以前、「小林監督が交代カードを切るタイミング」というエントリーをお届けしたことがある。それで、2016年の試合を前半戦まで改めて観直してみて、選手交代について、もう一つ気付いたことがある。それは、小林監督は2016シーズン一度も、いわゆる「2枚替え」をしなかったということだ。むろん、1試合で3人までしか選手を替えられないサッカーでは、2人いっぺんに替えるのはレアケースであることは事実である。しかし、2016シーズンの清水の42試合の中では、対戦相手が「2枚替え」を仕掛けてきたケースが、数回あった。それに対し、清水が一度もなかったということは、これは明らかに小林監督の特徴と考えていいのではないか(本来なら、小林監督の古巣での采配もチェックしたいところだが、そこまでの余裕はないので、ご容赦を)。

 たとえば、第21節の岡山戦、清水の選手交代は、

[65分]石毛秀樹 → 村田和哉

[77分]枝村匠馬 → 金子翔太

[90+2分]犬飼智也 → 角田誠

 という流れだった。65分の交代でFWの石毛を下げ、枝村をFWに回し、村田を枝村のいた右MFに置く。そして、その数分後に枝村に代えてFWの位置に金子を投入したわけである。素人考えでは、65分に石毛→金子 + 枝村→村田の一気2枚替えでもいいような気がするのだが、そこをあえて、1枚ずつ替えてポジションも動かし、様子を見ながら試合を進めていくのが、小林監督の交代術なのだろう。2枚替えというのはおそらく、勢い重視で、ラディカルな変化を起そうとする時に使う手だと思われ、コバさんはそういう博打的な手段とは無縁の監督さんなのだろう。

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