エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

2016年12月

DSC_0498

 そんなわけで、波乱万丈、色々あった2016年が暮れようとしている。2015シーズンに完膚なきまでに崩壊した清水だったが、経営陣・首脳陣、選手、そしてサポーターの奮闘と団結により、何とか1年でのJ1復帰という目標を成し遂げることができた。

 振り返ってみれば、近年の清水は、「何かを成し遂げる」ということが、ついぞなかったように思う。強いて言えば、2014年のJ1残留は一つの成果達成ではあったが、決して強いとは思えない相手にホーム最終戦でやっとの思いで引き分けての残留であり、あの時の感情は達成感には程遠いものだった。それに比べると、2016シーズンの方が、「成し遂げた」という感覚は、はるかに強い。こんな晴れやかな気持ちで年末年始を迎えられるのも、クラブのお陰であり、そのありがたみを噛み締めているところである。

 2015年のJ2降格は屈辱以外の何物でもなかったが、問題はその教訓や経験を、今後どれだけクラブの発展に活かしていけるかだろう。「落ちるは恥だが役に立つ」、まあむろん1回限りの話だが(笑)、J2降格という苦い経験を糧に、強靭なクラブを作り上げていけるかどうか、すべては自分たちにかかっている。

 最終節徳島戦の余韻冷めやらぬ中で11月下旬に立ち上げた当ブログ、お読みいただきありがとうございました。毎日とは行かないと思いますが、2017年もできるだけ更新していきたいと思います。それでは皆様、良いお年を。

よかったらクリックお願いします
にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村

 岐阜1:清水1 得点者:大前元紀

 移籍の話題が色々と出てますなあ。今のところ、放出の話題の方が多く、やきもきしているサポも多いだろう。しかし、一定の放出はやむをえまい。思い出すのは、2015シーズンのプレシーズンマッチの頃に、スカパーの放送で実況の人が、「清水は選手の頭数はいるんですが、どうも帯に短し襷に長しというか・・・」と口を濁していたことで、結局その不安が的中する形で、2015年に降格の屈辱を味わうこととなったわけである。幸運にも1年でのJ1復帰がなった今、再び「帯に短し襷に長し」の選手ばかり多数抱える過ちは、繰り返してはならない。J1仕様の戦力を整えるためには、実力者の補強が必要であり、そのためにはある程度身を切ることはやむをえまい。サポというのはどうしても既存選手に愛着があるもので、むろんそれは所長とて同じだが、チームの編成に過度な情は禁物だろう。

 さて、年もだいぶ押し迫ってきたが、2016シーズンの振り返りの続き。個人的なことだけど、2016シーズン、所長は参戦したアウェーの戦績が悪かったのよね。2016シーズンで初めて現地観戦したアウェー戦がこの岐阜戦だった。まあ、前の京都戦でアウェーの連勝が止まっていたとはいえ、序盤の清水は敵地で圧倒的に強かったから、景気の良い勝ちゲームが観られるはずだと信じて馳せ参じたのだけれど、開始わずか4分の大前のゴール(清水にとって今季初のセットプレーでの得点)で沸いて以降は、尻すぼみの試合内容。試合終了間際には敵の決定機が続き、「勝ち点1で御の字」という試合になっちゃった。ガックリ来たなあ。まあ、岐阜旅行は楽しかったけれど(笑)。

 もう一つ、今回改めて録画を観てみて思ったのだが、2016シーズンの清水、緑色のチームを相手に思うように勝ち点を伸ばせなかった。何と言ってもTHE緑ことヴェルディ相手に2敗、山雅相手に1敗1分け、そして最終的にはJ3降格危機に陥ることになる岐阜相手に1勝1分けという体たらくだ。どうも緑への苦手意識は、エスパルスの遺伝子レベルに組み込まれている気がする。幸い、2017年のJ1には緑色のチームが1チームもないな。

 今季の清水、システムはずっと同じだったけど、メンバーはかなり変わったよなあ。この岐阜戦も、ボランチ八反田と、キーパー碓井が今季初出場。皮肉にも、八反田のファウルで与えたフリーキックから、碓井が前に出てもボールに触れないというミスを犯し、そこを突かれて岐阜に同点弾を許してしまった。まあ、明白なオフサイドではあったが、J2では審判も、スタジアムも、放送の実況・解説も、やはりすべてが一流とは言い難く(ついでに言えばスタジアム暗かったぞ)、このくらいの誤審は起きても不思議でない。その逆境を跳ね返す力が、この日の清水にはなかったということに尽きる。ちなみに、ミスをした初出場の両名、その後の碓井のプレーは良かったし、八反田も果敢な攻め上がりなどを見せ、決してトータルで悪かった印象はない。

 まあ、長丁場のJ2だから、5月頃になっても、こうやってメンバーを色々試したりできるんだろうなあ。年間34試合しかないJ1はあっという間に終わってしまうから、そうはいくまい。

 あと、この頃の試合を今改めて観ると、福村がフリーキックの場所に立つけれど、結局絶対に蹴らないという場面が多かったことを思い出す。日本代表で本田圭佑が中村俊輔からフーリーキックを無理矢理奪おうとした(しかし結局俊輔は譲らなかった)という有名な話があるが、それぐらい我が強くなければ、トップレベルではとてもやれないよね。福村も、「オレに蹴らせろ」と言って、一回くらい直接フリーキック狙ってみればよかったのに。

よかったらクリックお願いします
にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村

 読んだ人も多いと思うけど、日刊スポーツの下記の記事が面白いので、ご一読をお勧めする。

 名将だけど笑える 清水・小林伸二監督のエピソード

 清水小林伸二監督の面白い素顔パート2

 それで、これらの文章を読んで思ったのだが、小林監督がそんなにおしゃべり好き、お酒好きだったら、球団のファンサービスの一環として、トークディナーショーなんかを開催してくれないだろうか。もちろんそれなりの参加費は払うからさ。ほら、クラブのファンサービスって、どうしても子供向け、若者向けのものが多くなるじゃない。トークディナーショーなんてやってくれたら、大人が楽しめる夜のファンサービスになると思うんだけどな。所長も小林監督と飲みてえよ。

よかったらクリックお願いします
にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村

youth_image20475

 28日に東京にて行われた「高円宮杯 第28回全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会決勝、清水エスパルスJr.ユースvs北海道コンサドーレ札幌U-15の試合、清水が3:1の逆転勝利を収め、見事優勝を果たした。このチームはこれで今季三冠ということである。所長は、よほど今日応援に行こうかと思ったのだが、さすがに仕事から抜けられず、録画をテレビ観戦した次第。いやぁ、タイトルは良いねえ。札幌に勝っての優勝ということで、何だか子供が親の仇をとってくれたような、そんな気分だ。

 正直言うと、所長は中学生のサッカーの試合をガチで観たのは、これが初めてである。いつも、エスパルスのトップチームの試合を論評しているのと同じ調子で、子供の試合を論評するのは不適切かもしれないが、まあ取りあえず普通に感想を述べさせていただく。

 エスパルスJr.ユース、とても上手かった。技術だけなら、札幌をまったく寄せ付けていなかった。ただし、やはりまだ育成年代であり、ディフェンスラインで危ないボールの持ち方をしたり、気負いすぎからか、余計なファウルをして不要なフリーキックを与えてしまう場面があり、そうして与えた相手のフリーキックから早々と失点してしまい、初めてこの子たちの試合を観る当方は「こりゃ大丈夫か?」と不安になった。しかし、そこからのリカバリーは早く、11分、15分、17分と立て続けにミドルシュートを突き刺して、鮮やかな逆転劇。その後はスコアは動かず、清水が勝利を収めた。3本とも、コンビネーションで崩したというよりは、相手の隙を突いたようなミドルシュートだったので、正直言うと清水の攻めの形がどういうものなのか、この試合だけでは良く分からなかった。後半はだいぶ攻撃が単発になってしまい、また詰めの甘さも目立ち、そのあたりが岩下監督の言うこのチームの甘さなのかもしれない。ただ、守備面では、札幌がミドルシュートに寄せなかったことなどと比べ、ブロックを作って粘り強く守っており、後半は大分押し込まれはしたものの、本当に危ないピンチはそれほどなかった。

 プレーヤーレベルでは、個人的に、2点目を決めた鈴木瑞生君が一番印象に残ったかな。何でも、元々の利き足は右足だが、ポジションをとるために左足を習得したということであり、それであれだけ強く鋭い左足のキックをものにしたのだから、大したものだ。ぜひ大きく成長して清水のトップチームに食い込んでほしいものである。

よかったらクリックお願いします
にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村

 当S研でも投票を呼びかけさせていただいたが、白崎凌兵選手のセレッソ戦でのゴールが、2016年のJ2年間最優秀ゴールに輝いた。白崎君、おめでとう。そして2017年もうちに残ってくれるようで、本当に嬉しく思う。

 ただし、「ベストゴール」というもの、前々から、「定義次第だよなあ」と、個人的に思っていた。よくベストゴールに選ばれるのは、目の覚めるようなスーパーゴールだろう。弾丸ミドルとか、バイシクルシュートとか、強烈な無回転キックとか、そういう派手なゴールが選ばれることが多い。「もう一度やれと言われても、無理」というような、鮮烈な得点は、確かにベストゴールと呼ぶにふさわしいかもしれない。

 もう一つ、試合終了間際の劇的な同点・逆転弾とか、優勝を決定付ける得点とか、そういう「状況ゆえ」のゴールがベストゴールに選定されることもあるだろう。

 今回の白崎のゴールは、上記2点を兼ね備えているがゆえに、「合わせ技一本」のような形で、年間ベストゴールに選ばれたと言えるのではないか。ただ単に「アクロバティックなすごいシュート」とかなら、他にももっとふさわしいゴールがあったような気もする。

 さて、所長にとっての「ベストゴール」とは、どのようなものか。少々へそ曲がりのようだが、所長は、派手さのない、理詰めでとった得点こそ「最良」であり、ベストゴールだと考える。たとえば、2016年の清水で言えば、リーグ戦の大詰め、アウェー讃岐戦の2点目などは(大前が枝村に浮き球でスルーパスを出し、折り返しを中央でどフリーのテセが決めた場面)、ゴラッソでも何でもないが、とるべくしてとった必然のゴールという意味で、ああいうのこそ実はベストゴールではないかと、個人的に思うのである。そういう意味で言えば、「セットプレーのこぼれ球を詰める」という松本得意の得点パターンだって、立派なベストゴール候補だ。

 こういう、とるべくしてとる必然の得点を、どれだけ増やせるか。安定して勝てるチームになれるかは、それにかかっている。むろん、エンターテイメントとしての華のあるベストゴール選出などは、それはそれで楽しめばいい。

よかったらクリックお願いします
にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村

CfME22eVIAYhopy

 シーズンオフでヒマなのか、最近のサポさんたちの話題の一つに、ウタカの去就問題がある。「あの得点能力は捨てがたい。J1得点王を放出するのか?」、「いや、小林サッカーに、守備をしないFWは合わない」等、喧喧諤諤の議論が起きている。

 当S研の公式見解を申し上げれば、どちらかというと「要らない」という結論かな。確かに能力はすごいし、キャラクター的にも愛すべき存在である。静岡おでんを好物に挙げる外国人助っ人など、これまで聞いたこともなく、まったく憎めない男だ。

 ただ、所長が2015シーズンに受けた印象では、ウタカは決して1人だけで得点をとってしまうノヴァコヴィッチのようなFWではない。味方がある程度お膳立てをしてあげて、最後の仕上げをするというタイプだと思う。2015年には、むろんウタカはある程度の点はとったが、チームがウタカを助けられず、ウタカもチームを助けられないという、お互いに不幸な結果に終わってしまった。

 一方、清水からウタカを獲得した広島の関係者は、確か、「ウタカは清水さんではカウンター要員のようになって機能していなかったが、パスを繋いで崩すうちのやり方ならもっと生きると思った」というような趣旨のことをおっしゃっていたと記憶する。実際、ウタカは広島にフィットし、周りがウタカを活かす、ウタカも周りを活かすという良い関係性が成立した(特に浅野あたりとのコンビネーションが秀逸だった)。ただ、それでも広島では守備の貢献度が低いことが問題視され、シーズン後半には調子を落としたということもあって、高年俸に見合わないということで見切りをつけたのだろう。

 こうしたことを考えると、「広島で機能したから清水でも活躍できるだろう」、「10点は計算できる」などと早合点すべきではない。残念ながら、計算できるのは失点増の方だろう。ウタカ個人のことをディスる意図はまったくなく、どこか別の新天地で活躍してくれることを祈るばかりだが、とにかく今のうちには合わないということだ。

 そもそも、2016年の清水では、「テセとゲンキは共存できるか?」という問題が、我々を大いに悩ませたのである。これにウタカまでもが加わったら、個人的にはどう整理していいか、見当が付かないというのが本音だ。確かに、J1屈指のスリートップが誕生するかもしれない。メッシ、スアレス、ネイマールのMSNトリオの日本版、名付けてOUT(Omae、Utaka、Tese)トリオといったところか!? まあ、でも、名前からしてアウトだよね。

よかったらクリックお願いします
にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村

 北九州1:清水2 得点者:OG、大前元紀

 諸事情により、試合を取り上げる順番が前後しているが、悪しからず。

 2016シーズンには、良い意味でも、悪い意味でも、ロスタイムのドラマが数多くあった。その最初の「良いロスタイム」がこれであり、河井のクロスから大前のダイビングヘッドで、土壇場で勝ち越し点をもぎとったものだった。天候の優れない中、遠路駆け付けた清水サポさんたちも狂喜したことだろう。

 しかし、J1も厳しいリーグだが、J2も別の意味で厳しいリーグだということを、改めて痛感した。北九州さんは2016シーズンに躍進を遂げ、あわよくば2017年に新スタジアムでJ1デビューするなんて野望を秘めていたと思うのだが、結果的には最下位に終わり、まさかのJ3降格。2015シーズンに田坂監督の下でチームが成熟し、「今年こそはJ2優勝してJ1に復帰だ」と息巻いていた大分さんも、その年にあろうことかJ3降格の憂き目にあっている。選手層の薄いJ2のクラブは、デリケートなバランスの上に成り立っているので、ある年の成績が良くても、1人選手が抜けたりしてバランスが狂うと、次の年に一気に没落ということが起こってしまいがちなのだと思う。ギラヴァンツ、ホーム&アウェーと2試合戦ったけど、そんなに弱いチームという感じは全然しなかったけどねえ。

 まあ、それはそうと、北九州の新スタジアムは、清水にとっても模範になりうるものだと思うから、そのうち何かの機会に拝見にでも行ってみたい。

よかったらクリックお願いします
にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村

 山形0:清水1 得点者:デューク

 色々トピックの多い試合だった。2016シーズン唯一のウノゼロ勝利。デュークの初先発に、初ゴール(今季唯一のゴール)。その後、レギュラーボランチに定着することになる竹内の初先発(まだボランチの組み合わせを試行錯誤していた時期だった)。そしてテセの初出場、など。

 デュークはお子さんが生まれる直前だったか直後だったかで、ゴールを決めた後にお腹にボールを入れて、妊婦&おしゃぶりパフォーマンス。しかし、先発出場はここから3試合だけで、その後試合中ではなく練習中に不可解な大怪我を負ってしまい、長期離脱を余儀なくされた。まあ、それに代わるようにテセが出てきたのは不幸中の幸いだったが、この山形戦ではまだ30%くらいのコンディションであり、20分足らずの出場でもうバテバテだった。

 テセとゲンキの両巨頭が得点もアシストもせずに勝った試合は2016年にほとんどなかったが、その数少ない一つがこれだった。ピッチコンディションが良くなかったせいか、ゲンキのプレーにもいつもの精度がなかった。前半・後半の終了間際に、それぞれかなりヤバいピンチがあったけれど、何とかしのいで、降格チーム同士の戦いを制した。

よかったらクリックお願いします
にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村

first

 所長は、2016年、隣のジュビロの戦いを横目で眺めていて、「目標設定というのは、難しいものだな」ということを感じた。

 清水の苦い思い出として、2015シーズンに大榎監督が「J1リーグ優勝」という高い目標を掲げながら、現実にはチームが完全に崩壊して、降格の憂き目にあったということがある。「非現実的な高い目標を掲げると、ロクなことがない」というのが、我々の学んだ教訓だった。

 それに対し、2016年にJ1に復帰したジュビロの名波監督は、どうだったか? ご存知の方も多いと思うがこちらなどに見るように、「まずJ1残留を確実なものとできる勝ち点40を確保して、そこから少しでも上積みしていく」というのが、名波監督の表明した目標だった。実際、上の表に見るように、1stステージはその目標実現に向け着実に勝ち点を伸ばし、現実的な目標設定が奏功したかと思われた。ジュビロが予想以上に安定的な戦い振りを示していたことから、「目標を上方修正した方がいいんじゃないですか?」と名波監督に尋ねた評論家もいたが、監督本人は「とんでもないです」と、どこまでも謙虚に答えていた。

 しかし、2ndステージに、ジュビロは失速する。むろん、選手の移籍や負傷離脱といった要因が大きかったのだろうが、前半戦に勝ち点23を挙げたことで、「監督の言う勝ち点40まで、あと17か。楽勝だな」といった気の緩みが生じた側面もあったのではないか。結果、後半戦には勝ち点がまったく伸びず、最終節まで残留を争うことになってしまったのである。最終的な年間勝ち点は36だった。

 このように、目標設定というのは高すぎても駄目、低すぎても駄目という、とてもデリケートなものだと思う。そう考えると、2017年の清水にとっては、1桁順位(9位以上)といったところが一番良いサジ加減の目標設定という感じがするが、みんなはどう?

よかったらクリックお願いします
にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村

 京都2:清水1 得点者:北川航也

 シュート数やコーナーキックの数を見ても、明らかに清水が押していた試合だった(特に風上の前半は)。内容的には勝たないといけない試合だったが、かといって負けたのは偶然ではなく、守備の粘りの差だったと思う。今季の清水の選手は、浮き球のルーズボールに誰も競りに行かない場面が時々あったが、この試合の相手の先制点も、コーナーからエアポケットのような感じになり、山瀬に豪快ミドルを決められたものである。シュート自体はその節のベストゴールもののゴラッソだったが、良く見るとシュートコースにいた福村がブロックするのではなくシュートをよけており、この時期の清水にはまだそういう甘さがあった。2点目も、どこかの時点でファウル覚悟で止めるべきだっただろう。それに対し、敵は清水の得点源となっていた村田からのクロスをしつこい守備で封じ、大前&テセにも密着マークで仕事をさせなかった。

 この試合、途中までGK杉山力裕のプレーは悪くなかったのだが、2失点したあとの、虚ろな表情は、いただけないな。良い時もあるのだけれど、失点をすると落ち込んでどんどん悪くなっていくのが、リキの惜しいところだ。

 そんなこんなで、痛恨の今季アウェー初敗戦だったけど、終了間際の河井~白崎~北川の得点は、これ以降の清水の戦いに繋がっていく、一筋の光明であった。

よかったらクリックお願いします
にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村

 清水4:金沢1 得点者:大前元紀2、鄭大世2

 お待たせしました、ゴールデンウイークにして、今季ホーム初勝利。そして11ヵ月ぶりのホーム勝利。コバさんも勝ちロコデビュー。まあね、この時点で最下位の金沢さん相手だったし、いくらなんでもここで勝ってくれなきゃというところで、ようやく勝ちました。

 それにしても、4得点中3点までが、右からの綺麗なクロスを中央で頭で合わせたゴール。村田・川口が躍動したこの時期は、完全に右に偏重していたエスパルスであった。他方、この試合の録画を観返すと、一番印象に残ったのが、福村がクロスをミスして、テセが激怒していたシーンだった。怒られた福村は完全に委縮しており、その後の左サイドバックのレギュラー交代を予感させる。はっきり言って、松原のクロスの確率が福村のそれよりも高いとは思えないが、テセに怒られてもめげずにチャレンジを続けられるという鈍感力にこそ松原の持ち味があり、逆にそうした面での気の弱さが、福村がその後ポジションを失う結果に繋がっていったのかもしれないと、改めてこの試合を観て思った。

よかったらクリックお願いします
にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村

 先日、富士山静岡空港で、河井陽介選手と鎌田翔雅選手によるトークショーがあり、その模様を上掲のとおりYouTubeにアップしてくださった方がいた。ありがたいことである。

 それで、J1復帰記念トークショーなので、全体に安堵感に溢れた、ほのぼのとしたやり取りなのだけれど、個人的に非常に気になる部分があった。両選手がオフの時は何をして過ごしているのかという話になった時に、どうも2人とも海外のサッカーをほとんど観ていないようなのである。所長は、日本のサッカー選手にしても、サッカーファンにしても、草木もなびくように皆ヨーロッパになびいてしまう現状を、非常に嘆かわしく思っている。そういう意味では、自分のことを非常にドメスティックな価値観の持ち主だと自認している。しかし、現実として競技面で欧州が最高峰であることは間違いないのだから、清水の選手にも欧州のサッカーをチェックして、そのレベルを目標にしたり、自分のプレーに活かすような心がけは持って欲しいのである。ところが、今回のトークショーで河井は、「オフにサッカーの試合は観ない。今やっているクラブワールドカップなんかは、一応観たりもするけれど、テレビで流れているのを眺める程度」と発言している(すいません、きちんと文字起こししたわけではなく、だいたいそんなことを言っていたということです)。

 うーん、そんなんで、いいんだろうか? 所長なんか、プロでもなんでもないし、ヨーロッパのサッカーを観るのは癪に障るけど(日本人が観ることによってさらに欧州にカネが流れていくわけだからね)、一応はチャンピオンズリーグなんかを観て、清水の試合に活かせるヒントは見付からないか、白崎がこの中でプレーしたらどのくらい通用するか、なんてことをつい考えてしまう。クラブワールドカップなんかでも、清水は出ていないのに、朝からそわそわするし、試合が始まれば固唾を呑んで観戦する。河井は照れ隠しで「テレビで流れているのを眺める程度」なんて言ってるのかもしれないけど、もし本当にそうなら、チト意識低すぎじゃありませんか、アナタ?

 Jリーガーって、実はあんまり海外のサッカー観ていないというのは、時々指摘されることだけど、清水の選手たちもやっぱりそうなのかな? その点で、またテセを持ち上げる感じになっちゃうけど、テセは明らかに日頃から世界のサッカーにアンテナを張って、それを自分を高めるための糧にしており、そのあたりの意識からして、清水の他のプレーヤーと全然違うなと思ってしまうのである。

よかったらクリックお願いします
にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村

 清水2:讃岐2 得点者:大前元紀、鄭大世

 移籍話とかアウォーズとか色々話題はあるけど(白崎おめ!)、そういうのは皆さんにお任せして、当ブログでは淡々と2016シーズンの振り返りを続けようかと。

 順番が前後して申し訳ないです。4月17日の第8節。ホーム5試合目にして、ようやく初得点。出遅れていたテセが初先発し、J2得点王への第一歩となる初得点を決めたのもこの試合だった。しかし、またしても勝利はおあずけ。問題は失点であり、2失点ともなんだか変な失点だった。ディフェンスラインの連携や集中力の問題であり、キーパーはどうしようもなかった(この試合ではファインセーブも結構あった)。

 当日は土砂降りの雨だった。入場者数は6,552人。この5試合目までに2敗3引き分けで、挙句の果てにこんな豪雨の中で勝ち切れない試合を見せられたら、そりゃスタジアムから足が遠のくだろう。ホームの観客動員を考えると、この引き分けは結構痛かった。

よかったらクリックお願いします
にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村

 石毛秀樹選手のことを考えてたら、ちとモヤモヤしてきたなあ。石毛と言えば2012年のナビスコカップにおけるニューヒーロー賞が思い出されるわけだけど、下に見るように(出所はこちら)、改めてナビスコのニューヒーローの顔触れを見てみると、ほとんど日本代表クラスであり、少なくともJ1でレギュラーは張っている連中である。残念ながら、2012年の受賞者だけ、一般的な知名度およびJ1での実績が、ガクンと落ちることは否めない。石毛も、最初はアジア最優秀ユース(だっけか?)選手の鳴り物入りで、「マンCに3億円で売れる」といった噂まであり、確かにこのナビスコくらいまでは輝きがあった。しかし、そもそもナビスコのニューヒーロー賞は決勝戦の前に決まっているという、明らかな欠陥がある。2012年の決勝で躍動したのは、石毛ではなく、鹿島の柴崎だった。柴崎は前年のJ1リーグでもある程度出場していたので、ナビスコのニューヒーロー賞の資格があったのかどうかは知らないが、紛れもなく真のニューヒーローは柴崎だった。そして、2016年冬、柴崎がレアル相手に世界を驚かせたのに対し、石毛はJ1に復帰する清水を離れ、一人J2への武者修行へ。。。うーん、モヤモヤする。

young
よかったらクリックお願いします
にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村

 2016シーズン、第14節のアウェー東京ヴェルディ戦から左サイドバックを務め、結局最終節まで先発の座を守り通したのが、松原后選手だった。福村貴幸選手からレギュラーの座を奪った形である。

 それにしても、松原后ほど、2016年に我々をワクワクさせたり、ヤキモキさせたり、とにかく色んな感情を揺さぶってくれた選手はいなかったかもしれない。鬼師匠と駄目弟子みたいなテセとの師弟関係も、物語性があったし。とにかく、普通の物差しでは計れないというか、評価が分かれるというか、何とも表現しがたい存在が、松原后という男である。

 清水に入団した当初から、本人は海外移籍を視野に入れていたと伝えられる。また、テセがバラした話によると、本人は「3年以内に代表に入る」と豪語しているらしい。近年のエスパルスで、これほどまでに野心をギラつかせたプレーヤーがいただろうか? ただ、現時点の実力がその野心にまったく追い付いていないことは、誰が見ても明らかだし、さすがに本人も自覚している様子である。しかし、人間の成長というのは、本人が描いている目標以上には達しないものだから、ともかく野心が大きいということは、理論的な伸びしろも大きいということになる。師匠のテセも、「現状では后が代表なんてお笑い草だが、希少な左サイドバックというポジションだし、もしかするともしかするかも・・・」なんてニュアンスで語っていた。

 松原后は、プレースタイルも独特である。あんな変わったサイドバック見たことないというのが、所長の印象だ。テセも、「もっの凄く遅いドリブルなのに、なぜか抜いちゃう」と指摘していたが、確かに抜き方が普通のサイドバックと全然違うと思う。元々フォワードだったせいか、センターフォワードみたいな抜き方をする。あるいは、バスケットボールのフォワードみたいに、敵に体を預けてグイグイ押しながら、相手の体勢が崩れた瞬間に抜くみたいな、そんな場面が見られる。なんだか、やることも、風貌も、引退した矢島っぽいのよね。ポジションは違うけど。

 そんな具合に、野心と現実のギャップが大きく、伸びしろが計り知れず、プレースタイルも独特で他と比べられないなど、とにかく見ているサポの側は良い意味でも悪い意味でも色々とざわついてしまうという、これが松原后問題である。

よかったらクリックお願いします
にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村

 アントラーズなあ。まあ、清水サポの皆さんの間でも、応援する人と、「負けちまえ」と思いながら見る人と、立場が分かれたと思うが。個人的には、鹿島に勝ってほしいと思った。レアルの応援席に、レアルグッズに身を包んだ日本人のバカがちらほらいたが、ああいうバカ連中こそが、我々の真の敵だと思う。そういう連中って、白人の植民地経営の現地協力者みたいで、人間としての品性を疑う。

 清水と鹿島は、たまたま着ているユニフォームの色こそ違えど、日本の郷土に根を下ろし、その誇りを背に戦っている仲間同士に他ならない。むろん、それゆえにJクラブ同士は身近なライバル関係にあるわけだが、世界のサッカーに岩盤のように存在する「欧州とその他」という絶望的なまでの格差の構図こそ、我々が真に打破を目指さなければならないものだと思うのである。

 よく、Jのサポで、「うちの選手が、Jの他のチームに移籍するのは許せないけど、海外移籍なら応援してあげたい」とか言う人、いるよね。所長は、それとは少々異なる価値観である。どっちかと言うと、選手が欧州に流出してしまうことの方を、残念に思う。

 まあ、価値観は人それぞれだから、自分の価値観を他人に押し付けようとは思いませんけどねー。

よかったらクリックお願いします
にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村

 こちらの記事に見るように、駅に近い場所に多機能複合型のスタジアムやアリーナ整備を目指す動きが京都・滋賀で起きている。行政が多額の税金をつぎ込んできた体育施設から、民間と連携して「稼げる」集客施設へ、というシフトである。多機能複合型のスポーツ施設を中核にしたまちづくりは「スマート・ベニュー」と呼ばれ、国内外で広がっている。J2京都サンガの本拠地も、そのように生まれ変わる可能性があるようだ。我々清水としても、参考にしたいトレンドだろう。

よかったらクリックお願いします
にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村続きを読む

 長崎0:清水3 得点者:大前元紀2、河井陽介

 皆さんお気付きかどうか分からないが、2016年の清水は、九州の3チーム相手に6戦全勝だった。2016シーズンは、とにかく九州勢と北関東の某チーム相手に勝ち点と得失点差を稼ぎまくって昇格を遂げたようなシーズンだった。その4チームは、いずれもJ1未経験のチームなので、清水のブランドに勝手に気後れしてくれたのだろうか。

 そんなわけで、九州勢相手の6連勝の、最初の一歩になったのが、このアウェー長崎戦。清水のJ2での初得点(大前)および初勝利が記録されたのも、この3月6日だった。それにしても、改めて2016シーズンのカレンダーを見返すと、清水は3月6日にアウェー長崎戦、4月3日にアウェー熊本戦、4月23日にアウェー北九州戦と、よりによって九州でのアウェー戦が春先に連続していた(日程を知って、悲鳴を上げた方も多かっただろう)。所長はそのいずれにも参戦できなかったが、「3つ全部行った」なんて猛者もおられるのだろう。ただただ、敬服するばかりである。リーグ終盤の11月6日のアウェー讃岐戦、11月20日のアウェー徳島戦というのも、連続四国地獄だったし。むかし、プロ野球の独立リーグで「九州・四国アイランドリーグ」というのがあったが、J2というのはそれを地で行くようなリーグであり、ホント、こんなリーグに長居してたらサポの貯金があっという間に底をついてしまう。来年のJ2は、九州勢が2増1減であり、ますます九州に偏ったリーグになりそうだ。

 この長崎戦では、決めなければいけない北川航也のシュートシーンが2つほどあった。結局、航也はその後のシーズンでスーパーサブ的な地位を確立していくわけだが(9ゴールはすべて途中出場から)、この試合で決めていたら、また違ったシーズンになったのかもしれない。

よかったらクリックお願いします
にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村

 清水0:愛媛0

 2016年の全試合をスカパーのアンコール放送で振り返ろうという本シリーズ、「気付いた時にはもう第2節までの再放送が終わっていたから、第3節からお届けする」と申し上げたが、考えてみれば、スカパー!オンデマンドで2016シーズンの全試合がアーカイブになっており、いつでも観れるじゃないですか。今頃、そんなことに気付いた。そんなわけで、順番が前後してしまうが、開幕戦のお話。

 この試合の実況でも紹介されていたように、開幕前にキャプテン大前は「42戦全勝する」と言っていたわけだが、早くも初戦にして頓挫。orz また、石毛が「今シーズンはガンガン点がとれそうな気がする」と発言していたということも放送で紹介されたが、残念ながら現実はかなり違っていた。

 試合後に小林監督が「まさか、あそこまで引くとは思わなかった」とコメントしたこと,もあり、J2で引いた相手に苦労するぞと予感させたのが、この試合だった。ただ、改めて録画を観てみると、愛媛はごく普通に守備的にブロックを作って守っていただけという感もなきにしもあらずで、こじ開けられなかったのはただただ清水側の力不足、工夫の欠如ゆえだった。また、ハーフタイムに先方の木山監督は愛媛イレブンに「引きすぎるな」と指示したと伝えられたが、実際にそう指示していたのか、放送向けの陽動作戦コメントだったのかはよく分からない。

 愛媛側は、開幕戦、アウェーで清水相手に勝ち点1は上々という受け止め方だったと思うが、後知恵ながら、結局愛媛は2016シーズン20もの引き分けを重ね、それが原因で勝ち点が伸び悩んだわけであり(愛媛の負け数は10で、清水の8と2つしか違わない)、開幕戦がその引き分け地獄の始まりだったと言えなくもない。

 まあ、消化不良の開幕戦だったが、紛れもなくこれが思い出深い2016シーズンの船出だったし、「新しい戦いが始まる」というあの高揚感は忘れられない。

よかったらクリックお願いします
にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村

 スカパー!のJリーグ中継が今シーズンで終了と、正式に発表された。来シーズンからDAZNでより安く視聴できるようにはなるものの、スカパーの場合は試合の中継だけでなく、関連番組にも愛着があるし、所長的には、もう名人・下田恒幸氏の実況でエスパルスの試合を観れないのかと思うと、寂しさで一杯である。

 それにしても、DAZNは10年間の巨額契約と言うけれど、ネットや放送は栄枯盛衰の激しい分野であり、1~2年もすれば事業環境が劇的に変わったりすることもあると思う。DAZNだって、10年の間には経営破綻とか撤退とかあっても、何の不思議もない。聞いた話によると、Jリーグ業界内では、DAZNによる中継は長続きせず、すぐにスカパーに戻るのではないかといったことが囁かれているらしい。いずれにしても、Jリーグにしても、清水にしても、「向こう10年のマネーは大丈夫」などと安易に思い込まないことだ。

 とか何とか言いつつ、2017年に関してはDAZNに頼るしかなく、皆さん利用法とか諸々気になっていることだろう。「DAZN完全移行でJリーグ中継はどうなる? 某Jチームサポーターの記者が現状をまとめた」という良さそうな記事を見付けたので、よかったらご参照ください。

よかったらクリックお願いします
にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村

↑このページのトップヘ