みもない相手に対し、清水のこの体たらくは何なのか。良い所はほとんど出せなかったし、武器であるはずの運動量で相手に上回られる始末。仙台遠征を回避し、中8日もの時間を静岡で準備に費やしてきたレギュラー陣は、一体何をしていたのか? あの厳しい敵地で川崎相手に発揮した守備の集中力を、もう忘れてしまったのか。失望のあまり、これ以上の言葉が出てこない。

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