エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

2017年02月

 先日開催された「2017 サポーターミーティング議事録」の議事録が、こちらで公開された。その中から、新スタジアムの建設に関するQ&Aの部分を、備忘録として、転載させていただく。

Q.スタジアム問題で、昨年 J1 ライセンスが発行されましたが、クリアしていないことで制裁措置として具体的に何を課せられたか、教えて下さい。また対策計画を昨年度末までに出すと聞いていますが、どのような回答をされたか、教えて下さい。そろそろ新スタジアム建設に関してもっと具体的に動きたいと思います。(株)エスパルス、サポーター、静岡市と三位一体となって動き始めなくてはならない時期だと思います。東静岡等、候補地が出ていますが、東静岡は敷地が狭すぎると思います。スタジアム自体は建つかと思いますが、残った敷地面積がなく、最近民間団体から、清水駅東口に建てる提案が静岡市になされたと伺っています。エスパルスで承知しているのかをお聞きしたい。もう、清水駅の東口しか候補がないと思いますので、静岡市もエスパルスもそこに絞って、サポーターの寄付なり、企業寄付の協力をお願いするなり、具体的に動き出した方がいいと思いますので、それらをお聞きしたい。

A.森田本部長:毎年、この席でこのご質問を戴いておりますが、正直お話しできることは草々ございません。まずご指摘いただきましたクラブライセンス施設基準につきまして、トイレの数、屋根について制裁の対象となっております。アイスタは洋式トイレが 100 台ないといけないのですが、現状で行くと 46 台、また、小便器は 160 に対し、143 台あります。屋根もスタンドが1/3 覆われていないといけなく、現状、26%しかありません。しかし、現状、アイスタで増設することは極めて厳しいです。今後も、しっかりと静岡市と向き合って参りますが、静岡市としましては、静岡市スポーツ推進計画『サッカースタジアム整備事業』として、平成30年度までに整備方針を決定することとしています。また、新スタジアム問題は、官と民とクラブと一体とならないと上手くいきません。『いつ? どこに? だれが?』… エスパルス単体で、建設することは不可能であり、官と民と協力することが大事です。その中で、一番の問題は、『資金は誰が』出すのかです。ガンバ大阪みたいに、募金で集めるクラブもあります。そういう中で、官民との方向性も確認できた時、爆発力で世論を巻き込んで、勢いよく推進しないと、建つものも建たなくなってしまいます。引き続き、クラブとして『チームづくり』、『ファンづくり』、『スタジアムづくり』は、クラブの最重要課題としてブレずに活動して参りたいと思いますので、是非、それが表に出てきた時は、署名、募金等をお願いしたいことが多々あるかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 うーん、煮え切らんなあ。平成30年度までに方針を決定って、方針を決めるだけで、これから2年間も費やそうっていうわけ? 何なんだ、その絶望的なまでのスピード感のなさは。それに、たぶん、2年後に確たる方針が決まる保証もなく、玉虫色の決着とか、「本件に関しては継続審議する方針を決定した」とか、そんな茶番になりかねない。所長は、川渕三郎って大嫌いだけど、やつだったら、煮え切らずにゴチャゴチャ言っている役人やクラブ経営者を一喝して、「今できないことは、10年経っても、100年経ってもできない。とやかく言わず、今ここで方針を決めろ」って言うだろうなあ。

 あと、思ったんだけど、開幕戦で市長が挨拶した際に、ゴール裏から「新スタジアム!」って大迫力チャントを浴びせてもよかったし、新スタ要求のビッグフラッグとかを掲げてもよかったんじゃないの? とにかく、岩盤静岡市は、それくらいやらないと動かないって。

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 土曜日の神戸戦、現地で1回観ただけで、まだ動画をじっくり観直すことができていない。なので、断片的な印象だけなのだけれど、期待のフレイレは、まあまあ及第点といった感じだったかな。やはりヘディングでの競り合いは強い。昨年までの清水には、犬飼・三浦・ビョンあたりがヘディングは強いのにハイボールの処理にまごつくという謎現象があったが、ディフェンスラインの前にフレイレが1人いるだけで、ロングボールを放り込まれた時の安心感がだいぶ増した気がする。他方で、神戸戦では、フレイレは何度かパスミスもあり(彼だけではなかったが)、攻撃の起点としての能力は、まだ発揮できていなかった。90分フル出場できなかったのも、少々気がかり。「レオ・シルヴァ・クラス」という当方の勝手な期待感は、初戦では満たされなかった。

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 出先でスマホで書いているので、あまり長い文章は書けないのだけれど。昨日の神戸戦、一番強く感じたのは、トランジションの質の差だったかな。清水の側は、守備から攻撃に移る時の繋ぎで、ミスを連発していた。崩された場面はそれほどなかったものの、自分たちの繋ぎのミスからピンチを招いていた。失点も、そのミスからコーナーを献上した結果だったし。続きは、また、改めて。

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 日本のサッカー解説者って、何かと言うと、「世界基準」だとか「世界レベル」云々ということを言いたがるよね。「そう言うお前は世界基準の選手だったのか?」といった野暮なことまで、問うつもりはない。今解説をしている人たちは、日本サッカーの開発途上期にプレーしていたわけだから、世界レベルでなかったのも、当然である。

 ただ、今現在はサッカー解説をやっているわけだから、解説者としては一流であるために努力すべきであろう。現役時代にスターだったとか、ちょっとマスクが甘いくらいで、専門家気取りでテレビ出演するのは、やめてもらいたい。所長は、解説者が「世界基準」云々と言い始めると、「では、アンタの分析は、話術は、一流なのか」と、つい心の中でツッコんでしまうのである。

 昨日、当S研では、スカパー!「豪華解説陣」によるJ1順位予想に触れた。清水の評価が全般に芳しくなかったから言うわけではないが、解説者がどれだけ正確に順位予想をしたが、事後にしっかり検証することが必要だと思う。その上で、解説者の眼力を格付けし、なまくらな解説者もどきは淘汰されるような緊張感があってしかるべきではないか。解説者は選手の力量やチーム力を上から目線で評価しているわけだから、解説者自身が厳しい評価にさらされてしかるべきだと思う。

 ただし、スカパー!特番の「豪華解説陣」による順位予想ゲームは、レギュレーション自体が出来損ないである。もっと、解説者の力量が如実に出るような評価システムが必要である。

 どういうことかと言うと、スカパー!特番では、「順位が完全に一致したチーム数」で、解説者の優劣を競っている。たとえば解説者A氏は3位の川崎と11位の鳥栖を当てたから2点、B氏は12位の仙台しか当てられなかったから1点、といった形で勝敗を決めている。これって、まったくナンセンスな方式だ。

 重要なのは、「2016年に名古屋が崩壊する」、「鳥栖は中の下くらいの順位だろう」といった基本構図を正確に見抜くことである。その本質さえ見抜けば、名古屋が16位であろうが17位であろうが、あるいは鳥栖が11位であろうが13位であろうが、大した違いはない。確かに、「1位はどこか」「ACL圏内に入るチームはどこか」「最下位はどこか」といった予想にはピンポイント的な意義があるが、中位の団子状のところでは無意味だ。順位の完全一致数ではなく、予想と結果の乖離状況をより厳密に数値化すべきだろう(たとえば、実際には8位に終わった柏を9位と予想したらマイナス1、10位と予想したらマイナス2、みたいな)。その上で重要性の高い優勝チーム、上位チーム、降格チームを的中させたらポイントアップするような、そんな方式が必要と考える。

 そのうち、余力があったら、当S研でそんな作業を試みてみたい。ちなみに、色々言ったけど、スカパー!のことは愛しているし、解説陣のことも別に嫌いじゃないよ(笑)。

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yosou

 みんな、DAZNに乗り換えて、スカパーは解約しちゃったかな? ルヴァンカップや天皇杯は引き続きスカパーということらしいので、所長はスカパーのスカサカにも加入している。で、先日スカパーで放送されたJリーグ開幕直前予想の特番で、お馴染みの「豪華解説陣」が示した2017年J1リーグ戦の順位予想が、上掲のようなものである。清水は降格か、残留ぎりぎりという評価になっている。

 まあ、目くじらを立てても、しょうがないだろう。2~3年前の悪い印象が強すぎるので、苦戦必至と予想されるのももっともであり、そういうイメージをもたれるようになってしまったのは、他ならぬ我々の責任である。また、J1の順位予想では、J2上がりのチームが降格候補として挙げられることが多く、その点もやむをえない(その割には、C大阪を降格候補に挙げている「豪華解説者」はいないが・・・)。さらに言えば、番組が収録された時点では、まだフレイレの加入は決まっていなかったようで、その点は考慮されていない。

 それにしても、「豪華解説陣」の話を聞いていて、お粗末だと思うのは、結局は足し算・引き算の考え方しかできていないことである。「大前がいなくなったから、その分がマイナスだ」という話に終始している。あの~、大前もウタカも揃っていた2015年に、うちら降格したんですけどと、皮肉の一つも言ってやりたくなる。

 まあ、「豪華解説陣」の皆さんは、下位のチームにはあまり目を向けないだろうから、ここ2~3年の清水に生じていた底流のようなものを、まるで理解していないのだと思う。ある程度タレントはいたのに、組織、特に守備がバラバラで崩壊した、それを小林監督が立て直し、その中でテセの得点感覚が研ぎ澄まされ、若手が台頭してきた、そしてその文脈においては大前の居場所はむしろなくなったのだということを、「豪華解説陣」は理解できていない。

 むろん、そうして成立した今の清水というチームが、J1でそのまま通用するかというと、話は別であり、当然のことながら苦しい戦いになるだろう。別に大前の穴埋めということではなく、強力なアタッカーの補強は是非とも必要だと、所長も思う。いずれにしても、やってやろうじゃありませんか。くだんの番組では、順位予想を一番外した「豪華解説者」が、罰ゲームとしてバンジージャンプを飛ぶことになっているので、金田氏、後藤氏といった高齢者に、心臓に悪いことをぜひさせましょう。

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 2016シーズンの振り返りの続きのような話を、ちょっと。2016年の試合を全部観返してみて、一つ気付いたことがあった。サッカーではよく、敵のFWにDFが完全に裏をとられ、GKと一対一になるような絶体絶命のピンチがある。2016年の清水側の攻撃では、大宮氏を筆頭に、北川、金子、村田などが相手GKと一対一になった場面を思い出せるだろう(それにテセも加わって、一対二になる場面すらあった)。ところが、清水が守る側では、相手のアタッカーに完全に裏をとられて、うちのGKと一対一になったような場面は、ほぼ皆無だったのではないかと思うのだ。多少それに近いのが、アウェーの千葉戦でのピンチだったが、そのピンチは杉山リキがセーブして凌いだ。アウェー札幌戦での失点は、裏をとられたというよりも、ディフェンスラインとGKの連携の悪さを突かれた形だろう。

 おそらく、これは小林サッカーの基本的な特徴の一つだと思うのである。つまり、むやみにハイラインを設定せず、またリスキーなオフサイドトラップなどもかけない。敵に攻められたら帰陣を優先し、入れ替わろうとする敵のFWにはついていく。こうした現実的なやり方だからこそ、完全に裏をとられるような絶体絶命のピンチがほぼなかったのだと思う。何代か前の監督サンの時には、面白いように(?)ハイラインの裏をとられ大量失点を喫することがあったが、小林監督の下ではそういうことはまず起きない。

 その反面、「攻められたら帰陣」ということが刷り込まれすぎちゃったのか、2016年の清水はズルズル下がってしまうことがあり、敵のドリブル突破を許す場面があった。また、MFまでが最終ラインに吸収されてしまって、バイタルががら空きになり、そこから豪快なミドルを叩き込まれることが、何度かあった(最終・徳島戦の1失点もしかり)。セットプレー守備に加え、改善が急務の点である。

 組織化され、安定はしたけれど、まだ鉄壁ではない。それが2016年の守備の総括でした。フレイレちゃん、お願い。

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 「プレイバック2016」のシリーズは終わったけれど、まだちょっとしつこく、2016年の話をさせていただきたい。

 所長は、2016年、アウェーの勝ち運があまり良くなかったのだ。単に勝てなかっただけでなく、どれも、ふがいない試合ばかりで。だから、最終節の徳島戦に現地参戦することに、大いに躊躇したのだ。でも、やはりどうしても行きたくなり、緊急参戦を決めたのだった。直前だったので、徳島の宿も飛行機も空いておらず、前日に高松に泊まって、当日午前中に列車で鳴門まで駆け付けた。2016年の個人的なアウェーの勝ち運は、最終節までとってあったんだなと、今では思っている。

 ほぼ全試合馳せ参じたようなつわものサポさんに比べると、数が少なくて恥ずかしいけど、所長の2016年のアウェー戦績はこんな感じだった。

岐阜 △ orz

東京 ● orz

水戸 △ orz

愛媛 △ orz

札幌 ● orz

徳島 ○ \(^o^)/

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 そんなわけで、2016シーズンの激闘を振り返る「プレイバック2016」のシリーズは昨日無事に大団円を迎えた。しかし、スカパー!が各試合のダイジェスト動画をYouTubeから一斉削除してしまったので、冒頭に配置していた動画がもぬけの殻になってしまい、ずっこけてしまった。過去に遡ってjleaguechannelの動画に差し替えようかと思ったのだけれど、jleaguechannelではすべての試合のダイジェストを提供しているわけではないようで、それも挫折。結局、終盤の数試合以外は、動画なしということになってしまった。

 せっかくなんで、プレイバック2016の目次を整理しておく。

第1節ホーム愛媛戦(2月28日)

第2節アウェー長崎戦(3月6日)

第3節ホーム松本戦(3月13日)

第4節ホーム札幌戦(3月20日)

第5節アウェー山形戦(3月26日)

第6節アウェー熊本戦(4月3日)

第7節ホーム・セレッソ戦(4月9日)

第8節ホーム讃岐戦(4月17日)

第9節アウェー北九州戦(4月23日)

第10節ホーム金沢戦(4月29日)

第11節アウェー京都戦(5月3日)

第12節アウェー岐阜戦(5月8日)

第13節ホーム徳島戦(5月15日)

第14節アウェー・ヴェルディ戦(5月22日)

第15節ホーム群馬戦(5月28日)

第16節アウェー水戸戦(6月4日)

第17節アウェー町田戦(6月8日)

第18節ホーム横浜FC戦(6月12日)

第19節ホーム千葉戦(6月19日)

第20節アウェー山口戦(6月26日)

第21節アウェー岡山戦(7月3日)

第22節ホーム熊本戦(7月10日)

第23節アウェー愛媛戦(7月16日)

第24節ホーム・ヴェルディ戦(7月20日)

第25節アウェー千葉戦(7月24日)

第26節ホーム岐阜戦(7月31日)

第27節アウェー札幌戦(8月7日)

第28節ホーム長崎戦(8月11日)

第29節ホーム山口戦(8月14日)

第30節アウェー横浜戦(8月21日)

第31節ホーム山形戦(9月11日)

第32節ホーム水戸戦(9月18日)

第33節アウェー松本戦(9月25日)

第34節アウェー・セレッソ戦(10月2日)

第35節ホーム町田戦(10月8日)

第36節アウェー金沢戦(10月16日)

第37節ホーム北九州戦(10月23日)

第38節アウェー群馬戦(10月29日)

第39節ホーム京都戦(11月3日)

第40節アウェー讃岐戦(11月6日)

第41節ホーム岡山戦(11月12日)

第42節アウェー徳島戦(11月20日)

 まあ、一応、達成感はあるな(笑)。

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 徳島1:清水2 得点者:犬飼智也、金子翔太

 あれから、3ヵ月か。おそらくシーズンオフをものすごく長く感じ、強烈なロスを味わいそうだな、それなら2016年の熱闘を改めてじっくりと振り返ろうかと思って始めた「プレイバック2016」だったけど、途中で主力選手の移籍騒ぎは起きるし、どうしても関心は新シーズンに向かうしで、最後の方は意固地になって続けてきたような感じだったけど、とうとう最終回を迎えた。まあ、2017シーズンが始まる前に終わって、良かったな、と(笑)。

 2016シーズン終盤の9連勝フィニッシュは、もちろん称賛されるべきだが、考えてみれば、最後の8試合は全部先制点をとっている。セレッソ戦で、北川のゴールで同点に追い付いてから、シーズンが終了するまで、アディショナルタイムも入れると750分くらい、清水は一度も敵にリードを許さなかった。その自信があったからこそ、この徳島戦で同点に追い付かれても、ガラガラと崩れずに済んだのだろう。

 それにしても、この試合のセットプレーで、徹底的に犬飼を使ったのは、どういうわけだったのだろうか? 先制点の場面、キッカーさんはワンちゃんに、「好きなとこに走っていいよ。オレがそれに合わせるから」なんて格好良いことを言ったらしいが、キッカーさん、そんなに精度高かったっけ!?

 得点王チョンテセは、この徳島戦、確かに厳しいマークも受けていたけど、普段なら決めているだろうという決定機も2~3度訪れ、ことごとくミスしていた。それだけ、重圧が大きかったのだろう。しかし、最後は金子のゴールをしっかりアシスト、普段若手のクロスに駄目出しをしまくっているだけに、あそこは失敗するわけにはいかなかったよね。

 かくして我々は、J1への復帰を遂げた。

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 当ブログでは、エスパルス戦記だけでなく、新スタジアム建設の問題、そしてそれに絡めてホームタウンのことなども時々語ってみたいと思っているのだけれど、このほど、ちょっと関係のありそうな本を読んだ。島原万丈・HOME’S総研『本当に住んで幸せな街~全国「官能都市」ランキング~(光文社新書)』という新刊である。一時期、Kindleのセールで電子書籍版を安く売っていたので、ダウンロードして読んでみた(もう普通の価格に戻ってしまったようだが)。

 この本は、日本の都市開発にありがちな合理主義・画一主義を批判している。東京だけでなく地方都市でも、タワーマンション、ショッピングセンター、チェーン店ばかりが目立つ似たような街並みとなり、魅力が失われている。本当に豊かに楽しく生きられる、魅力的な街は、「他者との関係性」、「五感で感じる身体性」を備えており、それらは「官能」(センシュアス)というキーワードでくくることができる。上からの再開発や、均質化された都市計画によって、街の個性や多様性が失われつつある中、「官能」(センシュアス)という概念を軸に新たな街づくりの方向性を探ろうというのが、この本の主張である。というと難しく聞こえるが、要するに、昔ながらの横丁、個人営業店などが残り、住民が適度な関係性を保ち、人間本来の心地良さを感じて楽しく暮らせるようなコミュニティを目指しましょうと、まあそんなような話だ。

 それで、興味深いことに、著者たちの基準によるランキングでは、静岡市が全国でもかなり上の方に来るということだ。しかも、センシュアスな静岡市に比べ、郊外都市化し車社会・大型店社会になってしまった味気ない浜松市、という形で、静岡県の二大都市を対比している。

 所長はもう何年も浜松市に行っていないが、最近の様子はどうなんだろうか? 一般的には、静岡市は県庁所在地であるにもかかわらず、浜松市に押され気味という文脈で語られることが多いと思うが。また、静岡市は、確かに大型店の進出などがあまり盛んでないが、それは地元商店街の反対運動によるものと言われ、それにより街の発展が妨げられている、そしてそんな保守的な街に見切りをつけ若者が流出と、どちらかと言うとネガティブな現象と見なされることが多いように思う。「静岡市は浜松市よりも官能的です」と急に持ち上げられ、ちょっと戸惑った次第だ。

 他方、言うまでもなく、旧静岡市と旧清水市の中心地では、街並みもその魅力もまったく異なり、清水の方はシャッター商店街化していることは否めず、これはまた別の問題だろう。


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 2017シーズンの幕開けを告げるゼロックス・スーパーカップを、テレビ観戦。目立ったのは鹿島の充実振りと選手層の厚さで、3:2勝利は妥当だった。まあ誰が見ても、2017年のJ1優勝最有力候補だろう。今年優勝したら、ダゾーン・マネーで雪だるま式にクラブ規模が拡大し、当分アントラーズの天下が続いてしまうかもしれない。

 浦和は、急造ディフェンスラインが機能せず、攻めている時の守備の備えも出来ておらず、GK西川も空回りしていた。ただし、来たるACLを優先した選手起用だった感もあり、これが本来の姿とも思えない。ただ、この試合だけを見たら、やはり鹿島の方が安定感や、ここぞという時の勝負強さは上なのかなと感じてしまう。

 Jリーグは本当に弱肉強食の時代に突入したと実感する。春先はACL出場チームが過密日程で苦しむし、清水は昨年からの継続性があるから、昨シーズンとは違って、何とか開幕で良いスタートを切りたいものである。

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 清水2:岡山1 得点者:OG、鄭大世

 残念なお知らせです。このプレイバック2016のシリーズでは、冒頭にスカパー!のダイジェスト動画を掲載していたが、どうも契約の関係か、YouTubeから一斉削除されてしまったようだ(なお、スカパー!オンデマンドで2016年の試合のフル動画を観ることも、もうできなくなってしまった)。今回は、代わりにJリーグチャンネルのダイジェスト動画を上げておく。そのうち、他の試合も過去に遡って差し替えるかもです。

 さて、ラスト2、シーズンもだいぶ押し詰まってきた。今、この試合の録画を改めて観返すと、相反する2つの気持ちが沸き上がってくる。1つは、ふがいなさ。2点リードして、優位に試合を運びながら、最後のこのドタバタは何なんだ、と。試合終盤、J2の上の下くらいの攻撃力しかない岡山さんに散々押し込まれて、パニックに陥り、跳ね返すのがやっとで、しかも苦し紛れのクリアも、あさっての方向に蹴ってしまうありさま。もっと落ち着いてボールを持って回したり、あるいは敵コーナー付近まで持ち込んで時間稼ぎをすること、いわゆる「鹿島る」ことが、なぜできないのか、と。こんなことじゃ、2017年、J1での苦戦は必至だなと、暗澹たる気持ちになる。

 ただ、それとは逆に、もう1つの感情は、よくぞ耐え抜いたというものだ。J2最終盤、札幌や松本だって、いつもならありえないような変な戦い振りだったし、実際に勝ち点を落としていた。どのチームも、平常心ではなかったのだ。その点、清水は最後の9戦、苦しい時間帯も多かったものの、最後の一線で踏み止まったのだ。結果がすべてのサッカーなのだから、この岡山戦の終了間際のように、ブサイクでも耐えきったことが大事であり、この苦しい体験こそがチームを強くしてくれると信じたいものである。

 それにしても、上掲動画にはないが、鄭大世のゴールライン上でのクリアは、色んな意味でヤバかった。まさに、徳俵でもがき苦しみ、何とか踏み止まったような感じだ。そのもがき苦しむなかで手をバタバタさせたのだが、もしあれが手に当たっているように審判に見えたら、PKで同点に追い付かれ、おそらくそこから勝ち越し点を奪うエネルギーは残っていなかったのではないか。得点阻止のハンドなら、たぶんテセはイエロー(悪ければレッド)、当然最終節は出場停止である。神の加護があったとしか言いようがない。

 サッカーではよく、「2点差が一番危ない」などと言われるが、所長は単なる都市伝説だと思っている。1点差よりも、2点差の方が安全なことくらい、統計をとれば一目瞭然だと思う。しかし、この岡山戦に限っては、2点差が危ないというのを、地で行くような試合だった。今この試合を観ても、結果が分かっていてもハラハラするし、目頭が熱くなる。

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 讃岐1:清水2 得点者:枝村匠馬、鄭大世

 前節、試合開始前にボールの直撃を受けた植草がハーフタイムでの交代を余儀なくされ、代わりに入った杉山リキも足に大怪我を負い、何と1日でGKが2人壊れるという異常事態に陥った。ゆえに、植草がこの讃岐戦に出場できるのかというのが焦点となり、高木和のリーグ戦初出場も取り沙汰されたが、蓋を開けてみれば植草が元気に出場、風下に立った後半に危険なシュートを何本も浴びながら、それらをことごとく跳ね返した。1失点はむしろ、ディフェンスラインとGKの連携の悪さを突かれたものであり、この課題は2017シーズンに向けた宿題として残ってしまった。

 エダちゃんが、1ゴール、1アシスト、フル出場と、大活躍。途中交代することの多いエダがフル出場したのは、累積リーチだったテセや、フル稼働がずっと続いて疲れの見える白崎を休ませることを優先した結果だったのかな。大宮氏は、この試合はセンターフォワードというよりもトップ下的な役回りに徹し、結果、テセとの連続アベックゴールは終わりを告げた。

 とまあ、そんな試合内容もさることながら、頭が下がるのが、この試合に駆け付けた清水サポさんたち。讃岐に行った人は、九分九厘、徳島にも行っただろうし、隔週で四国お遍路の旅とは、本当に頭が下がる。徳島にしか行けなかった所長としては、仲間たちへの感謝の念で一杯だ。

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 清水4:京都1 得点者:角田誠、鄭大世、白崎凌兵、大前元紀

 トピックの多い試合だった。何と言っても、松原が功罪両面で大当たりの日。まず「やらかし」の方では、試合前の練習中に松原の蹴ったキックがGK植草の頭を直撃し、体調不良となった植草はハーフタイムでの退場を余儀なくされた。Jリーグ創設当初からサッカーを観ているが、そんなアホな話、聞いたことがない。本人には申し訳ないが、後半登場した杉山リキの姿を見て、イヤ~な予感を抱いたのは、所長だけではなかったはずだ。でも、清水が1点リードしている場面で、リキがエスクデロのシュートを止めなければ、この試合どうなっていたか分からなかったわけで、リキの活躍でとった勝ち点もあったということは、我々も覚えておきたいものである。そして、この試合、松原のプラス面での貢献が、クロスからの2アシスト。確か2016年の后のアシストは4だったと思うので、そのうち2つを京都戦の後半だけでたたき出したわけである。テセも本当に嬉しそうだった。

 前半終了間際の角田のゴールは、実に大きかった。水戸戦でのビョンのゴールはあったにせよ、主力のセンターバックと位置付けられる角田、犬飼、三浦は、この時点でまだ揃ってノーゴールだったので、最終盤に向けてようやく一つ出たという意味でも、意義深かった。

 この試合、5試合連続完封がかかったいたのだけれど、ラスト1プレーで失点。結局、ここから最終戦まで、すべて1失点づつ喫することになる。試合途中には押され気味の時間帯もあったとはいえ、最後の方は京都もモチベが下がり、92分くらいまではまったく失点の匂いはなかった。改めて録画を観ると、最後に1失点したのは、犬飼の3連続ミスが絡んでいる。まず、明らかに追加点よりも無失点の方が優先される状況なのに、犬飼が無理な縦パスを出そうとしてミスし、そこで変な逆襲を食らった。それが敵のフリーキックになり、それをセーブしようとしたリキがポストに足を当ててケガを負った。さらにもう一度攻め込まれ、犬飼は敵FWに入れ替わられ、シュートを許してしまう。そのシュートは何とかリキが外に弾き出したが、そうして与えたコーナーで、犬飼がボールに被ってしまい、結果長身の敵FWに決められた(足を怪我していたリキに反応しろというのは酷である)。というわけで、残り2分くらいで何もない状況から、1人のDFが立て続けに3つのミスを犯したことから、清水は当時2番手だったGKを失い、連続完封もストップしたのである。犬飼には猛省を求めたい(試合終了後に犬飼はテセに説教を食らっていたけど)。まあ、もしかしたらワンちゃん本人も怪我とか体調不良を負って頑張っていたのかもしれないが。。。

 そして、この京都戦で達成されたのが、テセと大見得による5試合連続アベックゴール。それまでの記録がJ1・J2とも連続4試合だったのを、見事に塗り替えたものだった。大見得のゴールは、よく見ると一方の足に当たってからもう一方の足に当たってコースが変わり、菅野がまったく反応できない絶妙なコースに飛んでいる。そういう偶発的なところを含め、本当にシュートセンスには天性のものがあった選手だった。これが、大見得インチキによる清水エスパルスでのラストゴール。あばよ。

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Freire

 フレイレの加入が正式に決まり、何はともあれ、よかったのではないか。今のところ、チラホラ目にしているJ1順位予想では、清水を下位予想する向きが多いようだが、これで少しは見直してもらえるだろうか。

 断片的な動画くらいしか見ていないので(下はその一つ)、どんなプレーヤーなのか、良く分からない。上に見るように、有名なTransfermarktのサイトでは、主戦場がセンターバックで、右サイドバックもこなせると書いてあるが、ボランチとのデータはない。漏れ伝わってくる情報では、小林監督はフレイレのボランチ起用を想定しているようだが、果たしてどうなるか。個人的には、実績充分のセンターバックで使った方が、いいような気がするのだが(ていうか、ワンちゃんがいまいち信用できないので 笑)。

 もしもフレイレが「レオ・シルヴァ」クラスの大当たり外国人なら、2017年にJ1で一桁順位という目標が、俄然現実味を帯びてくるのではないか。

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 群馬0:清水4 得点者:大前元紀、鄭大世2、北川航也

 伝説となったラスト9連勝だが、「圧勝」と呼べる試合は、この群馬戦だけだったかもしれない。結果的には、これが2016シーズン最後のクリーンシートだったし。

 この試合のあと、群馬のある選手が、「清水は、雲の上のチームが、間違ってJ2に落ちてきちゃった感じ。ここでやるレベルじゃない」というようなことをコメントしていたと記憶しているが、あながちお世辞とも思えないくらい、力の差を見せつけた試合だったと思う。

 最終的には白崎のセレッソ戦でのゴールが、2016年のJ2ベストゴールに選ばれたが、単純にシュート自体の鮮烈さで見れば、この群馬戦の先制点の方がすごかったかもしれない。前回対戦で8点差で大敗しているだけに、この試合でも開始わずか4分であんなすごい得点を見せられ、ザスパ側はすっかり気後れしてしまったのだろう。ホーム&アウェー、ザスパ相手に稼いだ得失点差プラス12は大きかった。

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 我らが鄭大世のツイッターに、上掲のような動画が上がっていた。実は所長は2016シーズンをずっと見てきて、「テセのヘディングは普通のJリーガーのやり方と違うのではないか」ということを感じていた。日本人選手の多くは、ボールを額という面で打っており、しかも大きく振っているというイメージである。それに対しテセのヘディングは、面で捉えるというよりも、点で捉えている感じがして、その割には強いシュートが、良いコースに飛ぶ。よく見る日本人のヘディングがテニスのラケットなら、テセのヘディングはビリヤードのキューで突いているような、そんなイメージの違いを感じていた。で、所長はサッカーの技術的なことは分からないので、テセ本人に会う機会があったら、そのことを直接質問してみたいとすら思っていたわけである。そしたら、上掲の動画に見るように、どこぞやの番組で、本人がその極意を語ってくれていて、概ね所長の想像していたとおりだったので、大いに合点が行った。やはり、面で大きく振るというよりは、ぎりぎりまで引き付けて、最後に首の振りでインパクトを与えるというのが、極意のようだ。あー、スッキリした。

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 所長は実は関東在住なのだけど(今さら言う)、テレ東の「きらきらアフロ」って番組、静岡でもやってるのかな? 笑福亭鶴瓶と松嶋尚美のトーク番組なのだけど、今般放送された回でホエールウォッチングの話題になって、鶴瓶が、「ほら、あのクジラの出てくるCM。ナンチャラナンチャラという歌あったよね」と、明らかに鈴与のCMのことを必死に思い出そうとして、結局最後まで歌詞・メロディー・企業名を明確には思い出せないという場面が流されていた(松嶋や観客も誰もピンと来ていない様子だった)。東京圏でも鈴与のCMは報道ステーションの最後の方に流れることが通例だったのだけれど、最近はやらなくなっちゃったのかな? まあ、東京圏における鈴与の知名度を推し量るエピソードとして、ご紹介まで。

 ついでに言わせていただければ、東京圏では「しょんないTV」をMXテレビというところのサブチャンネルで数ヵ月遅れで放送しているのだが、昨日の回でようやく2016年3月の回が流れ、「(2016年の開幕戦を受けて)やっぱJ2は怖ぇなあ」「大前は会社の課長っぽい。J1に上がったら部長に昇格だ」などと、何とも周回遅れの話題に終始していた。

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 清水2:北九州0 得点者:大前元紀、鄭大世

 3連勝で迎えた、この北九州戦。しかし、「清水のことだから、どうせそろそろコケるだろう」、「こんな時に限って下位相手に取りこぼす清水」、「また原に得意の恩返し弾を食らいそう」などと、ついネガティブ思考に陥ってしまった皆さんも多いのではないか。しかも、原一樹は前節でハットトリックを決めるなど絶好調と伝えられた。

 ただ、確かこの頃テセは、「自分たちはついている」と言っていたと記憶する。色んな巡り合わせが、清水にとって有利に働き出したのである。結果的には、この北九州戦はまさにそれで、原一樹は直前に怪我をして清水遠征に帯同もせず。もう一方のFWの柱が小松塁ということになるが、彼も清水戦の前半に怪我をした模様で、35分に早々に交代してしまった。清水にとってこの北九州戦、実はそんなに楽に勝ったわけでもなく、先方の得点源である2人のFWが健在だったら、あるいは違った結果がもたらされたかもしれない。

 それにしても、改めてこの試合を観ると、大宮に行った人のシュートがなぜ入って、石毛のシュートがなぜ入らないのかが、良く分かる。シュートはやっぱり打つタイミングが一番大事。石毛はどうしても、自分の万全の体勢で打とうとするから、時間がかかってDFに潰されたり、キーパーが反応しやすかったりするんだろうな。

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 金沢0:清水3 得点者:鄭大世2、大前元紀

 直近の練習試合についてコメントしたいけど、文字情報だけじゃ、何ともコメントのしようがないな。一つだけ言えるのは、どうやら2015年の開幕前よりは状態が良さそうだと(笑)、そんなところでしょうか。

 さて、2016シーズンの振り返りの続き。アウェーで難敵セレッソを倒してからしばらくは、ほぼ電車道という感じだったね。今回の相手の金沢は、2016年ホーム初勝利を挙げた相手であり、最終節まで残留に苦しんだチームだから、まあこのくらいの相手には余裕をもって勝ってくれないと困る(実は危ないシーンもいくつかあったのだけど)。ちなみに、2016シーズン、清水はJ1経験のないチームには、一度も負けなかった。そういう相手には、格の違いみたいなものが、如実に出た印象がある。

 それにしても、3点目の場面で、右にテセ、左にお前出禁、どちらもまったくイーブンのチャンスという状況で、村田はなぜ右に出したのかね。やっぱ怖かったのかな(笑)。このプレーの直後で出禁は金子と交代するのだけれど、監督と目を合わせなかったりして、わだかまりのある表情を見せていたね。今思えば、このあたりで、居心地の悪さを感じ始めていたのかもしれない。

 三浦弦太のサイドバックも、だいぶ板についてきて、この試合でアシストも決めたんだけどなあ。

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