エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

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 このアウェー山形戦に乾が出場できないことは前節の時点で覚悟したが、直前になり北川も別メニューという情報が入り、当日蓋を開けてみたらカルリーニョスまで不在。攻撃の核3人を欠くこととなり、頭を抱えるしかない事態である。

 個人的には、こうしたリスクもあるので、シーズン序盤から、もっと選手を入れ替えながら戦った方がいいのではないかと、疑問を感じていた。ほぼ不動のレギュラーには過重労働を課し、逆に控え選手は試合勘が鈍る一方だからである。実際、秋田までの3連戦を終えて、一気に3人もの離脱者が出たわけだから、これまでレギュラークラスに無理を強いていたことは明らかであろう。

 その一方、昨日のアウェー山形戦を戦ってみて、期待した若手や控えが輝けず、「ああ、秋葉監督が不動のメンバーで戦っていたのも、無理はないな」と実感もした。J2随一の選手層と言われる清水だが、レギュラーと控えではかなり実力差があるということだろう。

 逆に言えば、秋葉監督本人は「誰が出ても自分たちのサッカーをやる」と強弁はするが、やはり秋葉清水は、特に攻撃に関しては、個人戦術頼りということなのだと思う。

 その逆が、山形というチームである。あのチームこそ、まさに「誰が出ても自分たちのサッカーをやる」チームであり、渡邉晋監督仕込みのポジショナルプレーがチーム全体に浸透している。最近の試合では「支配すれども決められず」という感じで、勝ち切れない試合が続いていたが、たぶんカオス的な秋葉清水は山形の良さを引き出してしまう面があり、戦術的に我が方の分が悪いのではないか。これで「3人衆」が健在なら、個人戦術で誤魔化しが効いたのかもしれないが、3人揃っての不在はやはり痛すぎた。


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 静岡市の新サッカースタジアム構想をめぐり、難波市長は26日、候補地となっている清水駅東口近くの製油所跡地の土地利用について、調査結果を発表したということである。上掲動画のとおりだ。

 新スタジアム消極派だった田辺前市長から、難波現市長に代わって、市の建設姿勢が多少積極的になるかと期待したが、難波という人も、田辺氏と同じ穴のムジナだった。田辺氏も、難波氏も、「市が引き受けるのは調査と利害調整だけ。実際のスタジアム建設には、公的資金はビタ一文出さない。これはあくまでも民間の建設プロジェクト」という立場である。

 日本のあちこちでJクラブのスタジアム建設プロジェクトが進められているが、地元行政がここまで冷淡なところは珍しい。これがまったくカネがないというのなら仕方がないが、水族館だの駿府城だのアリーナだのといった箱モノには公的資金を投入するのに、サッカースタジアムになると途端に出し渋るという点で、田辺氏と難波氏はまったく同じである。仮にも日本一のサッカーどころを自任する静岡市の市長が、なぜ2代も続いて反サッカー派なのだろうか。

 難波市長よ、カネは出さないのに、スタジアム推進派のような面をするな。「市はビタ一文出さない」と正直に言え。


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GD

 昨日25日には、桐蔭横浜大学との練習試合が行われたようだ。今季、秋葉清水のリーグ戦ではスタメンはほぼ固定であり、そこから外れている選手たちが出場した。

 昨シーズンまでであれば、ルヴァンカップのグループステージがあり、控え選手には、少なくとも公式戦6試合のアピールの場があった。それがなくなったというのは、かなり痛い。Gk沖なんて、ぜひプレーを観てみたいが、下手をしたら、今季1~2試合くらいしか公式戦の出場はないかもしれない。

 まあ、今までのレギュレーションでも、昨シーズンJ2で4位の清水には、今季ルヴァンの出場権は与えられなかったのかもしれないが(涙)。

 「エリートリーグ」というやつも、今年はないのかな?

 ルヴァンの完全トーナメント化、各クラブの戦力底上げという観点から、あまり得策ではなかった気がしないでもない。

 なので、控え選手は、練習試合でアピールするしかないわけだが、我々がそれを(わざわざ三保に足を運ばない限り)観られないというのは、なんとも物足りない。

 あるいは、秋葉監督がリーグ戦でもうちょっと大胆に選手を入れ替えながら使わないと、チーム全体の士気が保てない恐れもある。


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 清水は昨年秋田に1分・1敗で勝てなかったわけだけど、その両方とも、乾がいなかったらしい。だから昨年、清水が秋田に相性が悪かったのか、それとも単に乾先生がいなくて攻撃の創造性が低下したのかは、微妙なところである。

 そんなわけで、今年は乾先生有りの比較対照実験ができるかと思っていたのだけど、まさかの前半6分での負傷交代。バイタルエリアで交錯した時に傷めたのだろうか。試合後、サンダル履きではあったが、それほどひどく足を引きずる様子もなく、場内一周に参加していたので、重症ではないと祈りたいところである。

 いずれにしても、攻撃で違いを作る乾がいなくなったことで、メリハリのある攻撃はあまり期待できない試合になってしまった。

 ただ、その分、カルリーニョスが攻撃のアクセントにはなっていた。カルリは今季プレーがあまり冴えていない印象だったのだが、前節の得点で吹っ切れたのか、今回の秋田戦も引き続き生き生きプレーしており、サイドチェンジなど、彼のところから良い流れになったことは何度かあった。そして、カルリが中央に送ったクロスが、ポストに当たって跳ね返ったところを、北川が上手く合わせて、虎の子の1点を奪う。もっとも、あれは明らかにジェラのポジションがオフサイドであり、VARのあるJ1ならゴールが取り消されたのではないだろうか。

 右SBの吉田がほぼ守備専門なので、良いタイミングで右サイドに出ても、ブレーキがかかり、そこから何も産まれない。攻撃は左サイドだけの片肺飛行になっている。左の山原の位置が高く、右の吉田が低いので、3バックのように見えることもある。

 今季の清水、タイトにはなったが、なんだかラグビーの肉弾戦を見ているような印象も、無きにしも非ず。とかなんとか言ってるが、去年は7節までで勝ち点5、今年は6節までで勝ち点15であり、その差がすべてだ。


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 個人的に、千葉のフクアリでの観戦は、たぶん3回目かな。自分はゴール裏の住人ではないので、メインの中央付近ややアウェイ寄りが第一希望なのだけど、今回は、エスパサポの出足が良く、そのあたりが早々に売り切れたので、バックのややアウェイ寄りでの観戦となった(周りは8割方オレンジだったが)。

 フクアリ、良いとこだよね。駅から徒歩圏。専用スタジアムでピッチから近い。選手が脇のあたりから出てくるのはマヌケっぽくて嫌だけど(笑)。今回初めてフクアリのバック2階で観戦して、アイスタと違って傾斜が急であり、見やすさという観点では、J屈指だろう。まあ、高齢化した清水サポには急傾斜はチト辛いという説もあるが。

 他方、今回は満員に近かったので、ハーフタイムのトイレ混雑が酷く、個人的に早めにトイレ列に並んだつもりだったのに、後半の頭を見逃すハメになった。また、試合後に狭い出口に人が殺到するのも、非常に危険だなと感じた。あと、屋根に覆われている座席が多いようでいて、横の方の壁が開いていることもあり、実際には雨にさらされる座席はかなり多いだろう。

 清水の新スタは、こうしたあらゆる既存スタジアムの問題点を総ざらいした上で、完璧なものを作りたい。

 フクアリの収容人員は、19,781人か。清水の新スタは、当初山室社長が駅近で4万人と言っていたので、それなら国際Aマッチもできると楽しみにしていたのだが、いつの間にか2万人規模というようなスケールの小さい話になってしまった。ということは、清水の新スタは、今のアイスタやフクアリと同じくらいの規模感になってしまうということだろうか。清水は、アクセスが最悪のアイスタでも1.5万くらいは動員できているわけで、駅前新スタができアクセスが劇的に改善し、しかもこれから清水がJ1で躍進する(?)ことを考えれば、需要は2万では収まらないはずだ。少なくとも広島新スタクラスの2.9万くらいないと、新スタの意味がないと思う。


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 千葉戦の話の続きだけど、ベテランライターの後藤健生氏が、「あらゆる意味で熱かった千葉対清水。今シーズンの昇格争いを占う大激戦」という記事を出している。後藤氏のような大物が取り上げてくれるのは、有難い話だ。後藤氏の場合、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)という人なので、足を運びやすいフクアリに駆け付けてくれたのだろう。それで、この記事で気になったのは、以下の箇所である。

 実際、試合は激しいボールの奪い合いで始まった。ピッチ上の各所で選手同士が激突する。しかも、先立圭吾主審が選手が倒れても簡単には笛を吹かない“強気な”ジャッジでプレー続行を促したものだから、さらに試合はヒートアップしていった。

 確かに、先立主審は接触プレーを流す場面が何度かあったと思う。しかし、問題は、ジャッジ基準が一貫していないことだった。たぶん、手を使ったファウルは厳密にとり、足で多少削るくらいは大目に見るみたいな考え方なのかもしれないが、笛を吹いても吹かなくても、どちらも納得感が乏しいケースが多く、モヤモヤさせられた。選手と上手くコミュニケーションできているようにも見えなかった。

 まあ、乾の決勝点に繋がったジェラのタックルは、もしかしたらファウルにとる主審もいるかもしれないから、結果的に清水が不利益を被ったわけではなかったが。いずれにしても、この人、下手だなというのが、偽らざる感想だった。


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 現地で観ていて、異常にシュートが少ない試合だなとは思ったけど、最終的な公式スタッツによれば、試合全体で清水が7本、千葉はわずか3本か。しかも、後半は千葉のシュートはゼロだったんだな。後半にも、押し込まれる時間帯は長くて、ゴール前で冷や冷やすることは多かったんだけど、シュートは打たせていなかったんだな。

 陣形は違うけれど、お互いにハイプレス、即時奪還をコンセプトにしていて、「潰し合い」のような試合になったということだな。

 ただ、清水の側は、メンバーを変えずに連戦に臨み、体力面に不安があったためか、前節大分戦のようなプレスの迫力はなかった気がする。対する千葉は、アウェーで惨敗した後に迎えたホーム戦という、まるで大分戦の時の清水のような状況であり、気合十分で、出足の差で全体的に千葉が押し気味の試合となった。それに加え、やはり戦術的に千葉の方が洗練されていることは、否めない。

 そんなわけで、清水としては非常にしんどい試合になったわけだが、それでも守備で我慢していればいつか自分たちの時間が来るという典型のような展開が待っていた。少ない決定機をきっちりと決めきって、勝ち点3をゲット。昨シーズンから、どちらかと言うと、「支配しているようでいなかがら、試合を決める1点がとれず、逆にコロっと失点して勝ち点を落とす勝負弱さ」というのが清水のチームカラーだった気がするが、今回の千葉戦ではそれとは逆の、我慢して少ないチャンスを活かし勝ち切る姿があった。

 千葉の両ウィングが広く張って、そこからの突破で相手を崩すという話は聞いていたけど、その両ウィングに加えて中央でも2人くらい裏を狙っており、清水のディフェンスラインとしては相当神経をすり減らす90分だったと思う。しかし、長崎戦のような破綻はなかった。今回の千葉戦、最初から相手の戦術を踏まえてある程度我慢しながら試合を進めるというゲームプランだったのか、それとも結果的にそうなってしまったのかは分からないが、いずれにしても粘り強く勝機を探ってそれを掴んだ、価値あるアウェー勝利となった。


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GD

 次節に向けた視察とばかりに、鹿児島と千葉の試合を観ていたら、我々にもなじみの深い藤本憲明が大活躍で、千葉から計4点もとって激勝したものだから、驚いた。

 鹿児島の1点目、2点目はどちらも、ワントップの藤本が良いタイミングで裏に飛び出し、勝負ありという得点だった。千葉のディフェンスラインはその点で弱点を抱えているように見えた。

 だとすると、我々も次節、鹿児島にあやかり、北川の裏抜けで得点を重ねたいところである。では、藤本と北川、裏抜けはどっちが速いだろうか?

 日本復帰後の北川のプレーを観ていると、体が重くなり、加速にちょっと時間がかかるようになった印象である。スピードに乗ってしまえば速いが、初速が遅くなった感じだ。前節・大分戦の宮本が出した絶妙なスルーパスなんて、以前の身軽な北川だったら、追い付けたのではないだろうか。

 まあ、北川も悪いことばかりではなく、ヨーロッパに行って、プレー強度は高まった気はするし、若い頃より落としも上手くなったとは思う。本人もまだ新しいプレースタイルを模索中というところなのかもしれない。


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 前節の惨敗が良い薬になったのか、攻守に安定感を取り戻し、快勝。もう1点くらいとってほしかった気はするが、悪くない再出発となったのではないか。

 前節、守備陣が裏をとられたこともさることながら、簡単に蹴らせてしまったのが問題だった。その点、大分戦では、奪われたら即時に圧力をかけることで、相手にほとんどサッカーをやらせなかった。最終ラインにも、競り勝って跳ね返す力強さがあった。

 メンバーの入れ替えが多少あったが、色んな選手がかかわって勝利したというのも、勢いを付ける上で大きいだろう。吉田の右SB先発起用、白崎のサイドハーフ投入などの新機軸があった。今季初めての3バック変更も敢行し、原抜きでそれをやれたのも、オプションを増やす結果となった。

 ここで宮本にゴールが来たのも、必然という気がする。宮本は、昨年あたりから裏狙いの面白いパスを出すようになり、実は視野が広く攻撃センスもあることを証明していたが、今季は攻撃にかかわる意識がより積極的になり、攻め上がりの回数が増えた。何より、ホナウドと違って、変なボールの持ち方をして奪われて大ピンチという場面がほぼないだけでも、宮本の方がずっと良いと感じる。

 上手く説明できないが、片野坂監督のチームは、清水にとって割と相性が良さそうな対戦相手だった気がする。その意味でも、次の千葉戦が、本当の試金石になるだろう。


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J2_logo

 清水に一刻も早くJ2から脱出してほしいと思うのは、J2にいるのが単に屈辱だからというのも当然あるが、J2ではDAZNの実況・解説の質がかなり落ち、テレビで観ていて満足感が得られないというのもある。

 正直言うと、私はあの長崎の実況の人が好きではない。ボキャブラリーが乏しく、ワードセンスが貧弱で、当たり前のことをどなっているだけの実況である。ああいうのを聞くたびに、ああJ2から早く抜け出したいなと、実感する。あの実況で清水の惨敗を観るというのは、二重の苦痛だった。

 実況が下田さんとかだったら、たとえ自分のひいきチームが負けても、実況の付加価値で、サッカーの試合を観たというある種の満足感は得られるが、J2界隈ではそうは行かない。


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