エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

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 それにしても、まったく信じられない話である。去年の今頃、この男は、引き受け先が見付からず、引退も考えていたのである。プロビンチアの練習生として、カネももらわずにボールを蹴っていたのである。

 乾貴士。今の活躍を見れば、J1の上位チームでも、欲しいというクラブはあるだろう。いや、年齢のネックはあるにせよ、海外クラブだって、興味を示すところはあるのではないか。

 こうなると、我が軍の浮沈は、彼が長期離脱などすることなく、シーズンを駆け抜けられるかどうかにかかっていると言っていい。もう一つ、極めて気がかりなのは、彼が再びカードをためこんでしまい、2度目の累積出場停止にならないかという点だ。周知のとおり、2度目は、2試合も出場できなくなる。リーグ戦終盤の勝負所で、乾を2試合も欠くようなことがあったら、清水は事実上終戦だ。今回の大分戦、後半に乾が勝ち越しゴールを奪った後、乾にイエローが提示されたように見えたときには、所長は悲鳴を上げてしまった。実際には、提示されたのはカルリで、カルリには悪いが、心から安堵した。

 それにしても、この大分戦、秋葉監督が後半頭から3・4・3に変えようと思ったのに、選手から反対の声が出て、やめたというのは、いくらなんでも監督の権威としてどうなのかという気がしないでもない。後半途中にも、権田が「3・4・3はムリ!」と叫んでいるのが聞こえたような気がするが、あれも権田は秋葉采配に異を唱えていたのだろうか?

 秋葉さん、戦術では選手たちに譲歩してもいいけど、くれぐれも乾には、イエローもらうなよと、強く言い聞かせてくれよ。それがアンタの最大の仕事だよ。


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 細かいことは別として、先制、中押し、駄目押しと3点がとれ、試合の流れも上手くコントロールでき、試合展開的には危なげなく勝利を収めた。

 アウェーで弱い、東日本のチームに勝てていない、水曜日未勝利と、色々あった嫌なジンクスを払拭したという意味で、大きな勝利だ。

 まあしかし、誰が見ても、仙台の絶不調に助けられたゲームだったと思う。詳しい事情は知らないが、先方はキーパーを含め、明らかに守備ラインに不安を抱えており、それがモロに試合結果に出た。清水の攻撃に耐えられないだけでなく、アシストまでしてくれた。先方がばっちりベストメンバーが揃い、本来の戦いをしてきたら、こう簡単ではなかったと思う。

 清水も、安全な点差になり、緊張感が緩んだのか、最後の方はだいぶ怪しい内容だった。相手に決定力があったら、2失点くらいはしていただろう。

 秋葉清水、MF、FWに関しては、今回の先発メンバーが、現状のベストメンバーではないだろうか。それが機能したのは良かったのだけど、それだけに、途中出場選手の出来の悪さが、気になってしまう。3点差ついたので、無理に攻めなかったという側面もあったにせよ、それでも何度か迎えた決定機を、ことごとく外してしまった。控えの出来が低調だと、「本当に清水の選手層は厚いのか?」と、不安になってしまう。


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 今の清水が勝つためには、先手必勝、先制点がすべて、前半が勝負である。その意味では、前半2点もとれたことで、完全な勝ちパターンだったのだけど、そこからがマズかった。

 秋葉清水、後半に相手がメンバーやシステムを変えてくると、対応できずに、劣勢に回ることがよくある。今回もそんな試合で、対応が間に合わず、同点まで行かれてしまった。このあたり、基本的にはベンチワークの問題だろうが、もうちょっとピッチ上で解決してほしいという気もする。

 そう考えると、試合後に乾がこんな風に語っていることが、心強い。逆に言えば、監督が根性論に傾きがちなだけに、インテリジェンスの部分も、乾に頼らざるを得ないということだろうか。

 後半は、相手も2-0からだと前に来るので、そこを自分たちが受けに回ってしまったというのが全てだと思う。相手のコートでボールをキープしたりとか、ボール回しをするというのをチームとして統一しなければいけないし、あれだけロングボール入れられてセカンドボールが拾えてない。セカンドボールを拾えるようにどうしたら良いのか、もう少しコンパクトにするためにどこからプレッシングに行くのかというところもみんなで話し合ってやっていきたい。

 オセフン先発起用に、少々疑問を感じたが、アシストで結果を残したのは良かった。本来は大エースのはずのサンタナに、切れや冴えがまったく見られないので、監督もセンターフォワードの人選に苦労しているのだろう。現時点で、得点の期待感が一番あるのは北川なので、ポストタイプにこだわらず、北川を軸にしてもいいのかもしれない。


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 前半を観て、「ああ、今日は点をとれないな」とは思ったが、まさか失点までするとは。

 まあしかし、秋田の側は、観ていて楽しいサッカーではないけれど、戦力が低いなりに、勝つために必要な作業をそれぞれが忠実に実践しているという印象だった。タレント無き町田と言おうか。

 残念だったのは、後半のかなり早い時間帯で(具体的には49分に失点すると)、清水の選手たちに焦りやイライラが見えたことである。確かに審判は酷かったが、それよりももっと酷いのは自分たちのプレーなのだから、自分たちに矢印を向けるべきだろう。

 この試合を観る限り、清水の選手たちは止める・蹴るが本当に下手である。もちろん、チームとして上手く行っていないので、下手さが増幅して見えるというのはあると思う。ただ、チームとして機能していないのを技術で補うようなことはできておらず、逆になっているのが残念だ。

 たとえば、良い頃のフロンターレの試合を観ていると、パスをする時に、パスを受けた選手が次にどういうプレーをしてほしいか、たとえば「利き足に出すからそのままスペースに運んでくれ」みたいなメッセージ付きのパスであることが多い。今の清水の選手は、「味方がいる方向に適当に蹴る」みたいなパスばかりであり、しかもそれが往々にして1メートルくらいずれたりする。こうなると、パス回しはボールを失わないだけでやっとになってしまい、いくらパスを繋いでも時間がかかるだけで相手は容易に対応できる。

 戦術=乾とはよく言ったもので、秋葉清水-乾=無 ということが良く分かった秋田戦だった。


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 群馬の地でも、清水が勝てない時のお馴染みのパターンを繰り返してしまった。良いリズムで攻めているようでいながら、先制点が奪えない。そうこうするうちに、何だかよく分からない失点をして、試合が難しくなる。その後、必死に巻き返すものの、同点がやっと、頼りの乾が退いて、万事休す、といったところだろう。

 押し込めば押し込むほど、得点の匂いがしないというのは、何なのかな。このあいだ、秋葉監督のインタビューで、試合前に欧州のゴールシーンを選手に見せてイメージさせているというような話を読んだが、効いているようには思えない。ゴール前のフリーキックも、西澤やディサロが外すのを見て、「知ってた」と言いたくなるような、期待感のなさ。

 アウェーとはいえ、先方はJ2残留だけを目指しているクラブのはず。秋葉清水、時々大量得点するから、錯覚してしまいがちだけど、本当に弱いんだな。


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 そんなわけで、浦和に勝ち切れず、天皇杯に続いて、ルヴァンも終戦となってしまった。

 正直言うと、最近個人的に、J1のダイジェストなどを観ると、そこが清水が戻るべき場所ということは分かるのだけれど、「こんなところに戻ったとして、清水はやれるのだろうか…」などと、弱気になっていた。権田のスローモーション発言ではないが、今年清水がJ2でやっているサッカーに比べると、ダイジェストで観るJ1の試合はスピードやインテンシティが別次元に感じられ、とても清水では通用しないのではないかなどと思ってしまうからだ。

 そういう意味では、ルヴァンでJ1勢と公式戦を6試合やれたのは、日程的にはキツかったが、自分たちの現在地を知る上で、有益な機会だった。そして、結果としても、Bグループの中で2位でフィニッシュ。浦和には2分、川崎には1勝・1敗、湘南にも1勝・1敗と、どれも五分だった。しかも、川崎と湘南相手の敗戦は、状況的に最初から負けを覚悟した戦いであり、ある程度本気を出した試合ではすべて勝ち点をとった。

 まあ、ダイジェストで観ると、良い場面ばかりなので(笑)、J1のレベルがすごく上に見えるというのもあるだろう。実際やってみて、今の清水がJ1にまったく歯が立たないということはなさそうだ。言い換えれば、J3に負けることもあるが、J1に勝つこともあるというのが、秋葉清水ということか。自分たち独自のサッカーが確立されているわけではないので、先制点とか、そういうことに左右されて勝ったり負けたりというチームなんだと思う。

 現実的に考えれば、今回の敗退で、秋の日程はかなり楽になる。ミッドウィーク開催とされていたリーグ戦を、週末に振り替えることが、近く発表されるはずだ。


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 天皇杯敗退、リーグ戦アウェー連敗中、謎の大量離脱と、チーム状態はどん底だったが、どうにか勝利。

 それにしても、清水と熊本は正反対のチームだ。タレント力だけの清水と、組織力だけの熊本。熊本は昨年躍進したが、今季開幕前、大量の戦力を抜かれ、今季の戦いは難しいものになるのではないかと予想されていた。しかし、新加入選手も、完全に大木流のショートパスサッカーを身につけ、チームとしてしっかりと機能しているのは、さすがだ。ネームバリューのない選手たちが、皆きっちりと機能している。味方が必ず上手い位置にいて、淀みなくパスが繋がっていく様は、今の清水には到底実現できないものだ。ついでに言えば、ポゼションが上手いチームはスローインもスムーズと言われるが、この点も、スローインで異常に時間をかけたあげくにマヌケにも相手に奪われたりする清水とは正反対だと感じた。

 というわけで、サッカーの構成力の部分では、熊本が月、清水がスッポンだった。ただ、熊本の場合には、せっかく巧みなボール回しで敵ゴール前に迫っても、そこからの迫力がない。もしそれがあったら、今回の試合も、清水は2、3失点していたのではないか。

 思えば、近年の清水は、「ウノゼロ勝利」とは縁遠いチームになっている。去年は最後に必ず追い付かれたし。今年も、ウノゼロ勝利はこれが初めて。勝つ試合で大量得点できること自体は喜ばしいが、ぎりぎりのせめぎ合いになった試合で、1:0で粘り強く勝ち切るようなことは、まったくできていなかった。そう考えると、熊本戦の勝利は、大量得点の大勝よりも、価値があると言えそうである。


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 「こんなところ」などという表現を使ったら山形さんに失礼かもしれないが、やはりうちとモンテでは、かけているお金、地元の熱量、クラブとしての規模が全然違うと思う。確かに先方は調子が上がっていたし、実際戦ってみてもしっかり守ってくる相手ではあったが、やはりJ2中位の普通のチームと言わざるをえない。その相手に、良い入りをしながら、勝ち切れないとは、本当に先が思いやられる。

 これで、アウェー3連敗となったわけだが、以前も書いたとおり、実はこのアウェー3連敗で個人的には、清水の攻撃の質は上がっているように感じている。

 たとえば、ゼ・リカルド時代は、シュート数が多く、「あとは決めるだけ」という言い訳が良く聞かれたが、当時の清水の試合を観ていて、シュートが入らないのは必然だと、個人的には思っていた。時間をかけてタラタラ回した挙句に、可能性が低いペナ外からのシュート、ロングクロスからのシュートと、苦し紛れのフィニッシュばかりであり、あれでは入らないのは当然だった。リカルド時代の「あとは決めるだけ」は、完全なウソだった。

 しかし、今回の山形戦の前半は、本当に「あとは決めるだけ」だったと思う。そして、前半のうちに1点でもとっていたら、追加点もオマケでついてきて、完勝できたはずである。

 ただ、いったん追いかける展開になると、そして選手交代をすると、とたんに攻撃のクオリティが落ちるというのは、何とかならないものか。今回の山形戦の後半など、草サッカーにしか思えなかった。

 勝ちパターンに持ち込めば大量得点で大勝するが、いったん歯車が狂うと反発力を示せないというのが、今の清水だろう。これでは厳しい。


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 試合前にメンバー表を見て、「こりゃ、選手交代をする前に2点はとらないと厳しいぞ。選手を代えるたびにパワーが落ちていく、いつものパターンだろうから」と感じた。実際、そんなような試合になった印象だ。

 個人的には、やはり今の清水の問題は、乾がいるのといないのとで、全然違うチームになってしまうことだと思う。なので、乾が途中交代した後に誰が入るのかが問題で、清水のメンバーを見渡せば、強いて言えば神谷がその互換だろう。なので、神谷は先発させず、乾のバックアッパーとしてとっておいて、乾が途中交代しても、90分同じくらいのチーム力を維持できるようにした方がいいのではないか、などと思っていた。もっとも、最近、乾はプレー時間が伸びる傾向にあり、今回の金沢戦でも85分までプレーしており、終盤もそんなに落ちた印象はない。ならば、乾と神谷のダブル先発は、中山欠場という条件下では、最適解だったか。

 カルリの状態は分からないが、仮に中山とカルリを一定期間、両方欠くことになったら、痛いな。ディサロと北川がイマイチ当てにならないだけに。

 さて、そんなわけで、金沢戦、割と危なげなく勝ったわけだが、こういう隙を見せてくれる相手に、複数得点、大量得点できたからと言って、「相手がブロックを組んでしっかり守ってきた時に極端に攻撃力が落ちる」という課題は未解決のままである。このままだと、弱いものいじめだけのチームになってしまい、先日の町田のようなタフな相手には競り負ける、勝負弱いチームになってしまう。それでは昇格はおぼつかない。

 試合後、神谷が以下のとおり語っており、所長の認識を代弁してくれた感じだ。

 3点ともショートカウンター気味で、自分たちがボールを作っている時ではなかった。前からしっかり守備が行けていたが、あとは流れから点が取れたり、セットプレーから点が取れたり、バリエーションを増やしてゴールを取れたら一番良いのかなと思う。

 チームとして点が取れているので、良く見えてしまう部分もあるが、ゴール前でのコンビネーションとか崩しというのをもっと正確性を出していかなければいけないし、そのクオリティを上げていかなければいけないと思う。


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 はっきり言って、この大会は4月19日にアウェーで川崎に0:6と大敗した時点で、終わったと思っていた。4月16日のJ2第10節のアウェー山口戦に6:0と大勝はしたものの、2度の試合中断があり、その日のうちに静岡に帰ってこれるかどうかという、楽勝に反した過酷な旅程となってしまった。ゆえに19日のアウェー川崎戦は、勝敗はほぼ度外視で、実質的にユースチームで戦うことを選択せざるをえなかった。

 今季のルヴァン、勝利、引き分けと良いスタートを切っていただけに、大会を捨てるのはもったいなかったが、J1復帰という至上命題を見据え、今後の日程を考えれば、残り2試合の敗戦処理はユースに任せ、リーグ戦に集中するのが現実的だろうと思われた。

 しかし、昨日のメンバー表を見たところ、これは大会を捨てたわけではなく、むしろ勝たなければならないメンバーだと、驚いた。以前から、この湘南戦はスタジアムで現地観戦をすることを決めていたが、「勝利を願い応援したものかどうか…」と微妙な心境だったところ、これはもう完全に必勝モードだろうと、個人的にも考えを変えた。

 蓋を開けてみれば、見たこともない433の布陣で、前半は相手にほとんど何もやらせない、頼もしい秋葉清水があった。433だと、なぜ湘南の布陣に上手く合うのかというのは、所長の低いリテラシーではよく分からないが(笑)、まあとにかく上手く行った前半だった。完勝ムードから一転して、後半ズルズルと失点を重ねてしまったのは情けなかったが、最後はありそうでなかったサンタナ&セフンのツインタワー戦法も見られたし、まったく期待していなかったミッドウィークのカップ戦で、思わぬ拾い物をした。

 ただ、それにしても、ルヴァンで勝ち上がった場合の、日程面の不安が、個人的には拭えない。


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