エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

 J1が、世界でも稀に見る混戦になりがちな、大きな要因の一つは、ACLである。Jの強豪チームは、日本の中ではビッグクラブであっても、欧州のビッグクラブのように、2チームくらい楽に作れるような選手層があるわけではない。ACLは、移動や遠征先の環境なども、過酷な場合が少なくない。これがJの強豪チームから体力を奪い、国内リーグ戦で下位が上位に一泡吹かせる可能性を高めるわけである。特に、先方がミッドウィークにACLを戦い、週末に我が清水とリーグ戦で戦うようなケースは、我が軍にとってチャンスのはずである。

 ところが、今季清水はここまで、川崎、鹿島、広島、浦和というACL組に対し、0勝・2分・5敗。そもそも、ACL組は強いチームなわけだから、苦戦するのはやむをえないにしても、先方の「ACL疲れ」を一度も活かせなかったのは、大問題だと思う。

 整理をしておくと、まず今季の清水の開幕戦は、広島が相手で、先方は4日前にACLのプレーオフを戦ったばかりだった。ただ、それはホームだったし、相手も強豪というわけではなく、それほどJ開幕戦への影響も残らなかっただろう。広島VS清水は1:1に終わった。

 清水にとって一番まずかったのは、浦和との対戦だ。4月のホーム戦は浦和がACLから中3日(しかも韓国遠征)だったのに0:2敗戦、10月のアウェー戦も浦和がACLから中3日だったのに1:2で敗れた。ともに、先方の「ACL疲れ」を活かせず。はっきり言って今季の浦和は、「ACLと清水戦でしか勝ってない」という感じである。

 さて、清水が5月にアウェーの鹿島戦で0:3で敗れたのは、ACLとは関係なかった。問題は、9月1日のホーム鹿島戦である。先方は、中国広州への過酷なACL遠征から中3日で疲労困憊のはずであり、この相手をたたけなければ恥という状況だったが、何とその試合で0:4惨敗。

 5月、川崎にホームで0:4と敗れ、監督の首が飛んだ時も、先方はACLから中4日だった。こうして見ると、清水はACL疲れに付け込むどころか、むしろACLを戦ったばかりの相手を苦手にしていると言った方がよさそうである。8月にはアウェーで川崎と2:2で引き分けたが、先方はすでにACLで敗退していたので、これは関係ない。

 そんなわけで、次節広島戦。広島もとうにACL敗退しており、疲労云々の要因はもう関係ない。いずれにしても、最後に一つだけでも、ACL組に勝ってほしいと思うわけである。

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 浦和戦の後半に松原がペナ内で浮き球を処理した場面が、DAZNの「ジャッジリプレー」で取り上げられていて、「あの場面はハンドでPK、松原にはイエローカードが相当」というのが番組の結論だった。カードの色については、あのまま流れても浦和の決定機になったという確証はなく、決定機阻止とまでは言い切れないので、レッドではなくイエローが妥当と解説されていた。

 鳥栖VS東京戦では、試合終了間際に誤審によってゴールが認められ、それによって首位戦線も残留争いもモロに影響を受けることとなった。それとは違って、浦和VS清水戦では、結局清水が敗れたことから、くだんの松原のプレーは、試合結果に影響したわけではない(もしかしたら、清水が早めに勝ち越し点を奪われた方が、反撃の時間が長く残されて、かえって同点に追い付ける可能性が高まったんじゃないかとか、ちょっと夢想もしたくなるが)。まあ、いずれにしても、負け試合の中の一幕にすぎなかった。

 ただ、もしも番組の結論のように、松原にイエローが出ることが妥当だったとしたら、彼はリーチがかかっているので、次節出場停止になったかもしれず、そのことの影響は非常に大きかっただろう。何しろ、うちのフィールドプレーヤーでは唯一、先発フル出場を続けているので。

 次節、もしも松原を欠いたら、左SBはどうしていただろうか? 二見をサイドに回して、立田がCB? それとも、福森が左SBでデビュー? まあ、そういう意味では、清水にもまだツキはあるのかもしれない。

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 数日前から報道では伝えられていたテセの腕の怪我についての情報がクラブから正式に発表され、右肘関節脱臼で全治までは8週間を要する見込みということである。

 浦和との公式戦で名誉の負傷を負ったというならともかく、失礼ながら名前も聞いたことのないようなチームとの練習試合で大怪我というのが、そもそも微妙である。最近の清水の負傷者、公式戦よりも練習試合の方が多く出ているような印象があるのだが、どうなっているのだろうか?

 大黒柱のドウグラスが体調不良を起こしている上に、左手小指の骨折が判明したということである。骨折判明という文字がネットに踊った時には絶望的な気持ちになったが、サッカー選手で手の小指の骨折がプレーにどの程度影響するのかは、良く分からない。

 一つだけ確かなのは、ドウグラスが万全でなくなり、今こそテセの力が必要という時に、肝心のテセが長期離脱という、そのことのもどかしさである。もちろん、一番悔しいのは本人のはずであり、責めるのは酷であるが、とにかくやりきれない思いだ。

 「ドウグラスと心中」と開き直って戦ってきたシーズンだった。ここまではそれが上手く行っていたが、最後にツケが回ってきた形だ。

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 試合のインターバルが空いたので、ネタ稼ぎに、またいつもの勝敗折れ線グラフ。

 浦和戦で勝ち点3だったら、「躍進」した2018年のペースを上回ることができたのだが、惜しいことをした。

 今季の清水の場合、救いなのは、勝てる時は勝てると言おうか、勝つか負けるかはっきりしていて、引き分けが少ないことだね。2017年は引き分けでの勝ち点1を落穂拾いのように拾い集めて、どうにか残留したけど、今年はそれとは違う。対戦相手との戦術的噛み合わせががっちりはまった時には、勝てる。それが救い。

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379

 10勝・5分・13敗で、勝ち点35。J1の中堅チームとしてはまあまあ普通の数字だし、特に篠田監督に代わってからは2つ勝ち越している。だから、本来そんなに悲観すべきではないのかもしれないけれど、どうも心が晴れないし、降格の恐怖も薄れない。

 その最大の原因は、負け試合の「負け方の悪さ」にあると言えるかもしれない。敗戦の大半が大量点を奪われての大敗だし、浦和戦は1点差だったが、試合運びが不味く、崩れ方が脆すぎた。今季、13回負けた試合を思い起こしてみると、どの試合も「負けるべくして負けた」という印象が強い。1つ負けるたびに、絶望的な気持ちになり、1敗で2敗分くらいのダメージを味わうから、それで実際の勝敗数以上に不安感が大きくなってしまうのだと思う。

 現時点で、入れ替え戦に回る16位とは、勝ち点4差。他にも低迷しているチームは数多くあり、清水が大崩れさえしなければ、逃げ切れると思うのだが。しかし、そうした中で、FWに怪我や体調の不安がまた出始め、その「大崩れ」が起きてもおかしくないような予兆が漂っている。

 あと一歩なんだけど。積み上げるべき勝ち点は。もどかしい。

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 へえ、川崎の攻撃力って、大したことないんだね。湘南相手に5点しかとれないのか(笑)。

 なんて軽口をたたいて、浦和戦敗戦の憂さを晴らす今日この頃。皆さんはいかがお過ごしですか。

 湘南のチョウキジェ監督のパワハラ騒動、去就問題を、外野から眺めていて、所長なりに、色々思うところはある。まず、Jリーグによる調査が長引きすぎて、湘南のチームにとっては気の毒だったということだ。調査の時間がかかっているうちに、湘南はみるみる成績を落とし、完全に残留争いに巻き込まれてしまった。どんな結論にせよ、Jリーグがなるべく早く結論を出し、湘南が宙ぶらりんの状況から抜け出せるようにしてあげるべきだっただろう。もし今季、湘南が降格することになったら、残留争いがJリーグによるパワハラ裁定のさじ加減で決まってしまったという意味で、公平さを欠くことになろう(むろん、今の清水にとっては結果的に助かるが、そのことは別問題)。

 その一方で、伝えられているようなパワハラが事実だったとするなら、チョウキジェ監督はアウトだろう。昨日、同監督の退任がようやく発表されたが、続投などということになったら(一時はそういう雰囲気もあった)、非常識な判断だったろうと思う。

 当S研でも、チョウ監督の作り上げた湘南イズムを称賛したりしたことがあったが、それが人権侵害の上に成り立っていたのだとしたら、謹んで評価を撤回したい。湘南のような予算規模の小さなクラブをJ1で戦えるチームにするためには、監督が多少強権的に選手・スタッフを叱咤激励することは必須だろうが、当然越えてはいけない一線があり、それを越えた事実が明らかになったわけだから、退陣は当然だろう。

 さて、今回、この問題に触れたのは、戸田和幸氏のブログで「見て見ぬふりをしない」という記事を読んだからである。当S研では、何度か戸田氏に言及し、清水の監督就任待望論を唱えたりもしたが、今回のブログを読んで、改めて日本サッカー界にとって大切な人だと感じた。こんなOBを、ぜひクラブにとっての資産として活用したいものである。

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 痛恨だった浦和戦。前半ラストプレーの失点も問題だったけど、2失点目も、自ら呼び込んだような印象だった。あれだけ、ディフェンスラインが押し上げられず、ズルズル下がって、跳ね返すだけになってしまったら、決壊するのは時間の問題だろう。

 そこで惜しまれるのが、離脱した吉本の不在だろうか。彼はディフェンスラインの上げ下げを統率することに強みがあり、吉本がいたらああいう後半にはならなかったのではないかと思いたくなる。

 そうやって考えると、この夏の清水の補強、当初は良い仕事ができたような気もしていたが、現時点で評価すれば、即戦力として機能しているのはGK大久保だけである。

 問題は、期待が大きかったドゥトラだろう。彼は入団当初、「しばらく試合から遠ざかっているので、少々時間がかかるが、そのうちフィットすれば大きな力を発揮してくれるはず」というような話だった。しかし、浦和戦での動きを見ても、依然としてキレというものを感じない(決定機を外したから言うわけじゃないが)。

 もう10月であり、温暖化の進む日本でも、さすがに秋風が吹き始めた。入団から2ヵ月以上経っても、まだ期待したような動きが見られないとしたら、それは「フィット」云々ではなく、単なるプレーヤーとしての衰えなのではないかという疑問も抱いてしまう。

 頼むから、そんな疑問を吹き飛ばすような目に見える活躍を、早く見せてくれ。

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 おそらく、多くの観戦者の意見が一致すると思う。前半のラストプレーが、この試合を決定付けた、と。

 負け惜しみを言うわけじゃないが。浦和は相当弱かった。リーグ戦でまったく勝てていないのも、道理だなと思わされた。その浦和以上に弱かったのが、清水ということになる。

 前半、清水がブロック守備を敷いている時には、浦和は何もできない状態だった。あのまま、浦和がボールを持っているけれどチャンスらしいチャンスを作れないという状態をずっと続ければ、清水は少なくとも引き分けには持ち込めたのではないかと思う。それが、引き分けどころか、望外にも、ロングスローから先制点も奪えた。清水がその後の戦い方さえ間違えなければ、勝ち点3の可能性すら生じてきたのである。

 しかし、先制点の立役者のドウグラスが、前半アディショナルタイムに愚行を犯す。誰がどう考えても、リードしたまま前半を終えることを最優先すべき状況だった。それが、可能性がきわめて低いトリッキーなヒールパスでボールを相手に渡し、そこからのカウンターで、同点弾を被弾。清水の失点パターンを考えれば、ああいう変な形でボールを奪われるのが一番危ないわけであり、絶対にやってはいけないプレー選択だった。言いたくはないが、「鹿島だったら絶対にやらない」行為である。前半ラストプレーのゴールにより、浦和のイレブンもサポも完全に息を吹き返し、後半はまったく違うゲームになってしまった。

 ヘナトこそ間に合わなかったものの、不整脈の再発が心配されたドウグラス、コンディションが不安だったエウシーニョが、出場して割と普通にプレーしていたことは、今季の残りのことを考えれば、朗報ではある。逆に言えば、それだけが収穫のゲームだったか。

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 当S研をお読みいただいている方ならお分かりのとおり、このブログではざっくりした戦評を語る程度であり、戦術論を踏まえた緻密なプレビュー・レビューなどは能力的にまったくやることができない。それに対し、最近は素人さんなのに、詳細な戦術分析などをなさる方もいて、感心させられる。

 たとえば、本日の清水VS浦和戦を前にして、スポーツ新聞を買って事前情報を得ようとしても、せいぜい数行の簡単な記事が書いてあるだけだろう。使えるスペースが大きくないし、そもそもスポーツ紙の記者がどれだけサッカーに通暁しているかは不明である。

 今回、清水VS浦和戦の事前情報を探してみて、一番すごいと思ったのが、「浦ビュー」というこちらのサイトだった。浦和サポによるものだが、清水の試合も数多くチェックした上で論じているらしく、清水サポなど以上に、我が軍の傾向と対策を克明に論じている。恐れ入ったという感じである。所長も、もうちょっと能力や余力があったら、こういうプレビュー・レビューをやってみたいが、まあ無理だろう。

 あまりにも詳細かつボリュームたっぷりに論じているので、途中で吐きそうになるが(笑)。まあ、素人さんがタダでこんな情報発信したら、だれも有料メディアとか買わなくなるわな。

 明日あたり、この「浦ビュー」さんの、敗戦の弁でも読んでみたいものである。

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 川本君に続いて、有望な新人の来季内定が、もう1人決まったようだ。市立船橋のMF鈴木唯人君。それで、川本君の時に、「エスパルスでプロ選手としてスタート」という表現は、清水はあくまでも第一歩に過ぎず早くも将来的なステップアップに意識が行っているような印象を受けてしまい、チト微妙だと、揚げ足取りのようなことを申し上げた。そしたら、今回の鈴木君も、「エスパルスでプロキャリアをスタートできることを大変嬉しく思います」と、ほぼ同じような表現を使っている。移籍が当たり前になった今日では、こういう表現がテンプレと化しているのだろうか? まあ、いいや。

 さて、明日に迫ったアウェー浦和戦に向けては、非常に気になる情報が入ってきた。今週、ドウグラスが練習中に体調不良を訴え、早目に切り上げたということである。

 エウシーニョが怪我明けの上に、湘南戦ではヘナトが負傷して、ドウグラスの体調も思わしくないとすると、上昇ムードにあったチームにも、暗雲が垂れ込めることになる。3人のコンディションについては続報がないので、浦和戦のメンバーは、当日蓋を開けてみないと分からないといったところだろうか。まあ、先日、当S研では、「清水の情報、漏れ過ぎでは?」なんて苦言を呈したくらいだから、この方が浦和もやりにくいかもしれないが。

 今の清水にとって、ドウグラスを欠くということは、桑田のいないサザンと言おうか、渥美清のいない寅さん映画と言おうか、それくらいの喪失であることは間違いない。しかし、一時は「ドウグラス以外に誰も点をとれない」と言われていたチームが、名古屋戦、湘南戦と、ドグ以外のゴールで勝利を手繰り寄せた。もちろん、ドグが前線で収めてくれるという前提ありきのサッカーではあるが、一頃よりは多少は崩しの形が見えてきている。

 元々、今季開幕の時点では、今季はドグという大黒柱を欠くシーズンになる可能性もあったわけである。その後、力強く復活して、期待通りの貢献をしてくれたとはいえ、ドグなしでの戦いを強いられることは、最初から想定されたことである。もちろん本人の体調が回復して活躍してくれることが一番だが、仮にエースを欠いても、その試練にチーム一丸で立ち向かってほしい。

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