エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

2017年01月

 清水3:山形1 得点者:枝村匠馬、金子翔太、大宮現金

 天皇杯により中断があり、この山形戦でリーグ戦が再開した。天皇杯で金子が活躍し、金子が一躍、赤丸急上昇となっていた9月当時。その一方で、例の人がリハビリを終え、3ヵ月ぶりにベンチ入りをするという試合にもなった。

 さて、この時期の清水の試合、結果的には2点差くらいつけて勝っても、結構相手に支配されて、苦しい時間帯が長かったような印象がある。この山形戦も決して楽ではなかった。特に前半はきわどいシュートを打たれたシーンが何回かあり、有名な植草の3連続セーブが生まれたのもこのゲームだった。対する山形のサッカーは結構機能しており、前半アディショナルタイムのカウンターからの先制点がなければ、どっちに転んでいたか分からない試合だった。

 後半からは金子が躍動感を発揮し始め、前半消えていた感があった白崎も良い具合に球回しに絡むようになった。3得点すべてに、白崎のパスが絡んでいることは見逃せない。3点目の大宮現金のゴールはフリーキックだったけど、相手のファウル→一発退場を誘発したラストパスを出したのは、白崎だったからね。

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 横浜0:清水2 得点者:金子翔太、白崎凌兵

 2016年の清水の大きな物語として、

 第17節アウェー町田戦(6月8日)で、のちに大宮に行くことになる人が大怪我をした。

  ↓

 その代役の金子が前線からのプレスに持ち味を発揮し、その結果、チームの守備が安定するとともに、テセの得点感覚が研ぎ澄まされて、ゴールを量産するようになった。めでたしめでたし。

 というストーリーがあった。テセが金子を影のMVPと称したことからも、その印象が強まった。しかし、2016シーズンの戦いを改めて振り返ってみると、必ずしも、大宮に行った人 → 金子 という具合に、すんなりと入れ替わったわけではなかったんだな、ということに気付かされた。よくよく記録を見てみると、大宮に行った人が離脱していた間、大多数の試合で金子が先発していた、というわけでは必ずしもなかったことに気付いた。整理してみると、大宮が先発から外れていた第18節から第33節まで、テセの相棒FWは、以下のような顔触れだった。なお、カッコ内は途中交代で入ったFW(必ずしも先発からの直接バトンタッチではない)。

金子(→北川)
金子(→北川)
石毛(→北川)
石毛(→金子)
金子(→北川)
金子(→北川)
金子(→北川)
石毛(→北川)
石毛(→北川、長谷川)
石毛(→北川)
石毛(→北川)
北川(→長谷川)
金子(→北川)
金子(→大宮、長谷川)
金子(→大宮、長谷川)
金子(→大宮、長谷川)

 16試合中、テセの相棒FWとして先発した試合数は、金子:9、石毛:6、北川:1ということになるのかな。

 そんなわけで、この第30節横浜戦の時点では、金子と石毛は立場上、横一線という感じだった。まあ、いくら守備で頑張っても、得点という目に見える結果をほとんど残していなかった金子は、テセの地味な脇役の域を出なかった。したがって、この横浜戦での先制点は、金子個人にとっても、チームにとっても、非常に大きな意味があったと言えよう。前半の終了間際と、後半の開始直後に、決定的なチャンスを潰していただけに、なおさらである。特に、前半のチャンスは、金子とテセが抜け出し、相手DFと2:1になったのだが、ドリブルでもたついて、シュートかパスかを迷っているうちにもう一人のDFが戻って潰されてしまったものだった。金子って、動き出しとかはすばしっこいけど、実は足はあんまり速くないのよね。だから、相手の裏をとっても、上手くシュートまで持ち込めないことが多い。そのあたりが、大宮に行った人と比べると、まだ物足りないところ。

 その一方、「金子の守備のハードワーク」ということがマスコミなどでも取り上げられるようになり、彼がボールを追い回すたびに、清水サポから拍手が沸き上がるようになったのも、この頃からだったかな。

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 清水2:山口2 得点者:鄭大世2

 延々と2016シーズンの振り返りを続けているけど、エスパルスの公式HPにアクセスしても、「試合日程・結果」のコーナーのトップページはもう2017シーズンの日程となっており、昨シーズンのことを蒸し返すのはだんだんしんどくなってきた。まあ、行きがかり上、最後までやるか。

 2016シーズン、札幌や松本には勝てなかったけれど、相手が強いとか凄いとかは、まったく思わなかった。勝てなかったのは、ただ単に、清水が至らなかっただけである。しかし、日本平で対戦したレノファ山口だけは、「すげーな、こいつら」と、思わずうなってしまった。清水の勝ち負けは別として、純粋にサッカー的な観点から大いに好奇心を刺激された試合は、J2を1シーズン戦ってみて、この山口戦が唯一だった。以前書いたように、アウェーで山口と対戦した時には、「うちにとって最もやりやすいタイプ」という感想だっただけに、まさかホームでここまで敵にボールを回されて翻弄されるとは、予想だにしなかった。特に、前半、同点に追い付かれた場面は、植草のゴールの天井に突き刺さったボールを、唖然として見つめたものである。まあ、これも以前書いたとおり、後半の失点は、あれをPKにとるのは酷だと、個人的に思うが。

 具体的に言えば、レノファの戦法で特徴的だったのは、ダブルボランチのうち、庄司悦大がセンターバックに近い位置まで降り、清水の2トップの間のいやらしい場所に位置する三幸秀稔とのパス交換を繰り返し、清水側を幻惑する。その間にSBやMFが動いてパスコースを作り、庄司(または三幸)からサイドまたは縦に鋭いクサビや散らしのパスが入って、そこから連動しながら一気にスピードアップする、という感じの攻め方だった。対するこの試合の清水は、夏場の連戦ということもあってか、前半はあまり前から激しく行かず、構えるような戦い方をしたのがまずかった。特に、連続得点を買われて先発起用された北川が、テセと横並びの関係になってしまったため、敵のダブルボランチをどうケアするかが不明確なまま、前半が終わってしまった。これも以前も書いたとおり、ハーフタイムの小林監督の指示で、後半から清水の2トップが縦関係になってからは、前半ほど好きなようにやられることはなくなった。ただ、いずれにしても、どうも相手を上手く捕まえられない状況が続いた試合であり、流れるようなパスワークからのテセの2得点を除けば、攻撃の見せ場が異常に乏しい試合だった。

 もっとも、このサッカーで山口さんがJ1に上がることは、無理だろう(笑)。山口のこういう特徴的なやり方があらかじめ分かってさえいれば、対策は立てやすいと思うので、レノファがJ2の上位争いをして、他のチームから徹底的に分析と対策をされた時に、このサッカーで勝ち切れるかというと、疑問を感じる。

 そんなこんなで、見応えがあったこの山口戦、アディショナルタイムに長谷川悠が決めていれば、という恨み節もあるが、この試合内容で勝ち点3というのは、チト図々しすぎるだろう。ちなみに、この山口戦が、2016シーズン最後の引き分けであった。

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 清水2:長崎0 得点者:北川航也、鄭大世

 2016年の清水には、数多くのターニングポイントがあり、「大河ドラマかよ!」とツッコみたくなるほどだが、この長崎戦もその一つだろう。さすがに、GKとして1シーズンで一度あるかないかというありえない失敗を千葉戦、札幌戦で繰り返した杉山力裕は、先発の座を剥奪された。そして、長崎から緊急獲得した植草裕樹が、くしくもその長崎戦で、清水デビューを果たすことになる。かくして、清水のJ1復帰の立役者となった男たちが、第28節にして、ようやくすべて出揃ったわけである。

 結局のところ、清水がJ1に上がるのに必要だったのは、スーパーなGKではなく、フツーのGKだったのだ。攻撃力がある清水がJ2を勝ち上がるためには、それで充分だった。実際、植草が先発するようになって以降の清水は、失点しても1点までだったわけで(変なPKをとられた山口戦だけは例外)、大崩れしないチームになった。他方で攻撃はだいたい2点くらいはとれるわけだから、連勝を重ねるのも必然だったという気もする。むろん、J1で勝負する上では、フツーのGKでは駄目だが。

 前にも書いたように、札幌での無残な3失点は、すべてにリキに責任があったわけではなく、ビョンの問題も大きかった。しかし、リキが若いディフェンスラインをコーチングでしっかりと統率できていなかったことは紛れもない事実で、その点で植草がもたらしてくれた安定感は大きかった。確かに植草は、ものすごいビックセーブをするようなGKではない。ただ、もし彼が点を決められたとしても、「相手の攻撃が良かったんだな、ドンマイドンマイ、次頑張ろう」と切り替えられる。前任者が失点した時には、そのたびにチームが変な空気になってしまっていたことを思うと、「点をとられてもある種の納得感がある」というのは、とても大事なことである。

 この長崎戦、前半は何とシュートゼロだったし、途中までは、どちらに転ぶか分からない試合だった。録画を改めて観て面白かったのは、74分くらいの場面。テセが右サイドのオープンスペースに走り込んでパスを受け、中央の北川航也にクロスを上げた。惜しくも得点には至らなかったが、これ、完全に最終節・徳島戦の「中央に金子!!」と同じパターンであり、その予告編を見ているようで面白かった。なるほど、これ、練習していた形だったんだなというのが、良く分かる。

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 札幌3:清水2 得点者:北川航也、鄭大世

 さあ、問題の札幌戦だ。この試合、前半も別に劣勢だったわけではないし、特に後半は完全に圧倒していた。どういうわけか、見るからにコンディションが悪く、特に後半は早々に足が止まっていた札幌(やはり札幌が夏場に調子を落とすという都市伝説は本当だったのか?)。それに対し、清水のイレブンはプレースピードも攻守の切り替えも速く、まったく負けるような試合ではなかった。例のマヌケな、3失点の場面を除けば。

 GK杉山力裕の責任がクローズアップされたが、1失点目と3失点目の主な原因は、むしろビョン・ジュンボンにあったような気がする。2失点目も、ビョンが変なリズムで出したバックパスが、ほころびの始まりだったし(この試合に限らず、ビョンのバックパスはぎこちないことが多い)。それにしても、この2失点目、リキがミスキックをしたこと自体問題だけど、なぜその後にゴールマウスに戻るのが遅れたのだろうか? 変なキックをして、体勢が崩れたようなのだが、その部分がカメラに写っていないので、不明である。

 まあ、ビョンとリキのどちらの非が大きかったかは別として、とにかくディフェンスラインとGKの連携がとれておらず、おそらくは札幌にそこを意図的に狙われたのだろう。その意味で1失点目、3失点目は、マイアミの奇跡で日本チームが、ブラジルのGKアウダイールとディフェンスの連携の悪さをあらかじめスカウティングして、その間にロングボールを放り込み、まんまと衝突させて、伊東テルが押し込んだシーンに似ていたと言える(今回、この文章を書いていて、初めてそんなことを思った次第)。

 杉山力裕が清水で先発出場したのは、この札幌戦が最後だった。あとは京都戦後半のスクランブル出場があっただけである。その試合でも終了間際に大怪我を負ってしまい、オフには清水を離れることになってしまった。千葉戦と札幌戦の失態で、サポ連中の非難もかなり浴びたリキだったが、苦しい時代を一緒に戦ってくれたことは記憶にとどめておきたい。

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 野球がシーズンオフなので、広島カープからドジャーズに移籍した前田健太が日本に一時帰国して、テレビ出演したりしている。それを眺めていて所長は思ったのだが、2016年の広島カープと、2017年の清水エスパルスの状況は、似ていると思う。マエケンは何年もカープの勝ち頭であり、彼が抜けたら苦しいと思われ、現に2016年のセリーグ順位予想ではカープを最下位候補に挙げる識者も多かった。しかし、実際には残された選手たちが危機感を抱いて努力した結果、リーグ優勝を勝ち取ったわけである。実は、確かにカープにおけるマエケンの存在は大きかったが、彼をローテの基軸として回すためにイニング数を制限し、それがブルペンへのしわ寄せになったりして、チームの負担になっていた部分も小さくなかったのである。マエケンが去って、意外とやりくりが楽になったとも言われている。

 同じことは、昨シーズンまでのエスパルスにおける大宮元紀についても言えよう。確かに、ここ数年、彼がチームで最も多くの得点を稼ぎ出していたし、2016シーズンもチームで2番目の18ゴールを生み出した。しかし、そのプレーヤーが去ることが(行き先はメジャーではなく日本だが 笑)、マイナス18となるとは限らないというのが、チームスポーツの面白いところである。サッカーでは守備と攻撃が表裏一体なので、野球以上にそのことが言えるだろう。まあね、マエケンはカープを円満退団したので、大宮元紀のケースとは事情が異なるものの、とにかく、オレンジ選手諸君、世間の下馬評を覆すような、神るやつ、出てこいや!

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 清水が獲得有力とされているブラジル人DFレアンドロ・フレイレって、所長は今まで知らない人だったけど、これか。確かに、球際、危機察知能力など、今の清水の守備陣に欠けているものを高いレベルで備えているプレーヤーのようで、こりゃ実現したら強力な補強になりそうだ。まあ、動画は好プレー集なので、良く見えるのは当然だけど、それにしたって、期待せずにはいられない。練習参加しているドス・サントスとの兼ね合い、CB起用としたら誰が相棒になるのか、懸案の強固な守備力のボランチのさらなる補強はあるのかなど、いくつか不透明な要素はあるにせよ、まあまあ良い線で強化が進んでるのではないか。むろん、日本人の奮起も期待。

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 清水2:岐阜0 得点者:鄭大世2

 前節に続き、テセが鮮烈な2得点。しかし、それよりも、試合終了間際に澤田がクロスバーに当てて決定機を外したことの方が、印象に残ってしまった。思わずベンチ全員が苦笑いするようなシュートミスであり、タイムアップ直前の逸機であっただけに、余計に印象が強くなってしまった。澤田も、あのシュートを決めていれば、別の人生があったかもしれないのになあ。

 前の千葉戦、この岐阜戦くらいから、いよいよ、「テセには手を付けられない」という雰囲気が出てきた。他方で、この岐阜戦での白崎や石毛のシュートミスを見ていて、「テセ以外には、点をとれないのかよ」などと感じてしまったのも事実である。

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 千葉3:清水4 得点者:鄭大世2、川口尚紀、OG

 それにしても、色んなイレギュラーなことが、特に後半に起きた試合だった。川口のJ初ゴール、その川口が2016シーズン清水の唯一の一発退場、GKのありえないファンブル、緊急の4-4-1、初めて左サイドをやらされた北川がなぜか立て続けにチャンス演出、終了間際に同点に追いついて指揮官やベテランは引き分けでよしとしていたのに若手やテセは攻撃の手を緩めず劇的な逆転ゴール、結果2016シーズンでは唯一の逆転を食らった後の再逆転という、そんな試合だった。何ともドラマチックな勝利だったが、冷静に考えれば、3:0くらいで普通に勝つべき試合だっただろう。

 ところで、所長は2016シーズンのテセの活躍は、100点満点で、150点くらいだったと思っている。ていうか、活躍面だけを考えれば、200点と言いたいのだ。だけど、春先出遅れたので、それがマイナス30点。そして、彼のポストプレーにやや疑問があって、それをマイナス20点として、つごう150点という評価である。一般的に、テセはポストプレーが上手いFWと言われているけれど、たとえば高木琢也のような(古いか)、古典的なポストプレーヤーとはちょっとやり方が違うと思う。古典的なポストは、大柄な体格や深い懐を活かしてボールをキープし、その間に味方が攻め上がったり態勢を立て直したりして、ある程度間を置いてから味方にさばくということが多いと思う。しかし、テセはワンタッチでポストプレーをやろうとする(ていうか、そもそもそれをポストプレーと呼んでいいのか、良く分からないが)。しかも、しばしばその落としが鋭すぎて味方に合わず、あろうことか敵への絶妙のプレゼントパスになってしまうことが時々ある。むろん、アタッキングサードならば、イチかバチかのワンタッチプレーはアリだが、清水が攻撃を受けていて、ようやくボールを奪い、さあ攻撃に転じようという時に、テセが雑なワンタッチパスで相手に渡してしまい、守勢の時間がズルズルと続くというシーンが、2016シーズンには少なくなかった。少なくともミドルサードくらいまでは、ワンタッチでさばくよりもキープをして時間をつくってくれた方が、味方が攻め上がったり、一息つけるのではないかと思う。ちなみに、テセのワンタッチパスにミスが多いことは、この千葉VS清水戦を解説していた水沼氏もきちんと指摘していたので、あながち所長の素人考えというわけでもないと思う。

 まあ、何はともあれ、2016年にいくつかあった劇的な勝利の中でも、この千葉戦が一番チームが盛り上がったようだ。普通であれば、これで波に乗って連勝街道、と行きたいところだったが、現実にはこの後のシーズンも山あり谷ありだった。

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 エスパルスに関連した掲示板などを眺めていて、所長がとても残念に思うのは、ゴトビ元監督、大榎元監督などの評価について、清水のサポさんたち同士が罵り合っていたりすることである。当S研では、そういう論争には一切コミットしないことにする。根本的に無意味であり、むしろ有害だと思うからである。

 周知のように、ゴトビ元監督については、神格視するようなサポさんがいるかと思えば、嫌悪感を抱くサポさんもいる。そりゃ4年半も監督をやった人なので、所長も彼の手腕について、自分なりの評価というものはある。しかし、今さらそんな過去のことを蒸し返して、自分と意見の違う人を論破しようなどとは、まったく思わない。監督の手腕や人間性などというものは、客観的な評価は難しいのだから、論争は絶対に収斂しない。確実に「神学論争」に陥り、清水の団結にヒビを入れるだけである。もしも、今いる監督をどう評価するかということであれば、サポーターの世論がクラブの方向に影響を与えることもあるわけで、サポが自分の意見を表明することには一定の意味があると思うけど、とにかく、もう動かせない過去を題材に、不毛な神学論争で罵り合ったりすることは、見苦しいし、有害でしかない。そんなことをしたら、ライバルを利するだけである。

 たとえば、ゴトビ氏や大榎氏が甲府さんあたりを率いて、J1でリーグ優勝したら、「やはり名将だったんだ。いけないのは清水の選手の側だった」ということがはっきりするだろう。逆に、浦和のような、誰が見ても戦力が整っているチームの監督に就任しながら、そのチームをJ2に降格させてしまうようなことがあったら、手腕がなかったという事実が白日の下にさらされる。しかし、現実には、どちらの極端なシナリオも、生じそうにはない。そうである以上、元監督に手腕があったか、なかったかなどというのは、永遠の水掛け論にしかならない。

 所長の持論だが、サッカーの監督の手腕というのは、絶対値では図れないものである。ある特定の状況、戦力、ミッションの中では適任だけれど、別の条件では上手く行かないという指導者もいる。監督としての手腕で、A氏が50点、B氏が100点などという話は成り立たない。田坂前監督のことを悪く言う人も多いが、2015年の途中から清水を率いて残留させるなどということは、モウリーニョでも不可能だったはずだ。

 過去の監督の手腕や人格を攻撃するのは無意味だが、ただし、クラブとして、歴史の教訓を学ぶことは大切である。清水が誤ったのは、特定の監督の手腕や人格というよりも、クラブとしての固有の哲学や継続性の欠如と、マネジメントの稚拙さだった。ゴトビ氏のサッカーだって、大榎氏のサッカーだって、両方アリだとは思う。しかし、トップチームの監督がオランダ流ワイド攻撃サッカーを志向しながら、ユースの監督はそれとは真逆の哲学を抱いてトップチームのやり方を疑問視していたというのは、クラブとして失格だろう。そして、後任者が前任者の否定からチーム作りを始めざるをえない状況を作ってしまったことこそが、崩壊を招いた。マックからウィンドウズに急に切り替えたようなもんだから、不具合が多発するのも当然だ。ゴトビ氏の「カリスマ」や、大榎氏の「レジェンドとしての求心力」といったことに過度な期待をかけ、現実を直視できなかった。

 崩壊の本質は、クラブとしてのマネジメントの失敗だった。所長は、クラブはその反省に立ち、再生への道を着実に歩み始めてくれていると信じたい(今般の経営方針表明で、育成からトップまでの一貫した指導というような方針が掲げられたのは、大変に心強い)。だから、過去の監督についての不毛な論争には、一切コミットしない。

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 清水0:ヴェルディ1

 ヴェルディに負けた反省を受け、その後の群馬戦大勝から始まった連続負けなしロードには、またしてもヴェルディに負けることによって、終止符を打たれた。前半には、決めなければならない決定機が4~5本はあり、それを決めないとこうなるという、典型のような試合だった。ただし、後半にゴールを決められたのは(間抜けにもレンタル選手の高木にまたしても得点を許した)、必然だったと思う。試合後のインタビューでヴェルディの監督は、「あの距離から打っていこうということは言っていた」と証言しており、つまりは清水の守備陣が相手のドリブルにズルズル下がって、バイタルが空いて、まともなシュートブロックもできなくて、GKが低いライナー性のボールへの反応が弱いといったすべてのことが、相手にはお見通しだったのである。まあ、2016シーズン終盤は、そのあたりは多少改善された雰囲気もあったが、J1再挑戦に当たっては、心してかからないと、また失点を重ねることになる。

 あと、この試合のトピックと言えば、左サイドバックの松原をいったん休ませ、キム・ボンヨンを先発起用してみたことか。あと、ドSユニフォームのデビュー戦であり、ユニ自体は人気で争奪戦になったが、この試合の入場者数はそれとは対照的に7000人という寂しい数字。まあ、平日開催だったので、仕方がないか。

 前節のロスタイムで追い付かれた試合といい、この試合のピリっとしないサッカーといい、「結局J2に居着くことになるのか?!」という思いも抱いてしまった。ただ、実はこの試合が2016シーズン、ホームでの最後の敗戦であり、なおかつホームでの最後の無得点試合だった。

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 以前、「小林監督が交代カードを切るタイミング」というエントリーをお届けしたことがある。それで、2016年の試合を前半戦まで改めて観直してみて、選手交代について、もう一つ気付いたことがある。それは、小林監督は2016シーズン一度も、いわゆる「2枚替え」をしなかったということだ。むろん、1試合で3人までしか選手を替えられないサッカーでは、2人いっぺんに替えるのはレアケースであることは事実である。しかし、2016シーズンの清水の42試合の中では、対戦相手が「2枚替え」を仕掛けてきたケースが、数回あった。それに対し、清水が一度もなかったということは、これは明らかに小林監督の特徴と考えていいのではないか(本来なら、小林監督の古巣での采配もチェックしたいところだが、そこまでの余裕はないので、ご容赦を)。

 たとえば、第21節の岡山戦、清水の選手交代は、

[65分]石毛秀樹 → 村田和哉

[77分]枝村匠馬 → 金子翔太

[90+2分]犬飼智也 → 角田誠

 という流れだった。65分の交代でFWの石毛を下げ、枝村をFWに回し、村田を枝村のいた右MFに置く。そして、その数分後に枝村に代えてFWの位置に金子を投入したわけである。素人考えでは、65分に石毛→金子 + 枝村→村田の一気2枚替えでもいいような気がするのだが、そこをあえて、1枚ずつ替えてポジションも動かし、様子を見ながら試合を進めていくのが、小林監督の交代術なのだろう。2枚替えというのはおそらく、勢い重視で、ラディカルな変化を起そうとする時に使う手だと思われ、コバさんはそういう博打的な手段とは無縁の監督さんなのだろう。

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 愛媛2:清水2 得点者:OG、鄭大世

 開幕戦と同じ顔合わせで、またしても引き分けに終わったわけだけど、今回は開幕戦とは対照的に、かなり激しい試合内容の末に、2点づつを取り合ってのドローだった。

 それにしても、開始10分での失点には驚いた。開幕戦のことがあったので、「え? 愛媛って、シュート打つんだ。ていうか、入っちゃった」と、現地で観ていてビックリしたものだった(愛媛さん、失礼の段、スイマセン)。それでも、全体としては清水が支配していたわけで、いったん逆転もしたし、問題は最後の最後で逃げ切るということができなかった点に尽きる。2016シーズン何度か見られたように、終盤逃げ切りを図るような状況で、敵の攻撃が大した圧力でもないのに、あまりにも押し込まれすぎである。もっと時間を上手く使って逃げ切る術を覚えないと、J1ではますます苦しい。あと、2016シーズンでは、コーナー守備の時に、基本全員がボックス内で守り、カウンター要員を前に残しておくということをしなかったので、それでますます相手が人数をかけてきて、なかなか連続コーナーのピンチから逃れられないということがあった(むろん、この愛媛戦のように、後半アディショナルタイムに1点を守り切るような場面で全員守備はやむをえないが)。2016シーズン当初、あまりにもセットプレーの失点が多いから、「全員ボックス内で守備」という形にしたと思うのだが、その後ある程度は安定したので、2017シーズンは、敵にカウンターの脅威を与えることでセットプレーの失点リスクを抑えることも考えてみてはどうか。

 ちなみに、愛媛さんの側から見ると、この清水戦の時点で、プレーオフ進出最後尾の6位が清水だったので、プレーオフ進出に向けた直接のターゲットが清水であり、清水との勝ち点差10を埋めるためにも、何とか勝ち点3を、というモチベーションがあった試合だったらしい。その後清水は勝ち点と順位をグングンと上げて、下位に追われる立場よりは上位を追う立場になっていくのだが、シーズン半ばにはまだこういう状況もあったわけだ。

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shizu

 当S研では、エスパルスの戦い振りに加えて、新スタの建設ということをスローガンに掲げているのだけれど、それに関係する街づくりや地域再生の話なんかも、時々絡めていこうかな、と。静岡・清水を魅力あるコミュニティにしていかなければサッカーの振興はおぼつかないし、翻って、スタジアムを中心にした街の賑わいにより地域を活性化するという考え方だってあるわけだから。

 「地方移住ランキング! 2015年は上位に変化が・・・!?」という記事が目に止まった。上掲のとおり、静岡県は第4位にランキングしている。この種の都道府県ランキングを見ると、静岡県は良い位置に付けていることが多く、割と良いイメージをもたれていることがうかがえる。しかし、この「地方移住ランキング」に関して言えば、多分、伊豆の人気が貢献しているんだろうね。最近、テレビ番組なんかでも、地方移住を取り上げたものが多く、そこで伊豆への移住の例が紹介されているのをよく見るので、そういうイメージが国民に浸透しているのだろう(単に、東京のテレビ局がロケをしに行くのに、近場で便利だから、という要因もありそうだ)。また、最近の話題として、通勤手当への課税ルールが緩和され、三島あたりまで東京への新幹線通勤圏になり始めている、なんて話もある。関連して、子育て支援が充実している静岡県長泉町(三島駅圏内)の人口が増加していると伝えられる。

 一方、エスパルスのホームタウンである、静岡市はどうだろうか? まあ、気候は温暖だし、それなりに暮らしやすいとは思うものの、首都圏から縁も所縁もない人が、わざわざ静岡市に移住するかと言えば、疑問だ。オクシズ、南プスの魅力を発信しようとはしているものの、あまり浸透しているとは言えまい。首都圏から静岡市に移り住むとしたら、Uターン組か、県外エスパルス・サポくらいじゃないかな。

 まあ、外からどれくらい人が来てくれるかは分からないけれど、せめて流出はしないような、魅力的な静岡市であってほしいものである。若い女性なんかは、静岡に見切りをつけて、名古屋方面に流出しちゃってるなんて話も聞くし。駿府城の復元とかどーでもいいから、子育て関係全部タダにするとかしたらいいんじゃないの?

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 清水4:熊本0 得点者:白崎凌兵、鄭大世、北川航也2

 もう皆さん、気分はすっかり新シーズンに向かっていることと思うけど、当ブログでは行きがかり上、2016シーズンの振り返りをしつこく続けていく。それにしても、このホーム熊本戦がようやく後半戦のスタートであり、2016年の振り返り、新シーズン開幕までに間に合うのだろうか?

 周知のように、春に熊本で大地震があり、シーズン序盤好調な滑り出しを見せながら、その後失速を余儀なくされたロアッソ。この清水との対戦は、過密日程の5連戦最後の試合だったということであり、気持ちは見えるものの体がついてこないというか、さすがに観ていて気の毒な感じがした。それに対し、清水はボランチ河井を中心としたパスワークが冴え渡り、ロアッソを翻弄。順当に得点を積み重ねて完勝した。

 個人的に、この試合で一番印象に残っているのは、後半ロスタイム。ロアッソの上原選手がゴール前に飛び込んだのだが、清水のGK杉山と交錯するような形となり、足を打って倒れ込んだ。もう1~2分しか残っておらず、4点差ついているので、どうでもいいと言えばどうでもいい場面。しかし、熊本応援席から、「お願い。立って!」という女性の悲鳴にも似た声が上がり、しばらくして上原選手は立ち上がってピッチに戻ったのだった。日本にJリーグというものがあって良かったな、ブンデスだリーガだなんてものじゃなくて、自分にとって大事なものはこれしかないなと、そんな思いを改めて噛みしめた瞬間だった。

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season

 皆さん、新シーズンを前に胸が高鳴ったり、移籍の件で憤ったり、進まない補強にやきもきしたり、抑えきれない様々な感情を抱いておられるところだと思うけど、我々が今できる、確実にクラブのために役立ち、清水の躍進の材料になるはずのことはただ一つ、シーズンチケットを買うことです。

 クラブは新たな取り組みとして、「2017エスパルスシーズンシート チャレンジ6000!」という目標を掲げた。もちろん、試合ごとにチケットを買って参戦するのも結構だけれど、ここは一つ、クラブの呼びかけに乗っかって、新シーズンに向け勢いをつけようじゃありませんか。所長の記憶では、これまでシーズンシートがどれだけ売れているのか、公式に発表されたことはなかったように思うけれど、今般上掲のような数字が明らかになった。まあ、過去数年の趨勢からすれば、5000超えも簡単ではないような気もするけれど、まずは我々の思いを、ここにぶつけてみようじゃありませんか。

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yokohama

 Jリーグでは以前から、「外資に門戸を開くべきか?」という論争があった。詳しいことは知らないが、現在も、外国籍の企業がクラブの株式の過半数を握ることは禁止されているのだと思う、たぶん(違ったらゴメン)。ただし、外国企業がスポンサーになることはOKだし、外資が少数株主になることは問題ない、というのが現時点でのルールなのだろう。

 今般の中村俊輔の移籍でクローズアップされたように、横浜Fマリノスの場合は、こちらから拝借した上掲図のように、日産が70%を握り、外資のシティー・フットボール・グループ(CFG)というところが2014年から20%を保有という出資比率ながら、なぜかクラブの経営・編成でCFGが全権を握り、日産は社長を出しながら運営にまったく口が出せないという、不可思議な構図になっていたようだ。

 自動車会社と言えば、トヨタが名古屋グランパスを腐らせてしまったことが記憶に新しく、日産もマリノスを堕落させるのか?と連想してしまう。ただ、今問題になっているのは、日産自体は善意をもってマリノスを良くしようとしているものの、黒船CFGが大暴れしてマリノスをぶち壊しつつある、という図式らしい。

 2017シーズン、マリノスは大きな代償を支払う可能性が小さくない。わずか20%の外資を入れただけで、マリノスほどの名門がこれだけ滅茶苦茶になってしまうのだから、Jリーグへの外資の解禁といった議論は、当面後退するかもしれない。まあ、超ドメスティックかつローカルな清水とは、あまり関係ない話かもしれないが。

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07

 当ブログでは「プレイバック2016」と題し昨シーズンの振り返りを続けているが、少しは新シーズンに向けたことにも触れておこうかな、と。

 新しいユニフォームの予約受付が始まり、またぞろ争奪戦になったようですね。実を言うと所長は、レプリカユニフォームを着て応援することは、あまりないのです。Tシャツとかポロシャツとかパーカーとか、エスパルスオリジナルのアパレルは着るようにしているけど、ユニフォームを着るのはそれほど好きじゃなくてね。これまで、特定のプレーヤーの名前と背番号が入ったユニは、2回しか買ったことがない。20周年の時に出たレジェントユニ(大榎)と、昨年大前が怪我した直後に溢れ出る愛を抑えきれずに買った大前のユニ。何だよ、どちらももう、アイスタで着れないじゃないかよ(笑)。まあね、大前ユニなら持っている人が大量にいるから、惰性で着続ける人もいると思うけど、さすがに本人直筆サイン入りの大榎ユニを着たら、袋叩きに会いそうで怖い。そんなわけで、もうちょっと落ち着いたら、新シーズンのユニを買うかもです。

 あと、2017シーズンの目標は、1桁順位(9位以上、すなわちAクラス)ということが、公式に表明されたようですね。いいんじゃないですか、良い目標だと思いますよ。ちなみに、当S研でもしばらく前に、まったく同じ目標設定を提案していたので、我が意を得たりという思いだ。もちろんね、簡単な目標じゃないということは所長も分かっているし、クラブも百も承知のはず。でも、2016年のJ1を見ても分かる通り、J2上がりのチームには大宮パターン(躍進)もあれば、磐田パターン(辛くも残留)もあれば、福岡パターン(あえなく降格)もあり、すべては自分たちの努力次第。大宮なんて、あの鹿島と、年間勝ち点が3しか違わなかったわけだからね。地に足をつけて確実に残留を勝ち取りつつ、1つでも上の順位を目指してほしいものである。

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zenhan

 2016シーズンの振り返りをしつこく続けているが、昨日までで前半戦21試合を観終わったので、ここで番外編的に、前半戦終了時点の順位表を見てみたい。上掲が、アウェーの岡山戦が終わった、7月3日終了時点の上位順位表である。こうやって見ると、自動昇格およびプレーオフ進出の上位6チームの顔触れは、この時点でもう固まっており、後はこの中の順位の入れ替わりだけだった。清水はその6番手にようやくしがみついていた状態。首位の札幌には勝ち点差11も付けられ、しかも札幌は消化が1試合少なく、マラソンで言えばトップの背中も見えない状態だった。セレッソにも9、松本にも7離されていた。前半戦は、上位5チーム相手に一つも勝てなかったし、「まあ、良くてプレーオフかな」と、皆さん感じていたのではないか。むろん、どこかの時点で覚醒して、大型連勝さえしてくれれば、まだまだ自動昇格も可能なはずだったが、夏場はまだ、「ここぞ」という試合で勝ち点を取りこぼしていたし、J1に上がれるという確信はなかなか持てないでいた。「コバさんのチームは尻上がりに調子を上げる」とか、「札幌は暑さに弱いから夏場に調子を落とす」とか、「去年の大宮もシーズン終盤に失速したから、まだ分からない」とか、そんな言説にすがるような思いであった。当時は、清水の得失点差の数字を見ることだけが、唯一の慰めだった(笑)。

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